全国主要都市の電波の強さが分かる地図公開、NICT

　国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は10月30日、日本全国主要都市の電波強度が分かる地図を公開した。

　これは、総務省委託研究「電波ばく露レベルモニタリングデータの取得・蓄積・活用」として、2019年から大規模な電波暴露レベルの長期測定を行ない、生活環境における電波暴露レベルのデータの取得を進めていた取り組みの一環として公開されたもの。データは、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡と全国政令指定都市など9都市、およびその近郊にて測定した電波の強さ(電界強度)を1km四方に平均して、地理情報システム(GIS)データ形式の地図としてWebサイトで公開している。

　携帯電話やWi-Fiなどの電波は、人体に悪影響を及ぼさない範囲で利用されているが、電波は音も匂いもなく、目にも見えないため、その強さを感じることはできない。このことが、電波利用に対する不安の一因となることがある。

　そこでNICTでは、公平中立的な公的研究機関として、国民に広く公開して活用できる信頼性の高いデータの整備を目的として、全国の主要都市において電測車による測定を行なってきた。

　公的研究機関による中立的な立場からの全国規模での測定は国内初で、電測車の走行距離は地球一周分に相当する延べ40,000kmを超えた。

　今回のGIS形式のデータを活用することにより、建物やインフラの情報、各種統計データの空間情報などと組み合わせて、さまざまな目的で利用できるとしている。