Ubuntu日和
【第88回】Sandy Bridgeおじさんも安心!?リリースされたばかりのUbuntu 26.04 LTSをご紹介
2026年4月27日 06:04
去る4月23日(現地時間)、Ubuntu 26.04 LTSがリリースされた。
Ubuntuは偶数年の4月に長期サポート(Long Term Support)をリリースしており、この26.04 LTSも該当する。標準サポートで5年間、拡張セキュリティメンテナンス(ESM)で5年間延長、レガシーアドオンの5年間延長で最長15年間のサポート期間となる。拡張セキュリティメンテナンスまでは無料で使用できる。詳しくは第13回を参照してほしい。
LTSとLTSの間のリリースは、中間リリースと呼ばれている。Ubuntuは半年ごとにリリースのため、普段遣いのOSとしてはなかなかの高頻度だ。多くの場合、LTSからLTSへと乗り継いでいることであろう。
というわけで、今回は24.04 LTSから26.04 LTSへの特徴的な変更点を紹介する。また「Ubuntu 26.04 LTS、メモリ6GB要件で「Windows 11より多い」と話題」という記事があったりもしたので、どのぐらい古いPCでも実用的に稼働するのかを探ってみたい。
なお、26.04 LTSのコードネームはResolute Raccoon、「決然としたアライグマ」という意味だ。
Ubuntu LTS 20周年
本誌は今年(2026年)で30周年を迎えたが、Ubuntu初のLTSから今年で20年を迎えた。
Ubuntuの最初のバージョンは4.10であり、4月と10月の年に2回リリースは当初と変わっていない。しかし過去に1度だけリリースが延びたことがある。それが初のLTSでもある6.06 LTSだ。バージョンから分かる通り2カ月延びた。実際には6月1日リリースだったので1カ月と少しであったのだが。
延びた理由はさまざまだが、そのうちの1つは日本語を含むCJKサポートの追加がある。換言すると6.06 LTSより前のバージョンでは日本語非対応であった。
日本語に必要なパッケージが追加されたとはいえ、かゆいところに手が届くほどではなかったので、独自の派生版である日本語Remixがもてはやされたという歴史がある。
筆者の旧NAS(実はNextcloud)を探してみると6.06 LTS日本語RemixのISOイメージが見つかったので、VirtualBoxの仮想マシンとしてインストールしてみた。20年前のUbuntuでも特に難なくインストールできるのは、筆者のようなロートルの面目躍如である。
26.04 LTSの変更点
では具体的な変更点を見ていこう。
Xセッションの廃止
24.04 LTSから26.04 LTSの変更点で一番大きいのは、Xセッションが使用できなくなったことであろう。しかし、現状よほど特殊なことをしていない限りはXセッションがなくなって困ることはないはずだ。NVIDIAのプロプライエタリなドライバーも、結構前のUbuntuからWaylandセッションに対応している。
Waylandに対応していない古いアプリケーションであっても、Xwaylandという仕組みを使用して動作する。スクリーンキャプチャ系や共有スクリーン系のアプリケーションは正常に動作しないものもあるが、現在はWayland対応が進んでおり、概ね困ることはなくなっていることだろう。
Coreutilsやアプリの変更
cpやlsといった最も基本的な機能を提供するコマンド群としてCoreutilsがある。また管理者権限を得るsudoコマンドがある。これらがプログラム言語Rustで再実装されたものに置き換えられた。通常は何ら影響を及ぼすものではないが、場合によってはこれまでに書き溜めたシェルスクリプトで問題が発生する可能性はある。実運用を開始する前によく確認してほしい。
アプリに関しては置き換わっているものを表にまとめる。カッコ内はパッケージ名だ。
| ジャンル | 旧 | 新 |
|---|---|---|
| 動画再生 | ビデオ(totem) | ビデオプレイヤー(showtime) |
| ドキュメントビューアー | ドキュメントビューアー(evince) | ドキュメントビューアー(papers) |
| 画像ビューアー | 画像ビューアー(eog) | 画像ビューアー(loupe) |
| 端末 | 端末(gnome-terminal) | ターミナル(ptyxis) |
| タスクマネージャー | システムモニター(gnome-system-monitor) | Resources(resources) |
注目は「Resources」で、これまでのシステムモニターと比較して、NPUなどさらに多くの状態を表示できるようになっている。筆者が試した限りでは、現状AMD(XDNA2)とIntelともに正常な値は表示されなかった。
ほかには「セキュリティセンター」というアプリが追加されている。これはUbuntuのセキュリティ関連の設定をまとめるべく開発が進んでいるものであるが、Ubuntu Proを利用しない限りあまり使いどころはない。
「ソフトウェアとアップデート」と「追加のドライバー」がデフォルトではインストールされなくなっている。内部的には両者は同一のものではあるが。パッケージ名は「software-properties-gtk」なので、必要に応じてインストールしよう。ただし、リリース時点では正しく動作しないようだ。
「アプリセンター」に関してはDebパッケージのアップデートが可能となった。秀逸なのはsnapパッケージも一連の操作でアップデートできることだ。今まではsnapパッケージとDebパッケージは別々のタイミングでアップデートすることになっていたが、ユーザビリティという観点ではよくなかった。
「ファイル」は操作が大きく変わって要注意なアプリである。たとえば今まではNASにアクセスしようと思ったら「他の場所」を開く必要があったが、「ネットワーク」が新設されたのでそちらをクリックすることになる。
しかしローカルドライブの「/」から閲覧する機能はなくなってしまった。隠しファイルの表示非表示切り替えをワンクリックでできる機能もなくなった。Ctrl+?キー(Ctrl+Shift+/キー)をクリックするとショートカットキー一覧が表示され、いずれの機能もショートカットが紹介されている。ショートカットキーを覚えてバリバリ活用しろという設計になっているようだ。
Ubuntu 26.04 LTS on Sandy Bridge
「Ubuntu 26.04 LTS、メモリ6GB要件で「Windows 11より多い」と話題」となり、これまでのように古いPCで動作しなくなるのかと不安に思う気持ちはよくわかる。
では古いPCで問題なく動作するかを検証すればいいのではと思いたち、スペックを覚えていないPCの電源を入れてみたらCore i5-2400Sを搭載したPCであった。Sandy Bridge世代である。
マザーボードはASRock B75M-ITXであった。SATA3のポートが1つしかないというのが時代を感じる。
接続されていたPLEXTORブランドのSSDでは起動できなかったが、おそらくインストールされていたのは14.04 LTSである。少なく見積もっても10年ぶりに火を入れたということになる。
代わりに接続したのは年代が近いと思われるOCZのSSDとした。OCZのSSDはいくつか購入したが、これが最後の生き残りだ。
最新の26.04 LTSの開発版ISOイメージでは正常に起動できなかったのが気がかりではあるものの、少し前のバージョンでは起動できたのでインストールを進めた。
実はインストール時には結構メモリを食う。最大で4GBを超えることもあるので、最低メモリ容量が6GBというのはそれなりに説得力がある。
一方CPUの使用率はそれほど高くない。もちろんそれはインストールがサクッと終わることは意味しない。CPUの速度云々よりもストレージの速度が影響している可能性が高い。
CPUの温度が高すぎるのでCPUファンを交換するべきかと考えながらインストールを完了させたら、PCが起動しなくなってしまった。原因を探るためパーツを取っ替え引っ替えしてみたものの、一向に改善しないのでこれはメモリでは、ということで1枚を取り外してみたら無事に起動してきた。CPUやマザーボードの故障ではなくてよかった。
さらにうちの中をガサゴソと探してみたらDDR3のメモリが出てきたのでこれと交換して検証を継続することとした。メモリのチップを見てみるとエルピーダのロゴが書かれていた。DDR3の頃はエルピーダのメモリを買い漁っていたことを思い出した。エルピーダという名前が消滅してしまった今となっては、ほろ苦い思い出だ。
ベンチマーク等定量的に示すのは難しいが、概ねサクサクと動作している。多少引っかかりを覚えなくもないものの、おそらくストレージが遅いのが原因であり、より高速なものに交換すればさらに快適になると思われる。問題はSATAのSSDですら値段がべらぼうに高騰していることだが。
Windows 10のサポート終了で絶滅してしまったはずのSandy Bridgeおじさんも、安心して墓から出てきてUbuntu 26.04 LTSをインストールしてほしい。もっとも、メモリが潤沢にある場合はWindows 11が動作しているPCにVirtualBoxやHyper-Vを動作させ、26.04 LTSをインストールするほうが快適であることは論を俟たない。
Sandy Bridgeでも動作するのであれば、より新しいハードウェアであればより快適に動作するであろうことは想像に難くない。この世代あたりのPC基準とし、これより古ければフレーバー(公式派生版)であるLubuntuをお勧めしたい。
ところで、24.04 LTSからのアップグレードはどうやるの?
Ubuntu 24.04 LTSから26.04 LTSへのアップグレードは、原則としては26.04.1 LTSがリリースされるのと同時に解放される。26.04.1のリリースは7月を予定しているので、7月まで待つ必要があるということだ。ちなみに26.04.1のようなリリースは、ポイントリリースと呼ばれる。
あくまで「原則としては」であり、26.04.1のリリースが(考えにくいが)8月まで延びる可能性はあるし、また過去にはポイントリリースがあってもLTSのアップグレードが解放されず、しばらく待ったこともあった。このあたりは今後どのようなバグが見つかり、それがどのタイミングで修正されるのかが絡むので現段階では今後を予想するのは難しい。
現段階でも24.04 LTSから26.04 LTSへのアップグレードを有効にできる裏技は存在するが、まったくおすすめしない。あらゆる不具合を踏み抜く覚悟でもない限りはやるべきではない。
機が熟したら「新しいバージョンのUbuntuが利用可能です。アップグレードしますか?」というダイアログが表示されるので、それを待とう。果報は寝て待て。
参考までに、22.04 LTSから24.04 LTSのときには次のようなダイアログが表示される。26.04 LTSではタイトルのバージョンが変わるだけのはずだ。






























