やじうまミニレビュー
VAIO Zの「勝色仕様」を愛でてみた
2022年3月11日 06:26
今回、VAIOから「勝色特別仕様」の「VAIO Z」を借用した。本製品は立体成型フルカーボンボディをコーポレートカラーの「勝色」で染め上げた特別モデル。Aパーツ(天面)、Bパーツ(キーボード面)、Cパーツ(底面)のすべてのフルカーボンパネルが勝色で輝くスペシャルな外観だ。
通常カラーのモデルについては、すでにベンチマークなどを含めて以下の記事に掲載しているので、そちらをご覧いただきたい。ここでは、ひと味違った勝色特別仕様の外観や使い勝手を中心にしたフォトレビューをお届けする。
ソニーストアなら細かくカスタマイズが可能
まずは基本スペックを手短に押さえておこう。OSはWindows 11 Home/Pro、CPUはCore i7-11390H、メモリは16GB/32GB、ストレージは256GB/512GB/1TB/2TB(PCIe 4.0 x4接続SSD)、ディスプレイはフルHD(1,920×1,080ドット)/4K(3,840×2,160ドット)が用意されている。またキーボード、TPMチップの有無、WWANの有無などもカスタマイズが可能だ。
勝色特別仕様のVAIO Zは、勝色に染め上げられた化粧箱に収納されて届けられることになっており、同梱されるクリーニングクロスも当然勝色。この色のクリーニングクロスは単体販売されていない。大事に保管しておいて、クリーニングクロスは別途購入することをお勧めする。
勝色特別仕様の魅力は「高級感」という言葉では語り尽くせない
本体サイズは320.4×220.8×12.2~16.9mm(同)、重量は958~1,069g。今回は勝色特別仕様のレビューだが、マット地のブラック、カーボン繊維を見せるシグネチャーブラックの2色が用意されている点もお伝えしておこう。
インターフェイスは厳選されており、Thunderbolt 4×2、HDMI、3.5mmヘッドセット端子のみとシンプルな構成だ。ただしWWANモデル(5G)はNano SIMカードスロットが追加される。使い勝手的にはUSB Type-Aが1つぐらいほしかったところだが、あくまでもシンプルさ、優美さを優先させたということなのだろう。
さて、勝色特別仕様のVAIO Zを間近で見たときの印象だが、「高級感」という汎用的な言葉ではその魅力を語り尽くせない。気品、神聖さを感じさせるような「藍色」をヌメッと滑らかなクリア層が包み込み、触れてはいけないような存在感を漂わせている。
勝色特別仕様のVAIO Zと同じ雰囲気を備えるノートPCはちょっと思いつかない。高級クラシックギターなどと同等の所有欲を感じられることは間違いない。
キーボードの打鍵感は良好で、打鍵音も低め
ここからは使い勝手について触れていこう。まずキーボードだが、キーピッチは約19mm、キーストロークは約1.5mm。打鍵感は良好で、打鍵音も低めに抑えられている。
また、VAIO Zにはリフトアップヒンジ機構が採用されており、ディスプレイを開くとキーボード面に角度が付き、パームレスト手前とテーブルの段差が小さくなる。VAIOはこの設計を「無限パームレスト」と呼んでいるが、確かに段差がほとんど気にならなくなり、快適に長時間タイピングできるようになる。後付けのソフトクッションのパームレストはVAIO Zには不要だ。
物理ボタン分離式のタッチパッドは手探りでも左右を間違えにくい
タッチパッドはクリック感を重視して物理ボタン分離式を採用。この方式は手探りでも左右クリックを間違えにくいというメリットもある。
伝統あるタッチパッドだが、昨今のノートPCではダイビングボード構造が主流で、物理的な駆動部分が存在しない感圧タッチ&触覚フィードバック型の採用例も増えてきている。そろそろポインティングデバイスが刷新されることを期待したいところだ。
シャットダウンから1回押しでサインインできる指紋認証センサー一体型電源ボタン
勝色特別仕様のVAIO Zは、指紋認証センサーと顔認証センサーの両方を搭載しており、セキュリティーポリシーや状況に応じて使い分けられる。
特筆すべきは指紋認証センサーの使い勝手。電源ボタンと一体化されているのはめずらしくないが、あらかじめ設定しておけば、シャットダウン時でも電源ボタンを押したさいに同時に指紋を読み取り、自動的にサインインしてくれる。電源オン時とサインイン時で2回押さなくて済むのは非常にお手軽だ。
プライバシーシャッターはほかのノートPCでも採用例が増えているが、VAIO Zにも標準装備として搭載されている。セキュリティ的にも安心な装備だが、Web会議中にいったん映像をオフにしたいときにも手軽なスイッチとして役に立つ。一度使ったら手放せない装備だ。
勝色特別仕様のVAIO Zの美しさは色あせない
VAIO Zはそろそろモデルチェンジが近づいてきている可能性があるが、勝色特別仕様の美しさは色あせることはない。また、第11世代のCore i7-11390HのパワーをVAIO独自技術「VAIO TruePerformance」により最大限に引き出しており、クリエイティブワークにも活用できる性能を備えている。
勝色に魅力を感じているのであれば、いつ買っても後悔しない特別仕様モデルだと言えるだろう。