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Microsoft、Surface Book 2の13.5型/15型をAdobe MAX 2017で展示
~13型と15型を写真で比較
2017年10月19日 13:11
Adobeは10月16日~10月20日の5日間にわたり、アメリカ合衆国ネバダ州ラスベガス市のThe Venetianにおいて、同社のクリエイター向けのイベント「Adobe MAX」を開催している。
3日目となった10月18日は基調講演が行なわれ、新しいLightroom CCなどの新アプリケーションを含むCreative Cloudの最新版が公開された(ニュース記事はこちら、新しいLightroom CCとLightroom Classic CCに関しての詳細に関してはこちら)。
また、10月18日からはCommunity Pavilion(コミュニティパビリオン)と呼ばれる展示会もスタートしており、Adobe自身のブースや、Microsoft、HPなどのイベントスポンサー企業のブースなどが設置されている。
Microsoftブースは、Surfaceにフォーカスした展示になっており、10月17日(米国時間)に発表(別記事)されたばかりの、新しいSurface Book 2の13.5型と15型の両モデルが展示され、注目を集めた。
13.5型と15型の2つのディスプレイのモデルが用意されているSurface Book 2
今回Microsoftが発表したSurface Book 2は、その名称からもわかるように、2015年10月にMicrosoftが発表したSurface Bookの後継にあたる製品だ。
2016年10月には、GPUがGeForce 940MXに強化され、バッテリ容量が15%増やされた新「Performance Base」キーボードドックを採用したマイナーチェンジモデルが投入され、今年(2017年)は第2世代に相当するSurface Book 2が発表された。
じつは、Microsoftは毎年Adobe MAXのタイミングに合わせてSurfaceシリーズの新製品を発表しており、一昨年(2015年)のAdobe MAX 2015にはSurface Book(別記事参照)が、昨年(2016年)のAdobe MAX 2016ではSurface StudioとPerformance Base(別記事参照)が、お披露目の場として活用されてきた。
そして、今年もそれは例外ではなく、前日に発表されたSurface Book 2の13.5型と15型の2製品、そして新しいマウスも同時に展示されていた。
Microsoftが米国のオンラインストアで公表している情報をまとめると、13.5型と15型のスペックの違いは以下のようになっている。
モデル | 13.5型 | 15型 |
---|---|---|
CPU | 第8世代Core i7-8650U 第7世代Core i5-7300U | 第8世代Core i7-8650U |
GPU | Intel HD Graphics 620(i5モデル)/Intel UHD Graphics 620 GeForce GTX 1050(GDDR5 2GB、i7モデル) | Intel UHD Graphics 620 GeForce GTX 1060(GDDR5 6GB) |
メモリ | 8GB/16GB | |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB | |
ディスプレイ | 13.5型 3,000×2,000ドット(コントラスト比1,600:1、10ポイントマルチタッチ) | 15型 3,240×2,160ドット(同) |
無線 | IEEE 802.11ac対応無線LAN/Bluetooth 4.1 | IEEE 802.11ac対応無線LAN/Bluetooth 4.1/Xbox Wireless |
ポート | USB 3.0×2/USB Type-C/SDカードリーダ(USH-II)、ヘッドフォンジャック、Surface Connect(ドック、電源) | |
カメラ | 前面: 500万画素(IR、Windows Hello対応)/背面: 800万画素 | |
バッテリ駆動時間 | 最大17時間(ビデオ再生) | |
バッテリ容量(タブレット側/キーボード側) | 68Wh(18Wh/60Wh) | 90Wh(24Wh/66Wh) |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 312×232×13~23mm(i5モデル)/312×232×15~23mm(i7モデル) | 343×251×15~23mm |
重量 | 1.534kg | 1.905kg |
価格 | 1,499ドル~ | 2,499ドル~ |
基本的に、13.5型モデルと15型モデルのスペックは、かなり似通っている。
最大の違いは液晶ディスプレイで、13.5型モデルでは13.5型で3,000×2,000ドットと、初代Surface Bookと共通のスペックになっているのに対して、15型は15型にサイズアップされているだけでなく、3,240×2,160ドットと、同じアスペクト比(3:2)ながら、より高解像度になっている。
またCPUは、13.5型は第8世代Core i7-8650Uか第7世代Core i5-7300Uから選択できるのに対して、15型は第8世代Core i7-8650Uのみの選択肢となっている。
キーボードドック側にもdGPU搭載、非搭載モデルが用意されているが、13.5型でdGPU搭載モデルを選ぶと、GeForce GTX 1050なのに対して、15型でGPU搭載モデルを選択すると、GeForce GTX 1060が搭載される。
IFAで発表された、第8世代Coreプロセッサ搭載でdGPU搭載のモバイルノートは、ほぼ例外なくGeForce MX150を搭載しており、同じPascalアーキテクチャとはいえ、“GTX”ブランドのGeForceを搭載していることは、Surface Book 2のアドバンテージの1つと言えるだろう。
このため、Windows 10 Fall Creators Update(RS3)から対応している、Windows Mixed Reality(以下Windows MR)対応HMDでは、UWP対応のアプリだけが楽しめる無印Windows MRだけでなく、Steamが提供しているVRアプリケーションも楽しめるWindows Mixed Reality Ultra(上位バージョンのWindows MR)にも対応できる。
なおNVIDIAは、GTXがつくモバイル向けGPUは、いずれもVR HMD Readyだと説明しているので、HTCのVIVEなどにも対応することができる(ただし、Windows MR HMDを利用する場合でも、VIVEなどの場合でも、Surface Book 2にHDMIポートがないため、USB Type-C経由で変換して出力する必要がある)。
また、非常に細かな違いでは、Xbox用に販売されているワイヤレスコントローラを利用するレシーバが、15型モデルには内蔵されているのに、13.5型モデルには内蔵されていなかったり、バッテリ容量が13.5型モデルでは68Whなのに対して、15型モデルでは90Whであったりという点も、差として挙げられる。
右側面にあったDisplayPortがなくなり、その替わりにUSB Type-Cが搭載されている
初代Surface Bookでは、ポートは左側面にUSB 3.0(Standard-A)が2つと、SDカードスロット、右側面にSurface Connect(ドックとACアダプタ兼用ポート)、Mini DisplayPortが1つという構成になっていた。
Surface Book2では、左側面の構成は同じままで、右側面のMini Display Portが廃止され、その代わりにUSB Type-C端子が1つ用意されている。
ディスプレイ出力はUSB Type-CのDisplayPort Alt-Modeを利用する仕組みになっており、USB Type-CからDisplayPortに変換するケーブルを利用して、外部出力が可能になる。
また、従来モデルからの強化点として、ドッキング端子の改良が上げられる。
従来のSurface Bookでは、ドッキングコネクタの強度にやや難があり、キーボードを打っていると、ディスプレイが揺れるという現象を訴えるユーザーは少なくなかった。
そこで、今回の新モデルではドッキングコネクタの端子部分を改良しているほか、左右のロック機構の部分も、従来製品より支えが長くなっているなどの特徴を備えている。
実際、実機で試してみたが、確かに従来モデルよりは揺れなくなっていることが確認できた。なお、ドッキング機構そのもの(電気的なスイッチで解除)などに関しては、従来モデルと同じ仕様だ。
そのほか、キーボードは13.5型、15型ともに同じキーボードを利用しており、キーボードだけのサイズは全く同じだった。
そのほかにも、ポートの位置もほぼ同じ位置になっており、デザインの意匠も全く一緒で、デザイン上の違いとしては、15型はキーボードの左右のベゼル部分が大きく、13.5型はそれが小さいというぐらいだ。
おそらくタブレット部分やキーボードドックの内部の基盤なども共通化していると考えることができ、GPUやバッテリセルの有無などで13.5型と15型を作り分けていると想定される。
なお、日本マイクロソフトによれば、日本では13.5型のみが販売される予定で、15型の販売の予定はないという。
日本では、重量が重い15型はマーケットがないという判断だと思うが、GeForce GTX 1060まで載っていると、15型の製品を「ゲーミングPCの代わりに購入しよう」というユーザー層は確実にいると思われるので、ぜひ日本でも販売を検討して欲しいものだ。