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アップル、iBookstoreでの独自コンテンツなどについて解説
(2013/3/8 00:00)
アップルは3月6日から、iBookstoreを日本でオープンした。全世界で、1億3,000万回のダウンロード実績を持つアプリ「iBooks」を使用し、iPhone、iPad、iPad mini、iPod touchで電子書籍を見ることができる。
講談社、角川書店、文藝春秋、学研、幻冬舎などが電子書籍を提供。アップルでは、取り扱っている書籍の具体数は明らかにしていないが、すでに数万冊を取り揃えているという。無料コンテンツのほか、有料コンテンツは50円以上から取り揃えている。
アップルは、日本国内において、2005年8月からMusic Storeを、2008年7月からAppStoreを、2010年11月にはMovie Storeを開始。今回のiBookstoreは、4つ目のストアとなる。また、今回の日本でのサービス開始により、iBookstoreは世界51カ国で配信されることになる。また、無料の本だけの提供を含むと、世界155カ国で展開していることになる。
同社では、「探しやすさ、買いやすさ、読みやすさにこだわったサービス」と位置付けており、「日本のユーザーが要求する高い品質に応えられるような水準を実現。単に数だけを増やすのではなく、本としてしっかりと読んでもらえる品揃えを重視した。あらゆるジャンルの書籍を取り揃えているが、ライトノベルや漫画など、日本で人気が高いジャンルも数多くのコンテンツを用意している」とする。
iBookstoreでは、料理本、歴史書、伝記、絵本、児童書など数百におよぶカテゴリの本を楽しむことができるという。
また、iBookstoreの専任編成スタッフが、推薦する「スタッフのお気に入り」を用意。約20冊を利用者に紹介する。スタッフのお気に入りは、人気作品だけでなく、新人作家の作品でもスタッフが気に入ったものは積極的に紹介していくことになるという。
「300円以下のベストセラー」、「文学受賞作品」といった特集形式での紹介コーナーも用意。読者のニーズにあわせて選択しやすくなっている。新たな電子書籍コンテンツは随時追加されるが、毎週水曜日にトップページに表示するコンテンツを変更させる。
iBookstoreのサービス開始にあわせて、電子書籍ならではの独自機能を用意している点も特徴だ。日本独自の縦書き表示や禁則処理、ルビ表示、左から右へのページめくり機能などに対応。しおり機能では、移動中にiPhoneで読んだところまでを「しおり」で指定すると、iCloudを通じて、家に帰って続きをiPadで読むといったデバイスをまたいだ使い方が可能になる。
また、自分が読みやすいフォントに変更したり、スクロールモードでは、左から右にスクロールさせて読むことができる。メモ機能では、気になった文章を指定すれば、メモとして一覧表示することができる。
サービス開始にあわせて、iBookstore向けの独自電子書籍コンテンツも用意している。村上龍氏の作品では、「空港にて」、「希望の国のエクソダス」、「心はあなたのもとに」の3作品を、iBookstore限定作品として配信。「心はあなたのもとに」では、本文中に登場する携帯電話によるメールの部分は、まるで携帯電話にメールが届いたような演出が行なわれており、電子書籍ならではの見せ方により、物語の世界に深く入り込めるような工夫がなされている。
児童書の「ぴよちゃんのおはなしずかん おてがみきたよ」では、インタラクティブな仕掛けや、ユニークなページめくりなどの仕掛けが用意されているほか、「トイスト-リ-3 ずっと おともだち」では、自動読み上げ機能により、読み聞かせを楽しむことができる。
さらに、料理本では、検索機能を利用することで、レシピの中から該当する言葉を検索することができる。たとえば、余った野菜で料理を作りたいという場合には、該当する野菜の名前を入力すれば、その野菜を使ったレシピが一覧表示される。
漫画では、「ジョジョの奇妙な冒険」のカラー版PART 4が、iBookstore限定での配信されており、「iPadのRetinaディスプレイとの組み合わせによる発色の高さは、漫画家の方々にとっても魅力的なものになっている」としている。
なお、iBookstoreの利用には、iOS 6.1以上が必要。最新のiBooks 3.1で、日本語書籍の購入、閲覧を可能としている。