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Amazonで買える1万円台の中華激安スマホって実際どうなの?使って試してみた

~試したスマホを1名様にプレゼント!

「OUKITEL C3」。実売価格は1万3,900円前後(12月18日時点)

 昨今のスマホは高価だ。大容量ストレージモデルであれば30万円超え。HUAWEIの3つ折りスマホ「HUAWEI Mate XTs」は、最上位モデルだと直販で約48万円だ。ちょっと目を疑いたくなる価格である。

 一方で対極的な存在と言えるのが激安スマホだ。円安が進んでいる現在でも、1万円台のAndroidスマホが販売されている。全体的にスマートフォンの価格が上昇している中で、これら1万円台のデバイスがどのぐらい使いものになるのか気になる……というか心配している人も少なくないだろう。そこで今回は、1万円台のAndroidスマホ「OUKITEL C3」を使って実際どうなのか検証していこう。

 定番のベンチマークやカメラテストだけでなく、Webブラウザ、動画プレーヤー、電子書籍ビューワ、ゲーム(原神)などを試すとともに、具体的にどのぐらいのスピードで動作するのかが分かりやすいよう、動作している様子を動画で撮影した。これから1万円台のAndroidスマホの購入を検討している方の参考になれば幸いだ。

 なお、今回試用したOUKITEL C3を抽選で読者の方にプレゼントする。ふるってご応募いただきたい。

広角カメラだけなのに何故かトリプルカメラデザイン

 OUKITEL C3は、OSにAndroid 14、SoCにUnisoc T310を採用したスマートフォン。メモリは4GB、ストレージは128GBを搭載。microSDカードスロットが用意されており、最大1TBのカードを装着可能だ。実売価格は1万3,900円前後(12月18日時点)。

 なお、ストレージを64GBに抑えた下位モデル(同1万1,900円前後)もラインナップされているので、予算に応じて選べる。

 ディスプレイは6.52型1,200×540ドット液晶を装備。サウンド機能としてはモノラルスピーカー、マイクを内蔵している。

 カメラは背面に1,300万画素広角(F2、Samsung S5K3L8)、前面に500万画素(F2.2、Samsung S5K5E9)を搭載。背面デザインはトリプルカメラ仕様となっているが、左上が1,300万画素広角カメラで、ほかの2つはダミーだ。説明書にもこれらのカメラについては記載がない。右下の環境光センサーのようなものもダミーだが、LEDフラッシュは機能する。見栄を張るためのデザイン……なのかもしれない。

ディスプレイは6.52型1,200×540ドット液晶
カラーはスターダストブラック、サンライズゴールド、ブロッサムピンク、オーシャンブルーの4色
下面には左からスピーカー、USB Type-C、3.5mmヘッドフォンジャック、マイクを用意
右側面にはボリュームボタン、電源ボタン、左側面にはSIMカード/microSDカードスロットを配置

 インターフェイスはUSB Type-C、3.5mmヘッドフォンジャックを装備。ワイヤレス通信はWi-Fi 5、Bluetooth 5.0をサポートしている。

 本体サイズは163×76.1×9.3mm、重量は199g(ともに実測値)。カラーはスターダストブラック、サンライズゴールド、ブロッサムピンク、オーシャンブルーの4色。5,000mAhのバッテリを内蔵しており、バッテリ駆動時間はビデオ再生8時間、音声通話29時間、ゲームプレイ6.5時間だ。

パッケージ
パッケージ背面。本体背面にもあるが、技適マークが印刷されている
パッケージには、本体、ソフトケース、USB ACアダプタ、USBケーブル、説明書類、SIM取り出しピンが同梱
カードトレイには、Nano SIMカード2枚またはNano SIMカードとmicroSDカードを1枚ずつ装着できる
USB ACアダプタにはPSEマークがある。USBケーブルの長さは実測100cm
USB ACアダプタの型番は「HJ-0502000W2-US」。仕様は入力100~240V/0.3A、出力5V/2A、容量10W
本体の実測重量は199g
USB ACアダプタとUSBケーブルの合計重量は実測56.7g
ソフトケースの重量は実測25.1g
OSAndroid 14
SoCUnisoc T310
CPUArm Cortex-A75@2GHz×1、Arm Cortex-A55@1.8GHz×3
GPUPowerVR Rogue GE8300
メモリ4GB
(仮想メモリ拡張機能利用時16GB)
ストレージ128GB
(最大1TBのmicroSDカードを装着可能)
ディスプレイ6.52型1,200×540ドット液晶
(縦横比20:9、リフレッシュレート60Hz、輝度450cd/平方m)
サウンドモノラルスピーカー、マイク
背面カメラ1,300万画素広角(F2、Samsung S5K3L8)
前面カメラ500万画素(F2.2、Samsung S5K5E9)
インターフェイスUSB Type-C、3.5mmヘッドフォンジャック
ワイヤレス通信Wi-Fi 5、Bluetooth 5.0
バッテリ5,000mAh
バッテリ駆動時間ビデオ再生8時間、音声通話29時間、ゲームプレイ6.5時間
セキュリティ顔認証(画像)
防水防塵-
実測サイズ163×76.1×9.3mm
実測重量199g
カラースターダストブラック、サンライズゴールド、ブロッサムピンク、オーシャンブルー
実売価格1万3,900円前後(12月18日時点)

ベンチマークだと性能はフラグシップ機の1~2割程度

 それではまずは定番ベンチマークを実施してみよう。ただし、総合ベンチマーク「AnTuTu Benchmark V11.0.6」は、「HEIFデコーディング」の計測中にアプリが落ちてしまい計測できなかったため、それ以外のベンチマークを実施している。

 CPU/GPUベンチマーク「Geekbench 6.5.0」のMulti-Core Scoreは843、Single-Core Scoreは446、3Dグラフィックスベンチマーク「3DMark」のWild Lifeは228、AIベンチマーク「Geekbench AI 1.5.0」のSingle Precision Scoreは86、Half Precision Scoreは86、Quantized Scoreは144を記録した。

 Snapdragon 8 Elite for Galaxyを搭載する「Galaxy S25」のベンチマーク結果によれば、「Geekbench 6.5.0」のMulti-Core Scoreは9631、Single-Core Scoreは2,729を記録している。つまり、「OUKITEL C3」は「Galaxy S25」に対して、「Geekbench 6.5.0」のMulti-Core Scoreは約9%相当、Single-Core Scoreは約16%相当のスコアに留まったわけだ。

「AnTuTu Benchmark V11.0.6」は、「HEIFデコーディング」の計測中にアプリが落ちてしまい計測できなかった
「Geekbench 6.5.0」のMulti-Core Scoreは843、Single-Core Scoreは446
「3DMark」のWild Lifeは228
「Geekbench AI 1.5.0」のSingle Precision Scoreは86、Half Precision Scoreは86、Quantized Scoreは144

Webブラウジングや動画視聴なら実用的。カジュアルゲームなら遊べそう

 以前、同様に1万円台のスマートフォンであるXiaomi「Redmi 12C」を試したことがあるが、それと比べてもOUKITEL C3はベンチマークスコアが低いということで、今回こそパフォーマンスに不安を感じていた。しかし、実際に使ってみると「Chrome」アプリでのWebブラウジング、「YouTube」アプリでの動画視聴、「Kindle」アプリでの読書などであれば、特にストレスなく利用できた。

 画面が表示されるまでにやや待たされ感があるが、表示されてしまえばスムーズに操作できる。一般的な用途であれば、実用的な処理能力を備えていると言えそうだ。

 ただ、「原神」はかなりキツイ。ほかのエントリースマホでも、データのロード、展開、そしてシェーダーの作成で相当な時間がかかることがある原神だが、プレイ中も明らかに描画が追い付いておらず、フレーム落ちどころか、モデルが崩れて表示されている。本機でプレイできるゲームは、「Angry Birds」「Crossy Road」のようなカジュアルゲームだと考えておいたほうがよさそうだ。

「Chrome」アプリでブラウジング
「YouTube」アプリで動画視聴
「Kindle」アプリで読書(鈴木みそ氏「ナナのリテラシー1」より)
「原神」の冒頭をプレイ
デフォルトで設定された「原神」のグラフィックス設定
「原神」実行中の背面の最大温度は42.3℃

 バッテリ駆動時間については、ディスプレイ輝度、ボリューム50%でYouTube動画を2時間連続再生したところ、バッテリ残量は82%となった。単純計算でバッテリ残量0%まで約11.1時間動作することになる。スペックでは8時間の動画再生と謳われているので、公式発表通りのスタミナ性能を備えていると言えそうだ。

ディスプレイ輝度、ボリューム50%でYouTube動画を2時間連続再生した際のバッテリ残量は82%

1万円台スマホとしては、画質は悪くないし発色にも癖はない

 ディスプレイには、6.52型1,200×540ドットの液晶ディスプレイを搭載している。リフレッシュレートは60Hz、輝度は450cd/平方mだ。1万円台後半で購入できるスマートフォンのディスプレイとしては、画質は悪くない。発色にも特に癖はないと感じた。

 ただスペックに記載“されていない”通り、HDR動画の再生には対応していない。マイナスポイントとしてではなく、昨今のミドルレンジクラスの製品との違いとして考えるのが妥当だろう。

1万円台スマホだが意外に鮮やかに画像を表示できる
昨今のミドルレンジクラスのスマホと異なり、HDR動画の再生には非対応

スナップ写真を撮るのであれば、「トイカメラ」感覚で楽しめるかも?

 カメラは、背面に1,300万画素広角(F2、Samsung S5K3L8)、前面に500万画素(F2.2、Samsung S5K5E9)のものを搭載している。どちらもSamsung製のイメージセンサーだが、ローエンドからミドルレンジクラス向けの製品だ。

 今回標準のカメラアプリでテスト撮影してみたが、条件がよければそれなりの画質で撮影できた。しかし、画面内に強い色が含まれていると不自然な色になったり、逆光では露出がかなりずれてしまう。またNightモードが用意されているが、今回のようにかなり暗い被写体の場合には、デフォルトモードのほうが自然に撮影できた。

 日常的にスナップ写真を撮るのであれば、「トイカメラ」感覚で楽しめなくはないが、ある程度綺麗に撮影したいのであれば、マニュアル撮影機能が充実しているサードパーティ製カメラアプリを使ったほうがよさそうだ。

左上がメインカメラ。ほかのふたつのカメラは飾りだ
作例
メインカメラで撮影
メインカメラ(4倍デジタルズーム)で撮影
メインカメラで撮影
メインカメラで撮影
メインカメラで撮影
メインカメラで撮影
メインカメラ(Nightモード)で撮影
メインカメラで撮影
メインカメラで動画撮影

「できること」「できないこと」を明確に線引きできるならアリ

 1万円台のスマホは、「できること」と「できないこと」を明確に線引きできる方が買うべきスマホだ。Web閲覧や動画視聴、電子書籍といった負荷の低い用途が中心で、「ゲームはひまつぶし」「カメラはメモ的に撮れればいい」ぐらい割り切れるのであれば、価格相応の満足感を得られる。スペックを追求しないかわりに、コストを抑えられるのは明確な利点だ。

 一方、「3Dゲームをプレイしたい」「SNSにそのままアップできる品質で写真や動画を撮りたい」というのであれば、安くても2万円台~3万円以上のスマホを購入したほうがいい。

 今回、1万円台、2万円台、3万円以上という価格帯で新しいスマホをピックアップしたところ、2万円台後半になるとかなりスペックが充実していた。中でも「moto g66j」はIP68の防水防塵と、おサイフケータイに対応しており、使い勝手がよさそうだ。

 大きなセールであるブラックフライデーは終わってしまったが、年末年始のシーズンにまたタイムセールでスマートフォンが安価に販売される可能性は十分にある。その時の端末選びに本記事を役立ててほしい。

【表1】1万円台スマートフォンの例
メーカー名製品名実売価格
(12月18日時点)
OSSoC物理メモリストレージディスプレイ備考
UMIDIGINOTE 90A1万2,900円前後Android 14 Go不明4GB64GB6.75型1,600×720ドット-
OSCALFlat21万5,600円前後Android 15Unisoc T6066GB256GB6.6型1,612×720ドット-
DOOGEENote56 plus1万8,900円前後Android 16Unisoc T72256GB256GB6.75型1,612×720ドット-
【表2】2万円台スマートフォンの例
メーカー名製品名実売価格
(12月18日時点)
OSSoC物理メモリストレージディスプレイ備考
FOSSiBOTF110L2万2,900円前後Android 15Dimensity 63004GB128GB6.745型1,600×720ドットIP68
XiaomiPOCO M7 Pro 5G2万6,300円前後Android 14Dimensity 7025-Ultra8GB256GB6.67型2,400×1,080ドットIP64
モトローラmoto g66j 5G2万8,000円前後Android 15Dimensity 70608GB128GB6.7型2,400×1,080ドットIP68/69、おサイフケータイ
【表3】3万円以上スマートフォンの例
メーカー名製品名実売価格
(12月18日時点)
OSSoC物理メモリストレージディスプレイ備考
OPPOReno11 A3万2,220円前後Android 14Dimensity 70508GB128GB6.7型2,412×1,080ドットおサイフケータイ
OUKITELP1PRO3万8,900円前後Android 15Helio G1008GB512GB6.7型2,412×1,080ドット-
XiaomiPOCO X7 Pro4万2,980円前後Android 15Dimensity 8400-Ultra8GB256GB6.67型2,712×1,220ドットIP68

読者プレゼント

 この記事を読んでいただいた方の中から1名様に、今回の検証で試用した「OUKITEL C3」をプレゼントします。

プレゼント応募の決まり

どのプレゼントにも共通する決まりを以下に挙げます。詳しい応募方法は、各プレゼントごとの説明をご覧ください。
・当選者の発表は、商品の発送をもって代えさせていただきます。
・ご応募いただいた方の個人情報は発送のためだけに使用し、当選者決定後、データは削除します。
・いただきました意見や要望につきましては、個人情報を削除の上、編集部内で共有させていただきます。
・発送は宅配便または普通郵便にて行ないますが、長期不在、受け取り拒否などで未着の場合は当選を無効とさせていただきます。
・ご応募は日本国内に在住の方に限らせていただきます。
・本人以外の仮名や家族名義での応募は無効とさせていただきます。
・ご応募はおひとり様1通とさせていただきます。複数の応募を確認した場合は無効といたします。
・贈呈品につき、メーカーによる通常保証を受けられません。予めご了承ください。

応募方法

応募方法 :上記の条件を満たし、PC WatchのX(旧Twitter)アカウント(@pc_watch)をフォローの上、下記応募フォームに必要事項を入力して送信してください
応募締切 : 2025年12月26日(金) 11:59まで