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【2021年上期】今買い換えるならコレ!Wi-Fi 6/IPv6 IPoE対応無線LANルーターおすすめ5選
2021年5月13日 09:50
無線LANの最新規格「Wi-Fi 6」(IEEE 802.11ax)対応の製品が出始めて2年が経ち、PCやスマホもWi-Fi 6化が進んだ。Wi-Fi 6の無線LANルーターも手頃な価格帯の製品が増えていて、これから新規購入や買い替えを考えるなら、Wi-Fi 6対応品を選んだほうが得と言える状況になったと言えるだろう。
Wi-Fiは、Wi-Fi 4(IEEE 802.11n)以降、同じ周波数帯の電波をアンテナの本数(ストリーム数)分同時に利用する「MIMO」(Multi Input Multi Output)と、複数のチャンネルを束ねて利用する「チャンネルボンディング」により高速化している。
外見から分かりやすいのがアンテナの本数だが、アンテナが本体内部に入ってるもの、アンテナ内部に複数のアンテナが入ってるものなどがあり、必ずしも外見通りではないので、スペック表等のアンテナ数やストリーム数の項目で確認するのが確実だ。
ストリーム数は「2x2」「4x4」のように数字で「x」を挟んだ形式で表記される。前の数字が送信用、後ろが受信用を意味する。「2Tx2R」「4Tx4R」のように、前の数字に「Transmit」(送信)の頭文字の「T」を、後ろに「Receive」(受信)の頭文字の「R」をつけて表記することもある。基本的にストリーム数が多い方が通信は速くなる。
一方、購入時に意識する必要はないが、チャンネルボンディングは、約20MHz幅の電波を束ねて、40/80/160MHz幅で使用するといったものだ。隣接しない80MHz幅を2つ組み合わせて使うこともあり、その場合80+80MHzと表記される。チャンネルは番号付けされていて、2.4GHz帯は1~13の13チャンネル(日本は14chも利用可能だが現在は使われていない)、5GHz帯は3つ飛ばしの36~64と100~144で20チャンネルある。ただし、2.4GHz帯は1チャンネルあたり20MHz幅の5GHz帯と違い、1チャンネルあたり5MHz幅なので、同時利用できるのは4チャンネルまでになる。
2021年5月現在日本国内で市販されているWi-Fi 6対応ルーターは、通信速度が約4.8Gbpsのものが最速だ。対して、つなぐ側のWi-Fi 6対応スマホは約1.2Gbpsのものが多く、PCは約2.4Gbpsのものが多いようだ。特に同時接続台数が多い場合は、速度に余裕があるルーターを選ばないと、つなぐ側の機器の性能を活かし切れないので注意したい。
それから、せっかく無線LANをWi-Fi 6で高速化するなら、できれば有線LANやインターネット接続も高速化したいところ。最も、どちらも追加投資が必要で月額料金が上がってしまうなどハードルが高めだ。ただし、回線にフレッツ光や光コラボレーションを使っている場合に限り、格安でできる高速化方法、正確には混雑時の速度低下(1桁Mbps台まで速度が落ちることも)を解消する方法がある。それが「IPv4 over IPv6」の利用だ。
IPv4 over IPv6は、混雑時ボトルネックになるプロバイダのネットワーク終端装置を経由しない「IPoE」(IP over Ethernet)方式でインターネットに接続するサービスだ。ボトルネックの影響を受けるIPv4対応のサイトやサービスの速度低下を抑えることができる。
通常プロバイダの無料のサービス(IPv6接続サービス)として提供されていて、対応しているルーターがあれば利用可能だ。ここ1~2年以内に発売された国内のメーカーのルーターであればIPv4 over IPv6にほぼ対応しているほか、海外メーカーにも一部対応したルーターがある。
IPv4 over IPv6には、「v6プラス」(日本ネットワークイネイブラー)、「transix IPv4接続(DS-Lite)」(インターネット・マルチフィード)、「OCNバーチャルコネクト」(NTTコミュニケーションズ)などがあるが、これらサービスはプロバイダのサービスに組み込まれ、場合によっては名称を変えた状態で利用者に提供されている。
以下、筆者が選んだ無線LANルーターのおすすめモデルとして、Wi-Fi 6とIPv4 over IPv6が使える機種を中心に紹介している。
4.8Gbpsの高速通信が可能なハイエンドルーター
バッファロー「AirStation WXR-6000AX12S」
無線は最大約4.8Gbpsで、WAN側およびLAN側に1ポートずつ10Gbpsの有線LANポートを搭載したハイエンドモデル。10Gbpsのインターネット接続サービスにも対応可能な数少ない選択肢だ。
外部アンテナは4本だが、アンテナ1本につき2.4/5GHz帯兼用アンテナと5GHz帯専用アンテナが1本ずつ入っているので、合計で5GHz帯用8本、2.4GHz帯用4本のアンテナを搭載していることになる。
USB 3.0ポートには、USBメモリ等を接続することで、LANからだけでなくインターネットからもアクセス可能な共有フォルダとして利用可能だ。設置方法は縦置きと壁掛けの2種類。
1万円台前半でコスパに優れるモデル
NEC「Aterm WX3000HP」
無線は最大約2.4Gbpsということで、環境による実効速度の低下を考慮に入れても、1Gbpsのインターネット接続を十分有効活用可能なスペック。それでいて価格は1万円台前半とお手頃なコストパフォーマンスに優れたモデル。
PC等つなぐ側の機器の速度が現状最大2.4Gbpsなので、その性能を十分活用できるのもポイント。ただし、アンテナが2本ということで、無線LANでの同時接続台数が少ない環境に向いている。設置方法は縦置きと壁掛けの2種類。
7千円台で最低限のスペックを備える
アイ・オー・データ機器「WN-DEAX1800GR」
無線は最大約1.2Gbpsで、1Gbpsの有線LANポートを2ポート搭載。Wi-Fi 6対応の無線LANルーターとしては価格、スペックともに最低限なお手軽モデル。
ただ、固定回線ではまだ100~200Mbpsのサービスが一般的なことを考えると十二分に余裕のあるスペックでもある。アンテナ数が少ないので無線LANの同時接続台数が少なく、Wi-Fi 6以前のルーターで速度面に大きな不満がなかったユーザーに向いている。設置方法は縦置きのみ。
1万円台前半でも4.8Gbpsの通信速度をサポート
TP-Link「Archer AX73」
国外メーカー製では珍しくIPv4 over IPv6(v6プラス、DS-Lite)に対応。無線は最大約4.8Gbpsで、4ポートある1Gbpsの有線LANポートのうち2ポートがリンクアグリゲーションに対応。
さらに、USB 3.0ポートを搭載(Apple Time Machine、FTP、ファイル共有等が利用可能)、別途同社の中継器を用意することでメッシュネットワークにも対応するなど、機能盛りだくさんながら、価格は1万円台前半と低め。設置方法は横置きのみ。
メッシュネットワーク採用の2台セット
エレコム「WMC-2LX-B」
無線は最大約1.2Gbpsで、1Gbpsの有線LANポートを2ポート搭載。Wi-Fi 6ルーターとしては最小限なスペックながら、メッシュネットワークに対応した2台セットの、非常にお買い得感のあるモデル。
設置方法は縦置き、横置き、壁掛けの3種類。外部アンテナがないこともあり、設置の自由度が高いのも魅力。