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Intel、USB4準拠の「Thunderbolt 4」を次期CPUに搭載
~単体のIntel 8000シリーズのコントローラも
2020年7月8日 22:00
Intelは7月8日、最新インターフェイス「Thunderbolt 4」の概要を発表した。USB Type-C形状で、今年(2020年)リリース予定のCPU「Tiger Lake」に実装されるかたちで登場するほか、単体Thunderbolt 4コントローラとしてIntel 8000シリーズも年内中に投入される。
Thunderbolt 4では、同形状の次世代インターフェイスであるUSB4のプロトコルに準拠しており、ほかのUSB Type-Cデバイスとの互換性が大きく改善される。
転送速度はThunderbolt 3の40Gbpsと変わらないが、これまで1基のみ可能だった4K出力が2基に増加され、8Kでの出力にも対応。さらに、PCI Expressのデータ通信速度が16Gbpsから32Gbpsに倍増されており、ストレージデバイスでのデータ転送が最大3,000MB/sまで向上している。
これまでのThunderbolt 3では、信号の補正を行なうアクティブケーブルを使うことで、2mまでなら40Gbpsでの通信ができたが、Thunderbolt 4では非アクティブの2mケーブルでも40Gbpsを出せるようになった。これはUSB Type-Cケーブルについても同様である。将来的には接続可能距離を5~50mまで延長させる予定。
また、Thunderbolt 4ではデイジーチェーンでの接続だけでなく、ドッキングステーションを介して、USB Hubのように並列にデバイスを接続可能。Thunderbolt 4対応ドッキングステーションでは、最大4基のThunderbolt 4ポートを装備でき、利便性が向上している。
このほか、USB PD(Power Delivery)のように、モバイルノートなどへの1ポートでの充電ができ、Thunderboltドッキングステーションに接続されたキーボード/マウスからのスリープの復帰も行なえる。
セキュリティ面での改良も見られ、PCI Expressの通信で使われるDMA(Direct Memory Access)を悪用した攻撃を防ぐために、Directed I/O向けの仮想化技術「Intel VT-d」のサポートを必須とした。VT-dはその機能の1つとして、DMAリマッピング(DMA-r)を持っており、OSとBIOSによるDMA保護が行なえる。
Intelは、VT-dをサポートしていない他社製のCPUでも、DMA通信のためのIOMMU(Input/Output Memory Management Unit)が備わっており、同様の機能を提供可能としているが、これにはOS側との調整が必要であり、AMDやArmのCPUでThunderbolt 4を利用できるかどうかは現時点では不明。
Thunderbolt 4をサポートするIntel 8000シリーズのコントローラは、JHL8540とJHL8340のホストコントローラと、JHL8440のアクセサリ類のためのデバイスコントローラが用意される。Intelは同社が提唱するモダンPCデザインの「Project Athena」に準拠したPCも含めて、年内中にThunderbolt 4対応製品が登場するとしている。