特集
もしかして普通すぎるマウス使ってる?任意の機能をセットできる「多ボタンマウス」で作業を捗らせる方法
2022年1月12日 06:22
Windowsを少しでも快適に使うためのテクニックとして、特に知識などを必要とせずに手軽に行なえるのが、サイドボタンなどを備えたちょっと良いマウスを導入することだ。PCを購入したときに付属しているような、左右クリックとホイールだけといった超普通のマウスだと、専用ユーティリティを使って各種ボタンを自分好みにカスタマイズするという非常に捗るセッティングができないからだ。
例えば、こんな使い方があるので紹介しよう。
Windows 11では、マウスの右コンテクストメニューの項目が大幅に簡略化されており、かつてのWindows 10では可能だった操作ができなくなっている。実際には右クリック→「その他のオプションを表示」で、従来と同じメニューを呼び出せるのだが、階層が増えて余計な手間がかかるようになった。
中でも多くのユーザーが不満を抱えていると言われるのが、「最新の情報に更新」メニューが、この下の階層に移動してしまい、すばやく呼び出せなくなったことだ。正確に言うと、デスクトップ上で右クリックした場合は表示されるのだが、エクスプローラ上で右クリックしても表示されず、「その他のオプションを表示」をクリックして呼び出さなくてはならない。まさに二度手間だ。
同じ機能を持つキーボードの「F5」を活用する手もあるが、従来はマウスだけでできていたのがキーボードも必要となるのは、やはりマイナスだ。Microsoftのフィードバック用掲示板でも、この「最新の情報に更新」復活の要望だけで単体のスレッドが立てられるなど、多くのユーザーが不満を抱えていることが伺える(参考の英文記事)。
こうした場合の1つの解決策となるのが、この「最新の情報に更新」のショートカットである「F5」を、マウスのボタンに割り当てる方法だ。これならば、わざわざキーボードを使わなくともマウスだけで、しかも右コンテクストメニューを呼び出す必要すらなくボタン一発で更新できるので、Windows 10の頃よりもむしろ効率は上がる。
もっとも「マウスのボタンのカスタマイズはやったことがない」「自分のマウスでそうした設定ができるかどうか自体が分からない」という人もいるだろう。今回はそうしたビギナーにあたる利用者向けに、この「最新の情報に更新」をマウスのボタンに割り当てる方法を含めた、多ボタンマウス活用のコツについて紹介する。
マウスのボタンには自由に機能を割り当てられる
マウスに搭載されているボタンのうち、左右ボタンなどは概ね役割が固定されており、PCに繋ぐだけで動作する。もっとも5ボタンを超えるマウスともなると、デフォルトではそれらボタンの役割は決まっていないので、PC上にインストールしたユーティリティを使って、任意の動作を割り当ててやる必要がある。
こうしたユーティリティはマウスメーカーから提供されており、任意の拡張ボタンへの機能割当はもちろん、左手で使うにあたって左右ボタンの役割を入れ替えるなど、既存のボタンのカスタマイズにも対応する。
安価なマウスではこうしたユーティリティは提供されていない場合もあるが、メーカー問わず対応するフリーウェアも存在する(後述)ので、実質的にどんなマウスでもカスタマイズは可能と考えてよい。
今回はロジクールの5ボタンマウス「M590」を使い、実際にカスタマイズを行なってみよう。この製品は「左右ボタン+ホイールボタン」という標準的な3ボタンに加え、左側面に「戻る」「進む」に相当する2つの拡張ボタンを搭載しており、同社のマウスユーティリティ「Logicool Options」を用いてそれぞれの機能を自由にカスタマイズできる。価格も3,000円前後と買いやすい。
手順はごく簡単で、マウスを接続した状態で「Logicool Options」を起動し、割当先のボタンを選択したのち、キーボードの「F5」を指定する。今回はホイールボタンへの割当を行なったが、もちろんほかのボタンへの割当も可能だ。
これだけで、マウスボタンのクリック1つで画面の「最新の情報に更新」が行なえるようになる。F5キーをエミュレートしているだけなので、デスクトップやエクスプローラはもちろん、ブラウザのページ更新など幅広く利用できる。
もっとボタン数が多いマウスも使ってみよう
前述の例ではホイールボタンにF5キーを割り当てたが、ホイールボタンは別の役割で使用中なので、それが使えなくなるのは困る、とは言えほかに割り当てられるボタンがないという人もいるだろう。
こうした時はさらに多くのボタンを持つマウス、いわゆる「多ボタンマウス」を導入して、余っている拡張ボタンに機能を割り当ててやったほうがよい。
ここでは、安価な多ボタンマウスとして定評のある、エレコムの「M-DUX50BK」にこの機能を割り当ててみよう。本製品は実売が5千円以下というリーズナブルな価格ながら、側面を中心に14個ものボタンを搭載するほか、アプリごとに最大4つのプロファイルを切り替えて利用できるので、ありとあらゆるショートカットを割り当てられる。
設定方法は前述のロジクールの製品と変わらないが、該当のボタンを実際に押して設定するのではなく、画面に表示されるキーボードのイラストから、該当のボタン、ここでは「F5」をクリックして選択する。
この仕組みだと、直感的な割当が可能なことに加えて、キーボード上のどのボタンでも割り当てられる利点がある。というのも、該当のボタンを実際に押して設定する方法だと、設定画面そのものを閉じてしまうなどの問題が起こりがちだからだ。「Esc」キーを割り当てる場合によく起こるのだが、この仕組みならば問題ない。
ところで本製品は、本体内にメモリ領域があり、これら設定済みのボタン割り当てを、PC上にではなくマウス内に保存できる。これならば、別のPCに接続しても、ボタン割り当てを再度設定する必要なく、そのまま利用できる。
これはもともと、様々なPCに接続する機会があるゲーミングマウスならではの機能だが、実際にはプライベートでも1台のマウスを複数のPCで使う人は多いだろうし、PCを買い替えた場合も(割り当てを変更しないのであれば)そのまま継続利用できるメリットがある。
これら設定内容をファイルとしてインポート/エクスポートする機能も用意されているので、マウス自体が壊れた時の移行も容易だ。多ボタンマウスを使い慣れてくると、こうした機能も魅力的に思えてくるはずだ。
どのメーカーのマウスでも使えるフリーウェアも
PCの操作を極めるためにはショートカットを覚えるべしとよく言われるが、今回紹介したマウスへのボタン割り当ては、それに近いところがある。いったんこれらの快適性に慣れてしまうと、空きボタンにありとあらゆるショートカットを割り当てたくなるものだ。ネックがあるとすれば、多ボタンマウスに慣れれば慣れるほど、ボタン数の少ないマウスに戻れなくなることくらいだろうか。
ちなみに今回はマウスメーカーの提供するユーティリティを紹介しているが、フリーウェアの「X-Mouse Button Control」のように、メーカー問わずこうした割り当てをカスタマイズできるソフトも存在しており、それらを使えば、ボタンの機能が固定されている安価なマウスでも、役割の変更が可能になる。こうしたソフトを試してみるのも、1つの方法と言えそうだ。