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見た目もインパクト大。第12世代Core/RTX 30搭載ゲーミングPC「Alienware Aurora R13」の実力を検証

 デルの「Alienware」シリーズといえば、エントリーからフラグシップまでの幅広い製品展開もさることながら、どこか近未来感のある個性的な外観でも人気のゲーミングPCだ。10月に発表されたばかりの「Alienware Aurora R13」は、筐体デザインを刷新するとともに、Intelの最新CPUである第12世代Coreプロセッサを搭載するなど、性能/機能面の向上を果たした最新モデル。Alienwareの25周年を記念したモデルチェンジという側面もあり、同シリーズのファンならずとも注目度は高いだろう。

 この記事では「Alienware Aurora R13 プラチナ」の製品サンプルをもとに、特徴や使い勝手などのインプレッション、およびベンチマークによる性能チェックを実施していく。

Core i7-12700KF/RTX 3080搭載のハイエンドマシン

Alienware Aurora R13 プラチナ。直販価格は48万3,980円 ※12月21日時点

 最初に「Alienware Aurora R13 プラチナ」の基本的なハードウェア性能を確認しよう。本製品はCPUに12コア/20スレッドの「Core i7-12700KF」、GPUに「GeForce RTX 3080」を搭載する。

 Core i7-12700KFは、2種類のCPUダイを組み合わせるなど内部構造を刷新し、大幅な性能向上を実現した第12世代Coreプロセッサの高性能モデル。ここ数年は競合AMDに苦戦していたIntelが性能面で久々の躍進を果たしており、特にゲーミング性能の点では評価が高い。

DELL NEW Alienware Aurora R13 プラチナの主なスペック
CPUCore i7-12700KF(12コア/20スレッド、3.60GHz、TB時最大5GHz、25MBスマートキャッシュ)
チップセットIntel Z690 チップセット
GPUGeForce RTX 3080(10GB GDDR6)
メモリ16GB(DDR5-4400、8GB×2/デュアルチャネル)
ストレージ512GB(M.2 NVMe SSD)
OSWindows 11 Home
ネットワーク2.5Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)225×529×510mm(背面ケーブルカバー含まず)、225×589×510mm(背面ケーブルカバー含む)
直販価格48万3,980円 ※12月21日時点
CPUは12コア/20スレッドのCore i7-12700KF。この世代から、高性能なPコアと高効率なEコアを併載するbig.LITTLE構成が初めて採用されている
サンプル機のGPUはGeForce RTX 3080 Tiだが、本来のAlienware Aurora R13 プラチナはGeForce RTX 3080を搭載。AURORA R13シリーズに関して言えば、搭載可能なGPUのラインナップはGeForce RTX 1660 TiからRTX 3090まで幅広い

 GeForce RTX 3080に関して言えば、高解像度ゲーミングではすっかりお馴染みのGPUだ。4Kのような高い解像度でも多くのタイトルで快適なゲーム描画を実現可能で、DirectXレイトレーシング(DXR)にも対応するなど、ゲーミングに関してはジャンルを問わず活躍できる。

 近年は高解像度かつハイリフレッシュレート対応のゲーミングディスプレイも増加傾向にあり、ハイエンドGPUの性能を余すことなく利用できる環境を整えやすいのも魅力だ。

 ちなみにAlienware Aurora R13自体は、搭載するパーツによって”フルカスタマイズ”から”スプレマシー”まで計5モデルをラインナップしているほか、個別モデルのBTOカスタマイズにも対応している。

 今回の貸し出しサンプルは”プラチナ”をベースにGPUを「GeForce RTX 3080 Ti」に変更した特別モデルとなるが、それぞれ予算に合わせてカスタマイズしたり、オプションを注文してみるのもありだろう。

 加えて、メインメモリには最新のDDR5メモリを搭載。容量は16GBで動作クロックはDDR5-4400と、従来のDDR4メモリに比べて高速化しているのが最大の特徴だ。ストレージはPCI Express Gen 4対応の512GB NVMe SSDを採用する。メモリ、ストレージともに高速なため、使い勝手は非常にいいと言えそうだ。

 ネットワークは本体背面に用意されている2.5Gigabit Ethernetが使用できるほか、内蔵するKiller製モジュールによるWi-Fi 6無線通信にも対応する。デスクトップPCであるため有線ネットワークを使用する機会が多いとは思うが、シチュエーションにあわせて通信方法を選べる点には安心感がある。

近未来感のある丸みを帯びたAlienwareらしい新筐体

独特の丸みを帯びたフォルムが印象的な側面。サイドパネルのウィンドウはアクリル製で、こちらはオプションではなく標準で搭載されている

 続いて、本体の外観やインターフェイス類などをチェックしよう。本体カラーはルナライトおよびダークサイド オブ ザ ムーンの2色展開。

 新筐体は「レジェンドデザイン 2.0」を謳う、Alienwareらしい丸みを帯びた近未来的なデザインを採用している。片側のサイドパネルは標準でアクリルウィンドウが用意されており、内部のレイアウトやLEDライティングを目視できる点はいかにもゲーミングPC的だ。

右側面は窓なしのパネルを装備
内部はケーブルマネジメントのホールが用意されている

 一方で、オプションの背面ケーブルカバー(3,300円で購入可)を使用すればケーブル類をまとめて隠せるなど、インテリアとしての見栄えにはかなりこだわっている印象だ。

オプションの背面ケーブルカバー(3,300円)を装着すると、配線を隠してよりスッキリした外観に
マグネットで簡単に装着できる。一応、取り付けたままでも上部からは配線にアクセス可能だ

 本体サイズはおよそ225×589×510mm(幅×奥行き×高さ、背面ケーブルカバー含む)と、ミドルタワーのPCとしては若干奥行きが気になるサイズだが、ケーブルカバーを使用しなければ6cmほどコンパクトにはなる。

フロントにはAlienwareのロゴ(電源ボタン)とUSBポート、オーディオコンボジャックを配置
そのほかのインターフェイス類は背面にまとめられている

 本体重量は採用パーツにより12.3~15.5kgと変動があり、ケーブルカバー使用時の最大重量は約16.5kg。なかなかの重さなので、デスクの上に設置したい、という場合はやや注意が必要だろう。

USBポートの数は十分。光デジタル端子など、オーディオ系の端子も充実している
映像出力はGPU側にのみ用意されている
左側面のパネルを外すと内部にアクセスできる
CPUクーラーとして、120mmラジエーター採用の水冷ユニットを搭載

 インターフェイスは筐体前面と背面に配置されており、前面にはUSB 3.0×3、USB 3.1 Type-C×1、オーディオコンボジャックを用意。USB 3.0ポートのうち1基は電源オフ時にも給電可能なPowerShare対応だ。

 背面にはUSB 3.2 Type-C×1、USB 3.1 Type-C、USB 3.0×2、USB 2.0×4、2.5Gigabit Ethernet、光デジタルオーディオ出力、同軸S/PDIF、オーディオ端子×6を用意。USBポートの数も十分で、特に不自由するといったことはないだろう。

「Alienware コマンドセンター」。LEDのライティングやモニタリング系機能に一括でアクセス可能だ
フロント部分などのライティングのオン/オフやカラー変更など、各種調節に対応
CPUやGPUの動作クロック、温度などのモニタリングにもアクセスできる
標準のLEDカラーはブルー

 なお、本体前面などのLEDライティング機能「AlienFX」は、専用アプリ「Alienware Command Center」から発光カラーなどを変更できる。電源プランなどのプロファイルの変更、各パーツの動作クロックや温度のモニタリングも利用可能だ。

Alienware Aurora R13 プラチナの性能をベンチマークでチェック

 では、「Alienware Aurora R13 プラチナ」の性能をいくつかのベンチマークで計測してみよう。今回は「3DMark」および「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」などのベンチマークアプリに加え、「ファークライ6」「アサシンクリード ヴァルハラ」「サイバーパンク2077」といった実ゲームタイトルでもフレームレートを計測した。

 なお、先に述べた通り、今回の貸し出しサンプルは”プラチナ”をベースにGPUを「GeForce RTX 3080 Ti」に変更した特別モデルとなるため、その点はご留意いただきたい。

【表】ベンチマーク結果
3DMark v2.20.7250
Time Spy Extreme score9,049
Time Spy Extreme Graphics score9,357
Time Spy Extreme CPU score7,631
Time Spy score17,684
Time Spy Graphics score18,194
Time Spy CPU score15,265
Fire Strike Ultra score11,930
Fire Strike Ultra Graphics score11,652
Fire Strike Ultra Physics score36,155
Fire Strike Ultra Combined score6,534
Fire Strike Extreme score20,769
Fire Strike Extreme Graphics score21,925
Fire Strike Extreme Physics score36,208
Fire Strike Extreme Combined score10,207
Fire Strike score31,391
Fire Strike Graphics score42,093
Fire Strike Physics score35,933
Fire Strike Combined score10,138
Port Royal score12,178
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク
1,920×1,080ドット 最高品質26,819
2,560×1,440ドット 最高品質22,989
3,840×2,160ドット 最高品質15,602
Cinebench R23
CPU(Multi Core)22,232
CPU(Single Core)1,879

 3DMarkの総合スコアはいずれも申し分のない優秀さで、最新のハイエンド構成を採用した本製品の魅力がよく表れている。特筆すべきはCPUスコアの高さで、各種CPU testおよびFire Strike系のCombined scoreも軒並み高い値を記録できている点からも、第12世代Coreプロセッサの優れた性能が伺えると言っていい。

 ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークについても、すべての解像度で最高判定である「非常に快適」の基準を上回るスコアを達成できている。テスト中のフレームレートはどの解像度も平均100fpsを上回っており、4Kかつハイリフレッシュレートのゲーミングディスプレイなどと組み合わせれば、快適なゲームライフを満喫できそうだ。

 続いて、実ゲームのフレームレート計測結果を見てみよう。

ゲームタイトルごとのフレームレート
画質設定平均最小
アサシンクリード ヴァルハラ
1,920×1,080ドット 画質:最高107.047.0
2,560×1,440ドット 画質:最高9038
3,840×2,160ドット 画質:最高6037
ファークライ6
1,920×1,080ドット 画質:Ultra11699
2,560×1,440ドット 画質:Ultra10489
3,840×2,160ドット 画質:Ultra7450
サイバーパンク2077
1,920×1,080ドット 画質:ウルトラ109.483.8
2,560×1,440ドット 画質:ウルトラ75.360
3,840×2,160ドット 画質:ウルトラ38.930.6

 いずれも高負荷なタイトルの最高設定でベンチマーク計測を実施しているが、アサシンクリード ヴァルハラは4K解像度でも平均60fps超え、ファークライ6も平均74fpsと、高解像度でも快適なフレームレートを確保できている。

 唯一「サイバーパンク2077」のみ4K解像度では平均フレームレートが38fpsまで落ちてしまうが、これは同作が現行屈指のヘビー級タイトルであることに加え、画質「ウルトラ」の設定ではNVIDIAのDLSSが標準で有効にならないことも影響している。

 DLSSを有効にした場合はどの解像度でもフレームレートが大きく改善し、4Kでも60fps前後のゲーム体験が可能になるため、実際にプレイする場合は気を付けるといいだろう。いずれにせよ、あらゆるタイトルで高い性能を発揮できる本製品は非常に魅力的だ。

 最後に、ストレージ系のベンチマークも確認してみよう。

「CrystalDiskMark 8.0.4」のスコア

 データサイズ1GiB、テスト5回の条件で計測を実施。すでに述べているようにSSDはPCI Express 4.0接続となるため、シーケンシャルリードでは7,000MB/sに迫る極めて良好な速度が出ている。

 シーケンシャルライトも約5,000MB/sと、こちらも非常に高速。データコピーやゲームの読み込みといったシーンでは、従来のSSDやHDDを上回る速度のメリットが感じられるはずだ。

見た目も性能も妥協したくないコアゲーマー垂涎の逸品

 Alienware Aurora R13 プラチナは、PCゲームにおいてフルHD解像度で高いフレームレートを常時確保しておきたいゲーマーはもちろん、最新のAAA級タイトルを高い解像度でリッチに遊びたい、というゲーマーにもおすすめできる良質なデスクトップPCだ。

 加えて、筐体のインパクトの強さもAlienwareの大きな魅力のひとつで、ほかにないゲーミングPCを求めている個性派のユーザーには特に推奨しやすい。直販価格は48万3,980円と値が張るものの、見た目も性能も妥協したくない、コアゲーマー垂涎の逸品と言えそうだ。