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日本語IMEが改良されたWindows 10 Build 14328

~モノクロ化したエクスプローラーアイコンなど変更多数

 米Microsoftは22日(現地時間)、Windows 10 Insider Previewの大型アップデート「Build 14328」を公開した。日本語IMEの修正など、更新内容は大規模なものになっている。

日本語IMEが改良、予測候補が拡張される

 日本語IMEの入力変換における予測候補が拡張され、「きょう」と打ち込んだ状態でTabキーを押すと、西暦や和暦表記の本日の日付が候補に挙がるようになった。

予測候補が拡張された

 また、変換候補の履歴表示をオフにする「Private mode」が追加され、プライバシー保護が強化された。この機能はEdgeとInternet ExplorerのInPrivateブラウズにおいて自動的にオンになる。

変換履歴の候補を非表示できるようになった

 このほか、変換候補にクラウドの予測候補を追加。Bingを利用した機能で用語のボキャブラリーの充実を図るが、この機能を利用するとBingに対して入力文字が送信されることになる。

クラウドの変換候補が表示されるようになった

スタートのインターフェイスなどを改良

 スタートメニューの「よく使うアプリ」と「すべてのアプリ」を統合し、スタートを押してすぐに全てのアプリを閲覧できるようになった。これでユーザーは全アプリを閲覧するために、1手順多く踏まなくて済むようになる。また、これによって電源ボタンや設定ボタンはスタートメニューの左端に寄せられるデザインに変更。これ以外には、最近追加されたアプリの候補が従来の1つだけから3つへと増加されている。

スタートのインターフェイスを変更

Cortanaをロックスクリーンで使用可能に

 サインイン待ち画面の「ロックスクリーン」において、Cortanaを利用できるように変更。ロック状態でもCortanaに予定の確認などが行なえるようになった。

ロックスクリーンでCortanaを使えるようになった

 また、Cortanaのリマインダー機能を改良し、撮影した写真を使ってタスクを知らせるリマインダーのほか、UWP(Universal Windows Platform)対応アプリからリマインダーを設定できるようになった。

 Build 14295のモバイル版でうまく動作していなかったCortanaの通知同期が正しく動作するように改善された。これにより、バッテリが減ったらほかの端末に知らせる、紛失した電話を別の端末から鳴らす、ほかのデバイスと地図を共有するといった使い方に対応できるようになる。

 このほか、クラウド上のOneDriveのファイルをCortanaが検索できるようにもなっている。

アクションセンターと通知のUIを使いやすく改良

 アクションセンターのアイコンがタスクバーの右端に寄せられ、未読の通知の数がアイコン上に数値表示されるようになった。また、アプリアイコンの通知が繰り返し表示されないようになり、アプリごとに通知がグループ化され、ヘッダに内容が表示される。

アクションセンターのアイコンが端に寄り、未読通知数が重ねて表示されるように変更

 アクションセンターの下部に表示されるクイックアクションの追加/削除も可能になっている。これは前ビルドのモバイル版で実装された機能だが、今回PC版にも反映されることになった。これに加え、クイックアクションに表示されるWi-Fiボタンがオン/オフの切り替わりではなく、利用可能なネットワークが表示されるように変更されている。

 これら以外には、Cortanaがアクションセンターに表示されるようになり、予定を通知するといった変更が行なわれている。

アクションセンター下部のクイックアクションが編集可能になり、Cortanaも追加されている

タスクバーの改良で使い勝手が向上

 タスクバーの時計をクリックするとカレンダーと予定が表示されるように変更。そのまま予定の追加も可能になった。また、マルチディスプレイ環境において、それぞれの画面上に時計が表示されるようにもなっている。

タスクバーの時計をクリックして、予定を確認可能に

 タスクバー上に表示されるUWPアプリにはユーザーに何かしらの通知を行なうバッジが重ねて表示されるようになり、Windows 10の「メール」アプリであれば未読メール数を、「アラーム&クロック」はアラームが有効であるかが“ベルのマーク”で分かるようになった。

UWPアプリはタスクバーのボタン上に“バッジ”を表示できる。メールでは未読数が重ねて表示されている

 ヘッドフォンやスピーカーなど、複数の再生デバイスが接続されている場合に、タスクバー上の音量ボタンをクリックすることで、従来の音量調整のほか、再生するデバイスがリストアップされ、使用したいデバイスを指定できるようになった。

音量ボタンから再生デバイスを選べるようになった

 なお、タスクバー上から初期状態ではエクスプローラーアイコンが表示されなくなった。これはタスクバー上のスペースを節約したいユーザーの意見があったためという。また、アイコンが一部を除いてモノクロ化されるといったデザイン変更も行なわれた。ただし、これは暫定的なもののようで、従来の黄色のアイコンも含めて、ユーザーに意見を求めている。

デザインが変更され、一部モノクロになったエクスプローラーアイコン

 このほか、タスクバーの設定が、「設定」メニューに移動するという変更があった。

そのほかの変更点

 今回はアップデート内容が多く、上述した以外のものとして下記のようなものがある。

  • 手書き機能のWindows Inkを改良。EdgeやOfficeソフトにも組み込まれた
  • タブレットモードでアプリを一覧するフルスクリーンモードを以前のものに戻した
  • タブレットモードでタスクバーを自動的に隠す設定を用意
  • 「設定」メニュー内のそれぞれの項目にアイコンを表示
  • 「設定」メニュー内のペンの設定を更新し、ペン利用中はタッチ操作を無効化するといった設定を追加
  • アプリごとの設定を初期設定に戻せるようになった
  • 仮想デスクトップの切り替えを4本指によるスワイプで実現可能に
  • ロックスクリーンにメールアドレスが表示されないようにした
  • ロックスクリーンの右下にメディアコントロールUIを配置
  • 認証ダイアログを表示するアプリで、認証方法にWindows Hello、PINなどが使えるようになった
  • Skype UWPアプリでグループメッセージを送信可能に。グループオーディオ/ビデオも利用できる

 新ビルドでは新機能だけでなく、いくつかのバグフィックスも行なわれている。例として、Xbox Oneコントローラの遅延やPCで使用できなくなるといった問題や、再起動を行なった際に、「再起動中」と表示されたまま再起動が進まないといった問題が解決された。

 なお、既知のバグもまだ多くあり、このビルドへのアップグレード後に、一部のデバイスで省電力機能のConnected Standbyが原因でブルースクリーンが表示されるといったものが報告されている。

(中村 真司)