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米警察も導入する超絶タフ仕様のパナソニック製タブ「TOUGHBOOK」最新機を使ってみた

パナソニックコネクト「FZ-G2E」シリーズ。価格はオープンプライス

 パナソニックコネクトは頑丈設計を売りにした10.1型タブレットPC「FZ-G2E」シリーズを10月下旬に発売する。価格はオープンプライス。

 本製品は耐衝撃、耐落下、防塵、防滴、耐高温、耐低温性能を備えたタブレット型「タフブック(TOUGHBOOK)」。シリーズで初めてモジュラー構造を採用しており、バーコードリーダーなどの法人向け機能をあとから追加可能だ。また別売りで「キーボードベース」が用意されており、クラムシェル型のノートPCとしても活用できる。今回は本製品の使い勝手などについてレビューしていこう。

CPUに第12世代のCore i5-1245Uを採用

 FZ-G2EシリーズはOSにWindows 11 Pro、CPUに第12世代(Alder Lake)のCore i5-1245U(Pコア×2+Eコア×8/12スレッド、最大4.4GHz)を採用。メモリは8GB、ストレージは512GB(PCIe 4.0 x4接続SSD)を搭載している。

 ディスプレイは10.1型WUXGA液晶(1,920×1,200ドット)を採用。屋外での視認性を確保するために最大輝度は約1,000cd/平方mを確保し、もちろんタッチ操作、ペン操作に対応している。また現場での利用を想定して、水しぶきがついたままでも、手袋をしたままでもタッチ操作が可能だ。

 インターフェイスは本体にUSB 3.0、Thunderbolt 4(USB Power Delivery、DisplayPort Alternate Mode対応)、Gigabit Ethernet、拡張バスコネクタ、キーボードベースにUSB 3.0、USB 3.0 Type-C、拡張バスコネクタを用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 6EまたはWi-Fi 6、Bluetooth 5.1をサポート。また、ワイヤレスWAN対応モデルも用意されている。

 サイズおよび重量はタブレット本体が279×188×23.5mmで約1.19kg、キーボードベース装着時が287×235×52.7mmで約2.1kg。定格4,360mAhのリチウムイオンバッテリを内蔵しており、バッテリ駆動時間は本体のみで約18.5時間、大容量バッテリ装着時で約26時間と謳われている。さらに詳細なスペックについては下記表を参照してほしい。

【表1】「FZ-G2E」シリーズのスペック
製品名FZ-G2Eシリーズ
OSWindows 11 ProまたはWindows 10 Pro(ダウングレード)
CPUCore i5-1245U
(Pコア×2+Eコア×8/12スレッド、最大4.4GHz、15W)
GPUUHD Graphics
メモリ8GB(LPDDR4x-4267)
ストレージ512GB(PCIe 4.0 x4接続SSD)
ディスプレイ10.1型WUXGA液晶
(1,920×1,200ドット、224ppi、輝度約2~1,000cd/平方m、リフレッシュレート60Hz、10点マルチタッチ対応、デジタイザーペン対応)
ワイヤレス通信Wi-Fi 6EまたはWi-Fi 6、Bluetooth 5.1
WWANなしまたはLTE
インターフェイス本体:USB 3.0、Thunderbolt 4(USB Power Delivery、DisplayPort Alternate Mode対応)、Gigabit Ethernet、拡張バスコネクタ
キーボードベース:USB 3.0、USB 3.0 Type-C、拡張バスコネクタ
入力デバイス84キー日本語配列(バックライト内蔵)
カメラ前面:カメラカバー付きの200万画素カメラ
背面:LEDフラッシュ付きの800万画素カメラ
サウンドステレオスピーカー、マイク
バッテリ容量定格4,360mAh(リチウムイオン)
バッテリ駆動時間標準時:約18.5時間
大容量バッテリーパック装着時:約26時間
キーボードベース装着時:約17.5時間
キーボードベースと大容量バッテリーパック装着時:約25時間
バッテリ充電時間標準時:約2.5時間
大容量バッテリーパック装着時:約3時間
本体サイズタブレット本体:279×188×23.5mm
キーボードベース装着時:287×235×52.7mm
重量タブレット本体:約1.19kg
大容量バッテリーパック装着時:約1.27kg
キーボードベース装着時:約2.1kg
キーボードベースと大容量バッテリーパック装着時:約2.19kg
セキュリティセキュリティロックスロット、TPM(TCG V2.0準拠)
同梱品本体、ACアダプタ、電源ケーブル、説明書、デジタイザーペン「FZ-VNP026U」、ペン用ケーブル、専用布(クリーニングクロス)

 本製品は前述の通りモジュラー構造を採用しており、「拡張エリア①」にはmicroSDカードスロット(9,900円)、バーコードリーダー(6万2,150円)、USB 2.0ポート(8,250円)、LANコネクター(9,900円)、シリアルコネクター(1万7,050円)、サーマルカメラ(11万2,200円)、「拡張エリア②」には非接触ICカードリーダー(1万8,700円)、スマートカードリーダー(1万2,100円)などを装着可能だ。

ディスプレイは10.1型WUXGA液晶。上ベゼルにはマイク、カメラカバー付きの200万画素カメラ、照度センサー、下ベゼルには機能ボタン(A1、A2)、音量ボタン、Windowsボタン、画面回転、状態表示ランプ、電源ボタン、右ベゼルには機能ボタン(A3)が配置
タブレット本体の背面には、LEDフラッシュ付きの800万画素カメラが内蔵。左上にはファン、その右には「拡張エリア①」、その下には「拡張エリア②」、その右には「バッテリーパック」用のスペースが存在する
タブレット本体の上面(上)と下面(下)。下面には拡張バスコネクタを配置
タブレット本体の右側面(上)と左側面(下)
キーボードベース装着時の本体天面
キーボードベースの底面には拡張バスコネクタが用意
キーボードベースに装着した状態でも、下ベゼルのボタンを操作可能だ
キーボードは84キー日本語配列
キーボードベース装着時の前面(上)と背面(下)
キーボードベース装着時の右側面(上)と左側面(下)
本体にはUSB 3.0、Thunderbolt 4(USB Power Delivery、DisplayPort Alternate Mode対応)、Gigabit Ethernet、拡張バスコネクタ、キーボードベースにはUSB 3.0、USB 3.0 Type-C、拡張バスコネクタが用意
ディスプレイラッチをかければ、ディスプレイが開いてしまうことはまずない
キーボードベースには引き出し式のハンドルが用意
ディスプレイ面の最大展開角度は実測147度。ハンドルを引き出せば、キーボードベースごと後ろに倒れることはない
パッケージには、本体、ACアダプタ、電源ケーブル、説明書、デジタイザーペン「FZ-VNP026U」、ペン用ケーブル、専用布(クリーニングクロス)が同梱
別売りのキーボードベースの型番は「FZ-VEKG21LJ」。価格はオープンプライス
ACアダプタのコード長は実測145cm、電源ケーブルの長さは実測183cm
ACアダプタの型番は「CF-AA5713A」。仕様は入力100-240V~1.5A、出力15.6V/7.05A、容量109.9W
デジタイザーペンはペン用ケーブルで本体に結びつけられる
クリーニング用の専用布
本体の重量は実測1,176g
キーボードベースの重量は実測907.5g
ACアダプタと電源ケーブルの合計重量は実測505g
デジタイザーペンの重量は実測62g

アウトドア用ノートPCとしても魅力的

 FZ-G2Eシリーズはタブレット型のタフブックであり、オプションで「キーボードベース」が用意されている。合板で180cm・コンクリートで90cmの耐衝撃、耐振動、IP6Xの防塵、IPX5の防滴、動作温度50℃・保管温度60℃の耐高温、動作温度-10℃・保管温度-20℃のタフネス性能を実現するため、ボディは大きく、重くなっている。

 しかし、キーボードベースと大容量バッテリーパックを装着した状態でも重量は約2.19kgだ。法人向けのマシンではあるが、個人的にはアウトドア用ノートPCとしても魅力的である。

キーボードベースに装着すればクラムシェル型のノートPC、単体ではタブレット端末として活用可能
キーボードベースのリリースレバーを左にスライドすると、フックがタブレットを引き込む。さらにデタッチロックを上にずらすと、リリースレバーがロックされる

 キーボードベースのキーピッチは横18.4mm、縦16.3mm、キーストロークは実測2.1mm前後。レッツノートのキーボードのノウハウも生かされているのか、打鍵感は良好だ。ただタッチパッドの面積が実測77×38.5mmと狭く、指1本でのマウスカーソル操作は狭く感じた。タッチパッドの感度を調節するか、ディスプレイのタッチパネルをメインに操作することをお勧めする。

キーピッチは横18.4mm、縦16.3mm
キーストロークは実測2.1mm前後
文字キー(Fキー)の押圧力は0.56N
キーボードバックライトは明るさを4段階に調節可能
タッチパッドの面積は実測77×38.5mm
付属のデジタイザーペン「FZ-VNP026U」には2ボタンを用意。ペン先は変更できない

 10.1型WUXGA液晶(1,920×1,200ドット)の最大輝度は1,000cd/平方mとなっており、ぱっと見で画面が明るいことがよく分かる。ただ色域を計測したところ、sRGBカバー率は83.6%、AdobeRGBカバー率は62%、DCI-P3カバー率は61.6%とやや低めであった。色味自体には癖はないが、屋外で写真や動画の色を確認するような用途には向いていない。

10.1型WUXGA液晶(1,920×1,200ドット)の最大輝度は1,000cd/平方m。色域は非公表
実測したsRGBカバー率は83.6%、sRGB比は83.6%
AdobeRGBカバー率は62%、AdobeRGB比は62%
DCI-P3カバー率は61.6%、DCI-P3比は61.6%
YouTubeで公開されている「前前前世(movie ver.) RADWIMPS MV」を最大ボリュームで再生した際の音圧レベルは最大89.7dB(50cmの距離で測定)

 前面には200万画素、背面には800万画素のカメラが搭載されている。今回室内灯下で撮影した限りでは、前面カメラは少し赤みが強く、背面カメラはやや露出が低めとなった。またどちらのカメラも暗部ノイズが多めだ。法人向けということで、記録用のカメラと割り切ったほうがよいだろう。

前面にはカメラカバー付きの200万画素カメラを用意
背面にはLEDフラッシュ付きの800万画素カメラを装備
前面カメラ(200万画素)で撮影(HDRオフ)
前面カメラ(200万画素)で撮影(HDR Proオン)
背面カメラ(800万画素)で撮影(HDRオフ)
背面カメラ(800万画素)で撮影(HDR Proオン)

最後に気になるパフォーマンスをチェック

 FZ-G2Eシリーズ(以下FZ-G2E)は第12世代のCore i5-1245Uを搭載しているので、比較対象機種としては第11世代のCore i5-1145G7(4コア/8スレッド、最大4.4GHz、28W)を搭載している「ThinkPad X1 Yoga Gen 6」(以下ThinkPad)を採用し、ベンチマークは「Panasonic PC設定ユーティリティ」の「熱とファンの制御」を「標準」に設定して実施した。

「HWiNFO64 Pro」で取得したシステムの概要

 まずCPU性能だが、FZ-G2EはThinkPadに対して、「Cinebench R23.200」のCPU(Multi Core)で111.17%相当、CPU(Single Core)で108.82%相当のスコアを記録している。CPUのベースパワーの差を、コア数とスレッド数で覆したわけだ。

Cinebench R23.200

 次に3Dグラフィックス性能だが、FZ-G2EはThinkPadに対して、「3DMark v2.27.8160」で76.93~86.48%相当(平均81.81%相当)のスコアに留まっている。

 FZ-G2EはUHD Graphics、ThinkPadはIris Xe Graphicsを搭載しており、最大動的周波数はCore i5-1245Uが1.20GHz、Core i5-1145G7が1.30GHzだ。その差がベンチマークスコアに表われたわけだ。

3DMark v2.27.8160

 ストレージ速度については、FZ-G2EはThinkPadに対して、1M Q8T1 シーケンシャルリードで101.09%相当、1M Q8T1 シーケンシャルライトで117.66%相当のスコアとなった。FZ-G2Eはストレージに「KBG5AZNS512G KIOXIA」を搭載しており、シーケンシャルリードは3,500MB/s、シーケンシャルライトは2,700MB/sとされている。スペック通りのリード、ライト性能を発揮しているわけだ。

CrystalDiskMark 8.0.4

 総合ベンチマーク「PCMark 10 v2.1.2636」では、FZ-G2EはThinkPadに対して、PCMark 10 Scoreで97.18%相当、Essentialsで88.96%相当、Productivityで94.92%相当、Digital Content Creationで108.66%相当のスコアとなっている。総合スコアはほぼ同等だが、CPU性能と、GPU性能の差が、それぞれのベンチマーク項目で明暗を分けた結果となった。

PCMark 10 v2.1.2636
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク(1,920×1,080ドット、標準品質、ノートPC)

 バッテリ駆動時間については、キーボードベースに装着し、ディスプレイ輝度を50%に設定して「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ、6時間33分動作した。これでもモバイル用途に実用十分なスタミナ性能だが、より長時間利用したい場合には「大容量バッテリーパック」を装着してほしい。

PCMark 10 Modern Office Battery Life(ディスプレイ輝度50%)
Cinebench R23.200のCPU(Multi Core)実行中のクロック周波数は平均1,925.7MHz、最大2,790.4MHz、CPU温度は平均66.99℃、最大93℃
Cinebench R23.200を10分間実行後のディスプレイ面の最大温度は39.2℃(室温27℃で測定)
背面の最大温度は37.2℃
ACアダプタの最大温度は27.5℃

一般ユーザー向けにも販売されることを強く期待したい

 「FZ-G2Eシリーズ」は過酷な現場での使用を想定した法人向けのタブレットPC。タフネス設計は一般的なモバイル用途の基準をはるかに上回っている。

 しかし今回試用して、一般ユーザーのアウトドア用ノートPCとしても魅力的だと強く感じた。個人的には「サバイバルゲーム」のフィールドで使用するノートPCとしてぜひとも利用したい。現時点では法人向けとなっているが、一般ユーザー向けにも提供されることを期待したい。