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東北大、同じ形で焦点距離が違うテラヘルツ用レンズ開発。6G開発につながるか
2026年3月23日 19:53
東北大学大学院工学研究科ロボティクス専攻の金森義明教授らの研究グループは、レンズ形状を変えることなく焦点距離を制御できる、テラヘルツ波用レンズを開発した。
テラヘルツ波は電波と光の間の周波数帯の電磁波で、非破壊検査や分光分析など幅広く用いられているほか、次世代通信6Gが利用する周波数帯の候補にも挙げられている。この周波数帯域は利用できる光学材料が少ないなど、光学素子設計時の自由度が低いという課題があった。
開発されたテラヘルツレンズは、シリコン微粒子を透明樹脂(COP)中に分散させた立体構造(三次元バルク)を、波長よりも細かいスケールで構成した人工物質(メタマテリアル)を用いた光学素子。このシリコンの濃度を調整することで屈折率を調整でき、レンズの形状を変えることなく焦点距離を制御することが可能になるという。
実際の製造プロセスでは、シリコン微粒子と透明樹脂粉末を混合し、金型に充填して樹脂を熱溶解させることでレンズを作った。段階的に材料を投入することで気泡を防ぎ、均一な分散を実現できたという。
実験では、シリコン粒子の体積濃度を0%、5%、25%の3種類で変えて作製した同一形状のレンズについて焦点距離を測定。シリコン濃度が高いほど焦点距離が短くなることが確認された。たとえば0.1THzにおいて、濃度0%で約33mm、5%で約31mm、25%で約24mmとなった。
本技術では、約1.5~2.0程度の広い屈折率範囲を実現できる。同じ製造プロセスで異なる光学特性を持つ材料を作製できるため、今後はテラヘルツ分光用プリズムや光学フィルムなど、さまざまなテラヘルツ光学素子への応用が期待されるという。
本研究の成果は、2026年3月13日付けで科学誌「Optics & Laser Technology」に掲載された。





















