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MIT、“折り紙マジックボール”から着想を得た食べ物もつかめるロボットハンド

Origami Robot Gripper

 米マサチューセッツ工科大学(MIT)米ハーバード大学の研究チームらは3月15日(現地時間)、折り紙の“マジックボール”から着想を得たという、壊れやすいものから頑丈なものまでさまざまな物体をつかむことができるロボットハンド「Origami Robot Gripper」を開発したと発表した。

 近年、ロボットの研究者らはゴムのように柔らかな素材を使った“指”の開発に力を入れており、ブドウから箱、そして空のボトルなどをつかめるようになってきてはいるが、さらに大きなものや重い物体についてはうまく対処できていない。

 研究チームが開発したOrigami Robot Gripperの見た目はコーン型で、内部に設けられた空洞から吸引を行なうとともに、物体をつかむさいに対象を包み込むように収縮するのが特徴。折り紙ベースの骨組、構造を包むための機密性の高いスキン、コネクタからなり、機械動作するゴム型と高温時に自身を折りたたむ熱収縮プラスチックを採用した。

Origami Robot Gripper

 Origami Robot Gripperを標準的なロボットに装着して行なった実験では、自身の直径の70%の物体をつかんだり持ち上げることができたほか、食べ物のように柔らかいさまざまな物体を傷つけることなくつかんで保持したり、約1.8kg以上になる複数のボトルをつかめたという。

 ボトルや缶など、円柱形の物体を扱うのが得意としており、工場の生産ラインに有益としているが、その構造上サンドウィッチや本といった平べったいものについてはつかむのが困難とのこと。

 将来的にはコンピュータビジョンを加えて、角度や方向についての問題を解決できるようにし、特殊な物体もつかめるようにしていく予定としている。