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世界初。中国で体細胞から“クローン猿”が誕生
2018年1月25日 17:15
中国科学院神経科学研究所は25日(現地時間)、世界で初めて体細胞から“クローン猿”を作り出すことに成功したと発表した。この内容は生物学に関する学術誌「Cell」で紹介された。
研究チームは、2017年11月27日に世界初の体細胞クローンによる猿「中中」を誕生させることに成功。続いて12月5日に2頭目となる「華華」を誕生させることに成功した。
1997年にクローン羊「ドリー」が誕生したことが発表されて以来、体細胞によるクローンは多くの哺乳類で成功事例が上がってきているが、人に近い霊長類の体細胞クローンは作られてこなかった。同研究所の孫強、および劉真研究員が率いるチームは5年の努力の末、クローン猿を作り出すことに成功した。
体外で体細胞のDNA編集を行ない、同じDNAを持つ体細胞を正確に選び出し、核を移植する方法によってDNAが完全に一致する胚を大量に制作、その後メスの猿の子宮に移して妊娠させる。これによって、1年以内に同じ遺伝背景を持つ猿の量産が可能になる。
今回クローン猿は脳医学に大きな進歩をもたらす。脳疾患に関連する遺伝背景を持つ猿が量産できれば、脳の各種疾患に関する研究や診療が進むことが期待される。現在脳の疾患に対する有効な治療法がないのは、ネズミといった小動物は人類とあまりにもかけ離れているため、ネズミに有効な薬であったとしても、人体には無効だったり副作用があったりするためだ。
人類に近い霊長類のクローンの成功は、霊長類の疾患に効く薬の研究開発を推進し、アルツハイマー病、自閉症といった脳疾患のみならず、原発性免疫不全症候群、癌、代謝性疾患の創薬に有用としている。