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Microsoft、Copilotブランドを整理し機能拡張。Windows 365はGPUに対応
2023年11月16日 01:00
Microsoftは11月15日(現地時間)に、同社の年次イベント「Ignite 2023」を開催している。現地時間の午前9時からは初日基調講演が行なわれる予定になっており、Microsoft CEO サティヤ・ナデラ氏など同社幹部が参加して同社の新製品や新サービスなどに関して説明する予定だ。
それに先だってMicrosoftは報道発表を行ない、同社の生成AIを利用した機能「Microsoft Copilot」に関する各種発表を行なった。
Bing ChatやCopilot関連はブランドを変更して整理
同社が「Microsoft Copilot」と総称している、LLM(大規模言語モデル)などのより大規模なAIモデルを採用したコパイロット機能(人間を助けるサービスという意味で副操縦士を示すCopilotと呼ばれている)をサービスとして順次展開してきた。
最初に展開されたのが、同社のWebブラウザ「Microsoft Edge」の拡張機能として提供が始まった「Bing Chat」と呼ばれるもので、チャットベースのサービスとして提供開始された(現在はWeb版も提供中)。そして、その企業向け版となるBing Chat Enterprise、さらにはWindows 11に統合されたWindows Copilotの提供が始まるなど、ブランド名が統一されることなく順次展開される形になっていた。
旧名称 | 新名称 | 対象ユーザー |
---|---|---|
Bing Chat | Copilot | 一般消費者 |
Bing Chat Enterprise | Copilot | 企業 |
Windows Copilot | Copilot in Windows | 一般消費者/企業 |
Microsoft 365 Copilot | Copilot for Microsoft 365 | 企業 |
Microsoft Sales Copilot | Copilot for Sales | 企業 |
Microsoftは今回のIgnite 2023において、こうした「Microsoft Copilot」ブランドの整理を行ない、今後は「Copilot in~」ないしは「Copilot for~」と、Copilotの名称に統一されると発表した。
Microsoftアカウントを利用する一般消費者向けのBing Chatは「Copilot」、旧Azure ADアカウントになるEntraアカウントを利用するBing Chat Enterpriseは「Copilot」、従来はMicrosoft 365 Copilotと呼ばれてきたMicrosoft 365向けのコパイロットは「Copilot for Microsoft 365」と呼び方が変更されている。
さらにMicrosoft 365 Sales Copilotは「Copilot for Sales」、そして今回新しくサービス向けのCopilotとなる「Copilot for Service」が発表されている。
なお、Windows Copilotは、今後一般消費者向けも企業向けもCopilot in Windowsと呼ばれることになる。
【17日9時20分訂正】掲載時にはBing Chat Enterpriseを「Copilot Pro」、企業向けWindows Copilotの変更後の名称をCopilot Pro in Windowsと表記していましたが、正しくはどちらもCopilotになります。それに合わせて本文と表、画像を修正しました。お詫びして訂正します。
TeamsやWord、Excel、PowerPointのコパイロット機能が拡張
また、「Microsoft Copilot」の機能拡張を行なっていく。今回のIgniteでは「Copilot Studio」と「Copilot for Microsoft 365」の機能拡張が発表された。
Copilot Studioは、SAP、WorkdayやServiceNowのようなサードパーティが提供するサービスのデータとMicrosoft Copilotをローコードで接続可能にする機能。Microsoft Copilotがそうしたデータにアクセスし、逆にデータを提供することで、より高度なサービスを従業員などに向けて提供することが可能になる。
Copilot for Microsoft 365(現在は英語版のみ提供されており、月額30ドル)の機能拡張は多岐にわたっており、自分が利用するCopilotをパーソナライズ化する「Copilot profile」の機能が追加されるほか、Teamsの機能拡張となるCopilot in Teams、Copilot in Outlook、Copilot in Loop、Copilot in Word、Copilot in Excel、Copilot in PowerPointなど、おなじみのオフィスアプリケーション向けのCopilotの機能拡張が明らかにされている。
Copilot in Teams
Copilot in Teamsには12月から新しい「Intelligent recap」機能が統合され、行なわれた会議の内容をCopilotが自動で読み込んで、重要ポイントを取り上げた要約を自動生成する。それにより参加していなかった人も要約を見れば、会議で何が話し合われたのかなどを簡単に把握することができる。
また、「Copilot in Collaborative notes」の機能を利用すると、議事録自体の作成をCopilotが自動で行なってくれるため、会議の参加者はメモを取ることに気を取られることなく、会議に集中できる。
Copilot in Outlook
来春に「meeting prep summaries」という機能が追加される。ミーティングの招待状、ミーティングに関係した電子メールや文章などからミーティングに向けた文書整理などをCopilotが行なってくれて、要約を作成してくれる。
また、「email thread summary」(電子メールスレッド要約)の機能では、Copilotが自動でメールや文書などを解析して必要な出席者を選んでくれるほか、各人の予定表を確認して空いている時間を示唆してくれる「Scheduling assistance with Copilot」も活用して会議の時間を設定することができる。
Copilot in Word
まもなく「キャッチアップ・コメント」機能がWordに追加される。複数のリビジョンがあるような文章の中で「どこが差分か教えて欲しい」などの指示を出すと差分の箇所を教えてくれる。
Windows 365がGPUサポートに対応。ワークステーション的な使い方も可能に
MicrosoftはSaaSベースのVDI(Virtual Desktop Infrastructure)となるWindows 365を、2021年からサービスインして、すでに何度かの機能アップデートを行なってきた。
今回のIgniteでMicrosoftは、Windows 365にGPUサポートの機能をプレビューとして導入したことを明らかにした。これまでのWindows 365では、GPUはCPUによりソフトウェア的に実現されていたため、3Dモデリングやデータ処理など、ハードウェアのGPUを必要とするようなアプリケーションを活用するのは難しかった。しかし、今回GPUサポートの機能がプレビューとして追加されたことにより、Windows 365をそうしたコンテンツ作成やプロユースに使うことが可能になっている。
また、同時に従来CPUは8コアまで構成可能だったが、本日より最大16コアまで構成可能になるなど、VDIのマシン構成の拡張も発表されている。