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2通りのスキャンが行なえる新モデル「ScanSnap iX1300」はドキュメントスキャナの決定版か

 PFUのドキュメントスキャナ「ScanSnap」シリーズに、新モデル「ScanSnap iX1300」が登場した。ScanSnapでは、最大50枚の原稿をまとめてセットできるハイエンドモデルと、スティック状の筐体で1枚ずつスキャンを行なうモバイルモデルがメジャーな存在だが、今回のiX1300はちょうどその中間に位置するモデルだ。

 かつての「S1300i」の後継に当たるこのモデルは、2通りの読み取り方法に対応するなど、かなり個性的な性格を備えた製品だ。メーカーから実機を借用したので、レビューをお届けする。

 なお本稿では、上位にあたる現行モデル「iX1600」について、同じ外観の旧モデル「iX1500」を外観写真などで使用している。速度以外のスペックはほぼ同じで、外観やギミックの比較においては特に問題はないはずなので、その旨ご了承いただきたい。

「ScanSnap iX1300(FI-IX1300)」。従来の「S1300i」の後継に当たるモデルだ。販売価格はオープン、PFUダイレクト価格は3万5,200円
背面から見たところ。突起もなくスッキリした形状だ。ホワイトモデル以外にブラックモデルもラインナップする
上部カバーを展開した状態。原稿は本体前方にではなく上に排出される(Uターンスキャン)
前方から原稿を挿入して読み取ることもできる。原稿は奥に排出されるのではなく、往復して手前に戻ってくる(リターンスキャン)
読み取りは本体上部右にあるSCANボタンを使って行なう。PC側のユーティリティからも制御できる
左側面には電源コネクタと、有線接続用のUSBポート(USB3.2 Gen1対応)を搭載する
背面には有線と無線を切り替えるためのスライドスイッチ、およびWPSボタンがある
同梱品。ACアダプタ、電源ケーブル、USBケーブル、スタートアップガイドとシンプルだ

2Lのペットボトルとほぼ同等サイズ

 まずはざっと特徴を比較してみよう。といっても詳細な比較はメーカーサイトを見れば明らかなので、ここでは筆者なりの視点で、特徴的な項目を抜粋しつつ、独自の項目を加えた表を掲載する。

iX1600iX1300iX100
本体サイズ大サイズ
(292×161×152mm)
中サイズ
(296×114×87mm)
小サイズ
(273×47.5×36mm)
読み取りの向き上→前Uターン:上→上
リターン:前→後→前
前→後
最大セット枚数50枚Uターン:20枚
リターン:1枚
1枚
読み取り速度(毎分)40枚Uターン:30枚
リターン:12枚
11.5枚
プロファイル切替PCまたは本体タッチパネルPCPC
電源専用ACアダプタ専用ACアダプタUSB(バスパワー駆動)
スキャン時に原稿は反るか多少反るかなり反る(Uターン)
反らない(リターン)
反らない
PFUダイレクト価格(税込)52,800円35,200円24,200円

 ScanSnapのフラッグシップモデルであるiX1600は、最大50枚もの原稿をADFにまとめてセットでき、毎分40枚というスピードでスキャンが行なえる。大量の紙を電子化するにはぴったりだが、筐体はそのぶん大きく、またトレイを展開させたときの体積も相当なものだ(奥行きがおよそ50cm必要)。

ScanSnap iX1600(後ろ)と本製品の比較。体積は倍近く異なる

 一方、バスパワーもしくはバッテリで駆動するモバイルタイプのiX100は、スティック形状で邪魔にならないものの、セットできる枚数は1枚ずつ、また片面ずつしか読み取れず、多くの書類をスキャンするには不向きだ。

ScanSnap iX100(手前)と本製品の比較。iX100はスリムでモバイルにも向くがスキャンは片面ずつ、かつ1枚ごとにしか行なえない

 今回のiX1300はこの両者の中間に相当する製品で、筐体サイズは2Lのペットボトルと同等、また読み取った原稿を手前ではなく上部に排出する構造ゆえ、設置スペースもかなりコンパクトだ。同時セット枚数は最大20枚と、iX1600の半分以下だが、そこまで多くなくてよいユーザーも多いだろう。

 また読み取り速度は毎分30枚と、毎分40枚を誇るiX1600には及ばないものの、モバイルタイプのiX100に比べると高速だ。本製品はローラーがパッド式で、あまりにスキャンが高速だと原稿がきちんと分離しない特性があることを考えると、かなり健闘していると言える。

本製品の体積は2Lのペットボトルとほぼ同等だ
トレイを展開したScanSnap iX1600(左)と比べても、占有スペースの差は明らかだ

 セットアップ手順は、まず機種を選んだのち、PCにUSBで接続。起動モードを選択したあと、あらためて有線か無線かを選び直し、必要に応じてWi-Fi設定を行なうことで、専用ソフト「ScanSnap Home」で認識できるようになる。

PCで専用ユーティリティ「ScanSnap Home」を開き、機種選択で「iX1300」を選ぶ
PCに接続。USBケーブルを使わずに設定することもできる
起動モードでクイックかノーマルのどちらかを選ぶ
接続完了。Wi-Fi設定を行なう場合はこのまま続行する
本体背面のWi-Fiスイッチをオンにする
SSIDを選び、パスワードを入力する。一般的なネットワーク機器の設定手順と同じだ
接続完了。ここでようやくUSBケーブルを外すことができる
ScanSnap Homeの操作画面が表示された。これでスキャンが可能になる

 なお過去に別のScanSnapで使っていたプロファイルを使うためには、いったんエクスポートしたあと、本製品が選択された状態で、あらためてインポートを行なう必要がある。これらプロファイルはスキャナごとに用意されているため、共用するのではなく、複製して使わざるを得ないわけだ。多少面倒だが、手動でいちから作り直すよりはマシだろう。

「インポート/エクスポート」メニューから「ファイルにエクスポート」を選択
これまで別製品で使っていたプロファイルを選択して「エクスポート」を実行する
完了したら移行先のモデル(今回でいえばiX1300)で同じ画面を開いて「ファイルにインポート」を選択
エクスポートされたファイルを指定し、取り込むプロファイルを指定し「インポート」を実行する
これまで使っていたプロファイルが無事利用できるようになった

2つの読み取り方式に対応

 さて本製品の最大の特徴は、2つの読み取り方式に対応することだ。1つは「Uターンスキャン」、もう1つは「リターンスキャン」という名前がつけられており、原稿のセット方法はもちろん、排出方法も異なっている。順に見ていこう。

 まずUターンスキャンだが、従来のiX1600と同じように、上面のカバーを開け、給紙トレイに原稿をセットする。これでスキャン後に手前に原稿が排出されれば、iX1600と大きくは変わらない設計ということになるが、本製品はこの原稿を読み取り直後にUターンさせ、本体の上方向に排出させる構造になっている。トレイはSCANボタンを押すと自動的に開くので、手動で立てるなどの手間はかからない。

 この方式では、本体手前に原稿の排出スペースを必要とせず、設置スペースが節約できる利点がある。本製品はiX1600に比べて同時にセットできる原稿枚数が少ないため、Uターンした原稿を保持するにしても、重さで負けたり、トレイからはみ出すこともない。ただし原稿は大きくカールすることから、厚手の原稿をスキャンするには向かない。

シューターは自動的に立ち上がる。上部のカバーを開けると……
シューターが左側から持ち上がる
カバーを開き切るとシューターが完全に立ち上がった状態になる
給紙トレイに原稿をセット。過去のモデルと異なり、原稿の表側が手前に来る状態でセットする
排出先のトレイはSCANボタンを押した時点で自動で起き上がるので、この段階で手動で起こす必要はない
SCANボタンを押すと排出先のトレイが起き上がり、読み取った原稿がUターンして上に重なっていく
トレイが起き上がる様子を反対側から見てみよう。原稿をセットした状態でSCANボタンを押すと……
トレイが連動して自動的に立ち上がり、読み取った原稿が上に排出される
スキャンが終わるとトレイは自動的に収納される
【動画】上部でUターンスキャンを行なっているところ。SCANボタンを押すと同時に給紙トレイ手前の排紙トレイが起き上がり、スキャンの終わった原稿が積み重なっていく
【動画】Uターンスキャンを後方から見たところ。排紙トレイが起き上がるギミックがよくわかる。スキャン完了後に再び折りたたまれるのも面白い

 もう1つは、従来のiX100とほぼ同じ、本体正面から原稿を差し込んでのスキャンで、リターンスキャンと呼ばれている。なぜこのような名称かというと、iX110であれば背面にそのまま排出されていた原稿が、本製品は読み取り後に再び手前に戻ってくる構造になっているからだ。

 具体的な挙動は動画をご覧いただきたいが、いったん原稿が背後から顔をのぞかせたのち、再びスキャナの中に吸い込まれていく。背面に排出されるわけではないので、背面に排紙スペースを用意しなくて済む利点がある。

 こちらは原稿は1枚ずつしかセットできないものの、厚みのあるカードや通帳、封筒、さらに折りたたんだパッケージなど、Uターンさせるのが難しい原稿も問題なくスキャンできる。またiX100では不可能な、両面読み取りにも対応している。

本体正面から原稿を差し込んでのスキャンも行なえる。通帳のような厚みのある原稿も問題なく対応する
スキャン開始。原稿の先頭を差し込んだ状態でSCANボタンを押す
いったん背面まで通過するが、排出はされない
向きを変えて前方へと送られ、そのまま排出される(リターンスキャン)
【動画】リターンスキャンを行なっているところ。途中までは普通だが、原稿が背面に排出されるかと思いきや、手前にそのまま戻ってくるのが特徴

 ただしこのリターンスキャン、原稿に付箋などが貼られていた場合、進行方向が逆向きになることで、中で引っかかることがある。試しに、4枚の付箋それぞれが上下左右を向くように貼り付けた原稿で実験したところ、進行方向に貼った付箋と、進行方向とは逆向きに貼った付箋が、それぞれ内部でひっかかって折れる事故が発生した。

 こうした原稿のために、従来のiX100のように背面に排出できる機能があって切り替えられればよいのだが、本製品の排出方向はあくまで「リターン」一択だ。折りたたまれて段差のあるパッケージなどをこの方法でスキャンすると容易に引っかかるため、利用にあたっては気をつけたほうがよいだろう。

4枚の付箋それぞれの先頭が上下左右を向くように貼り付けた原稿を用意。実験としてはやや意地悪だが、付箋が貼られた原稿をスキャンする機会はないわけではない
これが折れ曲がらずにリターンスキャンできるかをチェック
リターンスキャン後の状態。進行方向およびその反対向きに貼られている付箋が折れ曲がっている。一方で横向きの付箋はノーダメージだ
キャリアシート(別売)に挟めばこうした事故は発生しないが、そのままスキャンできるiX100に比べると手間がかかる

スキャン設定は従来とほぼ同様。正面からのスキャンは両面に対応

 本製品のスキャン設定自体は、従来とは大きく変わっていない。本製品はiX1600のようにタッチ液晶を備えていないため、読み取り設定の選択はPCにインストールしたユーティリティ「ScanSnap Home」で行なう(PC以外にスマホやタブレットにも対応するが本稿では割愛する)。本体側でできるのは、SCANボタンを使ったスキャンの開始と終了だけだ。

スキャン画面。Wi-Fi接続でスキャナをうまく認識できていない時は「スキャナーに接続」をクリックすることで再接続される
プロファイル編集画面。「レシートを管理」「写真のアルバムを作成」などプリセットを追加したり、既存のプロファイルを編集できる

 読み取り速度は従来と同じで、300dpi(スーパーファイン)までは高速だが、600dpi(エクセレント)は速度がやや低下する。読み取りカラーは白黒/グレー/カラーの3種類で、自動的に切り替えることもできる。このほか両面/片面の選択も可能だ。

 相違点として、通常スキャンか継続スキャンかを、Uターンスキャンとリターンスキャンで別々に設定できることが挙げられる。また前述のキャリアシートは、リターンスキャンでは利用できるが、Uターンスキャンでは項目がグレーアウトしている。

カラーモードのほか画質、読取面といった読み取り設定が行なえる。プロファイル編集画面以外に、スキャン画面からも変更できる
通常スキャン/継続スキャンはADF/リターン給紙口それぞれについて設定できるようになった。画面下段、どちらの項目がアクティブなのか分かりづらいのが難
通常スキャン/継続スキャンはフィードオプションでさらに詳しく設定できる
キャリアシートの設定画面。ちなみに利用できるのはリターンスキャンのみで、Uターンスキャンは非対応だ
ScanSnap Homeのホーム画面。これまで読み取った書類を原稿の種別やタグごとに分類表示できる
旧ユーティリティ「ScanSnap Manager」でも同様の設定が行なえる

 一方の、正面から原稿を挿入してのリターンスキャンでは、モバイルタイプのiX100と異なり、両面スキャンに対応するのが利点だ。自分にとっては1枚ずつの手差しスキャンで十分だが、表裏をひっくり返す手間だけは面倒だったという人には、嬉しい機能だろう。白紙の裏面までスキャンされるのが無駄ならば、白紙自動削除をオンにしておけばよい。

 一方でマイナスとなるのは、外部電源が必要になることだ。本製品はたとえiX1600比ではコンパクトでも、iX100比では筐体サイズが大柄なため、環境によっては毎回引き出しに片付けざるを得ない場合も多いと考えられ、そのたびにACアダプタをつないで、また外して、という手間が発生する。

 これがiX100であれば、Wi-Fi接続×バッテリ駆動で、完全ワイヤレスでのスキャンも行なえたが、本製品はこの外部電源の問題からは逃れられない。毎回片付けるのではなく、テーブルサイドにスペースを作って、常設しておくのが無難かもしれない。また有線接続も、USB Standard AではなくUSB Type-Cには対応しておいてほしかった。

バスパワー駆動には対応せず電源が別途必要になる。ACアダプタは小ぶりでかさばるわけではないが、それでもバッテリ駆動が可能なiX100のような機動性はない

「自炊」を行なうのに便利な仕様とそうでない仕様

 ところでスキャナの用途の1つに、裁断した紙の本を電子化する、いわゆる「自炊」がある。かつて電子書籍のラインナップが充実しておらず、自分でコンテンツを調達しなくてはならなかった時代の名残だが、いまでも紙でしか存在していない書籍、また手元にしかない古い本の電子化には、こうした電子化の作業は欠かせない。

本を裁断して電子化する「自炊」。かつてはこの自炊用途でスキャナが売れた時代もあったものだ

 さて本製品は、この自炊には向くだろうか。本製品は同時にセットできる枚数が20枚に制限されており、本1冊をまるごとセットするのは不可能だ。小分けにしたページを何度も追加しなくてはならず、最大50枚のセットが可能なiX1600などと比べると、あまり向いているとは言えない。

本製品は同時にセットできるのが20枚なので、本一冊をスキャンするにはこのように小分けをしなくてはならない

 もっとも一方で本製品は、本のスキャンに向いた機能も備えている。正面から原稿を差し込んでのリターンスキャン機能は、原稿を一切カールさせずに読み取れるため、本の表紙のような厚手の紙をスキャンするのに向いている。

 このリターンスキャンは、本体の上部で行なうUターンスキャンと1回のスキャンの中で混在させられるので、裁断した本を用意し、まず表紙をリターンスキャン。続いて本体上部のトレイを開き、本文をUターンスキャン。最後にもう一度本体正面のリターンスキャンで裏表紙をスキャンし、本まるごと一冊のスキャンを完了させることができる。

まず最初に正面のリターンスキャンを使って、厚みのある表紙をスキャンする
続いて上部のUターンスキャンで本文をスキャン。20枚ごとに原稿を取り替えつつ継続スキャンを行なう
最後に裏表紙をリターンスキャンすれば、表紙+本文ページ+裏表紙が1つのファイルにまとまった状態でスキャンを完了させられる

 この仕組みでは、途中でスキャン設定をカラーからグレーに変更するといったことはできないが、本の自炊には非常に向いた仕様だ。筆者自身、本の自炊をする時は2台のスキャナの使い分けをしているくらいなので、この使い方は非常に合理的だ。

 ただし前述のように、本文のページ数が多いと、トレイに載せる原稿を小分けにしなくてはならないので、本は本でも「薄い本」、つまり同人誌や小冊子などの電子化に向いていると言える。

 また本の自炊以外にも、例えば封書に入った手紙や書類について、まず封筒をリターンスキャンし、そのあと中に入っていた手紙や書類を上部のUターンスキャンするといった具合に、ひっくるめて1つのファイルとして電子化したい場合には、本製品は非常に重宝する。

このほか封筒などのスキャンも可能。中身が入っていても厚み2mmまでならそのまま読み取れる

 なお気をつけたいのは、リターンスキャンで、背面に原稿を置いていると、リターン時に巻き込まれかねないことだ。今回、たまたま本製品の背後に原稿を山積した状態でリターンスキャンを行なっていたところ、原稿が手前に戻る時にこれらの一部が巻き込まれる事故が発生した。

 リターンスキャンという名前からして、本製品と手元だけで原稿が往復するように感じるが、実際には背面にも相当な奥行き(15cm弱)が必要で、そこに障害物があると、原稿が突き当たったり、あるいは今回の筆者のように、別の原稿が巻き込まれる事故が起こってしまう。背後を壁にピッタリ寄せて設置できるわけではないことは、知っておくべきだろう。

初心者がハズレを引かずに済む最良の選択肢

 以上のように本製品は、上位のiX1600と、下位のiX100の中間に位置するモデルで、両者のいいとこ取りといっていい製品に仕上がっている。これらモデルにできて本製品にできないことが皆無なわけではないが、どちらの製品が自分に合っているか決めかねているユーザーにとっては、ハズレを引かずに済むよい選択肢と言える。

 それゆえ本製品は、ドキュメントスキャナの初心者が、最初に手に入れる1台としておすすめできる。本製品を使い込んでいくうちに、最大セット枚数と読み取り速度が上のiX1600に興味を持ったり、モバイルでも使えるiX100に惹かれるかもしれないが、そこまで使い込んだのであれば、その時は買い換えればよいだけだ。

左から、iX100、iX1300、iX1600。本製品は両側の製品の特徴を併せ持っており、最初に手に入れる1台としては最適。機能の割にコンパクトなのも利点だ

 やや不安要素があるとすれば、可動部が多く、それらの耐久性が未知数なことだ。本製品には、本体上面のカバーを開くとシューターが伸びるギミックに加えて、SCANボタンを押すと原稿を受け止めるトレイが起き上がり、さらに自動的に伸びる仕組みを備えている。

 このギミックは、手でわざわざ開かなくてよい点で画期的で、またメーカーとしても十分な試験は行なっているはずだが、可動部分がそもそも存在しないモデルと比べた場合、耐久性はどうしても懸念点となる。これらについては長期間使っていかなければ判断できない。

トレイの自動展開ギミックは便利だが、それだけに耐久性が気になるところ。直立したままになり、どうしてよいか迷うこともある

 また、ひとめ見れば紙を通す方向が把握できた従来モデルと異なり、どこに原稿をセットすればよいか直感的に分からないのは、初心者にとっては多少ハードルが高い。あらゆる用途に対応しうるオールラウンドなモデルではあるが、敢えて懸念点を挙げるならば、そうした点ということになりそうだ。

給紙口の右側にあるレバーを引くと本体を開くことができる
本体を開いた状態。メンテナンスを行なう場合や、原稿が詰まった場合などに使用する