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最低限知っておきたいMacの「メール」管理術10選

 毎日溜まり続けていくメールの数々。その中から大事なメールを見逃さずにチェックできていますか? また、読み返したくなったメールをすぐに見つけることはできますか? macOSに標準搭載されている「メール」には、メールを快適に管理するための機能が豊富に備わっています。ここでは標準の「メール」で素早くメールを見つけ出すための管理術を10点ご紹介しましょう。

macOS標準の「メール」は、スッキリとしたユーザインターフェイスの中に多彩な機能が詰まっています。便利な機能を使いこなしていきましょう

(1)より多くのメールを1画面に表示する

 1日に何十、何百というメールを受信する人だと、その中から目を通しておくべきものを見つけ出すのもひと苦労です。そこで、まずは1画面に表示できるメールの件数を増やして一覧性を高めましょう。

 メニューバーから[メール]→[環境設定]を選び、環境設定パネルを表示させます。[表示]タブに切り替えると、一番上に[リストプレビュー]という項目があるはずです。

 この部分を[なし]に変更すると、リストエリアで本文の冒頭が表示されなくなり、その分より多くの件数を表示することができます。

[メール]→[環境設定]を開き、[表示]タブに切り替え。[リストプレビュー]を[なし]に変更してみましょう
リストエリアに表示されるメールの件数が増え、一覧性が高まりました

(2)TO/CCラベルを表示する

 ビジネスメールでは、「CC」でメールが届くことがあります。「CC」とは「Carbon Copy(カーボン・コピー)」の略で、主に情報共有の目的で、関係者にメールを同時発送しておきたいときに使います。

 送られてきたメールが「TO」なのか「CC」なのかは、意外と重要です。「TO」で送られてきたメールは返信が必要になることが多いですが、「CC」で送られてきたメールは目を通しておくだけでいい場合がほとんど。時間のあるときに開封しても、それほど問題にならないはずです。

 「メール」では、[表示]メニューの中にある[TO/CCラベルを表示]を選ぶことで、リストエリアに[TO]や[CC]が表示されます。

[表示]メニューから[TO/CCラベルを表示]を選択しましょう
リストエリアを見ると、各メールの件名の前に[TO]や[CC]といったラベルが表示されているのがわかります

(3)スレッドにまとめて強調表示する

 「メール」には、同じ話題のメールをグループ化する「スレッド」という機能があります。会話の流れが辿りやすくなるので、まだ利用していない人はぜひ使ってみましょう。

 スレッドの表示は、[表示]メニューの[スレッドにまとめる]を選ぶだけで簡単にオン/オフを切り替えられます。

 また、[表示]メニューの[スレッドを強調表示]を選ぶと、リストエリア内でスレッドが強調表示され、見つけやすくなります。併せて活用しましょう。

[表示]→[スレッドにまとめる]を選ぶと、同じ話題のやりとりがまとめられます。リストエリアの末尾にはスレッドにまとめられたメールの件数が表示されます(ここでは「3」)

(4)大切な相手はVIPに設定する

 「VIP」の設定は、効率的なメール管理を行なううえで欠かせません。「VIP」とは、重要度の高い相手を指定できる機能です。

 「メール」では、サイドバーに[VIP]項目が用意されており、VIPに指定した人のメールを抽出できます。[VIP]欄をチェックすることで、大切な人からのメールを見逃さずに済むというわけです。

 先ほど「重要度の高い相手」と書きましたが、あまり深く考えず、複数回やりとりする相手はどんどんVIPに登録するのがオススメです。メールマガジンやプロモーションメールなどに埋もれさせないことが目的なので、積極的に活用していきましょう。

 ただし、VIPに登録できる人数は、100までに制限されています。登録できる人数が上限に達したときは、最近やりとりしていない人をVIPから解除しましょう。

メールヘッダの名前の前にポインタを持っていくと星印が表示されるので、それをクリック。星印が黄色になり、VIPに登録されます
VIPに登録した人からのメールは、サイドバーの[VIP]欄からチェックできます。未読のメールがあれば数字がついて知らせてくれます

(5)メッセージフィルタで目当てのメールを探す

 メールを使っていると、未開封のメールだけを抽出したいときがあります。そんなときに使いたいのが「メッセージフィルタ」という機能です。

 リストエリアの上部にある下向き三角形のマークをクリックすると、マークが青くなってフィルタが有効になります。

 抽出の条件を変更したいときは、青くなっているマークを長押ししましょう。ポップアップメニューが開くので、そこから抽出したい条件を選べばOKです。

 「未開封かつ添付ファイル付きのメール」のように複数の条件を組み合わせることも可能です。

メッセージフィルタのボタンを押すと、条件に合致したメールだけがすぐに抽出されます
抽出の条件を変更したいときは、メッセージフィルタボタンを長押ししましょう。特に[未開封]や[添付ファイル付きメールのみ]の2つは、重宝する場面が多いと思います

(6)検索窓を使いこなす

 メールを探すとき、差出人の名前を検索窓に入れて探すことは多いと思います。しかし、検索窓には、それ以外にもさまざまな条件を入力できます。

 たとえば、昨日受信したメールを探したいときは「昨日」と入れれば、[日付:昨日]というプルダウンメニューが表示されます。それを選ぶことで、昨日受信したメールだけを抽出できます。

 また、日付に関しては、他に「今日」「今月」「去年」「2020年」「2019年4月」などの条件を指定可能です。

 さらに、「添付」と入力すれば添付ファイル付きのメールを探し出すことができますし、「PDF」と入力すればPDFファイルが添付されているメールを探し出すこともできます。画像が添付されたメールを探したいときは「イメージ」と入力すればOKです。

たとえば「先月」と入力すると、プルダウンメニューの下に[日付:先月]という検索条件が提示されます。それをクリックすると、先月受信したメールを検索できます
「イメージ」と入力すると、プルダウンメニューに[添付ファイルが次を含む:イメージ]という検索条件が提示されます。「JPEG」や「PNG」など、ファイルタイプを限定して探すことも可能です

(7)複数の検索条件を組み合わせる

 メールの検索窓には、複数の条件を入力できます。たとえば最初に「鈴木」と入力して差出人を指定し、その後に「打ち合わせ」など、探したいキーワードを続けて入力します。こうすることで、目当てのメールに素早く辿り着くことができるでしょう。

 先ほどのテクニックと組み合わせて、「今月」に「鈴木」さんから届いた「添付ファイル付き」のメールを探し出すこともできます。

 なお、メールの検索は、自然な文章で検索できる「自然言語検索機能」が備わっているはずなのですが、日本語だとあまりうまく機能しません。注意しましょう。

複数の条件を入力すれば、候補をかなり絞り込むことができます。目当てのメールを素早く見つけられるでしょう

(8)スマートメールボックスを活用する

 同じ条件での検索を何度もしているなら、「スマートメールボックス」を活用するといいでしょう。

 スマートメールボックスとは、検索条件を保存してすぐに呼び出せるようにしたものです。単一の条件だけでなく、複数の条件を組み合わせられるのがメリットです。

 スマートメールボックスは、なるべく抽出漏れがないよう、かつ余計なものが入り込まないように条件を指定するのがポイントです。

 たとえば経理関連のメールをあとでまとめて見返したいときは、「請求」というキーワードを検索対象にしますが、これだと余計なメールマガジンなども入ってきてしまいます。

 そこで、[差出人がVIPである]という条件を加えて特定の差出人だけに絞り込むなど、条件を工夫しながら効率的なスマートメールボックスを作っていくといいでしょう。

スマートメールボックスの作成は、サイドバーの[スマートメールボックス]欄にある[+]ボタンから行なったり、[メールボックス]メニュー→[新規スマートメールボックス]を選んだりと、複数の方法が用意されています
スマートメールボックスは、複数の条件を登録できます。[すべて]の条件に一致と、[いずれか]の条件に一致とを選べるので、よりよい条件になるよう調整してみましょう

(9)読まないメールはルールでアーカイブ

 ほとんど読まないようなメールマガジンやプロモーションメールは、「ルール」機能を使って受信トレイから移動させましょう。

 ルールは、メールの受信時に実行されます。つまり、メールマガジンなどを受信した瞬間に別の場所へ移動させられるというわけです。受信トレイ内にある新着メールの件数が減ることで、重要なメールをより見つけやすくなるでしょう。

 ルールの設定方法に関しては、まず振り分けしたいメールを選択しておき、[メール]メニュー→[環境設定]を選びます。環境設定ウインドウが表示されたら[ルール]タブに切り替え、[ルールを追加]ボタンをクリックしましょう。

 ルールの設定画面になるので、上側にルールを適用する条件、下側に実行するアクションを設定します。

 条件には、差出人のメールアドレスや件名を指定し、実行するアクションには[メッセージを移動]を選択、移動先には[アーカイブ]を選ぶのがおすすめです。アーカイブを選んでおけば、あとで見たくなったときに探し出すことができます。

[メール]メニュー→[環境設定]で環境設定ウインドウを表示。[ルール]タブに切り替えて[ルールを追加]ボタンをクリックします
ルール設定画面が開きます。事前にメールを選択しておくと、条件部分に差出人のメールアドレスなどが自動入力されます
移動先は「アーカイブ」がおすすめ。メールアドレスの種類がPOPアカウントの場合は[このMac内]のアーカイブに移動、IMAPアカウントの場合は、各アカウント内のアーカイブを指定します

(10)不要なメールマガジンは登録解除する

 あまり読まないメールマガジンはルールを使って振り分けることができますが、本当に読まないのなら登録解除をしたほうがいいでしょう。Mac標準の「メール」では、ソフト上で簡単に登録解除の操作ができます。

 ヘッダ部分に[サブスクリプション登録解除]のボタンが表示されるメールは、登録解除の機能が利用できます。ボタンを押すと確認のダイアログが現れ、そこで[OK]ボタンを押すだけで登録解除になります。

 残念ながら、この機能はすべてのメールマガジンで利用できるわけではありません。機能が使えない場合はWebサイトにアクセスするなどして登録解除しましょう。

登録解除機能を利用できるメールマガジンは、[サブスクリプション登録解除]ボタンが表示されます
確認ダイアログが表示されます。[OK]を押すだけで登録解除が完了します

大切なのは「こだわりすぎないこと」

 ルールやスマートメールボックスなど「メール」のさまざまな機能を活用することで、メールの管理はしやすくなります。しかし、ルールやスマートボックスの設定にこだわりすぎてしまうと、今度はその作業で時間のロスが生まれてしまいます。

 そもそも、メールの管理に「これで十分」ということはありません。月日の経過に合わせてどんどん新しい種類のメールが届くようになり、たびたびルールやスマートメールボックスの設定を見直す必要が出てきてしまうのです。

 あまり神経質にならず、おおらかにメールと付き合うのが良いのではないでしょうか。