特集

ロジクールやRazerなどゲーミングマウスのユーティリティ5種を使い比べてみる

 ほとんどのゲーミングマウスには、さまざまなカスタマイズを行なうための専用ユーティリティが用意されている。キー割り当てやDPI(Dots/Inch)調整などの基本的な設定項目のほか、ゲーム向けならではと言える機能を搭載しているのが大きな特徴である。

 たとえば、キー割り当てを自由に変更できる機能はゲーマーにとって重要だ。マウスのボタンに配置したいキーは人によって千差万別だし、プレイするゲームによっても変わってくるからだ。

 また、ボタン数を実質的に倍にできるシフト機能は、人によっては役立つ機能であり、カーソルの動作を滑らかにするために、マウスパッドに合わせてセンサーをキャリブレーションする機能が提供されているものもある。もちろん“ゲーミング”の代名詞たるLED照明のカスタマイズも基本的に行なえる。

 ただ、こうしたユーティリティはメーカーごとに大なり小なり機能な違いがある。ここでは、ゲーミングマウスとして人気のあるロジクール、Razer、ASUS、Corsair、SteelSeriesの5社の製品を集め、そのユーティリティを使い比べてみた。この記事を読んで、購入の際の参考にしてほしい。

 なお、同じメーカーのマウスでも、製品によってはユーティリティで利用できる機能とできない機能があったりする場合もある。今回は各社の1製品しか試していないので、機能を網羅できていない可能性があることに注意されたい。


ロジクール「G Hub」
グラフィカルで直感的な操作が行なえる

G Hubのメイン画面。中央には接続されている対応ゲーミングデバイスの画像が表示されている。デバイス画像の下にバッテリ残量が表示されるようになっているのは、ちょっと気の利いた配慮だ

 ロジクール「G Hub」(ver.2022.4.250563)のメイン画面には中央に使用中のデバイスが表示されており、その上部に「ゲームとアプリケーション」画面へのボタン、下部に新たなライト効果やプロファイルを入手できるリンクが配置されている。

 複数の対応デバイスが接続されている場合には、それぞれのイメージ画像が表示され、これらをクリックすることでカスタマイズ画面に移行できる。高機能なユーティリティのわりには、全体的にスッキリしたユーザーインターフェイスといった印象だ。

ゲームの登録

ゲームやプロファイルを管理する画面では、上段に検出されたゲームが、下段には上段で選択したゲームのプロファイルが表示される。手動で追加したい場合には、画面左側の「+」ボタンをクリックする

 「ゲームとアプリケーション」画面では、G Hubが自動検出したインストール済みゲームがリストアップされている。手持ちのゲームが認識されない場合は、画面左上の「+」ボタンから手動で追加することも可能だ。ゲームばかりでなく、Webブラウザやテキストエディタなどの実用アプリケーションも登録できる。

 ゲーム(またはアプリケーション)のいずれかを選択すると、紐付けられているプロファイルが下段に表示される。ここで新しくプロファイルを作成すれば、選択中のゲームに追加されるわけだ。また、プロファイルを上段のゲームにドラッグ&ドロップすれば、そのゲームにコピーできる。ただこの辺り、グラフィカルなUIにこだわるあまりか、分かりにくい上に使いづらいのが難点となっている。

ゲームの登録のために「+」ボタンを押すと、ファイル選択ダイアログが表示されるので、目的のプログラムファイルを選択すればOKだ。たとえばGoogle Chromeの場合なら「C:¥Program Files¥Google¥Chrome¥Application」にある「chrome.exe」を選択する

DPIの変更

 前述した通り、メイン画面にあるデバイスのイメージ画像をクリックすることで、プロファイルのカスタマイズ画面に移行できる。マウスの場合は「感度(DPI)」「割り当て」「LIGHTSYNC」の3つに分けられており、画面左端のボタンで切り替えるようになっている。カスタマイズしたいプロファイルは、画面左上のドロップダウンメニューから選択する。

 まずは「感度(DPI)」から見ていこう。この画面では、5つのステージに分けられた感度を、スライダーをドラッグすることで50DPI刻みで調整できる。

「感度(DPI)」画面では、5箇所のポイントをドラッグすることで、直感的にDPIを調整可能だ。ポイントが多すぎると感じるなら、スライダーの外にドラッグすれば、そのポイントを削除することもできる

 注目したいのは「DPIシフト」と呼ばれる機能だ。これは、「DPIシフト」ボタンを押している間だけ、一時的に別の感度に移行するというもの。DPIシフトに指定したい感度を選択し、画面右下の黄色の「◆」アイコンをクリックすれば、その感度がDPIシフト用として割り当てられる。

機能の割り当て

「割り当て」画面では、左側のリストから項目をドラッグして、右側のマウス画像のボタンにドロップすれば、その機能をボタンに割り当てることが可能だ。後述するが、マウス画像下の「Gシフト」スイッチを有効にすることで、セカンダリの割り当てを行なうこともできる

 「割り当て」画面では、文字通り、マウスのボタンにキーやショートカット、ファンクションなどを割り当てることができる。やり方は簡単で、画面左のリストから適用したい項目をドラッグし、マウス画像のボタンにドロップするだけだ。「コマンド」タブにコピーやペースト、ゲームバー表示などのショートカット、「キー」タブにAやB、@マークなどの単独のキー、「システム」タブにDPIのアップ/ダウンやメディアの再生/停止などのファンクションが用意されている。

マクロの作成

 「マクロ」タブでは、自作のマクロを作成可能だ。単独のキーだけでなく、前述したショートカットやファンクションも組み込める。G Hubにおいては、「A+B」や「Ctrl+Alt+C」などといった複数キーの同時押しはマクロ機能で作成する。組み合わせの自由度こそ高いが、ボタンのカスタマイズ機能で手軽に同時押しを割り当てられるほかのユーティリティと比べると、少々面倒と感じる部分だ。

「マクロ」タブの「新しいマクロを作成」ボタンをクリックすれば、独自のマクロを作成できる。単独キーはもちろん、ショートカットやマウスの動作なども登録できる。ゲームによっては重宝する「複数キーの同時押し」も、ここで作成可能だ

DiscordやOBSなどの外部アプリとの連携

 ユニークなのは「アクション」タブ。ここでは、特定のアプリケーション向けのショートカットを導入するプラグインをインストールでき、そのアプリケーションの使い勝手を飛躍的に高められるのだ。

 現状、対応しているのは「Overwolf」「Discord」「OBS」の3つだけだが、これらのアプリケーションを頻繁に使うなら、プラグインを入れてみて損はないだろう。試しにOBS用のプラグインをインストールしたところ、録画やストリーミングの開始/停止、マイクのミュートなど、多数の便利なショートカットが使えるようになった。

赤い三角マークは、プラグインが導入されていない、対象のアプリケーションが起動していないなど、そのアクションが利用できない状態であることを示している。まずは「アクション」タブのアプリケーション名を押して選択し、「統合を管理」をクリック
この画面に移行するので、「自動インストール」ボタンを押せば、プラグインがインストールされる。この後、利用可能となった機能をマウスボタンにドラッグ&ドロップして登録すればOK。対象のアプリケーションが起動していれば、登録した機能を使用できるようになる

Gシフトで割り当て機能を増やす

 「Gシフト」も積極的に活用したい機能の1つだ。これは、先に紹介した「DPIシフト」と似た機能で、「Gシフト」ボタンを押している間だけ、ボタンの割り当てがセカンダリに切り替わるというもの。マウス画像下のスイッチをGシフト側にセットした上で設定したボタンの割り当てが、セカンダリとして機能するようになっている。

 なお、Gシフトはデフォルトではボタンに割り当てられていないので、ユーザーが手動で設定する必要がある(「システム」タブにある)。

ライティング機能

 「LIGHTSYNC」画面では、LEDライティングの色や輝度、効果、速度などを細かく調節でき、好みの照明パターンを作成できる。マウス画像下の「ライトの同期オプション」ボタンからは、G Hubが認識したほかのデバイスと照明パターンをシンクロさせることが可能である。

「LIGHTSYNC」画面では、LEDライティングの調整を行なえる。左ペインで色や輝度、変化の速度やパターンなどをカスタマイズ可能。またキーボードなど、ほかのゲーミングデバイスとの同期も設定できる

ユーザー作成のプロファイルのダウンロード

 メイン画面下部の「最新のライト効果を表示する」や「最も人気のあるゲーミングプロファイルを探索する」からは、G Hubユーザーがカスタマイズしたプロファイルをダウンロードし、使用することができる。

 もちろん、入手したプロファイルをベースに、自分流のアレンジを加えることも可能だ。なお、この機能を使うには、メイン画面右上のアバターアイコンからアカウント画面に入り、記入欄に入力しておく必要がある。非常に分かりづらい仕様となっているので、この点は注意である。

さまざまなゲームに向けたカスタマイズ済みプロファイルを入手可能だ。ダウンロードしたプロファイルは「ゲームとアプリケーション」画面で取り扱うことができる。また、カスタマイズ画面でボタンやDPIの変更も自由に行なえるので、自分好みにアレンジしてみるのもおもしろい

ここで使用したマウス

G502 LIGHTSPEED WIRELESS GAMING MOUSE
実売価格:1万3,000円前後●接続方式:無線(USBレシーバ)●ボタン数:12●センサー:HERO 25K●最大解像度:25,600DPI●最大加速度:40G●最大速度:400IPS●ポーリングレート:1,000Hz●駆動時間:約60時間(RGBオフ)●サイズ:75×132×40mm●重量:114g(ウェイト含まず)

 今回使用した「G502 LIGHTSPEED WIRELESS GAMING MOUSE」は、25,600DPIの解像度を誇る「HERO 25K」センサーを搭載する、ハイエンドクラスのゲーミングマウス。独自の「POWERPLAY」に対応しており、ワイヤレスでの充電が可能。また6個のウェイトが付属しており、自分好みの重さに調節できるのも特徴だ。



Razer「Synapse 3」
ボタン一発でセカンド設定にシフト可能

初期画面となる「ダッシュボード」タブには、接続中のデバイスと、インストールしてあるモジュール、サポートなど各種オンラインサービスへのリンクが配置されている。デバイスの画像にはバッテリ残量が表示されており、確認が容易だ

 Razerの「Synapse 3」(ver.3.7.331.32911)のユーザーインターフェイスは、最上部に「SYNAPSE」「マウス」「プロファイル」タブがあり、その下に各セクションにアクセスするタブが配置されているという、二重の入れ子構造になっている。

 トップの「SYNAPSE」タブの下には、初期画面となる「ダッシュボード」、追加機能を導入できる「モジュール」、デバイス共通のショートカットを作成できる「グローバルショートカット」のタブが並んでいる。ダッシュボードのデバイス画像か上部の「マウス」タブから、マウスのカスタマイズ画面に移行できる。

グローバルショートカットは、ユーザー独自のショートカットを作成できるというもの。プロファイルやDPIの切り換え、プログラムの起動、250文字までの文章などをショートカット化できる。ただし、Synapse 3対応キーボードが必要になる

機能の割り当て

 カスタマイズのメインとなる「マウス」タブの下には、「カスタマイズ」「パフォーマンス」「ライティング」「較正」「パワー」の5つのタブが配置されている。なお、Bluethooth接続時には、「較正」タブは表示されない仕様となっているようだ。

「カスタマイズ」タブでは、マウスボタンの割り当てを行なえる。修飾キーとの同時押しや、ショートカット、プログラムの起動などさまざまな機能が用意されている。また「HyperShift」機能を使えば、実質的にボタン数を倍にできる

 「カスタマイズ」タブのボタン設定では、キー登録はもちろん、プログラムの起動、Windowsショートカット、最大250文字までのテキストなど、多彩な機能を割り当てることができる。キーはAltやCtrlなどの修飾キーとの組み合わせも可能だ。また、ロジクールのG Hubの節で紹介した「Gシフト」に相当する「HyperShift」機能もある。

DPIの変更とライティング機能変更

「パフォーマンス」タブ。デフォルトでは5ステージに分かれており、50DPI刻みで設定できる。右上のドロップダウンメニューからステージ数を変更可能。また、ポーリングレートの設定も行なえるが、ここは1,000Hzでよいだろう

 「パフォーマンス」タブではDPIの調節を行なえる。5ステージに分かれており、それぞれスライダーで50DPI単位での設定が可能。また「ライティング」タブには5種類の照明プリセットが用意されているほか、追加モジュール「Chroma Studio」を導入すれば、より細かな設定や他デバイスとの同期を行なえる。

「ライティング」タブでは、LEDライトの明るさやオフにするまでの時間、発光パターンなどを設定可能だ。また「Chroma Studio」モジュールを追加導入することで、他デバイスとの同期など、より高度な設定を行なえるようになる

センサーの調整

 「較正」タブは、マウスパッドに対するセンサーの反応を調整できるセクションだ。「Focus+」センサーなどの高性能センサーを搭載したマウスの場合、「スマートトラッキング」の項目が表示され、接地面との距離でセンサーをオン/オフする「トラッキングディスタンス」を3段階で設定できる。また「手動較正」では、Razer製マウスパッドのプリセットが多数用意されているほか、手動によるキャリブレーションも行なえる。

センサーのキャリブレーションを行なえる「較正」タブ。「非対称カットオフの有効化」にチェックを入れると、センサーをオフにする「リフトオブディスタンス」とオンにする「ランディングディスタンス」を個別の値として設定できる

ゲームの登録

 「プロファイル」タブには、その下に「デバイス」と「リンク中のゲーム」タブが配置されており、「デバイス」タブでプロファイルの新規作成、編集、削除や、ゲームとの紐づけなどを行なえる。

 プロファイルとゲームを紐付けるには、「リンク中のゲーム +」の「+」部分をクリックすると表示される「ゲームの選択」ダイアログで、ゲームアイコンの「リンク」ボタンを押せばよい。目的のゲームが表示されていない場合は、右上の「追加」ボタンをクリックし、表示されるリストの中からプログラムを指定する。

 また、「リンク中のゲーム」タブには、Synapse 3が認識しているゲームが一覧表示されている。インストール済みのゲームが見つからない場合は、画面左上の「+」ボタンから、ゲームやアプリケーションを追加できる。また、アイコンから紐づけたいデバイスやプロファイルを指定することも可能だ。

「プロファイル」→「デバイス」タブでは、プロファイルの作成・編集、およびゲームとの紐づけが行なえる。紐づけをするには、「リンク中のゲーム +」の「+」部分をクリック
すると「ゲームの選択」ダイアログが表示されるので、ゲームアイコンの「リンク」ボタンを押せばOKだ。目的のゲームが見当たらない場合は、左上の「追加」ボタンからプログラムを指定する
「リンク中のゲーム」タブでは、Synapse 3によって自動検出されたゲームが表示されている。画面左上の「+」ボタンから、ゲームやアプリケーションを手動で追加することもできる

マクロの作成

 Synapse 3では、マクロは標準機能ではなく、オプション扱いになっている。導入は簡単で、「SYNAPSE」→「モジュール」タブにリストされているモジュールのうち、「マクロ」をインストールすればOKだ。画面最上段に「マクロ」が追加され、マクロ作成機能にアクセスできるようになる。

「モジュール」タブに表示されているリストの一番下に「マクロ」モジュールがある。カーソルをホバーして「追加」ボタンをクリックすればインストールできる

 マクロ自体は高機能だ。キーボードのキー押下はもちろん、マウスのクリックや動作を記録できるうえ、ループの設定や、記録の削除・挿入・編集も行なえる。機能に不足を感じることはないはずだ。

マクロには必要な機能が一通り網羅されており、不足を感じることはない。もちろん、作成したマクロは「カスタマイズ」画面でマウスボタンに割り当てることが可能だ

ここで使用したマウス

Naga Pro
実売価格:1万7,000円前後●接続方式:無線(USBレシーバ、Bluetooth)●ボタン数:最大20●センサー:Razer Focus+ 20K DPI●最大解像度:20,000DPI●最大加速度:50G●最大速度:650IPS●ポーリングレート:1,000Hz●駆動時間:約100時間(2.4GHzワイヤレス接続時、ライティングなし)●サイズ:74.5×119×43mm●重量:117g(12ボタン サイドプレート装着時)

 「Naga Pro」は、サイドプレートを交換することでボタン数が変わるユニークなゲーミングマウスだ。サイドプレートは、FPS向けの2ボタン、MOBA向けの6ボタン、MMORPG向けの12ボタンの3種類が付属ており、本体のボタンと合わせると最大で計20個にもなる。



ASUS「Armoury Crate」
シナリオプロファイル機能が独特

初期画面となる「ダッシュボード」。壁紙のリンク、情報タイル、各種ボタンなどが配置されている。情報タイルからは、ライト効果など、いくつかの機能に直接アクセスできる

 ASUSの「Armoury Crate」(ver.5.1.5.0)は、マウスばかりでなく、マザーボードやビデオカードなど、ASUSのゲーミングデバイス全般を統合的に管理できる多機能なユーティリティだ。

 ダッシュボードと呼ばれる初期画面には、中央にオリジナルの壁紙をダウンロードできるリンク、右側にゲームの起動やライト効果などを直接操作できる情報タイル、左側にほかの画面に移行するボタンが配置されている。情報タイルは非表示にしたり、ドラッグして位置を入れ替えることも可能だ。

 画面左側のボタンは、上から「ダッシュボード」「デバイス」「Aura Sync」「シナリオ プロファイル」「特集」「ニュース」という並びになっている。マウスをカスタマイズするには、「デバイス」ボタン→設定したいデバイスを選択する。

 デバイス画面には、上部に「ボタン」「パフォーマンス」「LEDライト」など6つのタブが並んでおり、ボタンやDPIのカスタマイズを行なえる。「パフォーマンス」タブにある「アングルスナップ」は、手ブレによるカーソルの小刻みなカク付きを補正する機能だ。精密なマウス操作に寄与する機能だが、感覚的に好みが分かれるところなので、実際に使ってみてオン/オフを決めるといいだろう。

「ボタン」タブでは、マウスボタンにキーやショートカットを割り振れる。修飾キーと併せた同時押しやショートカット、マクロ、最長250文字までの文章も登録することが可能だ
「パフォーマンス」タブでは、4ステージのDPIをスライダーで調整できる。また、ポーリングレートの設定やアングルスナップのオン/オフも、この画面で行なえる
「LEDライト」タブでは、LED照明のエフェクトや、その色、輝度、点灯速度などを決められる。「Aura Creator」をインストールすれば、オリジナルのエフェクトを作成することもできる

 「キャリブレーション」タブでは、マウスパッドに対するセンサーの効き具合を調整できる。ASUS製マウスパッド向けのプリセットが用意されているほか、手動でのキャリブレーションも可能だ。また、このタブには「リフトオフディスタンス」機能もある。これは、Synapse 3で触れた「トラッキングディスタンス」と同様の機能である。

「キャリブレーション」タブでは、マウスパッド上のトラッキングを調整できる。プリセットを選択できるほか、手動での調整も可能。また、リフトオフディスタンスの設定もある

マクロの作成

 「デバイス」ボタン→「マクロ」と進むと、マクロを作成できる画面に移行する。Armoury Crateのマクロ機能は、マウスやキーボードの押下を記録するシンプルなものだ。また「Aura Sync」画面では、複数のデバイス間でLED照明を同期する設定を行なえる。同期状態でのLEDエフェクトを設定することも可能だ。

 「Game Library」画面には、自動検出したゲームがリストアップされている。画面右上のハンバーガーメニューから「ゲームを追加」を選べば、手動でゲームやアプリケーションを追加できる(複数選択も可)。ここから直接ゲームを起動できるほか、アイコンのドロップダウンメニューから、既存のプロファイルや「シナリオプロファイル」をリンクすることが可能だ。

アイコンにマウスカーソルをホバーすると、メニューが表示される。ドロップダウンから紐づけたいプロファイルを選択しよう。また、ここからシナリオプロファイルの作成画面に移行することもできる
画面右上のメニューから「ゲームを追加」を選ぶと、PCにインストールされているアプリケーションの一覧が表示される。対象にチェックを入れて「完了」ボタンを押せば、「Game Library」に追加される

マザーボードなども含めてプロファイルを設定

 「シナリオプロファイル」ボタンからは、シナリオプロファイルを作成・編集する画面に遷移できる。シナリオプロファイルとは、音量などのシステム設定や、Aura Syncなどのアプリの設定、およびプロファイルを、1セットとしてまとめたものだ。ただ、接続デバイスがマウスだけの場合は、設定できる項目は少ない。マザーボードなど、ASUS製ゲーミングデバイスで固めた環境で真価を発揮する機能と言えそうだ。

「シナリオプロファイル」画面。左側に紐付けられたゲームのアイコン、右側に適用できる設定が表示されている。マウスだけのため設定できる項目が極めて限られており、今ひとつな印象だ
画面中央付近の「オプションを表示」ボタンをクリックすると、シナリオプロファイルにリンクするゲームもしくはアプリケーションを登録できる。一度に複数のアプリを選択することも可能である

ここで使用したマウス

ROG Spatha X
実売価格:2万円前後●接続方式:無線(USBレシーバ)●ボタン数:12●センサー:●最大解像度:19,000DPI●最大加速度:50G●最大速度:400IPS●ポーリングレート:1,000Hz●駆動時間:約67時間(RGBオフ)●サイズ:89×137×45mm●重量:168g

 「ROG Spatha X」は、計12個のボタンを搭載する多機能な大型ゲーミングマウス。本体サイドには6個のボタンが配置されており、特にショートカットを多用するMOBAやMMORPGでの使用に向く設計だ。製品には受信機兼充電台として機能するマグネット式充電ドックが付属する。



Corsair「iCUE」
CPUクーラーやメモリのLED照明と同期できる

「ホーム」タブには、ボタンの割り当てやDPI調整、センサーのキャリブレーションなど、各種カスタマイズを行なうためのリンクが配置されている。また、画面左側には、プロファイルの作成・編集、LED照明の変更、ハードウェア情報の表示を行なえる

 Corsair「iCUE」(ver.4.22.203)のメイン画面は、最上部に「ホーム」と「ダッシュボード」タブが配置されている。このうち、カスタマイズの主体となるのは「ホーム」で、「ダッシュボード」はCPUやDRAM、DPIなどのハードウェア関連の情報を確認する場所だ。

 「ホーム」画面には、中央にデバイスの画像が大きく表示されており、左側にはプロファイルやシーン、センサーを設定できるサイドペインが配置されている。マウスのカスタマイズは、デバイス画像の左上にある「キー割り当て」「照明効果」「DPI」などのリンク先から行なうようになっている。

「ダッシュボード」タブには、CPU負荷やマザーボードの温度、メモリ周波数など、ハードウェア関連の情報を表示するパネルが設置されている。ドラッグ&ドロップで位置を入れ替えたり、画面右上のベントーアイコンからパネルの表示/非表示を設定できる

ゲームの登録

 プロファイルの作成・編集は、「ホーム」左上のプロファイル名(初期状態では「デフォルト」)から行なえる。作成・編集ダイアログでは、名称やアイコン、プログラムとのリンクを設定可能だ。

プロファイルの「新規プロフィール作成」ダイアログでは、プロフィール名やアイコン、背景、リンクするアプリを変更できる。ゲームやアプリケーションを紐付けるには、「アプリを追加する」の「+」ボタンからファイル選択ダイアログを起動し、目的のプログラムファイルを指定する

 また「シーン」は、LED照明のカスタム設定だ。「+」ボタンからシーンを追加することもできる。「センサー」は、「ダッシュボード」画面で確認できるパネルの小型版といったもので、「+」ボタンから表示/非表示を変更可能である。

機能の割り当てとマクロの作成

マウスボタンのカスタマイズおよびマクロの作成は、「キー割り当て」で行なえる。ボタンの同時押し設定も可能。ただし、OSのショートカットは用意されておらず、自分で作成しなければならない

 「キー割り当て」からはマウスボタンのカスタマイズを行なえるのだが、ここは他社製ユーティリティとは大きく異なっている部分だ。

 画面左下の「+」ボタン→機能のタイプを選択→割り当てるボタンを指定→キーや機能を決定、という手順となっている。直感的ではないし、工程数が多く、少々面倒に感じる仕様だ。なお、マクロは「割り当てタイプ」で「マクロ」を選択すれば作成できる。

「割り当てタイプ」→「マクロ」と選択すれば、マクロの作成を行なえる。高機能で、キーボードの押下はもちろん、マウスボタンのクリックや動きも記録できる。また、記録の追加や編集、削除も可能だ

DPIの変更

 「DPI」画面では、6ステージあるDPIをスライダーで調節できる。ユニークなのは、X軸とY軸とでDPIを別々に設定できる点だ。デフォルトでは値がリンクしているが、鎖アイコンをクリックすることで、個別に設定できるようになる。

「DPI」画面では、5ステージのDPIに加え「スナイパー」のDPIも調整できる。X軸とY軸で個別に設定できる点はユニーク。画面左の「+」ボタンからDPIプリセットを増やすことができ、1つのプロファイルに複数のDPI設定を保存しておくことが可能だ

 最下段の「スナイパー」は特別な枠で、G HubのDPIシフトと同様にスナイパー機能を割り当てたボタンを押している間だけ、このDPIに切り替えるというもの。ゆっくりと正確に照準を合わせたいシーンで一時的に低DPIにするなど、工夫次第でさまざまな使い道が考えられる機能である。

センサーの調整

 「表面キャリブレーション」は、マウスパッドに対するセンサーの反応を較正できるセクション。プリセットは用意されていないが、画面の指示に従って手動でキャリブレーションを行なえる。

「表面キャリブレーション」でセンサーの較正を行なえる。マウスパッドのプリセットは用意されていないが、簡単な指示に従っていくだけで手動でのキャリブレーションを完了できる

ライティング機能とアングルスナップ

 「デバイス設定」では、ファームウェアの更新やポーリングレートの設定、LED照明の明るさ調節など、マウスのハードウェアに関する設定を行なえる。ここで注目なのは「アングルスナップ」だ。手ブレを自動補正して、カーソルの移動を滑らかにする機能である。

「照明効果」および「ハードウェア照明」は、マウスのLED照明を設定するセクション。CPUクーラーやメモリなどiCUE対応デバイスとのシンクロ設定も行なえる。なお、「ハードウェア照明」は、iCUEが起動していない場合のLED照明の設定である
「デバイス設定」ではデバイスの設定が可能。今回試用した「SABRE RGB PRO」の場合、ポーリングレートは8,000Hzまで設定できた。また、好みでアングルスナップを有効にしてもよいだろう

ここで使用したマウス

SABRE RGB PRO CHAMPION SERIES
実売価格:7,000円前後●接続方式:有線●ボタン数:6●センサー:PMW3392●最大解像度:18,000DPI●最大加速度:50G●最大速度:450IPS●ポーリングレート:8,000Hz●サイズ:70×129×43mm●重量:74g

 「SABRE RGB PRO CHAMPION SERIES」は、「AXON ハイパープロセシングテクノロジー」による、ポーリングレート8,000Hzが特徴のゲーミングマウス。左右の「QUICKSTRIKE」ボタンはギャップゼロのすばやいクリックが可能で、使用者の操作を遅延なくプレイに反映することができる。



SteelSeries「GG」
1画面に搭載機能の数々を集約

「Engine」画面の「機材」タブには、接続されているGG対応デバイスがリスト表示されている。カスタマイズしたいデバイスの欄をクリックすれば、ボタンやDPIなどを変更できる設定ウィンドウが起動する

 SteelSeriesの「GG」(ver.1.7.1.0)のメイン画面左側には、「Home」「Moments」「Engine」「Giveaways」とタブが並んでいるが、このうちデバイスのカスタマイズを行なえるのは「Engine」だ。

 「Engine」画面には、「機材」「アプリ」「ライブラリ」タブがあり、「機材」画面のデバイス名をクリックすることで設定ウィンドウが起動する。また「アプリ」では、「League of Legends」や「Discord」など人気のゲームやアプリケーションと連携してLED照明を光らせられるカスタムエフェクトを導入できる。

「アプリ」タブでは、特定のゲームやアプリケーションと連携するLEDエフェクトをダウンロードできる。「PrismSync」を導入すれば、他デバイスと同期するライティングの設定も可能となる

 「ライブラリ」タブは、GGにゲームを登録する画面。初期状態ではゲームが認識されていないので、「ゲームをスキャン」ボタンをクリックしてインストール済みゲームを登録しよう。スキャンで見つからなかった場合は、「ゲームを追加」ボタンから手動で登録することも可能だ。また、ゲームで使用したいデバイスやプロファイルとの紐づけも、この画面で行なうようになっている。

「ライブラリ」タブには、GGが検出したゲームの一覧が表示される。「デバイスの追加」ボタンからリンクしたいデバイスを選択でき、また、リンクしたデバイスのドロップダウンからはプロファイルを選択できる

ゲームの登録/機能の割り当て/マクロの作成

 前述した通り、「機材」タブのデバイス欄をクリックすると、カスタマイズを行なえる設定ウィンドウが起動する。このウィンドウには、中央にマウス画像、左側にボタンおよびマクロ、右側にDPIなどの設定を行なえるパネルが配置されている。GGにおけるカスタマイズ項目のほとんどが、この1画面に集約されている形だ。

マウスボタンのカスタマイズでは、OSのショートカットやメディア操作、プログラムの起動などを設定できる。また、修飾キーを含めた最大4キーの同時押し設定が可能だ

 まずは新しいプロファイルを作成しよう。というのも、初期状態で用意されている「Default」プロファイルは、変更を保存することができない仕様となっているからだ。ウィンドウ左下の「設定」→「+ 新規」ボタンとたどれば、プロファイル作成ダイアログが表示される。このダイアログでゲームとの紐付けも行なえる。

 設定ウィンドウでは、マウスボタンのカスタマイズを始め、DPIや加速度、ポーリングレート、アングルスナップなど、一通りの設定を行なうことが可能。また、マクロの作成は、画面左にある「マクロエディター」の項の「起動」ボタンから行なえる。

「Macro Editor」ダイアログ。ここでは、キーボードのキー押下や、マウスボタンのクリックを記録できる。高機能とは言えないもので、マクロを重視するなら不満が出るところかもしれない

ライティング機能

 設定ウィンドウの「イルミネーション」タブで、「アクティブ」と「リアクティブ」の2種類のライティング設定を行なえる。「アクティブ」は通常の発光、「リアクティブ」はボタンをクリックした時の発光のことだ。

「イルミネーション」の「アクティブ」タブでは、ゾーン分けされた3箇所それぞれについて、個別にLED照明の設定が可能。用意されているプリセットは「ステディー」「Colorshift」「多色ブリーズ」の3つと少ないが、3箇所を別々にカスタマイズできるため、思いのほか多彩なライティングを作成できる

 おもしろいのは、アクティブ照明が3つのゾーンに分けられており、それぞれを個別に設定することが可能な点。工夫次第で、個性的で美しいライティングを楽しめる。なお、リアクティブ照明はゾーン分けされておらず、1箇所のみの設定となる。

ここで使用したマウス

SteelSeries Aerox 3 Wireless
実売価格:1万2,000円前後●接続方式:無線(USBレシーバ、Bluetooth)●ボタン数:6●センサー:TrueMove Air●最大解像度:18,000DPI●最大加速度:40G●最大速度:400IPS●ポーリングレート:1,000Hz●駆動時間:約80時間(2.4GHzワイヤレス接続時)●サイズ:67.03×120.55×37.98mm●重量:68g

 本体カバーに多数のホールを設けるなどの工夫で本体重量68gを実現した軽量マウスだ。その軽さとPTFEソールにより、軽快なスワイプが可能。8,000万回のクリック耐性や、IP54準拠の防水・防塵性能を備えるなど、耐久性の高さも特徴である。



まとめ - マウス選びにはユーティリティの吟味も欠かせない

 今回、ゲーミングマウスのユーティリティ5種を実際に試してみて分かったのは、どの製品も個性的なユーザーインターフェイスを備えており、機能面においては一長一短ある、ということだ。

 いずれのユーティリティも考えられた設計で、一部使いにくい部分はあったものの、初見でもほとんど迷うことなく扱うことが可能であった。特に使いやすく感じたのは、RazerのSynapse 3だ。目的の機能を探しやすい2段タブの入れ子構造や、ほどよい大きさのボタンやスライダーなど、奇をてらわないユーザーファーストなデザインという印象である。

 一方、機能面では、すべてを備えた“全部入り”はなかったため、ほしいと思う機能が搭載されているかが評価の分かれ目になる。たとえば、シフト機能を重視するならG Hubがよいだろうし、逆にArmoury CrateやGGは選択肢から外れるだろう。中でも多機能なのは、Synapse 3とiCUE、次点でArmoury Crateであろうか。ゲーマー視点で言えば、シフト機能が充実しているG Hubも推したいところである。

 これまで見てきた通り、ゲーミングマウスのユーティリティが備える機能の数々は、ゲームをより快適に楽しむ上で有用なものばかりだ。それゆえ、ゲーミングマウスを選ぶ際はハードウェアばかりでなく、ユーティリティという側面からも吟味する必要があるわけだ。ユーティリティの機能を最大限に活用して、楽しいゲームライフを満喫していただきたいところである。