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Pixel 11の狙いはスマホへの没頭時間削減。Pixelは“気が利くAIエージェント”に

Google Pixel 11シリーズ

 「画面への没頭」を避け「現実の時間を奪還する」。Googleの開発者が「Google Pixel 11」で念頭に置いた開発思想だ。字面だけだとまるで時代に逆行するかのようにも見えるが、そうではない。

 Pixel 11は潮流を見据え、AIエージェントスマホへの進化を先取りした。これまでユーザーがやっていた面倒な操作はエージェントが代行する。アプリの壁を越え、先回りしてエージェントが動作することも可能だ。

 こういった機能により、ユーザーの最小限の関与で、最大限の価値を提供する。その分、ユーザーは家族と友人との会話など現実の世界での行動に時間をより割けるようになる。これが『「画面への没頭」を避け「現実の時間を奪還する」』の意味するところだ。

Pixel 11のAI機能を支えるハードウェアの仕様

SoCはGoogleのTensor G6を採用

 従来通り、Googleの独自SoCの世代が上がり「Tensor G6」へと進化した。こちらも過去数世代と共通で、一般的な演算性能やゲーム性能よりもAI性能の向上を重視しており、TPUの性能を50%高めたことで、デバイス上でのAI(Gemini Nano)の処理速度は最大3.5倍に高速化しつつ、エネルギー消費量は最大3.5分の1に抑えたという。

 このほか、Webブラウジング性能も25%、アプリの起動速度も15%高速化されている。

 一方、メモリについては、Pixel 11 Pro、Pixel 11Pro XLという上位モデルでも、ストレージ256GBモデルの容量がこれまでの16GBから12GBへと削減されている。昨今のメモリ価格高騰を受けてのことと思われる。

 ただし、両製品の512GBと1TBモデル、およびPixel 11 Pro Foldは全モデルでメモリ16GBを搭載する。

 デザイン面ではカメラ部の厚みを40%削減。純正ケース着用時は背面がほぼフラットになった。

ケースに入れたところ

 バッテリ駆動時間は前世代と同じ30時間以上となっているが、前世代ではPro XLのみだったQi 2.2対応が全モデルへと拡充された。対応充電器であれば25Wでの無線充電ができる。

Pixel 11無印もQi 2.2による25W無線充電に対応した

スマホをポケットにしまえる「気が利くアシスタント機能」

 前述の通りPixel 11シリーズは、指示を待つAIから、状況を察して自ら動く「パーソナルエージェント」へ進化した。そのキーワードの1つが「先回り」だ。

 たとえばチャットアプリで友人と会話していて、旅行についての話題になった場合、AIがその文脈から旅程情報がいるんだと判断し、フライト状況を自動でカード化してチャットアプリ上に表示してくれる。

 また、友達とレストランをどこにするかという話になると、AIがその場でカレンダーの空き時間を確認して提示してくれたりする。

 そして、「明日あの店に行こう」と合意したら、移動中などにGeminiがバックグラウンドでレストラン予約などを自律代行する。

友だちとのチャットでレストランの話になると、AIが文脈を読み取り、レストランの口コミ情報を表示
チャットでランチに誘われると、自分のカレンダーの空き時間も照会してくれる

 さらに、駅に近づけば自動で交通パスや列車の時刻表をロック画面に表示したり、レストランで料理写真を検索すれば、その店の口コミ情報を提示したりする。

 このように、アプリを何度も行き来して、検索、入力、決済などの複雑なプロセスをすべて自分で行なう手間を、AIエージェントが「気が利く」形でスマートに省略してくれる。

 ただし、自動生成したメールなどの送信、あるいは予約や決済の実行など、重要な同意や最終ステップは、常にユーザー自身の確認と承認を経て進める設計となっている。

お店の予約もさせられるが、その決定など重要なところはユーザーが作業する

 これ自体はAI機能ではないが、Pixel 11 Pro/Pro XLには、カメラのフラッシュ周辺に「HiLight」を搭載した。あらかじめ特定の連絡先を登録しておくと、その人からの着信があったときに、指定した色でLEDが光る。

 Pixelを伏せて机に置いておくとサイレントモードにできる。作業中など、なるべく通知などに邪魔されたくないが、重要な着信だけは気付きたいときなどに活用できる。

LEDで重要な連絡先からの着信を知らせるHiLight。Geminiの進行状況も表わせる

記録はPixelに任せて、自分は目の前を楽しめるカメラの新機能

 カメラはハードウェアレベルでもセンサーが進化した。

 Pixel 11無印とPro Foldは、メインの広角カメラが大型化し、Pixel 10と比べて光感度が56%向上した。

 Pixel 11 ProとPro XLも解像度は変わらないがメイン広角カメラのセンサーを刷新。望遠カメラも再設計し、光感度が30%向上したほか、5倍ポートレートモードに対応した。ズームについては、Tensor G6と最新画像処理モデルの組み合わせで、最大120倍の超解像ズームができるようになった。

Pixel 11のカメラの主な仕様
Pixel 11 Pro/Pro XLのカメラの主な仕様
Pixel 11 Pro Foldのカメラの主な仕様

 カメラの機能面で追加されたのが「マジックキャプチャー」。この機能の開発のコンセプトは、友人や家族、できごとなどを「スマホの画面越し」ではなく「肉眼」で楽しむというものだ。

 撮影時にこのモードを選ぶと、最大2分間分の動画が撮影される。撮影を終了すると、約400フレームがAIによって自動解析。解析されたフレームの中から、笑顔の瞬間や手ブレの最も少ない静止画が1,200万画素で切り出される。枚数は解析内容に応じて変化する。

 加えて、ユーザーの同意のもと、AIがその写真に適したトリミング、傾き補正、ボケ補正などの調整を自動的に施し、そのままSNSにシェアできるレベルの写真に仕上げてくれる。

 笑顔や、ペット、スポーツ、花火といった「動きが予測しづらく、写真で一瞬を捉えるのが難しいシーン」で真価を発揮する。また、撮影者はベストショットを撮影しようとカメラをのぞき込む必要がなくなり、肉眼でできごとを楽しみながら、撮影はカメラに任せきることができる。

 元の動画はそのまま保存されるので、自分の好みの瞬間と違っていた場合は、手動で別の瞬間を選んで書き出し直すことも可能だ。

マジックキャプチャーを使ってラフに動画を撮る
するとAIがいい場面を写真として書き出してくれる

 「クリエイタースイート」という機能も追加された。プロジェクトごとに写真や動画をフォルダで整理したり、ストーリーボードでブラッシュアップするといった文字通りのクリエイター向け機能。

 ユニークなのがテレプロンプター機能がある点。たとえば自撮りする際にあらかじめ用意したテキストを表示させることで、カメラ目線で台本通りのセリフを読み上げられるようになる。

クリエイタースイート機能を使って、テレプロンプター機能を利用できる

iPhoneからの乗り換えがさらに楽に

 単体の機能ではないが、iPhoneからの乗り換えも強化された。これまでもデバイスの設定やカレンダーの予定、写真などをiPhoneからPixelへと移行できる機能があった。

 Pixel 11では、eSIM、Googleアカウント、パスワードとパスキーも移行できるようになった。また、従来はWi-Fiで移行可能な項目は少なかったが、ケーブルでもWi-Fiでもすべての項目を移行できるようになった。

 重複課金を避けるため、iOSのApp Storeに登録されている定期サブスクリプションを自動検出することもできる。ただし、これもAIが自ら解約まで完了させることはなく、ユーザーの判断で解約できる。

 また、Googleアカウントを持っている場合は、Pixel 11を購入時点からiPhoneの各種データをGoogleのクラウドにアップロードできるようになった。これにより、Pixel 11が届いた時点でアップロードを待たなくてよくなった。

 このほか、従来通り、Quick ShareはAirDropに対応する。

iPhoneから乗り換えるとき、事前にiPhoneのデータをGoogle Driveにアップロードでき、移行作業時間を短縮できる
移行内容も拡充された