西川和久の不定期コラム

2020年を振り返る。リモート関連急増が目立った1年。MacBookなど機材は総入れ替え!

 今年(2020年)も早いもので残すところあと数日。毎年恒例の振り返る話で2020年最後を締めくくりたい。とは言え、筆者が思ったことをつらつら書いてるだけなので、重大なのを飛ばしたり、世間とはズレていることもあるかと思うが、最後までお付き合いいただければ幸いである。

今年扱ったもの

 今年本連載で扱った機器は計47で以下のとおり。昨年2019年と比較して、スマートフォンが減った分、デスクトップパソコンが増えている程度で傾向はよく似ている。また、デスクトップパソコン+ノートパソコンの内、AMD Ryzen搭載機が6台となる。今年はRyzen搭載機がかなり増えた雰囲気だが、試用したのは少なかった感じだ。

  • デスクトップパソコン×6
  • ノートパソコン×27
  • 分離型2in1/タブレット×5
  • スマートフォン×7
  • その他×2(ボードコンピュータ)

 以下、印象に残ったものをいくつかピックアップした。試用して「お、これ欲しいかも!?」と思ったのは以下の3つ(個人的に購入したマシンを除く)。理由は順に、サイズの割りに大画面、軽い、パネルがすごいとなる。

17型画面を15型筐体に収めたGeForce搭載ハイエンドノート「デル XPS 17
約814gのビジネス向け超軽量13.3型ノート「NEC VersaPro UltraLite タイプVG
4K OLEDが段違いの高画質。RTX 2070搭載ノート「HP ZBook Create G7

 デルのXPS 17は記事中にも書いたが、“15.6型以上でテンキーなし”になると、いまや数える程度しか機種がない。同じ理由で筆者はMacBook Pro 16(2019下位モデル)を購入しているが、もし、XPS 17が同時期にあったら、どちらにするか結構悩んだと思う。

 もともとMacBook Pro 13(2012/Core i7/16GB/500GB)からのリプレイスだが、持ち運びは狙ってなく、All-In-One的な扱いで、必要なときにマシンごと持ち出せば、そのまま仕事が継続できる的な使い方だ。

 次は1kgを大幅に切ったNEC VersaPro UltraLite タイプVG。価格とキーボードバックライトがない以外は好みの1台だ。時期的に第10世代だったが、多分出るであろう第11世代Tiger Lake/Evoモデルも楽しみにしている。できればパネルは16:10になってほしいところ。

 余談になるが、印象に強く残ったこともあり、後日ヤフオクで旧モデルに相当する「NEC VK22TG-N」をかなり安価で落札した。Core i5-5200U/メモリ4GB/SSD 128GB/13.3型2,560×1,440ドットで重量約850g(Lバッテリ)。メモリが4GB固定で、スピーカー出力が蚊の鳴くような音量なのは残念だが(加えてキーピッチが約18mmと少し狭い)、片手で楽々持ち上がり、同じく1kgを切るMacBook 12(2017/Core i5/メモリ8GB/SSD 512GB)と用途に応じて持ち歩いている。

 最後はHP ZBook Create G7。とにかく(以前も含め)今年試用したマシンのなかでは群を抜いてパネル性能が良かった。加えてOLED。スマートフォンが液晶パネルからOLEDパネルへ変わったときの衝撃がノートパソコンでも! という感じだ。見事なリニアリティと、黒の締まりが美しい。MacBook Pro 16のパネルも良いほうなのだが、下のほうで若干乱れがある。

 さて、記事へのツイートなどを眺めていると、なぜ筆者はi1 Display Proで計測した色域を載せないのか? と複数あったので理由を述べる。

 まず仕様上、たとえばsRGB 100%とあるものについては、民生用の測定器で測るまでもなく、工場出荷時に調整済みだ。したがって掲載する必要はない。次に仕様上、色域について何も記載がないものはいずれにしてもsRGB 100%未満で色域は狭く、バラツキも予想される。貸出機の色域が、そのまま再現できる保証もないため掲載していない。昔ほど酷くないが色を気にする作業をする場合、そもそも仕様に明記されている機種を選ぶべきだろう。リニアリティについては、たとえsRGB 100%でも乱れていると、RGB 128/128/128の色が128/128/128の色にならない。バラツキもあるだろうが、おおよその傾向がわかるため掲載している……と言ったところだ。

 上記以外では、今年はリモートが増えたこともあり、Chromebookのシェアがグンと伸びたようだ(Chromebookのシェアが1%から13%に急増。2021年には24%へ)。本連載でもChromebookそのものと、互換OSのCloudReadyを扱っている。

 これまでもご紹介しているが、筆者はわりと早いタイミングでChromebookを試しており、「ASUS Chromebook Flip C100PA」を経て、「HP Chromebook x360 12b」を愛用中だ。昔はそれこそChromeしか動かなかったので、使い方は限定されていたが、その後、Androidアプリ、そしてLinuxが動くようになり、結構実用的に使える環境となった。またアプリのWeb化が進んだため、Chromeだけで問題ないケースも増えた。Online版のOfficeで済む範囲(マクロが使えないなど)であれば、一般的な仕事もこなすことができる。

 互換OSのCloudReadyは、Androidアプリこそ動かないものの、ほかは基本Chrome OSと同じ。ハイエンドなChromebookが少ないこともあり、これを使って以前のそれなりにハイエンドなメインマシンをChrome OS化し、爆速の環境を構築することも可能だ。以前も書いたが、古くてリソースの少ないマシンでも動くには動くが、今時のサイトをレンダリングするには、CPUパワーもメモリも必要となる。よってより新しくメモリの多いほうが使いやすいのは、言うまでもない。

 と、ここまで書いたところで衝撃的なニュースが……。『GoogleのChrome OSに新展開。Chromium OSベース「CloudReady」開発のNeverwareを買収』。どういうこと!? 的な内容だ。好意的に考えれば、今後リモートが加速するなか、フリーで配布できるChrome OSをGoogle本家が得たとなる。しかし穿った見方をすれば邪魔者は消すとも考えられる。どちらに転ぶのか、来年の動向を見守りたい。

 仮に前者だと、現在でもシェアは急増傾向。フリー版がOKとなると、加速度的に実稼働率が高まる可能性がある。

 余談になるが、クラウド関連の話を1つ。今年開発系の仕事は、見積/請求/納品書など、個別かシステム的にかは別として、紙に印刷、閲覧/承認印……的な業務をクラウド化する案件がいくつかあった。昔ながらの紙/承認印ベースだとリモートでできないからだ。無料で使える同種のサイトもいくつかあるがこれらは基本、無料版は個人用でグループで閲覧/承認する機能がなく(調べたのは春なので、今はまた違うかもしれないが)、承認が必要な企業では用途に合わないケースも多いと思われる。

 スクラッチで作ればどうにでもなるが、ひととおり動くようになるには結構なコストがかかる。そんななかおもしろいのがWordPressのテーマでこれらの機能を実現するBillVektorだ。WordPressが動けばどこでも設置でき、もともとWordPressにユーザー管理があるので、グループで利用可能。もちろんすべて無償だ。ただしそのままでは閲覧/承認の機能はない。

 とは言え、ブログ(の特殊フォーム)で見積書などを構成しているため(印刷でPDF出力)、コメントをつけることができる。誰がどんな内容でコメント(OKとかNGとか承認とか却下とかのキーワードを拾う)したかを調べ、印影をつけるプログラムを追加すれば、先に書いた機能が実現可能だ。テーマのfunctions.phpを触ればどうにでもなるため、試してみるのもいいだろう(数日でできるのでは?)。筆者も前年度まではExcelだったが、少し内容は違うものの改造して今年度から使用中だ。経理用の出力も含め、ちょっとPHPを触れば欲しい機能を追加できるため重宝している。

 さて、扱わなかったものとして、個人的に「お!」は、言うまでもなく、ThinkPad X1 Nano(ThinkPad初の1kg切りノートが発売! 13型2K「ThinkPad X1 Nano」~バッテリで約23時間動作、5G版も後日登場)。大昔からThinkPadユーザーにとっての悲願(笑)は、1kgを切ったモデルの登場だ。唯一ThinkPad 220@1993年がギリギリ該当するものの、いかんせん小さく非力で実用的ではなかった。そういった意味ではやっと出た1kg切りモデルとなる。

ThinkPad X1 Nano

 見た目はもちろんThinkPadそのもの。第11世代Tiger Lake/Evo、16:10のパネル、キーボードバックライト、LTE(5G)対応で1kg切り。文句なしだが価格が(クーポンを適応して185,900円/税・送料込から)……。今年は大量に購入したこともあり、何十万円クラスの予算はもうない。縁がなかったということで、また次の機会にとなるだろうか。

気になった業界動向@2020年

 1月から順にバックナンバーを眺めながらピックアップしているが、1~8月はとくに「これ!」と言ったものもなく、順当にIntelそしてAMDの新世代プロセッサ搭載機、eGPUの新型が登場。ここまでは例年どおりだが、4月以降、オンライン会議などで利用するZoomやその周辺機などの話題が急激に増えている。チャットのSlackも同様だ。こんなことは、おそらくパソコンが一般的に使われだしてからはじめてではないだろうか。

 余談になるが、夏頃、撮影用に小さめの丸レフを買いにショップへ行ったところ、片っ端から手頃なものが在庫切れ。聴くと、レフ板や小型の照明機材が飛ぶように売れているそうだ。Zoomなどオンライン会議で盛るためのアイテムというわけだ。筆者は光の加減と背景が汚くない程度ならあまり気にしないが、なるほどと思った次第。以降、カメラメーカーが、デジイチなどをWebカメラ化するシステムを立て続けにリリースしている。

 そして8月になり第11世代Tiger Lakeの名前があがりだし、9月には“Intel、第11世代Coreプロセッサーを正式発表。「Intel Evo platform」のブランドも導入”。一昔前のUltrabook/Centrino的なものが再びといった感じだ。

 ただUltrabook/Centrinoと一味違うのは、音に関しても定義していること。とくにビジネス向けノートパソコンは、音が貧弱なことが多く、Evoのシールがあれば、必要最低限レベルはクリアしていることになる。

 この連載でも何台かTiger Lake搭載ノートパソコンを試用したが、CPUの性能、iGPUの性能、バッテリ駆動時間など、すべてにおいてバランスが良い。加えて発熱もあまりない。おすすめのプラットホームだ。

 10月で目に止まったのは“変換/無変換キーが消えた「Surface Laptop Go」。Mac仕様のIMEオン/オフで便利に”だ。以前からWindowsでも「Mac式(スペースキーの左右に英数/かな)にすればいいのに」と思っていた筆者にとってはやっとか……というところ。

 昨今日本語キーボードを搭載するノートパソコンすべてに言えることだが、とにかくUSキーボードと比較して窮屈だ。半角/全角、無変換、変換、カタカナ/ひらがなキーと日本語に関するキーを追加しているのがおもな理由となる。普通に考えればIMEにこれだけのキーは必要ない。

 なぜそうなったかの起源は、1990年日本IBMが発表したPS/55 5535-S、そして初搭載したDOS/Vまで遡る。DOS/Vは日本IBMが開発、OADGを経て普及しているのはご存知のとおり。そしてキーボード配列は、結局日本IBMが採用していた106キーボードがそのまま一般化してしまったのだ。Windowsの時代になっても変わらずだった。

 この配列、ホスト連携も考慮したもので、先に挙げたとおりIME用としてはなくてもいいキーが含まれている。それをホスト接続とは無関係な他社まで採用してしまったのが諸悪の根源だ。当時はほとんどデスクトップパソコンで、ノートパソコンも大きいのが多かったため問題にならなかったものの、まさか数十年後に小型化したノートパソコンのキーボードが窮屈になるとは誰も考えなかったのだろう。

 今からでも遅くないので単にスペースキーを少し狭くし、その左右へ英数/かなキーを配置するMac式に変えるべきではないだろうか。Surface Laptop Goがその第一歩となりそうだが、残念ながら左上の半角/全角キーは残っている。これも不要だ。さらに不幸なのは、このレイアウトをChromebookまでもが真似てしまったこと(カタカナ/ひらがなキーはないものの、半角/全角キーがある)。そろそろ30年前の呪縛から解放されるタイミングではと思っている。

Chromebook / HP Chromebook x360 12bのキーボード(左上に半角/全角がある)

 11月はAppleのM1、そしてこれを搭載した、Mac mini/MacBook Air/MacBook Pro 13の発表だ。メモリ最大16GB、接続ディスプレイ最大2台、eGPU未対応……など制限があるため、ローエンド? からの投入となったが、とにかくCPU、iGPU、そしてバッテリ駆動時間(発熱も)も価格を考えると、x86マシンが吹き飛ぶ超ハイパフォーマンス。パソコン普及以降初のゲームチェンジャー的な存在となった。

 こうなると、Intel、AMD、そしてQualcommもうかうかしてられない(実際12月に“スマホでの動画撮影とAI推論性能を大幅に引き上げるSnapdragon 888”が発表された)。最終的にはユーザーが得をするため、各メーカーがんばってほしいところだ。iPhoneについては例年より遅れて10月に12の発表があったが、A14 BionicはA13 Bionicの順当なアップデートなので特筆することはない。

 以上、ざっとこんなところだろうか。CPU/GPUに関しては連年どおり次世代へ、そこへM1がいきなり殴り込みというところか。加えてリモート関連のソフトウェア、ハードウェアが一気に増えた感じで、連年にないパターンとなった2020年だった。

趣味@2020年

 去年2019年のこの原稿で「おそらく2020年はこのあたりの入れ替えがおもになりそうだ。」と書いたが、文字どおり総入れ替えの年となった。

  1. Core i7-7700+RX560/16GB/500GB →Intel NUC10i5FNH(Core i5-10210U/32GB/500GB)
  2. EIZO ColorEdge CG243W-BK(2010年) → BenQ SW240/フード/i1 Display Pro
  3. MacBook Pro 13(2012) → MacBook Pro 16(2019)/下位モデル
  4. Huawei P20 Pro → Xperia 1 II(docomo)
  5. iPhone X →iPhone 12 Pro Max
  6. Mac mini(2011) →Mac Mini(2020) M1/Apple Silicon/16GBへカスタマイズ

 ご覧のように、Core i7-7700マシンとHuawei P20 Pro/iPhone X以外は「よくぞここまで壊れずにもってくれた」と感謝すべきだろう(笑)。とは言え、ディスプレイ以外、どれもまだ普通に使えるため、押し入れの肥やしにするにはもったいなく、どうしたものか!? と考え中だ。

 またHuawei P20 Proについては、いったんHuawei P30 Proへ機種変している。ネットワーク利用制限△の中古を購入したのだが、数カ月経ったある日いきなり×になってしまい返却。たまたまそのショップにXperia 1 IIがあったので、+αして購入した(こちらは○なので問題ない)。これまでネットワーク利用制限△の端末はそれなりに使ってきたが×になったのははじめて。こうなると怖くてヤフオクなどで落札できないなと思った次第だ。

 仕事で使うパソコンは、もともとWindows 10@NUCがメイン、MacBook Pro 16がサブだったが、現在はMac miniがメイン、MacBook Pro 16がサブ。NUCはWindowsでないと困る作業のときにRemote Desktopで接続している。macOSをメインにするときに困る秀丸は、miへ乗り換え(折り返した行も行番号+1できる機能があった。初期はなかったような。この原稿もmiで書いている)、WinSCPは面倒と言いながらよく使う30件ほどのHostをFileZillaへ登録して運用中だ。

 最悪M1 Mac miniの記事でご紹介した、Intel版Win32/64アプリを動かせるCrossOver 20を使う手もあるが、今のところ購入にはいたっていない。

 上記しなかった小物としては、キーボードを2つ購入している。1つは、Apple iPad Air(第4世代)・11インチiPad Pro(第2世代)用Magic Keyboard - 日本語、もう1つはクラウドファンディングのKeychron K1。前者はキーピッチ(とくに左側)とiPad Proと合わせたときの重量から挫折。後者は機能的には文句なしなのだが、キートップが平らで打ちづらい、傾ける足がない、キートップの重心が上にありガタつく……などがありメインにはならなかった。2連発でハズレだ。たまにはこんなこともある(笑)。

Magic Keyboardとクラウドファンディングで購入したキーボード

 執筆時、筆者がよく使うソフトウェアのM1/Apple Silicon対応度は以下のとおり。

  1. Office 365
  2. Photoshop (Preview)
  3. Docker Desktop (Developer Preview)
  4. Visual Studio Code (Insiders/Preview)
  5. Homebrew (一部pkgがないらしい)
  6. LAMP(php 8.0ベース)環境
  7. 秀丸 → mi
  8. Chrome
  9. Karabiner-Elements / Windows用のキーボードを使うとき必要

 ご覧のようにほぼほぼそろっている。VirtualBox、VMware Fusion、Parallels DesktopなどVM系は何かあれば便利だが、Dockerがあればよほどのことがないかぎり不要(と書いてる間にParallels DesktopのPreview版も登場)。FileZilla、Messenger、LINE、Remote DesktopはIntel版で問題なし(Rosetta 2を使用)。

Docker Desktop (Developer Preview)
Parallels DesktopのPreview版でUbuntu 20.04.1 LTS@Arm64起動

 残るはディスプレイキャリブレーション用のPalette Master Elementと、例のYUVフォーマット問題(Apple M1搭載Mac、ディスプレイ出力にさまざまな制限。EIZOが注意喚起)。どちらも色系だ。前者はMacBook Pro 16でキャリブレーションし、ColorProfileをMac miniへコピーすれば済むので面倒なだけだが、YUVについては悩ましい問題となる。今のところBig Sur 11.1でどうなったかのレポートはない。来年早々に何とかなればいいのだが……。

 さて、ここまでそろっているとWindowsを使うケースはなさそうだが、1つWindowsでしかできない処理がある。それはExcelを使ったCSVの大量インポートだ。Apple Silicon版があるのでOKでは? となりそうだが、じつは昔からCSVのインポートについては、Windows版とMac版で動作が異なり(表示されるパネルなどもまったく違う)、うまくできないケースが多発する(できても遅い)。

 開発仕事でよくあるのが、移行前のシステムからDBのdumpが諸事情で出せず、1~10万件程度のCSVがデータとして届くことがしばしば。これをExcelで読み込み、内容を確認して、設計/仕様書、新しいDBへインポートする元データなどに使うのだが、単純なカンマ区切りなら大丈夫だが、データにカンマが混じったり、セパレータがタブなど、ちょっと入り混じったケースではMac版だと失敗する。加えてApple Silicon版を使っても、Windows版よりもかなり遅い。誰もMicrosoftへレポート上げてないのだろうか。何年も前から変わらないので謎な部分である。

iPhone 12 Pro Maxその後、ProRAWは!?

 iOS 14.3がリリースされ、期待のProRAWが12 Pro/Pro Maxで使えるようになった。結論から書くと、期待していたが、残念ながら普通のRAWだ。

 設定/カメラのフォーマットでApple ProRAWをオンにすると、カメラアプリ/写真モード時のみRAWのオン/オフができるようになる。撮影後、iOS/iPadOSの写真アプリ、もしくはBig Surの写真アプリで現像できる。DNGフォーマットなので、ほかの対応アプリでも現像可能だ。

 Macへ転送するには、写真アプリのエクスポートではDNG出力ができないので、AirDropを使用する。参考までにファイル容量は、撮って出しのJPEGだと2MB前後だが、ProRAW/DNGだと20MBを超える。

 が、これからもわかるように、ポートレートモードでは使えず、現像時HDRの効き方なども調整できず、単に普通のRAW現像となる。iPhoneの場合、撮って出しのJPEGでもHDRだったり、Apple固有の発色だったり、いろいろ盛られているので、これを越えるには結構真面目に現像しなければならない。

 作品撮りを狙うならいいかもしれないが。であればiPhoneで撮るのか? という話もある。普通にスナップする程度であれば、非RAWで撮ってもアプリの編集でRAWよりデータの劣化が多いとは言え、結構な調整が可能。出力先がInstagramなどソーシャル系なら十分盛れた写真が得られる。個人的には期待が大きかった分、ガッカリで、これなら12 miniで良かったかもと思ったほどだ。加えて標準(広角)だとゴーストが激しい。夜景が強くてもゴーストが出まくりだとそれ以前の問題だ。

ProRAWで撮影、Macへ転送し写真アプリで開いたところ
ProRAWで撮影、Macへ転送し写真アプリで現像したところ

 余談になるが、Android版のGoogleフォトでは、Pixelシリーズのみという制限を外し、顔認識によるソフトウェア的な背景ぼかしを順次ロールアウトしている。つまりシングルレンズだった初代Pixelがやっていた手法をアプリ側に組み込んだかたちだ。筆者のXperia 1 IIにも落ちてきたので早速試したところなかなか使える。コツはぼかし過ぎると不自然なので、弱めにすることだろうか。

Googleフォトのソフトウェア的な背景ぼかし処理前(左)/後(右)。Xperia 1 IIの望遠/35mm換算70mmは背景ぼかしがもともとない
Xperia 1 IIのPhotography ProでRAW撮影し、SnapSpeedで現像したところ
Xperia 1 II標準装備のPhotography Pro(上)、Cinema Pro(下)

 これならProRAWで撮って現像、Googleフォトへ転送して、Xperia 1 IIで加工すれば、ポートレート系もProRAWを使うことができるが、ならばXperia 1 IIのPhotography ProでRAW撮影し、そのままGoogleフォトで好みに現像しつつ、背景ぼかしを加えたほうが効率が良い(笑)。

 加えてXperia 1 IIは、ご覧のようにマニア心をくすぐるPhotography ProとCinema Proを標準装備だ。カメラアプリ(動画撮影も含む)では機能不足のときには、こちらを使えば、まるで専用機並の操作/機能で撮影できる。iPhone 12もProモデルに関しては、この程度のアプリを別途標準で用意してもいいのではないだろうか。

 カメラが唯一強みだった12 Pro MAXだったが(今更ながら欠点は大きい、重い、3.5mmジャックがない……など)、メインはXperia 1 IIでいいのではと考え中だ。

 またメインをiPhone 12 Pro Maxへ移行しようにも、AndroidからiOSへLINEを移すと(逆も)トークが消える「またLINEだよ!」といった問題もある。バックアップがGoogle DriveかiCloud Drive、どちらかにしか対応していないのがその理由だ。

 技術的には自前のサーバーへ一時保存すれば済む話なのだが(Suicaでさえもそうしている)、おそらく何かあった時に責任を取りたくないので、ほかのクラウドストレージを使っている格好だ。いずれにしても機種変がやりにくく、ある意味スマートフォンの普及を阻害している。2021年は改心してほしいところ。使うのを止めれば済む話なのだが、こればかりは相手がいるだけにどうにもならない。


 以上、今年2020年の出来事などを気の向くまま書いてみたが、来年2021年は、「2020年結構な予算を使ってここまで買い替えたので、大物は何も買ってません! 」報告をしたいところか(笑)。あるとすれば、持ち歩き用のMacBook 12(もしくは1kgを切るMacBook系)のApple Silicon版が出れば買い換えるかもしれない。

 が、それ以前に、気楽に出歩け、対面での打ち合わせも普通にできるようになってほしい……と願う2020年年末であった。