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NASA、Googleの機械学習により「Kepler-90」で新惑星を発見
2017年12月15日 12:47
NASAは15日(現地時間)、太陽系から2,545光年離れた恒星「Kepler-90」において、その周囲を周回する新惑星「Kepler-90i」を発見したと発表した。
Kepler-90はりゅう座方向にある、太陽より一回り大きい恒星である。これまで、この恒星の周りを周回する惑星として、(Kepler-90に近い順から)b/c/d/e/f/g/hの7個が発見されているが、今回Googleの機械学習の力を借りることにより、cとdのあいだに「i」が存在することが発見された。
これは、Kepler望遠鏡から惑星からの信号を記録したデータのインスタンスを、コンピュータが“学習”することによって特定できたもの。Keplerから来る光のデータのなかで、惑星が星の前を通過したときに外惑星を特定できる方法をコンピュータに訓練させ、ニューラルネットワークでデータをふるいにかけたところ、8番目の惑星の弱い通過信号をキャッチできたのだという。
具体的には、手始めにKeplerの外惑星カタログから、15,000の信号のセットを用いて特定した。テストのセットでは、ニューラルネットワークは96%の精度で確認できたという。次に、既知の670星系の弱い信号を、通過する外惑星のパターンを検出するための学習セットとして用いてニューラルネットワークに学習させた。
Keplerデータベースの検索には、以前から機械学習が使われていたが、今回の発見は遠方からの弱い信号に対してもニューラルネットワークが有望なツールであるとし、「今後数年間、研究者が利用できる革新的な宝庫になることを示す」と、NASALの天体物理学部門ディレクターのポール・ヘルツ氏は述べている。
Kepler-90iは、Kepler-90の周りを約14.4日で公転し、そのため表面温度は427℃以上だと考えられている。ほぼ岩石によって構成されており、地球より30%大きい。なお、Kepler-90のもっとも外側にあるKepler-90hの距離は、地球と太陽の距離にほぼ等しいと考えられている。