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ドックが置かれていると思ったらミニPCだった。「NucBox K13」レビュー
2026年3月2日 06:07
GMKtecがCES 2026で新たに披露したミニPC「K13」は、ドッキングステーションを彷彿とさせるような外観でありながら、Lunar LakeことCore Ultra 7 256Vを搭載したミニPCだ。
2月23日執筆時点の直販価格は、ストレージ512GB版が10万498円で、1TB版が10万7,998円となっている。単なる10万円台のミニPCは数多く存在するが、K13は独特のデザインとLunar Lake搭載で差別化を図っている点が注目に値する。早速見ていきたい。
ドッキングステーションっぽい外観
K13はなんといっても、レノボの「ThinkPad Thunderbolt 3 Dock」のような横長の形状の筐体、そしてツートーンカラーを踏襲しているのが特徴だ。背面のインターフェイスが一列横に並ぶ様は、かのドックの生き別れの兄弟のようにも見える。
筐体は金属ではなくプラスチック製なのだが、塗装は丁寧にされているため、パッと見た感じプラスチック製だと感じさせない作り。底面板と電源ボタンはGMKtecのワンポイントカラーであるライトグリーンで、ダークグレーの筐体と相まって、爽やかな配色で上品な印象だ。
インターフェイスは前後に配置されているほか、側面に配置された通気孔は、ファンが直接外部へ熱を排出する構造になっている。天板は、最近のGMKtecのミニPCのデザインを踏襲する構造で浮いている。この隙間からも吸気を行なう仕組みで、見た目のシンプルさと機能性が調和している。
長方形のフォルムは、スペースを過度に占有せず、デスクに置いた際にも圧迫感が少ない。特に、奥行きが88mmに抑えられているのが効いているのだろう。このため、モニタースタンドとキーボードの間に難なく設置できる。
筆者はCESでの発表記事を見た際に、まずは写真が目に飛び込んできたので「お、ついにGMKtecもドック市場に参入するのか?」と思ったのだが、よく読んでみたらミニPCだったのでびっくりした記憶がある。K13を机の上にさりげなく置いておき、「これどこのドック?」と聞かれたら「いやいや実はPCだよ」と、ついちょっと自慢したくなるかもしれない(そんな会話は……絶対ないか)。
1年半待った、Lunar Lake搭載ミニPC
K13が搭載するCore Ultra 7 256Vは、2024年後半にリリースされたハイエンドなモバイルCPUである。そう、今から約1年半前のCPUだ。Lunar Lakeはその低電力志向の設計、そして最大8コアのCPU、オンチップメモリ32GBといった制約から、筆者は発表当初より「薄型軽量のモバイルノートPCに向いたCPUだから、ミニPCにはあまり採用されないだろう……」と予想していた。実際、1年半もの間、深センのミニPCメーカーはどこも採用しなかった。これも筆者がGMKtecのCESでの発表を見て意外に思ったポイントだ。
Core Ultra 7 256Vは、ミニPCに搭載されるCPUとしてはアッパーミドルレンジ級といったところ。ただし、47TOPSのNPUを備えているのが特徴。これにより、Copilot+ PC準拠となり、Windows 11のさまざまなAI機能が利用できる。
実は、Arrow LakeベースのCore Ultraシリーズ2を搭載したほかのミニPCではCopilot+ PCに対応できない。一方、対応できるRyzen AI 300シリーズのミニPCの多くは、最上位SKUであるRyzen AI 9 HX 370を搭載しているため、12~13万円台が相場となっている。そのため本機はCopilot+ PCとして価格面でのアドバンテージはある。
Core Ultra 7 256Vに搭載されている8コア/8スレッドのCPUは、ベースクロックは2.2GHz、Pコア最大4.8GHz、Eコア最大3.7GHzで動作し、日常的なマルチタスクから、比較的ライトなクリエイティブ作業まで幅広くカバーできる。GPUもIntel Arc 140Vでそこそこ性能が高いのがポイントだ。
| 【表】GMKtec K13の主な仕様 | |
|---|---|
| CPU | Core Ultra 7 256V |
| メモリ | LPDDR5x-8533 16GB |
| ストレージ | 1TB SSD(M.2 2280/PCIe 4.0 x4。1基空き) |
| OS | Windows 11 Pro |
| インターフェイス | USB4 2基、USB 3.2 Gen 2 2基、USB 2.0、HDMI 2.1出力、5Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.2、音声入出力 |
| 本体サイズ | 186×88×36.6mm |
| 重量 | 約523g |
インターフェイスは少なめ。静音性は優秀
製品パッケージは横長となっており、本体のほかにACアダプタ、VESAマウントキット、HDMIケーブル、マニュアル類が同梱されている。
続いてインターフェイスを見ていこう。K13の前面パネルにはUSB 3.2 Gen 2が2基、3.5 mm音声入出力が配置されており、レガシーデバイスやヘッドセットとの接続が容易である。
一方、背面はDC入力、USB4 2基、USB 2.0、HDMI 2.1出力、5Gigabit Ethernetといったポートが揃っており、外部ディスプレイや高速ネットワークへの接続に過不足はない。ちなみに無線はWi-Fi 6EとBluetooth 5.2だ。
個人的には、このサイズならDisplayPortやUSB Type-Aを少し多め搭載してほしかったのが正直なところだが、ノートPCの代わりが十分に務まる数は備えている。
なお、付属のACアダプタは100Wタイプとなっているが、試してみたところ本機はUSB4による給電でも非常に安定して動作したため、USB Type-C給電が可能なモニターがあれば、ケーブル1本で完結する。ACアダプタはそういったものがない環境用だと捉えていいだろう。
本機はQuiet(15W)、Balance(20W)、High Performance(30W/ピーク37W)という、3段階の電源プロファイルをBIOSで切り替えることができる。デフォルトではバランスが選択されていたが、アイドル時は大変静か。稀にコンデンサから発生する微細なハムノイズが聞こえる程度で、夜間でも気になるレベルではなかった。
一方、負荷をかけた際のファン回転数はやはり上がってきて、特に負荷をかけ始めた数秒はそこそこの回転数に達するため風切り音はする。しかし負荷が継続すると、ファン騒音が落ちてくる。いずれのモードもファン回転数に大差はないので、よほど騒音にシビアな環境でない限り、High Performanceモードにしておくのがおすすめだ。
ベンチマーク結果
それでは最後にベンチマークを計測してみよう。今回も慣例通り、「PCMark 10」「3DMark」「Cinebench R23」「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」を用いている。各電源プロファイルで計測したほか、PCMark 10以外(MSI Claw 8 AI+は旧バージョンで計測したため)は同じくLunar Lakeを搭載したMSIのポータブルゲーミングPC「Claw 8 AI+」の30Wの結果を過去記事から流用して並べた。
K13のスコアの中で見ると、各電源プロファイルの結果は順当といったところ。PCMark 10はHigh Performanceで8,000の大台に乗っているし、3D系の結果もライトな3Dゲームなら全く問題ないスコアに収まっている。Windowsのデスクトップ操作もサクサク動作したし、実際にオープンワールドのRPG「鳴潮」も、XeSSによる解像度やフレーム補間を駆使したところ、フルHDで40~50fps程度のフレームレートを維持できた。
気になるとすれば、3DMarkの結果がClaw 8 AI+と比較して低い点だが、Claw 8 AI+がゲーム向けのチューニングがなされている以前に、K13がほかのLunar Lake機より遅めなのだ。一応、GPUクロックは1.95GHzまで上がっているのが確認できたのだが、詳細は不明。メモリの容量が少ないといったあたりが効いているのかもしれない。
Copilot+ PCを手軽に試せ、コンパクトの重要性を再度問う
ドックのように見えるユニークなK13だが、外観の希少性に加え、Lunar Lake搭載という希少性もある。しかし蓋を開けてみればごく普通のミニPCだ。価格的に10万円ちょっとのため、Copilot+ PCとしてコストパフォーマンスが高い。現時点ではNPUの利用用途が限定されているが、活きてくるのも時間の問題だろう。
また、アイドル時のほぼ無音な状態や負荷時でも抑制されたファンノイズは、静かな作業環境を求めるユーザーに好適。本当のドックのように、さり気なく置いて使うことが可能だ。昨今はミニPCの巨大化が進んでいる気がするのだが、改めて小ささは重要であることを再認識させられる製品だ。





























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