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過去最多76組が参加、マウス「親子パソコン組み立て教室2026」開催レポート

「親子パソコン組み立て教室」が開催された長野県飯山市のマウスコンピューター飯山工場

 今年(2026年)で14回目の開催となるマウスコンピューター「親子パソコン組み立て教室」には、76組の親子が参加し、過去最大規模での開催となった。2026年8月14日~15日の2日間、長野県飯山市の同社飯山工場において開催された同イベントの模様をお伝えする。

マウスコンピューターの「親子パソコン組み立て教室」は今年で14回目となる

定員超えの応募で規模拡大 全国から過去最多76組の親子が長野・飯山に集結

 参加資格は小学6年生の親子で、PCの組み立てを通じて、PCを構成する部品の役割を学び、PCへの理解を深めてもらったり、モノづくりの楽しさを知ってもらったりすることを目的に開催している。

 同社では、「普段は目にする機会の少ないPC内部の構造や仕組みを学びながら、完成した際の達成感とともに、モノづくりの魅力に触れる体験型イベント」と位置づけている。

 8月14日にデスクトップPCの、8月15日にノートPCの組み立て教室を開催した。デスクトップPCでは37組、ノートPCでは39組、合計で76組の親子が組み立てに挑戦した。当初は、それぞれ30組ずつの募集定員としていたが、応募が殺到したため定員枠を広げて対応した。

 飯山市からの4組の参加を含み、長野県内からは43組が参加。長野県外からの参加は33組となり、遠方では山口県や和歌山県からの参加もあった。

 なお、開催前日には、千葉県が記録的な豪雨に見舞われ、多くの被害が発生していたが、当日は同県から駆けつけた参加者もいた。参加者の内訳は、男子が7割、女子が3割だった。

受付の様子。2日間で76組の親子が参加した
入学式の会場に向かう参加者たち。会場は第3工場を使って行なわれた

 また、飯山市との連携により、8月14日午後8時から飯山市で開催された「千曲川河畔納涼花火大会」に組み立て教室に参加した親子を招待した。こちらは約200人の親子が参加。希望者を対象にしたものとしていたが、組み立て教室に参加したほとんどの親子が参加した格好だ。

 2日目の組み立て教室に参加する親子は前日から飯山市に入り、花火を楽しんでいた。組み立て教室だけでなく、飯山市ならではの夏の景色や地域の魅力も楽しんでもらうことで、子どもたちの夏休みの思い出づくりに花を添えた。

飯山市の「千曲川河畔納涼花火大会」との連動企画は今年で2回目。会場には花火玉のサンプルを展示した

軣社長「世界に1つのPCを」。好きな機種を自由に選べるBTOならではの体験

 「親子パソコン組み立て教室」の入学式で挨拶したマウスコンピューターの軣秀樹社長は、「今年で14回目を迎える『親子パソコン組み立て教室』は、子どもたちの夏休みの思い出づくりを手伝いたいと考え、飯山工場で開催することにした。

 今日は、参加者が自ら注文したPCを組み立ててもらう。世界に1つの自分のPCを楽しんで作ってもらい、完成したPCを使って、さまざまなことを学んでほしい。AIの時代が訪れているが、これからのAIを育てていくのは、ここにいるみなさんである。日本のITやAIを盛り上げてほしい」と述べた。

 また、「今年は花火大会にも参加してもらい、もう1つの思い出づくりも体験してもらえる。飯山市で行なわれる花火大会は、打ち上げ場所と観覧席が近く、リアルな体験ができるのが特徴である。そちらも楽しみにしてほしい」と語った。

 来賓として挨拶した飯山市の江沢岸生市長は、「今日は、晴天となり、花火日和の1日になった。ようこそ飯山市へ」と歓迎の意を表したあと、飯山市出身の作詞家である高野辰之氏について紹介。

 童謡の「春がきた」、「春の小川」、「朧月夜(おぼろづきよ)」、「もみじ」などの代表作に触れるなか、来場者全員で「朧月夜」を合唱するというサプライズな提案に、一瞬どよめきの声が聞かれたが、それでも全員が大きな声で歌唱し、会場には一体感が生まれていた。

「親子パソコン組み立て教室」の入学式の様子
入学式で挨拶するマウスコンピューターの軣秀樹社長
来賓として挨拶した飯山市の江沢岸生市長
参加者をサポートした先生役のマウスコンピューター飯山工場の社員たち
参加者全員で記念撮影を行なった

 教室の校長を務めたマウスコンピューターの内田衣都美氏は、「今日の組み立て教室は、資料を見て、考えて、協力して組み立てることになる。その点でも勉強になる1日になるはず。1組に1人の先生が付くことになる。

 先生たちは、毎日、工場でPCの生産に携わっている社員である。そして、先生はそれぞれの参加者を抽選で引き当てたご縁がある。親子で組み立てた思い出の詰まったPCになるよう楽しんで作ってほしい」と呼びかけた。

校長を務めたマウスコンピューターの内田衣都美氏

 夏休み期間中の子ども向け組み立て教室は、複数のPCメーカーが開催しているが、組み立てるPCの機種が限定されている。だが、マウスコンピューターの場合、BTO生産を行なっている特徴を生かして、同社の幅広い製品ラインアップの中から、組み立てたいPCを自由に選択できるのが特徴だ。

 1日目をデスクトップPC、2日目をノートPCとしたのは、組み立てにかかる時間が大きく異なることが理由だ。デスクトップPCは約60~100分、ノートPCは約30分を組み立て時間の目安とした。

 今年、デスクトップでは「NEXTGEAR」が人気で、自分用のゲーミングPCが欲しいという子どもが多く、22組が組み立てた。ノートPCでは、14型の「mouse A4」が人気だった。

 本イベントには通常販売価格の3割引きの費用で参加でき、組み立てたPCは、当日持ち帰れる。長野県内から車で参加した親子は、「今日の夜、早速電源を入れてみよう」と楽しそうに話をしていたのが印象的だった。

パーツ集めの「宝探し」からスタート! 実際の生産ラインを使い親子で組み立てに挑む

 デスクトップPCの組み立て教室は、8月14日午後2時からスタートした。

 受付が終わった参加者は、先生役を務めるマウスコンピューター社員の引率によって工場内を見学。さらに、入学式が始まるまでの時間を使って、マウスコンピューターのPCでゲームをプレイしたり、ペイントのImage Creatorの機能を使って、絵を描いたりといった体験が可能になっていた。

 全員参加による入学式のあとには、組み立て教室の会場となる第1工場に移動した。マウスコンピューターの社員によるパーツ説明を聞き、部品のそれぞれに果たす役割を紹介するとともに、組み立て作業を行なう際の注意点を説明。さらに、「宝探し」と銘打って、自らが組み立てるPCの部品を倉庫に探しに出かけた。

 なお、組み立て教室に参加しない家族は、灯籠づくりの体験ができた。

NEXTGEARを使用してゲームをプレイできた
参加者たちは社員の引率で工場内を見学した
パーツ説明では、現物を用いながら、PCを構成する主要部品を解説した
これらのパーツを1つ1つ説明した
パーツ説明は親子が一緒になって参加した
「宝探し」に出かける参加者たち
参加者には自分の部品が置かれた場所を記した地図が手渡された
倉庫内に置かれた参加者向けの部品
自分の部品を見つけてパーツケースに入れる
子どもでも作業がしやすいように、この日のために小さい手袋を用意
灯籠づくりの体験も行なえるようにしていた

 デスクトップPCの組み立て作業は、午後3時過ぎからスタートした。会場となった第1工場は、飯山工場のメインとなる生産エリアで、組み立て教室で使われた作業台などは、実際の生産に利用しているものだ。

 今回は、ゲーミングPCのフラグシップモデルである「G TUNE FZシリーズ」の組み立てを行なった親子の協力を得て作業の様子をレポートする

 実はこの家族は、7年前に当時小学6年生の兄が参加しており、今年は小学6年生となった弟が参加。しかも、先生役となったマウスコンピューターの社員が7年前と同じだったという強運と奇遇が重なった参加者だった。

 では、写真を通じて組み立て教室の様子を紹介しよう。

組み立て教室で使用した作業台は、実際の生産に利用しているものを使用した
本番を始める前に「親子トライアル」で、部品の取り付けやドライバーの使い方を練習
「親子トライアル」では、5つの賞を用意していた
社長賞も用意されており、軣社長も審査に参加して作業の様子を見守った
最初のトライアルがCPUの取り付け作業
トライアルはメモリの取り付け、キーボード裏面のネジ締め、無線LANボードへのケーブル取り付けなどを行なった
組み立て作業の本番は午後3時45分ぐらいからスタートした。いよいよ作業開始だ
まずはCPUの取り付けやM.2 SSDの取り付けから。CPUにはCore Ultra 7 270K Plusを搭載
M.2 SSDの取り付け作業の様子
SSDの上にカバーを取り付ける
もう1カ所にもM.2 SSDを取り付ける
ネジ締めが確実に行なわれていることを先生が確認する
CPU部の裏側からバックプレートを取り付ける
ケースが登場。あまりの大きさにお父さんが持ち運ぶことに
作業台の上でカバーを取り外す
まずはパネルを取り外す作業から始める
パーツケースから水冷クーラーを取り出す
水冷クーラーの取り付け作業
水冷クーラーをケースに固定する
マザーボードを搭載する
マザーボードを搭載したところ
マザーボードをネジで固定
さらにファンを取りける
ファンのケーブルをマザーボードに接続
CPUの上にグリスを塗布する
CPUクーラーをCPUの上に乗せる
CPUクーラーをネジで固定する
無線LANボードを搭載する
無線LANボードのケーブル接続は先生に依頼。「親子トライアル」では苦労していた作業だが、先生は何事もなく接続し、プロの技に感動していた
各種ケーブルをマザーボードに接続する作業
主要なケーブルはシールを使って固定する
8TBのHDDを搭載した
電源ユニットが登場
電源ユニットに、次々とケーブルを取り付ける
電源ユニットをケースに取り付ける
ネジ締め作業が続く。完成までに70以上のネジを使うことになる
ケーブル同士の接続作業も少なくない
ケーブルは複雑に配線されている
親子が協力して、裏側からケーブルを引っ張り出す作業を繰り返す
軣社長が作業の様子を見学
軣社長は作業の様子を食い入るように見つめる
G TUNE FZシリーズの筐体のデザインを決定するのに多くの議論を繰り返したという逸話も披露してくれた
結束バンドを使用してケーブル類の処理を行なう
ここでGeForce RTX 5080が登場した
3人がかりでGeForce RTX 5080を取り付ける
GPUにケーブルを接続する
GPUをサポートステイで固定する。これで部品の組み込みは完了だ
天面カバーを取り付ける
筐体にカバーを取り付ける
シールを貼り付ける。斜めになってしまったのは自分で組み立てた証の1つかも
最後にIntelのロゴシールを貼り付けて完成だ
完成したPCを荷台に乗せて、検査に向かう
検査用の機器が設置されている場所へ移動する
検査用のケーブルを接続する
電源を入れるとPCが無事に動き出した
検査を行ない、正常に動作することを確認
PCが完成して記念撮影
完成したG TUNE FZシリーズ
卒業式で組み立て教室の修了証書を内田校長から受け取った

「自分で組み上げて動く感動を子どもに」軣秀樹社長が語るイベントの原点

マウスコンピューターの軣秀樹社長

 「親子パソコン組み立て教室」の会場で、マウスコンピューターの軣秀樹社長が本誌の単独取材に応じ、このイベントに対する思いを語ってくれた。

 軣社長は、「1つ1つの部品は動かなくても、それを自分の手を組み立て、動作するものに仕上げ、電源を入れると動きだすという感動を、子どものときに体験してもらいたい――。そう考えてスタートしたのが、親子パソコン組み立て教室である。

 私自身も子どもの頃、ラジオを組み立てて、モノづくりの楽しさを知り、今につながっている」と開催の狙いを語る。

 また、「親子パソコン組み立て教室の楽しみ方はそれぞれである。組み立て作業は子どもに任せて、それを見守る親もいれば、一緒になって組み立てる親もいる。どちらも、家族で組み立てに挑戦するという姿であり、モノづくりを通じて、親子の関係が深まるきっかけになっていることを感じた。

 マウスコンピューターは、日本に工場を持ち、日本で生産を行なっているPCメーカーであり、だからこそ、夏休みに親子で参加できる組み立て教室が開ける。モノづくりの体験は、PC以外でもできる。日本に製造拠点を持つ多くの企業に、モノづくりの楽しさを、子どもたちに体験してもらえる場を作ってもらいたい」と述べた。

 今回の「親子パソコン組み立て教室」では、当初の定員人数を上回る応募があったが、最終的に参加人数を約3割増員して実施したのも、軣社長のこうした思いが社員に伝わっているからだ。

 「モノづくりを体験したという子どもがいるのならば、こちらも限界ギリギリの人数まで受け入れようと、スタッフ同士が話をして増員を決定した」と明かす。

 子どもの組み立てをサポートする先生役には、新卒1年目の社員も加わったという。

 「人に教えることは、自分の学びにもつながる。参加者をもてなししながら、世界で1つのPCの組み立てをサポートすることは、社員の成長にもつながる」と語る。

 もう1つ、「親子パソコン組み立て教室」がユニークなのは、飯山工場の社員を中心に、現場主導で企画、運営が進められているという点だ。

 社員だけで、すべてを企画し、運営するのが、「親子パソコン組み立て教室」の仕組みである。モノづくりにはこだわりがある軣社長だが、このイベントについては、口を挟まないようだ。

 「昨年できなかったことを、今年はできるようにしたり、新たなことに挑戦してみたりと、社員たちがアイデアを出しあいながら、毎年アップデートしている。この点でも飯山工場の進化を感じることができた」とする。

 親子パソコン組み立て教室は、親子の新たな体験の場だけでなく、マウスコンピューター自らの成長の場にもなっているようだ。

 余談となるが、2026年9月には愛知県名古屋市でア第20回アジア競技大会が開催され、43競技の1つとして、eスポーツ競技が正式種目にエントリーされている。マウスコンピューターは、オフィシャルサプライヤーとして、同大会をサポートする立場でもある。

 軣氏は、「アジア競技大会ではeスポーツが正式種目となり、アジアのトップ選手が集い力を発揮することになる。また、同じく9月に開催する東京ゲームショウ2026にも、マウスコンピューターは昨年以上の規模で出展する予定である。こうした機会を生かして、パソコン業界全体が連携しながら、eスポーツ市場を盛り上げることが必要だと考えている」とした。

 国内PC市場は、Windows 10の EOSによる特需が終わり、買い替えが一巡した段階にある。それだけに、軣社長は、「eスポーツに挑戦したい、PCでゲームを楽しみたいといった新たなユーザー層を開拓していく必要がある。これを業界全体で推進していく必要がある」と語った。

 「2026年9月から攻勢をかけたい」(同氏)とする、マウスコンピューターの今後の動きが注目される。