イベントレポート
WindowsにUbuntuのBashがやってくる
(2016/3/31 13:32)
Buildはソフトウェア開発者向けのカンファレンスだ。当然だが、参加者のほとんどはソフトウェア開発者だ。Buildでは、例年、その開発者に対して感謝の気持ちを忘れない手厚いMicrosoftの姿勢を垣間見ることができる。
まず、Build 2016の初日、Windows 10 Anniversary SDKのプレビュー版が公開された。その新しい機能等の詳細については基調講演内で紹介する時間が確保できなかったということで、Windows developer 担当ディレクターのケビン・ガッロ氏がブログに詳細を紹介している。
基調講演のステージでは開発環境に関連した新しい事実が明らかにされた。
まず、コードネームProject Centennialと呼ばれてきた。デスクトップアプリのコンバーターとしてDesktop App Converterが紹介された。名前からは、まるでWin32アプリをUWPアプリに変換するユーティリティのように思えるが決してそうではない。
これは、単にWin32アプリをWindowsストアで配布できるように変換するためのもので、新しいインストール技術によってインストールやアンインストールが現在のストアアプリのようにクリーンにできるようになる。つまり、かつて悩みの種だったDLL地獄を払拭するわけだ。また、Win32アプリからUWP APIへのアクセスが可能になり、スタートメニューにおけるライブタイルやコルタナに対応することができる。
さらに、コマンドラインを愛する開発者のために、Bashがサポートされる。これには会場が大喝采だった。パートナーシップの締結によって、Ubuntu上のBashがWindowsにやってくる。このBash shellがWindowsストアから入手できるのだ。ステージ上では、Bashのプロンプトにlsコマンドを入力してファイル名を一覧し、emacsでファイルを編集する様子が紹介されていた。
昨年(2015年)のBuild 2015では、なりふりかまわず何でもやるMicrosoftを象徴するように、iOSやAndroidアプリの異なるプラットフォーム間で開発コードを共有するためのなどが紹介されていたが、これらの役割は買収されたXamarinに委ねられることになるようだ。Microsoft .NET環境をiOS、Android、iOS上に実現するのがXamarinのソリューションだ。
また、この場で「Visual Studio 2015 Anniversary Update」が発表された。