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Macのウィンドウ操作にはこれ!定番「BetterSnapTool」を使いこなそう

 Macのウィンドウ操作を快適に行なうためのユーティリティとして人気なのが「BetterSnapTool」です。このアプリを使うと、ドラッグ操作やショートカットキーでウィンドウサイズを自由自在に変更して、ウィンドウをすっきりと整頓できます。特に、デスクトップがウィンドウで散らかりがちの人は導入してみる価値があるでしょう。

Mac App Storeからインストール

 Windowsユーザーにとってお馴染みの機能の1つに「スナップレイアウト」(Windows 7では「Aeroスナップ」と呼ばれていた機能)があります。

 これは、アプリのウィンドウをディスプレイの左右や上部、コーナーにドラッグすると、自動的にウィンドウサイズを画面の1/2サイズや1/4サイズにリサイズし、決まった位置に配置する機能です。

 Macには標準でこのような機能は搭載されていませんが、サードパーティ製のアプリを使うことで似たような操作が可能になります。

 代表的なアプリとして知られるのが「BetterSnapTool」です。日本語に非対応のため取っ付きにくい印象を受けますが、基本的な使い方の習得にはさほど時間がかからず、App Storeからアプリをインストールするだけですぐに使いこなすことができます。

BetterSnapToolは、370円の有料アプリです。Mac App Storeからダウンロードできます

ドラッグでウィンドウサイズを変更できる

 では、さっそく基本的な使い方を解説していきましょう。まず、BetterSnapToolを起動したら任意のアプリウィンドウをドラッグして、デスクトップのコーナーや左右、上部にドラッグしてみてください。

 特定の位置までドラッグするとデスクトップ上に白枠が現れ、その状態で指を離すと、ドラッグしたウィンドウが白枠と同じ大きさにリサイズされます。

 たとえば2つのウィンドウを大きく並べて表示したいときには、片方のウィンドウを左端のポイントまでドラッグ。そして、もう一方のウィンドウを右端のポイントまでドラッグすることで、Macの画面を2分割するように1/2サイズのウィンドウを並べることができます。

 また、これと同じ要領で、ウィンドウを上部中央のポイントまで持っていくと最大化表示に、コーナーのポイントまでドラッグすると1/4サイズになります。

ウィンドウをドラッグして画面の端(ここでは左側)まで持っていくと、白枠が表示されます。その状態で指を離すと、その枠の大きさにウィンドウがリサイズされます
画面のコーナーにドラッグすると、ウィンドウが1/4サイズになります。ただし、アプリによってウィンドウの最小サイズが異なります。たとえばSafariのウィンドウ(画面右上)は1/4サイズに収まりますが、App Storeのウィンドウ(画面右下)は、1/4サイズよりも大きくなります(デフォルトの解像度を選択している場合)

 このようにBetterSnapToolではドラッグ操作だけで簡単にウィンドウサイズを変更できますが、メニューバーを使うことで、別のサイズに変更することも可能です。

 対象となるウィンドウを選択した状態でメニューバーのBetterSnapToolのアイコンをクリックして、メニューから[Change Window Position/Size]を選択。すると、上半分や下半分、左右1/3サイズといった、ドラッグ操作では用意されないサイズが選択できます。

 加えて、ウィンドウサイズは変えずにセンターや左右など、位置の変更だけを行なうメニューも選べるため、リサイズしたくないウィンドウだけをメニュー操作するような使い方も可能です。

メニューバーから[Change Window Position/Size]をクリックすると、ドラッグ操作にはないサイズなどが選べます。たとえば[Left Two Thirds]と[Right Third]を組み合わせると、2/3サイズのウィンドウと1/3サイズのウィンドウを並べることができます
[Center]や[Move to top left(right), without resizing]を選択した場合、ウィンドウのリサイズは行なわず、配置だけを動かします

●ショートカットキーを設定する

 BetterSnapToolはカスタマイズ性にも優れており、メニューバーの[Preferences]から設定パネルを表示することで、各種操作方法などをユーザー好みに変更できます。英語なので分かりにくい部分があると思いますので、ここではおすすめの設定をいくつか紹介していきます。

 まずは、ショートカットキーの設定方法です。設定パネルの[Keyboard Shortcuts]タブを開くと、先ほど解説した[Change Window Position/Size]メニューの項目が表示されます。

 その中から項目を選択し、任意のショートカットキーを割り当てていきます。たとえば[left half]や[right half]にショートカットキーを割り当てると、ドラッグ操作せずにキーボードショートカットで1/2サイズのウィンドウを左右に並べることができます。

 また、通常はメニューバーから呼び出す[top half]や[bottom half]、[center]などにもショートカットキーを割り当ててキーボード操作で実行することも可能です。

 ただし、ここで注意したいのは、macOSの既存のショートカットキーとバッティングしないようにすること。また、あまりにもショートカット数を増やしてしまい、混乱しないようにしましょう。

メニューバーの[Preferences]をクリックすると設定パネルが呼び出せます。ショートカットキーを登録するには[Keyboard Shortcuts]タブを開きます
ショートカットキー入力欄をクリックしてから具体的なキーを押して登録を行ないます。ここでは[left half][right half][top half][bottom half]の4つの項目にショートカットキーを設定しました

●ウィンドウのボタンも設定できる

 Macのウィンドウには一番左に「閉じる」ボタン、真ん中に「最小化」ボタン、一番右には「最大化」ボタンがあります。この3つのボタンもBetterSnapToolのカスタマイズ対象です。

 設定パネルの[Extras]を開くと、マウスの右クリック(もしくは[control]キー+クリック)を各ボタン上で行なったときの動作を設定できます。

 たとえば「閉じる」ボタンには[left third]、「最小化」ボタンには[middle third]、「最大化」ボタンには[right third]を設定すると、各ボタン上で右クリックをするだけで1/3サイズのウィンドウに簡単にリサイズできます。

 なお、サードパーティ製のマウスを使っているユーザーは、マウスホイールのクリック(中クリック)にも動作が割り当てられます(Apple純正のMagic TrackPadやMagic Mouseには中クリックがないので、通常は設定ができません)。

設定パネルの[Extras]タブにある[Secondary click~]の項目から、ウィンドウボタンを右クリック([control]キー+クリック)したときの動作が設定できます
[Click with special mouse~]では、ウィンドウボタンをマウスホイールクリック(中クリック)したときの動作が設定できます

 また、ウィンドウのタイトルバー部分をダブルクリックしたときの動作もカスタマイズ可能です。たとえばこの部分に[show menu with all actions]を割り当てると、タイトルバーをダブルクリックして[Change Window Position/Size]メニューが呼び出せるので、メニューバーを使うよりも楽になります。

 ただし、macOS標準の機能とぶつかってしまうため、本機能を使う場合は、システム環境設定の[Dockとメニューバー]パネルにある[ウィンドウタイトルバーのダブルクリックで拡大/縮小(しまう)]のチェックを外すようにしましょう。

[Double-click a windows’ titlebar]では、ウィンドウのタイトルバーをダブルクリックしたときの動作を設定できます。ここに[show menu with all actions]を割り当てると、リサイズメニューが呼び出しやすくなります

 もうひとつ、設定パネルの[Extras]にはウィンドウ操作を楽にする機能があります。通常ウィンドウを動かすときには、マウスポインタをタイトルバー上に持ってくる必要がありますが、[Move windows]の設定をすると、特定のキーを押しながらウィンドウの任意の箇所にポインタを重ねるだけで、そのウィンドウが動かせるようになります。

 まれにウィンドウがデスクトップの表示領域をはみ出してタイトルバーが隠れてしまうことがありますが、この設定をしておけば、ウィンドウの一部でも見えていれば楽に動かせるので、ぜひ設定をしておきましょう。

[Move windows]の設定では、用意された5つのキーのいずれか(ここでは[fn]キー)にチェックを入れておくと、そのキーを押している状態であれば、ウィンドウの任意の場所にポインタを重ねるだけでドラッグできるようになります。また、右隣りの[Resize windows]では、ウィンドウのフチにマウスポインタを合わせなくとも、設定したキー(ここでは[command]キー)を押しながらウィンドウにマウスポインタを重ねるだけで、ウィンドウの大きさが変えられます

●任意のスナップエリアを作成する

 最後に手間はかかりますが、任意のウィンドウサイズと配置位置を複数登録することもできます。これには「スナップエリア」という機能を使います。

 これは、ウィンドウを動かしたときにだけ表示される枠(スナップエリア)にウィンドウをドラッグすると、そのエリアに登録してあるウィンドウサイズが適用されるというもの。複数のスナップエリアを作成しておくことで、ドラッグ操作をより簡単に行なえるのです。

 スナップエリアの作成はピクセル単位でサイズや位置を設定できます。しかし、細かく微調整するのは手間がかかって大変です。そこでおすすめしたいのが、登録したい大きさのアプリウィンドウを作ってから、そのウィンドウサイズをスナップエリアとして登録していく方法です。

 既存のリサイズメニューをもとにしてウィンドウを広げるなどして調整すれば、細かい数値入力をすることなく感覚的に作業ができるので簡単です。

 作成したスナップエリアは枠内にテキストで説明を入れたり、色分けや形も変更したりできるので、とことんBetterSnapToolを活用するなら、ぜひチャレンジしてみてください。

新規Finderウィンドウなどを使って、完成図を作成します。たとえば、左上と左下に縦幅1/2、横幅2/3のウィンドウを作成し、右上と右下には縦幅1/2、横幅1/3を作成しておきます。既存のリサイズメニューを使いながらウィンドウサイズを微調整すれば、手間はそれほどかかりません
ウィンドウを選択した状態でメニューバーのBetterSnapToolのアイコンをクリックし、[Snap Areas]→[Create New Snap Area]を選びます。すると、選択中のウィンドウが半透明にマスクされ、[Click here to~]と表示が出ますのでクリックします
新規スナップエリアが作成されます。テキストのアイコンをクリックすると、枠内に分かりやすく説明書きが入力できます。また、カラーのアイコンをクリックして、背景や文字色も設定ができます
四隅のハンドルをドラッグしてサイズも変更可能です。また、スナップエリアをデスクトップの任意の位置に移動できます。作成し終えたら[Press cmd+~]を押せば登録が完了します。同様の手順を登録するウィンドウの数だけ行ないます
ウィンドウをドラッグすると、作成したスナップエリアが表示されるようになりました。スナップエリアにウィンドウをドラッグすると、そのエリアに登録されたウィンドウサイズが適用されるはずです