やじうまミニレビュー
ちっちゃいけど結構使いやすいエレコムのモバイルトラックボール
2019年11月27日 11:00
エレコム株式会社は、11月中旬に親指操作タイプと人差し指操作タイプのモバイルトラックボールをそれぞれ発売した(エレコム、持ち運び用ケース付きの無線トラックボール4種参照)。
BluetoothとUSB無線アダプタの2種類があるなか、今回前者のBluetooth接続モデル「M-MT1BRSBK」を使用する機会を得たので、写真とともに使い勝手について簡単に紹介する。
【表】M-MT1BRSBKのおもなスペック | |
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センサー | 光学式 |
解像度 | 750/1,500CPI |
ボタン数 | 5個(ホイール含む) |
接続方式 | Bluetooth 4.0 |
連続動作時間 | 約47時間 |
連続待機時間 | 約208日 |
想定電池使用期間 | 約100日(1日8時間のパソコン操作中5%をマウス操作に割り当てた場合) |
電源 | 単4形電池×1 |
本体サイズ(幅×奥行き×高さ) | 73.7×89.9×41.3mm |
重量 | 約77g(電池含まず) |
実売価格 | 7,000円前後 |
トラックボールを簡単に取り外せるボタンがおもしろい
筆者は取材などで、外で記事を書く必要があるときは、普段からバッグのなかに入れている小型マウスを活用している。文章を書く作業はマウスがなくてもいいが、撮影した写真の選定や編集をするさいに、カーソルの移動やクリック操作を頻繁に行なうため、タッチパッドだと作業効率が悪いからだ。
ただ光学センサーのマウスは、テーブルの下地や木目調によってはカーソルがうまく動かないことがある。そしてガラステーブルでは当然使用できない。そんなわけで、エレコムのM-MT1BRSBKを見たときに俄然興味が湧いた。トラックボールならあらゆる設置面で使えるし、万が一テーブルがなくて太ももの上でしかマウスが使えないような状況でも、ズボンにコシコシこすりつけずに済む。さらに、戻る/進むボタンも付いていて、本体の大きさも小さいと来ている。
トラックボールのサイズは、筆者が普段自宅で使っているロジクールの「MX ERGO」と比べて小振りだ。そのぶんボールの重量も軽いからか、使いはじめは親指を接触または離したさいにボールが微動してカーソルが意図せず動いてしまうことがあったが、これは使っているうちに繊細にタッチできるようになったのか慣れで解消された。
トラックボール自体の動きはいいとして、おもしろいと思ったのはトラックボールを取り外すためのボタンが底面に用意されていることだ。MX ERGOでは底面からボールを押し出すための穴が空いており、ペンのような細長い棒などを使って取り外さなければならないが、M-MT1BRSBKでは道具など使わずに簡単に取り外せる。
ご存知のとおり、トラックボールにはそれを回すための支持球が付いており、ボールを回していくことにより昔のボールマウスと同じくホコリが溜まっていく。支持球にホコリが溜まると摩擦が増えてカーソル操作が重く感じたり、運悪くセンサー部分にホコリの塊がくっついて読み取りミスが起きたりする。そのため、定期的なメンテナンスは必須だ。このボール取り外しボタンは地味ながらとても良い仕掛けである。
静音ボタンでクリック音が静か、ホイールが若干硬い
ボタン系について言うと、左側面の戻る/進むボタンは押しやすく使いやすい配置だ。一方で左右クリックボタンは本体のサイズを切り詰めるためにかなり短くなっており、手を置いたときに人差し指と中指の指先が飛び出してしまう。そんなに手が大きくない筆者の場合でも、第一関節の手前部分でクリックする感じになったが、とくに操作しにくいというわけではない。ざくっと切り落とさずにもう少しなだらかな形状にすればいいのだろうが、そうすると本体の奥行きが長くなってしまうため、致し方ないのだろう。
クリックボタンに関しては静音設計になっており、かなり静かだ。“カチッ”というクリック音はまったく聞こえないが、しっかりとストロークがあるのでクリック感は悪くない。
一方で、ホイールに関してはやや重い。指が疲れるほどではないが、一般的なマウスのホイールの倍くらいは出だしの回転が硬く感じられる。実際にホイールの部分を上からなでるように軽く回そうとしても微動だにしないくらいだ。とはいえ、一度回してしまえば、加速が付くのかスムーズになる。最初に気持ち力が必要なくらいでこれも使っているうちに慣れた。なお、チルトホイールは非搭載だ。
センサーの解像度は750CPIまたは1,500CPIで、ホイール直下にある切り替えスイッチで変更できる。正直750CPIでも高い気がしたので、エレコムの純正ユーティリティ「エレコム マウスアシスタント」を使ってカーソルの速度をさらに下げて使った。Windowsの設定からも変えられるので、ユーティリティを入れなくても問題ない。だが、ユーティリティを入れると各ボタンへのキーの割り当てやジェスチャー機能を割り当てることができる。
トラックボール好きなら試してみてほしい
電源は単4形電池を使用。1日8時間のPC操作で約100日は使用できるとしており、連続待機時間は約208日だ。電池が切れていても乾電池ならコンビニなどで手軽に買えるし、充電が必要なリチウム電池系と違ってすぐに使えるので、毎日使うというわけでもなければ問題ないだろう。
BluetoothかUSB無線アダプタタイプでどちらを選ぶか悩ましいところだが、筆者の自宅や喫茶店などで使ってみたものの、とくにBluetoothの接続が不安定ということはなかった。個人的には常時使うわけではないし、アダプタをなくさずに済むのでBluetoothのほうが良いように思う。価格はちょっと高いが、モバイルワークが多いトラックボール派や、マウスにはない接地面に依らない使い方がしたいなら、導入を検討してみてはどうだろうか。