特集
ドコモのホームルーター vs 固定回線。速度・料金・手軽さで比べた結果……
2026年5月4日 06:31
新生活がスタートし、慌ただしい毎日を送っている人も多いと思う。特に引っ越してこれまでとは異なる環境に身を置くことになった人にとっては、期待はありつつも不安が大きいのではないだろうか。
そんな中でよくある困りごとが「ネット回線が遅い」とか「回線がなかなか開通しない」といったもの。マンション・アパート備え付けのネット回線があまりにも低速だったり、固定回線を申し込んだけれど開通まで時間がかかりすぎたり。
ただでさえ不安やストレスが多い時期なのに、それに拍車がかかるこの状況、どうにかならないものか。そこで選択肢の1つとして考えられるのが、NTTドコモが提供している「home 5G HR02」(以降、home 5G)だ。home 5Gがどんな風に使えて、どんなメリットがあるのか、紹介しよう。
最短3日で届き、電源とSIMを入れるだけで使い始められる
home 5Gは、固定回線がなくてもPCやスマホなどでインターネット通信が可能になるホームルーター。これにPCやスマホから接続することで、home 5Gを介してNTTドコモのモバイルネットワークに接続し、インターネットにアクセスできる。
ある意味「モバイルルーターを据え置き型にした半固定なネット回線」という見方もできるだろう。バッテリ駆動ではないので付属ACアダプタでコンセントに接続しておかなければならないが、言い換えれば必要なことはそれだけ。
固定回線にあるような事前・事後の工事が不要で、申し込みしてから最短3日で届く。あとはSIMカードを挿入し、電源を入れるだけで準備完了。別途home 5G側で設定するようなことは基本的になく、PCやスマホ側から接続すればすぐに使い始められるプラグ&プレイなデバイスなのだ。
モバイルネットワークは4G(LTE)と5Gの両方に対応しており、日本全国ほぼどこでも使えるといってよい。また、home 5GとPC・スマホとは無線LAN(Wi-Fi 6など)と有線のどちらでも接続可能となっている。
有線接続用のポートは1GbEと2.5GbEの2つあり、2台同時に接続OKで、無線より安定した通信が得られる。設置場所が5Gエリア内なら、その高速通信をフルに生かせる2.5GbEポートをできれば使いたい。
初期・運用コストは割引施策やキャンペーンで抑えられる
まず気になるのはコストだろう。公式のドコモオンラインショップにおける本体価格は7万3,260円(一括支払時、最大48回の分割払可)で、それとは別に月額5,280円の「home 5G プラン」の契約が必須となる。
これだけ聞くとかなりの負担に思えるが、割引施策や現在実施中のキャンペーン(2026年5月7日まで)を利用すれば出費は最小限に抑えることが可能だ。
まず本体価格については、「home 5G プラン」の契約者を対象とした「月々サポート」という割引制度が用意されており、これで7万3,260円を相殺できる。初月1,585円、2カ月目以降1,525円が最大48カ月割り引かれるもので、2年使い続ければ実質プラスマイナスゼロというわけだ。
また、新規契約の場合は計3万1,680円相当のdポイントを獲得できるようにもなっている。ドコモ商品の購入やケータイ料金の支払いといった「用途限定」のポイントではあるものの、これで月額料金5,280円の6カ月分を相殺できることになる。
他社のホームルーターから乗り換える場合は、解約費用分のdポイントを最大2万2000ポイントゲットできるほか、ドコモのスマホで特定のプランを契約している場合は月最大1,210円の割引を受けられる、といった特典もある。これらを利用できればよりおトク感が増すだろう。
とはいえ、一般的な固定光回線と比較したときには月額料金が少し割高に感じるところではある。たとえば「ドコモ光」の1Gbps光回線だと、マンションタイプで4,180~4,620円(2年定期契約時)と1,000円前後安い。10Gbps光回線(5,940円~)よりは安価だが、コストパフォーマンスで考えるとhome 5Gが不利なことは確かだ。
「電波のよくない環境」でも速度アップが狙える?
「コストパフォーマンスは不利」と書いたが、実際のパフォーマンスはどうだろうか。仕様上は5G時に受信最大4.2Gbps、4G(LTE)時に同最大1.7Gbpsとうたっており、これだけ見ればかなり高速だ。
ただし、当然ながらモバイルネットワークの通信速度は電波状況や周囲の混雑状況に左右される。たとえば筆者宅は5Gエリア内にあるものの、もともとスマホで同じドコモ回線を利用していた場合でもさほど高速な通信はできていない。そんな環境ではあるが、速度計測してみた結果が下記だ。
スマホ単体でモバイル回線を使用した場合、つまり筆者宅でスマホをWi-Fiにつなげずに通信した場合の速度は約76Mbpsだった。これくらいあればひと通りのネット利用は問題ないが、やはり高速とはいえない。対してhome 5G使用時はその4倍超となる346Mbpsにまで向上した。
PCでの有線接続時は400Mbpsに迫っており、スマホのモバイル回線を(PCの場合はテザリングなどで)使うよりはるかに快適だ。ちなみにPCでhome 5GにWi-Fi接続したときにスマホより成績が落ちているのは、home 5Gとの位置関係によるもの。
高速に通信するためには、窓際などできるだけ電波状況の良い場所にhome 5Gを置くのがおすすめだ。その意味では、電源さえ確保できれば自由度高く設置できるのはhome 5Gの利点ともいえる。
ただ、移動しにくいデスクトップPCから利用する場合は、Wi-Fi接続だと若干不利だ。可能な限りLANケーブルで接続し、home 5Gの帯域を最大限活用したい。
なお、下り速度はそれなりに高速なのに対し、上り速度はどのパターンでも1桁Mbpsで振るわない。これは、そもそものhome 5Gの仕様が5G時に送信最大218Mbps、4G(LTE)時に同最大131.3Mbpsと、上り速度があまり重視されていないことも要因だろう。
下りがメインになるWebブラウジングや配信動画の視聴などは問題ないが、大容量データのアップロードを頻繁に行なうような用途にはあまり向かない、ということは覚えておきたい。
固定回線が使いにくい環境・職業の方に有効な選択肢
home 5Gは、工事が不要で最速3日後には手元に届き、固定回線的にPCやスマホでネット利用できるお手軽なホームルーターだ。高速な光回線がまだ利用できない地域や、むしろモバイルネットワークの方が高速なエリアであれば、有効な選択肢になるだろう。
もしくは、固定回線の工事が遅すぎて待てない、一定期間ごとに転勤する可能性がある、といった人にとっても、すぐに使い始めることができて転居先でも使える(要住所変更手続き)home 5Gはメリットが多い。
一方で、居住エリアや設置場所が回線速度に大きく影響すること、上り速度は期待できないことなど、不安定要素には留意しておく必要がある。ファイルアップロードもそうだが、FPS/TPSのような高速かつ低遅延な通信が要求されるオンラインゲームに向いているとも言いがたい。そうした使いどころ、避けどころを頭に入れつつhome 5Gの導入を検討してみてほしい。




























