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Intel次期CPU「Alder Lake」はWindows 11に最適化されたスレッド割り当て機能を搭載
2021年8月19日 22:00
Intelは、「Intel Architecture Day 2021」と題したオンラインイベントを開催。その中で同社のクライアント向け次世代SoCとなる「Alder Lake」(開発コードネーム)や、データセンター向けの次世代Xeon SPとなる「Sapphire Rapids」(開発コードネーム)、来年(2022年)投入する計画のゲーミング向けGPU「Intel Arc」などの詳細を発表した。
Alder Lakeは高性能コア、高効率コアの2つの種類のCPUコアがあり、電力重視か性能重視かによって切り替えて動作する「ハイブリッドCPU」になっていることは既に明らかになっているが、今回それがどのような仕組みで動作するのかが明らかにされた。
また、Alder Lakeには「Intel Thread Director」と呼ばれる、OSと協調してCPUへのスレッドの割り当てを行なうハードウェア機能が実装されており、Microsoftが今年後半に投入を計画しているWindows 11で最高性能が発揮できるようにソフトウェア側のサポートが追加される。
Alder Lakeはデスクトップ版、モバイル版(ノートPC向け)、ウルトラモバイル版(小型ノートPC向け)という3つのパッケージが用意されており、1つのアーキテクチャでデスクトップからウルトラモバイルまでサポートすることももう1つの大きな特徴だ。
Windows 11と組み合わせて利用する最適化されて利用できるIntel Thread Director
Intelが今年(2021年)の後半に市場に投入する計画の次世代クライアントPC向けSoCの「Alder Lake」は、従来の第11世代Coreプロセッサーとして投入されてきたノートPC向けのTiger Lake(開発コードネーム)、デスクトップPC向けのRocket Lake(開発コードネーム)の後継製品となる。
第11世代Coreでは、CPUコアの種類は1つで、Tiger LakeにはWillow Cove、Rocket LakeにはCypress Coveという高性能CPUコアが搭載されてきた。それに対してAlder Lakeではそうした高性能CPUコアとしてWillow CoveやCypress Coveの後継となる「Golden Cove」が搭載されている。それに加えてAlder Lakeでは高効率CPUコアとなる「Gracemont」も同時に搭載されており、両方を有効にしたり、どちらかだけを有効にしたりという柔軟な使い方が可能になっている。
例えば、OSがアイドルになって消費電力を抑えたい場合には高効率コアだけを有効にして、最小限の状態で動き続けることが可能になる。その逆にフルに性能を発揮したい場合には、高性能コアと高効率コアの両方を有効にして処理を行ない、性能を最大化できる。そうした高性能と低消費電力という相反する命題を実現するのがAlder LakeのハイブリッドCPUとなる。
Alder LakeにはGolden CoveとGracemontのCPUコアの動作をハードウェア的に制御する「Intel Thread Director」と呼ばれる仕組みが採用されている。Intel Thread Directorにはハードウェアベースのテレメトリー(動作をモニタリングする手法のこと)が用意されており、OSやアプリケーションがどのようなCPUの処理能力を必要としているかをハードウェアでモニタリングしている。それにより、OS側のスケジューラがどのように動作すべきかの一種の“助言”を与えることが可能になる。その助言をOS側で調整し、高性能コアを使うのか、高効率コアだけを使うのか、あるいは両方を使うのかなどを決定し、効率よく実行していく。
Windows 11には、そのCPUとOSが協調して調整する仕組みが入っており、Alder Lakeをより高い性能で、あるいは低消費電力で利用することが可能になる。なお、この仕組みというのはAlder LakeがWindows 10やそれ以外のOSで動かないということではなく、より効率よく利用することができるのがWindows 11という意味だ。
今回IntelはIntel Architecture Day 2021において、Alder LakeとWindows 11を組み合わせたデモを公開し、すべてのコアを有効にして処理したり、逆に高効率コアだけを有効にして動作させたりなど、OSとアプリケーションの負荷によって動的に割り当てを変えていく様子を公開した。
デスクトップは8+8、モバイルは6+8、ウルトラモバイルは2+8という構成に
Alder Lakeのもう1つの特徴は、従来デスクトップ向けはRocket Lake、ノートPC向けはTiger Lakeと分離していたIntelのクライアントプロセッサを1つのアーキテクチャに統一したことだ。Alder LakeのTDPは9W~125Wまで対応可能で、デスクトップPC、ノートPC、タブレットのような小型PCなど幅広いフォームファクターを1つの製品でカバーできる。
Alder Lakeのダイは、第11世代Core(Tiger LakeとRocket Lake)と同様のモノリシックダイ(1つのダイ)になっている。2Dや3Dのダイスタッキング技術は使われておらず、高性能コア、高効率コア、GPU、メモリコントローラなどがすべて1つのダイで製造され、パッケージに封入される(従来通りPCHは別ダイになっている)。
パッケージは3種類用意されており、デスクトップ向けがLGA1700でPCHは別チップ、ノートPC向けが従来のUP3に相当するBGA Type3パッケージ(50×25×1.3mm)とUP4に相当するBGA Type4 HDI(28.5×19×1.1mm)の2つで、いずれもPCHはパッケージ内に搭載されているSoCとなっている。
今回Intelが発表した資料から見えてきた高性能CPUコア、高効率CPUコア、GPUなどの構成は以下の通りだ。
デスクトップPC向け | モバイル向け | ウルトラモバイル向け | |
---|---|---|---|
パッケージ | LGA1700 | BGA Type3 | BGA Type4 HDI |
パッケージサイズ | - | 50×25×1.3mm | 28.5×19×1.1mm |
PCH | 別チップ | オンパッケージ | オンパッケージ |
高性能コア | 最大8コア | 最大6コア | 最大2コア |
高効率コア | 最大8コア | 最大8コア | 最大8コア |
GPU | 32EU | 96EU | 96EU |
Thunderbolt 4 | - | ○(4コントローラ) | ○(2コントローラ) |
LLC | 最大30MB | 最大24MB | 最大12MB |
GPUに関して今回Intelは資料の中で何も明らかにしていないが、Intel関係者によれば「Alder LakeのGPUは、Tiger Lakeのそれとかなり近しいGPU」と説明しており、実質的にはXe-LPの開発コードネームで知られるXeアーキテクチャのローパワー版だと考えて良いだろう。EU(実行エンジン)数も据え置きになっており、今回の世代ではGPUに関しては手が入っていないようだ。
CPUに関しては、デスクトップPC向けが高性能8+高効率8(8+8)、モバイル向けが高性能6+高効率8(6+8)、ウルトラモバイル向けが高性能2+高効率8(2+8)であると明らかにしており、各製品でそこから派生品を作っていく計画だと考えられる。つまり、デスクトップPCなら8+8をベースに、6+8、4+8などを派生していく形になると考えられる。モバイル向けも同様で、6+8をベースにして、4+8や2+8などの派生品を作っていき、Core i7を6+8、i5を4+8などの形で派生していくと考えられる。
なお、HTテクノロジーに対応するのは高性能コア側だけで、高効率コア側はHTテクノロジーには非対応だ。このため、8+8の構成であれば、16スレッド(高性能コア)+8スレッド(高効率コア)となり、OSなどからは最大24の論理コアがあるように見えることになる。
また、高性能コアと高効率コアでは命令セットのレベルを合わせる必要があるため、命令セットはGracemontのHaswell世代レベルのAVXまでの対応に制限される。CPUとしてのGolden CoveはAVX512、そしてAMXという新命令セットにも対応しているが、いずれもGracemont側の命令セットに合わせられるため利用できない状態になっている。このため、VNNIなどのAVX512の拡張命令として提供されるDL Boostなども利用することができなくなる。
この課題はGracemontの次の世代の高効率CPUでAVX512やAMXに対応するまで続くことになる。省電力とのトレードオフとはいえ、VNNI対応を進めてきたソフトウェアベンダーにとってはあまりいいニュースではないだろう。
最大30MBのLLC、DDR5/LPDDR5に対応したメモリコントローラ、PCI Express Gen 5対応
従来の第11世代Coreとの比較が以下の表2となる。大きな違いはLLCと対応メモリ、そしてPCI Expressになる。
Alder Lake | Tiger Lake | Rocket Lake | |
---|---|---|---|
ブランド | 未発表 | 第11世代Core | 第11世代Core |
ターゲットプラットフォーム | デスクトップ/モバイル/ウルトラモバイル | モバイル/ウルトラモバイル | デスクトップ |
高性能CPU | Golden Cove(最大8コア) | Willow Cove(最大8コア) | Cypress Cove(最大8コア) |
高効率CPU | Gracemont(最大8コア) | ー | ー |
合計CPUコア | 最大16コア | 最大8コア | 最大8コア |
LLC | 最大30MB(3MB×10) | 最大24MB(3MB×8) | 最大16MB |
メモリ | DDR5/DDR4/LPDDR5/LPDDR4 | DDR4/LPDDR5/LPDDR4 | DDR4 |
PCIe | Gen 5 | Gen 4 | Gen 4 |
LLCは従来のTiger LakeまではCPUコア1つあたり3MBで、これはAlder Lakeでも変わっていない(Rocket LakeではLLCは1モジュールで2MBだった)。しかし、Alder Lakeでは、高効率コアとして搭載されているGracemontのCPUクラスタ(4コアで1つのクラスタ)にもLLCが用意されることが大きな違いになる。このため、最大8+8の構成となるデスクトップPC向けCPUでは3MBのLLCブロックが2つ搭載され、高性能コア用の8つとあわせて10つのLLCが搭載される。1つあたりが3MBになになるので、最大30MBがAlder LakeのLLCになる。
メモリはTiger LakeではDDR4/LPDDR4そして将来の可能性としてLPDDR5への対応が謳われ、Rocket LakeではDDR4のみに対応だった。Alder LakeではDDR5、LPDDR5に対応しており、DDR4とLPDDR4にも対応している。
なお、LPDDR4/5に対応する場合にはオンボードメモリとする必要がある(LPDDR4、LPDDR5のメモリモジュールの規格がないからだ)ため、実質的にはモバイル版のみの対応になるだろう。また、DDR5かDDR4に対応するかはマザーボード側の設計次第で、基本的には(つまりIntelのデザインガイドに従う限りは)設計時にどちらかしか選べない(もちろんマザーボードベンダが何らかの特殊な設計をすればその限りではないが、できるかどうかは不明)。
PCI Express Gen 5(x16で最大64GB/s)にも標準で対応しており、今後GPUやSSDなどで対応製品が登場したときにはより高速なI/Oを利用することが可能だ。
また、Alder LakeではCPU(高性能、高効率)、GPU、メモリコントローラを接続する内部バスも強化されており、最大で1,000GB/sの帯域幅を実現している。ほかにも、PCI Express Gen 5のコントローラと接続されるI/Oファブリックも64GB/sの帯域幅、メモリファブリックも204GB/sに達するなどCPUが増えたことによるトラフィックの低減になるような強化も行なわれている。
Intelによれば、Alder LakeはIntel 7プロセスノード(従来の10nm Enhanced SuperFin)で製造され、今年中にユーザーに手元に届く形で、OEMメーカーなどの出荷が開始される計画だ。
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