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バッファローは全Wi-Fi 6ルーターでメッシュ対応へ。新製品2機種も投入
2021年6月3日 19:45
株式会社バッファローは、EasyMeshおよびWi-Fi 6に対応した無線LANルーター「WSR-5400AX6S」シリーズおよび「WSR-1500AX2S」シリーズを発表した。前者は6月下旬、後者は9月頃の発売を予定しており、店頭予想価格はそれぞれ1万8,200円前後、7,300円前後の見込み。
WSR-5400AX6Sシリーズは、プレミアムモデルに相当する製品。5GHz帯/2.4GHz帯ともにWi-Fi 6に対応し、最大転送速度はそれぞれ4,803Mbps、573Mbpsを発揮する。
WSR-1500AX2Sシリーズは、エントリーモデルにあたる価格を抑えた製品。5GHz帯でWi-Fi 6をサポートし、最大転送速度はそれぞれ1,201Mbps、300Mbpsを発揮する。
どちらもIPv6 IPoE/IPv4 over IPv6に対応するほか、カスペルスキーのネット脅威ブロッカーの1年分ライセンスなどが付属する。
業界標準のEasyMeshでより簡単かつ柔軟にメッシュを構築
同社は6月3日、オンラインにて発表会を実施。同社事業本部 ネットワーク開発部 部長の田村信弘氏と、事業本部 コンシューママーケティング部 BBSマーケティング課 課長の下村洋平氏より、EasyMeshおよび新製品の説明が行なわれた。
在宅勤務の拡大にともない、Wi-Fiの到達範囲や接続の安定性に対する不満を感じるといった声が増えてきているという。また、親のビデオ会議と子供のオンライン学習がそれぞれの部屋で同時に行なう場合などでは、1台の無線LANルーターではカバーしきれないといった状況もあるという。
中継器を導入することでこういった問題を軽減できるものの、親機と中継器の接続経路が最適に選択できなかったり、端末移動時に接続先がうまく切り替わらないなど、といった問題も存在している。
そこで今回同社では、Wi-Fi Allianceの定めるメッシュネットワーク技術の標準規格EasyMeshを採用。従来、各メーカーが独自に実装してきたメッシュ機能に対して、EasyMeshであれば認証を取得した機器同士であれば、メーカーが異なっても接続できる。製品を組み合わせやすく、あとから買い足すといった導入もしやすい。
EasyMeshでは、親/中継機間のシームレスなつなぎ替えや、より高速な通信経路の選択に加え、有線接続のバックホールもサポート。親と中継器が無線で接続できない場合でも、有線LANケーブルで接続することでメッシュの構築が可能となる。
さらに、同社独自の改良点として、無線バックホールで2.4GHz帯/5GHz帯の両方に対応し、適宜切り替える機能や、初回セットアップ時に有線/無線で機器同士を接続すれば簡単設定などが行なえる機能も用意する。
そのほか、2019年以降に発売された同社製Wi-Fi 6対応無線LANルーター/中継器すべてに対して、EasyMeshに対応するファームウェアアップデートを提供。本日より順次公開していく。
在宅勤務などで中継器の需要拡大もメッシュはこれから
発表会では、同社事業本部 コンシューママーケティング部 部長の中村智仁氏による、Wi-Fi関連製品の今後の事業展開などに関する説明も行なわれた。
【お詫びと訂正】初出時に中村智仁氏の写真として異なる方のものを掲載しておりました。お詫びして訂正させていただきます。
無線LANルーター市場は、2020年以降急速にWi-Fi 6対応製品が拡がりをみせており、2021年4月時点で32%を占めているという。同社ではさらなる拡大を予測しており、2021年内には50%に到達するとみている。
また、ユーザーが製品を選択するさいに重要視する点についてのアンケートでは、価格の安さや接続台数より、電波到達範囲を重視するといった声が多かった。一方で、メッシュ対応の無線LANルーター製品は市場の15.7%、同対応中継器は約36.1%となり、ユーザーの認知度としても中継器が60%、メッシュ対応中継器では30%ほどに留まっている。
同社では、住環境にあわせて隅々まで届くWi-Fi環境を簡単に構築でき、かつ手にとりやすい価格で提供したいとして、新製品の投入やEasyMeshへの対応を進めており、「気がついたらメッシュWi-Fiがユーザーの手元で動いている」といった世界を目指していくという。