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Bluetoothは今年で25周年。革新の歩みと今後の展開を紹介

 Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は16日、Bluetoothのロードマップを解説する記者説明会を実施した。

 説明会では、Bluetooth SIGの最高マーケティング責任者(CMO)であるKen Kolderup(ケン・コルドラップ)氏が登壇。発足から25周年を迎えた同団体およびBluetoothのロードマップを、最新状況や未来に向けた機能強化を交えて紹介したほか、最新のBluetooth市場動向のデータについて説明した。

Bluetooth SIG 最高マーケティング責任者 Ken Kolderup氏

 Bluetooth SIGは、1998年に設立された、Bluetooth関連の技術や商標を管理する非営利団体。Bluetoothの機能強化を目的とした仕様策定を年間で平均50以上実施しているほか、4万社を超える企業と連携し、年間7万以上のBluetooth製品の認証も行なっている。

Bluetooth SIGについて

 Bluetoothは、元々オーディオ機器をコードレス化する目的で開発された接続方式で、ワイヤレスオーディオ分野ではヘッドセットから始まり、車載ハンズフリー通話やヘッドフォン、スピーカー、最近では補聴器にも搭載されている。

 Bluetooth対応ワイヤレスオーディオ機器の2023年の予想出荷台数は13億台以上で、LE Audioの導入や新機能「Auracast」の登場により、2027年には16億台以上の出荷台数が見込まれている。

ワイヤレスオーディオ分野

 同氏は、ワイヤレスオーディオ分野のほかにBluetoothの成長を牽引した分野として、マウス/キーボード、スポーツ機器、医療機器などを対象とするコンシューマエレクトロニクス分野や、予知保全/照明制御/追跡システム、最近では電子棚札(ESL)などにも導入が進んでいる産業分野の2つを挙げている。

 2分野の2023年の予想出荷台数は順に、16億台以上、2億台以上で、2027年にはそれぞれ、29億台以上、7億台以上に成長すると述べている。

コネクテッドコンシューマエレクトロニクス分野
コネクテッド産業分野

 Bluetoothは25年間において、通信速度が倍以上、通信距離が4倍以上に向上した。また、メッシュ技術の導入により数百の製品が相互に接続可能になり、AoA/AoDにより位置情報やアセットトラッキングの精度も向上、LE Audioの登場により、低消費電力で高音質な音声伝送も実現した。

 同団体はBluetoothの今後の展開として、2台のBluetooth製品間の距離を従来より高精度で測定できる技術を来年の前半には導入するほか、Bluetooth LEに関して、データスループットを最大8Mbpsに向上し、周波数帯域を従来の従来の2.4GHzから5GHz帯および6GHz帯に拡張するとしている。

これまでのBluetoothの機能強化
Bluetoothの今後の展開