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世界で初めて232層NANDを商品化したのは、中国のYMTCだった

HikSemiのCC700に採用されたNAND(出典:TechInsights)

 半導体リサーチ企業のTechInsightsの分析によると、世界で初めて200層のNANDを商品化までこぎ着けたのは、7月に発表をしたMicronやSK hynixではなく、中国のYangtze Memory Technology Corp(長江存儲科技有限責任公司、以下YMTC)だったのだという。

 TechInsightsはこのたび、中国で既に11月に販売されているHikSemi(HikVision)製のM.2 NVMe SSD「CC700 SSD」を入手し、これに採用されているNANDのX線写真やダイ写真を撮影し、分析した。現在まだいくつかの分析が進行中であるのだが、フロアプランおよび高度なメモリ要素分析によれば、232層のNANDが使用されていることが明らかとなった。なお、この分析レポートのPDFはリリースページからメールや名前を登録するだけでダウンロード可能。

 競合のMicron、Samsung、SK Hynixなどいずれのトッププレイヤーも200層を超えるNANDの量産を発表するほかサンプル出荷を行なっているが、TechInsightsによると実際の製品で確認できたのはYMTCが初だったのだという。

 YMTCは2016年に立ち上がりで32層、2018年で64層、そして今回232層という驚くべき速度で開発と製品化を進めてきた。2030年までにはNANDフラッシュ技術のグローバルリーダーになると予想しているが、技術が進歩するにつれR&Dコストも膨れ上がるため、YMTCだけでは増えつつける開発コストを補えるだけの十分な収益を生み出せずペース維持が困難。中国の公的資金がYMTCの開発をサポートするだろうが、高度な半導体製造装置に対する米国の(実質全世界に対しての)制裁は迅速な進歩を著しく妨害するだろうとしている。

 なお、「CC700 SSD」の容量と価格は500GB/399人民元(約7,824円)、1TB/599人民元(約1万1,746円)、2TB/1,199人民元(約2万3,512円)。いずれもPCI Express 4.0 x4接続で、MTBF(平均故障間隔)は200万時間。

 500GBモデルはシーケンシャルリード速度が7,050MB/s、同ライト速度が4,200MB/s、ランダムリード速度が71万IOPS、同ライトが64万IOPS、総書き込み容量は900TBW。

 1TBモデルはシーケンシャルリード速度が7,450MB/s、同ライト速度が6,600MB/s、ランダムリード速度が86万IOPS、同ライトが67万IOPS、総書き込み容量は1,800TBW。

 2TBモデルはシーケンシャルリード速度が7,450MB/s、同ライト速度が6,750MB/s、ランダムリード速度が86万IOPS、同ライトが69万IOPS、総書き込み容量は3,600TBW。

JD.comで販売中のHikSemi CC700 SSD