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Bashコマンドが打てるWindows 10最新ビルドが公開
~Cortana/EdgeなどBuild 14316は改良点多数
(2016/4/7 13:49)
米Microsoftは6日(現地時間)、Windows 10 Insiderの「Build 14316」をFast ringで公開した。アップデート内容は多岐に渡り、Build 2016でも紹介されていた新機能が多数取り込まれた野心的なビルドとなっている。
Bashコマンド
今回のビルドではBuild 2016の中でも話題になっていたBashのサポートが加わった。これにより、WindowsのコマンドプロンプトでLinuxのコマンドが打てるようになる。
Bashを使えるようにするには「開発者モード」に切り替える必要があり、まず「設定」→「更新とセキュリティ」→「開発者向け」から、「開発者モード」を有効にする。次にWindowsの検索から「Windowsの機能」を立ち上げて「Windows Subsystem fo Linux(Beta)」にチェックをいれる。この後再起動が必要になるので、再起動した後にコマンドプロンプトを立ち上げて「bash」と入力しよう。インストール作業が終われば、Bashを使えるようになっている。
Cortana
Cortana関連でもアップデートがあり、Android OSを搭載したデバイスでCortanaが使えるようになった。ただし、Cortana Version 1.5もしくはそれ以上のバージョンをインストールする必要があるほか、現状ではアメリカと中国版しか用意されていない。
Cortanaの通知関連機能も改良され、PC利用中にモバイル機器のバッテリ残量が低下したらその旨を通知するほか、スマートフォンが見つからない時にCortanaにどこにあるか聞けば、PCを介して位置を教えてくれるようになった。
このほか、PCで入力した地図の場所をCortanaがスマートフォンにも送るデバイス間での行き先共有や、使用している言語に応じてCortanaが話す言語が自動的にダウンロードされるといった動作が加わった。ただし、モバイル版ではいくつかの新機能がでうまく動作していないようで、Microsoftは今後のビルドで修正するとしている。
Edge
前回のBuild 14295でブラウザのEdgeに拡張機能が加わったが、新たにPinterestボタンを追加する「Pin It Button」と「OneNote Clipper」が追加された。また、「Reddit Enhancement Suite」、「Mouse Gestures」、「Microsoft Translator」のアップデートも行なわれている。
Continuum
Connectアプリ(日本語版では「接続」)が追加され、ドックやMiracastアダプタを使わなくてもContinuumを利用できるようになった。また、Miracastが使えるPCからPCへのMiracastにもドックやアダプタが不要になる。現時点でのビルドでは利用時にUSBケーブルを接続するように促されるが、これはバグとなっており、Connectは無線接続でのみ使用できる。
そのほかの追加/改良点
- Skype UWP Preview app
- UWP(Universal Windows Platform)アプリにSkypeのプレビュー版が追加された。Skypeの基本機能を備えたものとなっている。現時点ではPC版しか用意されておらず、モバイル版についてはこれからのビルドで追加されることになる。
- アクションセンターの改善
- アクションセンターの通知に3段階の優先順位を設けられるようになったほか、アプリごとにいくつの通知を見せるか設定できるようになった。
- Emojiのデザイン修正
- Emojiのデザインが変更された。大きなサイズでも見やすくなったほか、アウトラインを2ピクセルにしたことで、どの背景色で見やすくなった。
- パーソナル設定にダークモード追加
- ウィンドウの色などを変える「パーソナル設定」のテーマにおいて、暗色を基調にするダークモードを追加。ほかのUWPアプリにも適用されるが、自身でテーマを設定しているUWPアプリに関しては適用されない。
- 仮想デスクトップの改善
- 仮想デスクトップ使用時に、どの仮想デスクトップ間を移動しても立ち上げているアプリを常時表示できるようにする設定が追加された。
- バッテリセーブモードの動作を追加
- バッテリセーブモード動作時に、指定したアプリがバッテリを大量消費している場合に一時的に動作を停止する「Managed by Windows」の設定を用意した。
今回のビルドには含まれていないが、Microsoftは「Messaging everywhere」というPCとモバイルデバイス間でのメッセンジャーアプリを準備しているという。
これまでのバグに関しては、一部のTPM搭載PCで発生していたオーディオとトラックパッドの誤動作が修正されたほか、マルチディスプレイ環境でフルスクリーンのアプリを使った時にエクスプローラーがクラッシュする問題も直っている。未修正のものとしては、Edgeで巨大なファイルをダウンロードした際に、進行状況が99%で止まってしまうといったものなどが残されている。