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マウスを持ち運びたい!軽量・小型のおすすめマウス5選
2022年8月26日 06:11
家でPCを使う時にはマウスを使用するのに、外ではノートPCのタッチパッドでは作業効率が上がらない。モバイル環境でもマウスを使いたいが、荷物が増えるのも悩ましい。なるべく軽くてコンパクトなマウスがあればいいのだが……。
そういった悩みに答えるモバイルマウス5製品を選んでみた。とにかく軽くて小さいマウスが欲しい人もいれば、サイドボタンがないと困るとか、それなりの性能や大きさでないと使いづらいという人もいるはず。なるべく広いニーズに沿えるよう、特徴的な製品を選んでいるので、好みの製品がないかチェックしてみていただきたい。
尺取り虫みたいに曲がる独特の形状
Microsoft「Arc Mouse」
Windowsの提供元であるMicrosoftは、「IntelliMouse」など業界標準となる名作マウスを世に送り出したメーカーでもある。そのMicrosoftが手掛けるBluetooth接続のモバイルマウスが「Arc Mouse」だ。形状は「尺取り虫」や「名刺」とも形容され、一般的なマウスとは全く異なる。
未使用時は最厚部約14mmで、名刺を少し長くしたような板状のフォルムになっている。使用する際には本体中央付近をくの字に曲げるようにすると、丸くゆがんだ形で固定される。この状態で自動的に電源が入り、マウスとして使用できる。使い終わった時には、曲がった部分を伸ばすだけでいい。
とても軽い力で曲げ伸ばしできるので、マウスを握っている時に上から押さえた力でつぶれてしまうのでは? と不安になる。実際に使ってみると少々押さえたくらいではびくともせず、余計な心配だった。
マウスとしては見た目には1ボタンしかないが、左右のクリックの押し分けが可能。さらに大きなボタンに見える部分は全面がタッチパッドになっており、マウスホイールを扱う感覚で上下左右にスクロール操作ができる。
独特な形状に加え、センサーが先端部にあるなど、使用感も特殊。当然好みは分かれるだろうが、携帯性という点では本機をしのぐ製品はなく、Microsoft製という信頼感もある。カラーバリエーションも豊富で、今回試用したソフトピンクなど、柔らかい色味の製品があるのも嬉しい。
解像度は通常1,000dpiだが、専用ソフト「マウス キーボード センター」を使うと400~1,800dpiで200dpi刻みの調整が可能。またタッチパッドの感度の調整や、3本指でのクリック操作を追加するなど、一部機能のカスタマイズも可能だ。
見た目は簡素だけどサイドボタン付き
バッファロー「BSMBW530」
バッファロー製品の中で、ビジネスシーン向けとされる「FLEXUS」シリーズに属する製品。26mmの薄さながら、ホイールとサイド2ボタンを含む5ボタンを備える。
接続は付属のUSBレシーバを使用。薄型ながら、未使用時は本体内部にUSBレシーバを収納できる。また米国MIL規格「MIL-STD-810G 516.6 procedure IV」準拠の耐衝撃性を備え、表面には3H耐摩耗性・防指紋コーティングも施されている。
左右クリックは静音仕様で、小さく低い音になっている。センサーはガラステーブルなどでも操作可能なBlueLEDを採用。解像度は裏面のボタンで600/1,200dpiの2段階に切り替えられる。
バッテリは単3形乾電池を1本使用。アルカリ乾電池を使用した場合で、想定使用時間は最大582日としている。電池の交換は、本機の上面すべてを外す形で、下部とはマグネットで固定されている。
携帯に適したマウスで5ボタンあるものは少なく、特に薄型筐体では希少だ。サイドボタンは相対的にかなり低い位置にあるため、やや押しにくさはあるものの、サイドボタンがあるだけでもありがたい。センサーやボタン、耐衝撃性などさまざまな方面に配慮があり、高品質さもある。それでいて実売価格2,000円前後という安さも魅力だ。
本機にはブラックとシルバーのカラーバリエーションがあるほか、表面の形状がでこぼこしたジオメトリータイプを用意。さらに同型・同機能でBluetooth接続のものも展開されている。
収納時は長さ約5cmと超コンパクト
エレコム「CAPCLIP」
持ち運ぶことに特化したBluetooth接続の小型マウス。未使用時にはキャップの中に収めるようにしてコンパクト化。使用時にはキャップを反対から付けて本体を長くするという手法を取る。
収納時は長さ52mm、幅41mmと非常に小さい。またキャップがあるのでボタンやホイール、センサー部への衝撃も保護する。またキャップにはクリップが付属しており、バッグやパソコンなどに挟んでおけば、紛失もしにくい。
使用時も長さは87mmとコンパクト。厚みが30.3mmとそれなりにあるため、意外としっかり持って操作できる。左右クリックは静音仕様で、低めでかなり小さなクリック音になっている。ホイールも備えており、クリックも可能。ホイールは小型のわりにしっかりした質感で扱いやすい。
収納時のクリップは、使用時には底面になり、高さを稼ぐとともに前方にやや傾斜した形状になる。マウスソールとなる部分もちゃんとあり、滑りも良好だ。
バッテリはリチウムイオン電池を内蔵しており、想定使用時間は約32日。約20cmの充電用ケーブルも付属する(有線接続には非対応)。ホイールの手前に電池残量を知らせるLEDランプも搭載されており、充電を忘れる心配もない。
かなり変わった外見だが、収納時の保護力が高く、使用感も小型のわりにはかなり良好。重量も40gと軽い。実売価格は2,000円前後とかなり安価でもある。とにかくコンパクトなマウスをなるべく安く手に入れたいという人にはうってつけの製品だ。カラーバリエーションも6色展開で、遊び心のある色が揃っている。
高性能ながら小型サイズ。デスクワーク向けのホワイトカラーも
Razer「Pro Click Mini」
ゲーミングデバイスメーカーとして知られるRazerが、デスクワーク向けに展開するワイヤレスマウス。長さ約100mmとコンパクトな製品ながら、ゲーミングマウスに匹敵する性能を備えているのが特徴。
光学センサーは「Razer 5G 高性能オプティカルセンサー」を採用し、解像度は専用ソフト「Razer Synapse」を用いて200~12,000dpiに調整可能。左右クリックには、押下耐久性1,500万回の静音メカニカルスイッチを採用する。高性能なだけでなく、静音対応でビジネスユースにも配慮した形だ。
ホイールはチルト対応。手前にあるスイッチを動かすことで、引っかかりのないフリースピンと引っ掛かりのあるタクタイルモードを切り替えられる。サイドボタンも備えており、こちらも音はかなり静かだ。ホイールクリックのみ、やや高めの音がするが、一般的なマウスと比べればおとなしい方だろう。
バッテリは単3形乾電池を2本使用し、想定使用時間はUSBレシーバ使用時で最大465時間、Bluetooth使用時で最大725時間。本体上面がマグネットで固定された蓋のようになっており、手前側から簡単に開けられる。電池は1本でも動作可能で、バッテリ容量が半減する代わりに、電池1本分(Razer想定で約23g)の軽量化が図れる。ただ重量バランスが左右いずれかに偏るという欠点もある。
接続は付属のUSBレシーバによる2.4GHz無線と、Bluetoothに対応。底面にあるスイッチでどちらに接続するかを選べるので、自宅ではデスクトップPCでUSBレシーバ、外出時はノートPCでBluetoothといった形に、1台2役で使い分けられる。
これまで紹介した製品に比べると、コンパクトさや携帯性という面では特筆する部分はない。ただ性能や使い心地の点では圧倒的に高く、普段は高性能なゲーミングマウスを使っているという人でも満足のいく性能を持っているのは魅力的。価格は相応に高価ながら、家でも外でも使いまわして常に同じマウス環境にできるのも利点だ。
ゲーミングマウスとしてはかなりシンプルな形状
ロジクール「PRO X SUPERLIGHT」
ゲーミングデバイスでも有名なロジクールの製品。本製品は完全にゲーミングマウスであり、なおかつロジクールのゲーミングマウスの中でも最高峰に位置する。
本体サイズは一般的なゲーミングマウス並みで決して小さくはない。ただ重量は内蔵リチウムイオン電池を含めても63g未満とされ、モバイルマウスとしても十分に軽量な部類だ。実際に手に持つと、見た目からは想像できない軽さに驚く。
光学センサーに「HERO 25Kセンサー」を搭載し、解像度は専用ソフト「Logicool G HUB」を用いて100~25,600dpiで調整可能。無線接続には、プロゲーマーの使用にも耐える高品質な通信を提供する独自規格のLightspeedを使用。専用のUSBレシーバが付属する。
バッテリの想定使用時間は70時間で、約1.8mのケーブルが付属する。このケーブルは充電に使えるだけでなく、有線接続にも使用できる。バッテリを充電しながら有線接続での使用も可能だ。ゲーマーの中にはどうしても無線接続は信用できないという人もいるが、本機は有線/無線の両対応になっているので安心だ。
ボタンはホイールとサイド2個を含めた5個と標準的。ホイールを中抜きにするなど、かなりの軽量化が図られた製品ながら、ボディがたわむなどの弱さは感じられない。底面にはレシーバを収納するスペースもあり、モバイルユースにも配慮されている。
小さいマウスは好まないとか、高性能なゲーミングマウス以外は使いたくないといった人には、最適なモバイルマウスと言える。ただし価格もかなり高価で、実売でも1万6,000円前後となる。ほかのモバイルマウスではどうしても納得できないという場合の切り札的存在だ。