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PFU、2つのスキャン方式で多様な原稿に対応する小型スキャナ「ScanSnap iX1300」
2021年10月5日 13:00
株式会社PFUは、2種類のスキャン方式に対応したコンパクトなドキュメントスキャナ「ScanSnap iX1300」を8日に発売する。受注はすでに開始しており、価格はオープンプライスで、直販価格は3万5,200円。
iX1300は、子供のプリント管理、レシートや会議資料の電子化など、家庭でも仕事でも活躍できるコンパクトスキャナとして投入するミドルレンジ向けの製品。「S1300i」の実質的な後継機で、スキャン速度は2.5~9倍程度高速となっている(iX1300の発売にともない、S1300iは生産終了となる)。
296×114×87mm(幅×奥行き×高さ)とコンパクトな筐体ながら、本体上部と下部で2種類のスキャン方式が利用できるのが大きな特徴。上部は「Uターンスキャン」、下部は「リターンスキャン」方式と呼ばれ、それぞれの特性をいかして様々な原稿や用途に対応する。
Uターンスキャンは、最大20枚までの原稿をまとめてセットし、自動給紙での連続スキャンも可能な方式。筐体内で原稿がUターンするように送られるため、給紙から排紙までが本体上部で完結する仕組みとなっている。上方に空間が必要だが、手前に排紙スペースが必要なく、少ない面積で使えるとしている。
A4カラー/グレー原稿の場合、最大で片面および両面30枚/分の高速スキャンを実現。機構の特性上、曲がりにくい/反らせたくない原稿には適さないとしている。
リターンスキャンは、原稿を手前から差し込み、前後に往復させてスキャンする方式。1枚ずつの手差しとなるが、給紙/排紙をどちらも前面でできるため、連続スキャンもしやすい。斜めに差し込んだ原稿が搬送口にぶつかりそうな場合に、自動的にスキャンを停止する原稿保護機能も備える。
Uターンスキャンと異なり、厚紙、運転免許証などのプラスチックカード、通帳、2つ折りのA3用紙といった厚さ2mmまでの原稿に対応。A4カラー/グレー原稿の場合、最大で片面および両面5枚/分でのスキャンが可能となっている。
また、上部の給紙トレイを開く、または下部に原稿を差し込むと電源が入り、Scanボタンを押してすぐにスキャンを始められるのも特徴。クイックモード設定時では、ともに2.9秒で読み取り可能な状態になるとしている。主な操作系はScanボタンとLEDインジケータのみで、ディスプレイは備えない。
インターフェイスは、USB 3.0に加え、Wi-Fi 5も搭載。PCやタブレットなどとのワイヤレス接続のほか、ScanSnap Cloudによるクラウド連携機能も利用できる。加えて、無線LANルーターを介さないダイレクト接続モードもサポートする。
そのほか、スキャンデータの管理などをまとめて行なえるユーティリティソフト「ScanSnap Home」が1ライセンス付属。文章、名刺、レシート、写真の自動分類や、原稿内の文字認識、傾き補正や縦筋軽減などの各種最適化機能を利用できる。加えて、スマートフォンやタブレット向けのアプリ「ScanSnap Connect Application」や、「ScanSnap Manager」もサポートする。
主な仕様は、センサーがCIS×2、光源がRGB 3色LED、最大解像度は600dpi。原稿分離はパッド分離方式で、対応用紙サイズは、UターンスキャンがA4~A6、B5~B6、はがき、名刺、レター、リーガル、カスタムなど、リターンスキャンがA3~A6、B4~B6、はがき、名刺、レター、リーガル、カスタムなど。別売のA3キャリアシートなどもサポートする。
対応OSは、Windows 7以降/macOS 10.13以降、およびAndroid 6.0以降/iOS 12以降/iPadOS 13以降/Chrome OS 88.0.4324.186以降/Fire OS 6.0以降。
本体色はブラックとホワイトの2種類。本体サイズは給紙トレイ収納時が296×114×87mm(同)、展開時が296×247×242mm(同)、重量は2kg。
20周年を迎えたScanSnap。デジタルとアナログの架け橋に
同日開催された発表会では、まず同社代表取締役社長の長堀泉氏が登壇。スキャナ関連事業の状況について説明を行なった。
同社の売上の35%を占めるドキュメントイメージングビジネスにおいて、スキャナ製品は1983年の販売開始以降、2020年に累計出荷台数1,300万台を達成。グローバルでも日本、欧州、北米地域にて2020年度シェア1位を獲得し、幅広い分野で活用されているという。
7月に20周年を迎えたScanSnapシリーズは、業務用スキャナで培った技術を継承しながら、簡単/スピーディ/コンパクトを追求した製品として展開。国内の販売実績では11年連続シェア1位を獲得し、グローバルでは累計600万台を出荷。これはスキャナ製品の約半分に占めるかたちとなる。
2020年以降は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、新しい働き方や暮らし方が拡がり、オフィスと自宅のどちらも活用するハイブリッドな働き方も拡大した。その中でScanSnapシリーズは、アナログとデジタルの架け橋となり、効率的な業務やスマートで快適な暮らしを実現する製品となるとした。同氏は、今回発表のiX1300について「ニューノーマルの時代にぜひ使っていただきたいスキャナです」と述べた。
ニューノーマル時代に向けて、仕事でも家庭でも活用できる製品を
続いて、同社取締役 執行役員常務 宮内康範氏が、iX1300の商品化の狙いについて説明を行なった。
ScanSnapシリーズは、これまでもビジネスだけでなく家庭でも使われてきたが、コロナ禍で在宅勤務が拡がる中、様々な業務の効率化ツールとして活用が進んでいるという。
同社が2020年に実施したScanSnapをモニター提供する「ScanSnap×テレワーク支援プロジェクト」では、95%のユーザーから在宅勤務業務の生産性が向上したとの回答が得られたという。大切な情報が紙のみで存在したり、紙の情報を得るためだけに出社しなければならないといった状況が、紙の電子化によって大きく改善。会議資料の共有などにもScanSnapが活躍したという。
働き方が大きく変わる一方で、家庭内におけるワークスペースの確保が課題となる場面も少なくない。ビジネスと家庭の距離が近づく中で、今回のiX1300は、よりコンパクト/省スペースで在宅勤務を邪魔せず、かつビジネスだけなく家庭で発生する紙にも活用できる製品として投入するとした。
また発表会後半では、ScanSnapプレミアムアンバサダーの収納王子コジマジック氏が登壇。iX1300は特にコンパクトで、家庭での書類整理に非常にマッチしているとした上で、1人でも多くの人に知ってもらい、使ってほしい製品だと語った。
さらに、同社ドキュメントイメージング事業本部 プロモーション推進部 名倉里美氏による、iX1300に関するデモンストレーション動画を交えた製品解説も行なわれた。