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中国YMTC、独自のXtacking技術採用NAND搭載SSDを発売
2020年9月11日 11:03
中国Yangtze Memory Technology Corp(YMTC、長江存儲科技有限責任公司)は10日発表会を開催し、独自のXtacking技術を採用したNANDフラッシュを搭載したSSDを「ZHITAI」ブランドで発売すると発表した。
これまでのNANDフラッシュは、メモリセルアレイと周辺のCMOS回路部分を同じプロセスで製造していた。ところが、この2つの部分は特性が異なっており、メモリセルに特化した製造プロセスではCMOS回路を高速化できず、CMOS回路に特化した製造プロセスはメモリセルに適さないという問題があった。
Xtackingでは、メモリセルとCMOS回路をそれぞれに特化した製造プロセスで製造し、あとからハイブリッドボンディング技術によって貼り合わせてNANDを製造する。これによりCMOS回路の高速化が実現できるほか、CMOS回路をメモリセルの上にスタック可能なため、容量密度は20~30%向上するという。また、開発期間が短縮するというメリットもある。
CMOS回路の高速化について、今回出荷するZHITAIのSSDでは、64層3D NAND採用で800Mbpsとなっているが、すでに先立って発表された128層3D NAND採用品では1.6Gbpsに引き上げられているほか、将来的には2~3Gbpsを達成できる見込みが立っているという。
この技術の耐久性や信頼性の疑問について、同社プロダクトエンジニアリング&テスト部門 バイスプレジデントの陳軼氏は、「ハイブリッドボンディングはCMOSイメージセンサーの製造で普遍的に使われており、月間200万個の出荷実績がある。信頼性がおける技術である」と説明した。
ZHITAIのSSDでは、このXtackingを採用したNANDを採用しているが、コントローラは他社製となっている。ただ、NANDの特性に合わせてコントローラの演算アルゴリズムやパラメータを変更し、フルに性能と寿命を引き出しているという。また、市場にあるあらゆるファーストパーティー製SSDと比較しても総書き込み容量といった耐久性で優れるとしている。
「PC005 Active」はM.2 NVMe接続の2280モジュールとなっており、容量は256GB/512GB/1TBの3種類。総書き込み容量はそれぞれ200TBW、320TBW、640TBW。シーケンシャルリードは最大3,500MB/s、同ライトは2,900MB/sなどとなっている。
アイドル時の消費電力は0.5W、アクティブ時の消費電力は5W。ノートパソコンに組み込むことに配慮した熱設計もウリ。SLCキャッシュ技術も採用する。
参考までに、中国のECサイト「JD.com」での価格は256GBモデルが369人民元(約5,800円)、512GBモデルが529人民元(約8,300円)。
「SC001 Active」はSATAインターフェイスで、2.5インチとM.2 2280モジュールの2種類を用意。容量は同じく256GB/512GB/1TBの3種類を用意し、総書き込み容量はそれぞれ170TBW、370TBW、680TBW。シーケンシャルリードは最大520MB/s、同ライトは510MB/sとなっている。
JD.comでは2.5インチタイプを扱っており、価格は256GBモデルで289人民元(約4,500円)、459人民元(7,200円)、839人民元(約13,000円)となっている。
【10月2日訂正】記事初出時、独自技術Xtackingのスペルが誤っておりました。お詫びして訂正します。