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HPが説く、体験を重視するミレニアル世代に向けた企業変革の重要性
2018年7月23日 06:00
HPは18日~19日(現地時間)、アジア・パシフィックおよび日本地域の顧客を対象としたイベント「HP Imagine 2018」を開催。HPとHP Enterprise分社後、初となる同地域向けの大型イベントとなり、約230人が参加した。
18日に行なわれた基調講演は、著しく変化する市場の環境に合わせて企業がそれに適応できるよう、ビッグデータやAIなどを駆使してメガトレンドを分析し、製品のリードタイムを縮めるなど、大きな変革が求められている点について説かれた。
ミレニアル世代(1980年代~2000年代生まれ)はデジタルネイティブであり、製品体験を最重要視する。企業がこの「体験する時代」に適応していくためには、ITを駆使し、パートナー企業とともに体験を創出しなければならないとする。
業界リーダーの一例として、スターバックスコーヒーが挙げられた。2018年3月に上海で開店した「リザーブ ロースタリー上海」は、Alibabaとの協業により、店内にARを仕掛け、顧客が店舗に赴きたくなるような要素を多数取り入れ、大いなる話題を呼んだとした。
人々の体験を向上させるには、メガトレンドと破壊的な技術が欠かせないとする。現在挙げられる要素としては、VRやARをはじめとする没入型体験、深層学習やニューラルネットワーク技術によるシミュレーション、介護や工場内における自律型ロボットの介入、取引証明を高い信頼性で記録するブロックチェーン技術などを挙げた。
一方でこれからの製造業においては、カスタマイズの可能性、サプライチェーンの改善、一人一人に応えられる製品、製造の柔軟性などが求められる。製造業においては、HPが提供している3Dプリンタや大判プリンタといった製品が適しているが、製造者が自らそれらを直接納入する必要はなく、それらを納入しているパートナーと協業し、サービスとして利用することを勧めた。
企業内の従業員も性別のみならず、年齢層の違い、肌の色の違い、国籍の違いなど多種多様化が進んでいる。このような企業は経営理念を確固たるものにし、ゲーミフィケーション(ゲーム的な要素)を取り入れたりすることで、従業員のモチベーションが向上し成功に繋がるとした。
企業に破壊的な変革をもたらす技術
HP Imagine 2018の2日目は、HPシンガポール本社およびプリンタ製品を使ったソリューションを展示するCentre of Excellenceのメディア向けツアーが行なわれ、企業に変革をもたらせるHPの革新的な技術について見学できた、
1つ目は3Dプリンティング技術。例えば自動車部品における例では、これまで複数のパーツを組み合わせる必要があった部品が、3Dプリンタを駆使すれば1つに簡素化できるだけでなく、設計時にシミュレーションを行なうことで強度を維持しながら大幅な軽量化が実現できることなどが紹介された。
もう1つは大判プリンタで、同社が独自開発したLatexインクは他社より優れた発色性を実現しつつ、無臭を実現し、医療現場の部屋の壁紙にも使える点や、蛍光インクや蓄光インクといった特殊インクの印刷も可能である点などがアピールされた。
また、同社のデジタル印刷技術を使えば、絵柄が異なる印刷物を大量かつ簡単に生成でき、オリジナリティのある製品パッケージなどを簡単に作成できる点、顧客個々のニーズに合わせた印刷物を作成できる点などがアピールされた。