Mac Info
Macで見たい情報を素早く表示! 「ウィジェット」の使いこなしとオススメ10選
2021年6月18日 06:45
macOS Big Surでは、画面右側に表示される「通知センター」の機能とデザインが大幅に見直されました。 また、通知の下に表示される「ウィジェット(Widget)」も一新され、さまざまな情報を一目で確認できるようになっています。このウィジェットの使いこなしテクニックと、厳選したサードパーティウィジェットを紹介します。
Big Surでは何が変わったのか
天気や今日の予定などをデスクトップから素早く確認できる、macOS Big Surの「ウィジェット」を知っていますか? 筆者は積極的に使っているのですが、ほかのBig Surの機能と比べてあまり使っていないという声もよく耳にします。もしかしたら、その存在すら知らないという人もいるかもしれません。
それもそのはず、このウィジェットはOSの進化に伴って表示される場所や名称が変わってきた経緯があります。2つ前のバージョンのmacOS 10.14 Mojaveまでは「Dashboardウィジェット」という機能で提供されており、前バージョンのmacOS 10.15 Catalinaから急に通知センターの「今日」パネル内で提供されるようになりました。
また、macOS Big Surでは、通知センターのインターフェイスが一新され、ウィジェットの表示方法や配置が大きく見直されています。具体的には、サイズが大/中/小から選べるようになり、通知センター内の通知パネルの下に自在にレイアウトできるようになっています。
もしBig Surになってから使ったことがないのであれば、ぜひ一度試してみてください。トラックパッドの右端から2本の指で左にスワイプ、またはメニューバーの日付・時刻をクリックすると「通知センター」が表示され、最新の通知の下にウィジェットが表示されます。
また、そこから「ウィジェットを編集」というボタンをクリックすると、表示するウィジェットを自由に選ぶことが可能です。標準搭載されている「カレンダー」や「時計」「天気」「株価」などから好みのものを追加しましょう。
筆者の場合は、すぐにTo Doを確認できる「リマインダー」と、Macの使用時間などを知るための「スクリーンタイム」が欠かせません。それぞれアプリを起動して確認することもできますが、それだとデスクトップに開くウインドウが増えてしまいますし、場合によってはアプリを開くことを忘れてしまうこともあります。ウィジェットであれば通知センターを表示するだけで、逐次チェックしたい情報をまとめて確認できます。
ウィジェットの探し方&便利技
「ウィジェットを編集」の画面では、macOS標準の8種類のアプリだけでなく、サードパーティアプリのウィジェットも追加可能です。サードパーティのウィジェットをインストールすれば自動的に「ウィジェットを編集」の画面に表示されますので、好みのものを選ぶだけです。
Appleはサードパーティに対してこのウィジェットの仕組みを公開しているので、対応する開発者が続々と増えています。しかし、どのアプリがウィジェットも提供しているかは実際にインストールしてみないとわからないことが大半です。「App Store」アプリでMac App Storeにアクセスして、ストア内の検索機能でウィジェットのみ抽出できればよいのですが……。
そこで知っておきたいのが、「ウィジェット」というキーワードで検索することです。すると、「進化を遂げたウィジェット」という「ストーリー」が表示され、Appleのエディターがまとめたウィジェットをチェックすることができます。
アプリを1つずつ検索してウィジェット提供の有無を確認するのは骨の折れる作業ですから、まずはここに掲載されているウィジェット一覧から探すのがおすすめです。
ウィジェットを追加したあとに、画面に適切な情報が表示されない場合があります。そんなとき知っておきたいのが、ウィジェットを副ボタンクリックしてコンテキストメニューから「~を編集」を選択することです。すると、ウィジェットが反転してオプションが選択可能になります。天気予報ウィジェットのように位置情報を利用するものは、ここで表示したいエリアに切り替えてみましょう。
また、もう1つ覚えておきたいのが、ショートカット設定です。ウィジェットを確認するには、ジェスチャやメニューバーで通知センターを表示するという一手間があります。システム環境設定の「キーボード」パネルの「ショートカット」から任意のキーコンビネーションを登録しておくと、キー操作だけでウィジェットを確認できます。
おすすめ便利ウィジェット10選
ここからは筆者が使ってみて便利あるいはユニークと感じたおすすめのウィジェットを10本紹介します。もちろん、ウィジェットとしての機能を中心に評価していますので、単体のアプリとしてはほかにも優れたものが存在します。
なお、評価ポイントとしては、2020年のAppleの開発者向けイベントで、ウィジェットを作る際に開発者が取り組むべき目標としてAppleが定めたキーワードをベースにしています。
それは、「一目瞭然(Glanceable)」(ユーザが欲しい情報を一瞬で確認できること)、「関連性(Relevant)」(ユーザが関心のある情報を適切なタイミングでインタラクティブに表示すること)、「個人化(Personalize)」(ユーザの目的に合わせて表示をカスタマイズできること)の3つです。
また、使ってみて標準のウィジェットよりも利点があるか、サブスクリプションが機能に対して高額すぎないかなども評価に加味しています。なお、ウィジェット(アプリ)の価格は6月11日時点のものです。
①ニュースを最速で確認「News Explorer」
いわゆる「RSSリーダ」のウィジェットです。あらかじめ購読したいフィードをアプリで登録しておくことで、通知センターから最新情報をサッと確認できます。ウィジェットならではの特性が生かされています。サイズによって表示される記事の数が変わります。
②3つの運送会社の荷物を追跡「Parcel」
ECサイトでの購入やネットオークションなどで、運送会社の配達状況を確認したいことがあります。「Parcel」では2種類のウィジェットが用意されていて、日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便の配送状況を通知、あるいはマップで荷物の現在位置を確認できます。
③カレンダー&タスク管理の定番「Fantastical」
カレンダーとTo Do、天気情報を1つのウィジェットで確認できます。月額550円のサブスクリプションですが、無料版でも14日間の試用ができるので使い勝手を試せます。予定とタスク管理をAppleデバイスで一元管理したい人におすすめです。
④海外のお買い物に便利「通貨換算」
海外からの購入でドルやユーロなどの為替レートを確認したいけど、Webブラウザで検索するのは面倒……という人には「通貨換算」ウィジェットが役立ちます。ウィジェットをクリックすると電卓風のアプリが起動して、現地通貨が日本円でいくらか調べられます。
⑤標準より高機能なメモ「Bear」
メモアプリとして人気の「Bear」にはウィジェット機能があります。Bearのサイドバーにあるメモのセクション、単独のメモ、特定のキーワードを含むメモの検索結果の3種類のウィジェットを追加できます。用途に合わせ3サイズが選べるカスタマイズ性も魅力です。
⑥ゆるく続けられる日記「MOODA」
高機能な日記アプリはハードルが高いと感じている人には「MOODA」がおすすめ。その日の気分を表情のアイコンから選んでコメントを追加するだけなので、三日坊主でも続けられます。ウィジェットはカレンダー表示され、記録した日がマークされます。
⑦Macの状態をサクッと確認「Menubar Stats」
MacのCPU、バッテリ、ストレージ、Bluetoothデバイスの充電状況などを、それぞれウィジェットで確認できます。詳細な情報が取得できないセンサがあるものの、M1 Macの温度センサ情報が取得できる貴重なツールです。Macの状態が気になる人に。
⑧チートシートを覗き見「CheetSheet」
チートシートは「カンニングペーパー」のことで、覚えておかないといけない番号やロック解除のコードなどをチラッと覗き見するためのウィジェットです。表示をロックできないので重要なパスワードの記録はおすすめしませんが、よく使う情報を通知センターから見られるのは便利。
⑨水分を適切なタイミングで「WaterMinder」
ヘルスケア関連機能が充実したApple製品ですが、適量の水分補給ができるウィジェットも備えておきたいです。あらかじめ性別や体重などのデータを登録しておくと1日に必要な水分量が自動計算され、その日に飲んだ水の量をグラフィカルに表示してくれます。
⑩惑星の情報もちょこっと確認「Night Sky」
天体観測アプリ「Night Sky」にもウィジェットの機能があります。といっても火星や土星の日没時刻を知らせてくれるなど、実用性は微妙ですが……。それでも通知センターをふと目にした際に遠い惑星の様子がわかるのはロマンがあって魅力的です。
アプリ名 | 販売元 | 価格 | |
News Explorer | Ron Elemans | 1,220円 | |
Parcel | Ivan Pavlov Pty Ltd. | 無料(アプリ内課金) | |
Fantastical | Flexibits Inc. | 無料(App内課金あり) | |
通貨換算 | Aleksey Mezhevikin | 無料(App内課金あり) | |
Bear | Shiny Frog Ltd. | 無料(App内課金あり) | |
MOODA | OLIVESTONE Lab. | 120円 | |
Menubar Stats | Fabrice Leyne | 610円 | |
CheetSheet | Overdesigned, LLC | 610円 | |
WaterMinder | Funn Media, LLC | 370円(App内課金あり) | |
Night Sky | iCandi Apps Ltd. | 無料(App内課金あり) |
欲しいウィジェットがない場合は?
macOS Big Surにアップデートして、標準のウィジェットに「計算機」がなくなっていることに気づいた人もいるかもしれません。これまで定番とも思われてきたウィジェットが廃止された理由は、上で挙げたウィジェットの「一目瞭然(Glanceable)」の要件に合わなかったためと考えられます。
つまり、電卓のように直接操作するタイプのウィジェットは今後も認められない可能性が濃厚です。実際に、定番の高機能電卓アプリ「Pcalc」も、通知センターのウィジェットではなくメニューバーから操作するタイプのウィジェットになっています。
このようにAppleの審査の方針で実現できない機能は別として、Mac App Storeでは自分好みのウィジェットが見つからなかったという場合もあるかもしれません。最後に、そのような場合に備えてオリジナルのウィジェットが作れるアプリを紹介します。
iOSとmacOSで使える代表的なウィジェットカスタマイズアプリとしては「Color Widgets」や「Widgeridoo」があります。ここではWidgeridooを例に、オリジナルのウィジェットをつくる方法を手短に紹介します。英語版のため、ややわかりにくい設定もありますが、すでに配布されているウィジェットを参考にカスタマイズするだけでも自分好みの機能とデザインを実現できます。