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4眼カメラ搭載で4万円台!日本市場向けミドルレンジ5GスマホOPPO 「Reno5 A」
2021年5月28日 06:55
OPPOは、日本市場向けミドルレンジスマートフォン「Reno A」シリーズ新モデルとなる「Reno5 A」を発表した、防水防塵仕様やおサイフケータイなど、国内向けの仕様を盛り込んだRenoシリーズの特徴はそのままに、初の5G対応モデルとなっている。
今回、いち早く実機を試用する機会を得たので、ハード面の中心に紹介する。SIMロックフリーモデルの価格は43,800円で、6月1日より予約開始、6月11日に発売を予定。このほか、ワイモバイル、楽天モバイルでも販売される。
従来モデルからやや見た目の印象が変わった
OPPOのスマートフォン「Reno A」シリーズは、OPPOが日本市場向けオリジナルモデルとして2019年に投入して以降、手ごろな価格ながら機能の充実したコストパフォーマンスに優れるミドルレンジスマートフォンとして人気を集めている。そのReno Aシリーズの3代目モデルとなるのが、今回登場した「Reno5 A」だ。
Reno5 A最大の特徴となるのが、Reno Aシリーズ初となる5G対応だ。5G対応バンドは、Sub6のn77/n78に加えて、n3/n28と4G周波数の5G転用周波数をサポート。ミリ波は非対応となっているが、ミドルレンジモデルということを考えると、ミリ波に対応していなくても特に不満はない。
実際にNTTドコモのSIMを装着して速度を検証してみたところ、下り841Mbps、上り116Mbpsと5Gらしい速度を確認。5G端末として通信速度の面では全く不安はないと言っていいだろう。それでいて、従来モデル同等の価格を実現している点は、非常に大きな魅力と感じる。
ところで、本体デザインは従来モデルからやや印象が変わっている。ディスプレイは、従来モデル同様に狭額ベゼル仕様で前面の大部分をディスプレイ表示部が占めており、その点はイマドキのスマートフォンらしい特徴となっている。ただ、従来モデルまでは前面カメラをディスプレイ上部中央のティアドロップ型の切り欠きに搭載していたのに対し、Reno5 Aでは左上角にパンチホール型での搭載へと変更されている。それほど大きな仕様変更ではないかもしれないが、前面カメラの搭載方法が異なるだけで結構な差が感じられるのはおもしろい。
また、背面デザインは従来モデルに比べてもカメラ部分がより強調されるものとなっている。背面カメラは、Reno3 A同様の4眼カメラだが、従来のように4眼を縦に並べて搭載するのではなく、長方形のユニット内に並列で配置するという形に変更されている。これによって、従来モデルよりもカメラ部分が強調されているように感じたわけだ。
こういったデザインの変更によって、見た目の印象が変わったと感じたわけだ。とはいえ、全体的には従来モデル同様に比較的シンプルなデザインだと感じる。背面はフラットで、側面付近はなだらかな曲線となっている。側面メタルフレームとディスプレイ面、背面は段差が少なく接続されていて、手触りもなめらかだ。手ごろな価格のミドルレンジスマートフォンとはいえ、デザイン性や仕上がりには十分に満足できる。
サイズは74.6×162×8.2mm(幅×奥行き×高さ)。ディスプレイが6.5型とReno3 Aからわずかながら大きくなっていることもあって、サイズもわずかに大きくなっている。実際に本体を手にしても、やや手の大きな筆者にとっても比較的大きいと感じるため、手の小さな女性などはやや持て余すかもしれない。
重量は182gと、こちらも従来モデルから重量増となっている。実測では185.7gと、公称よりもやや重かったのは気になるが、本体サイズから考えるとこの重量も納得の範囲内だろう。カラーはアイスブルーとシルバーブラックの2色。
フルHD+表示対応の6.5型液晶ディスプレイを搭載
Reno5 Aのディスプレイは、1,080×2,400ドット表示対応の6.5型低温ポリシリコン液晶を採用している。従来モデルまでは有機ELディスプレイを搭載していたことを考えると、この点は少々後退しているといわざるを得ない。おそらく、5G対応でも従来モデルと同等の価格を維持するために、有機ELディスプレイを採用できなかったのだろう。
とはいえ、この液晶ディスプレイは、NTSCカバー率96%、DCI-P3カバー率100%と優れた発色性能を備えている。コントラスト比は1,500:1と有機ELディスプレイに敵わない部分もあるが、表示映像のクオリティは申し分ないレベルで、不満を感じることは一切ないと言える。輝度は最大550cd/平方m。
合わせて、リフレッシュレートは最大90Hzとなっている。WebサイトやSNSを上下にスクロールさせた場合でも文字のにじみが少なく、くっきり表示される。もちろん、ゲームをプレイする場合でも、リフレッシュレートの高さが有効に働くだろう。加えて、タッチパネルのサンプリングレートは180Hzと高められている。ディスプレイの高リフレッシュレートと合わせて、ゲームも快適にプレイできるだろう。
先ほど紹介したように、ディスプレイ左上角にパンチホールが用意され、そこに前面カメラを搭載している。これによって見た目の印象が変わっていると感じるが、個人的にはティアドロップ型の切り欠きよりもパンチホールの方が目立たないと感じるため好印象だ。
4眼仕様の背面カメラを搭載
Reno5 Aでは、広角、超広角、マクロ、モノクロという組み合わせの4眼仕様の背面カメラを搭載している。広角レンズはF値1.7で約6,400万画素センサー、超広角レンズはF値2.2で約800万画素のセンサー、モノクロはF値2.4のレンズに約200万画素センサー、マクロはF値2.4のレンズに約200万画素センサー、という組み合わせとなっている。
このうちモノクロカメラについては、ポートレートモード撮影時のフィルターとして活用するものとなっている。そのため、4眼カメラではあるが実質的には3眼カメラと考えていいだろう。望遠レンズではなくマクロレンズを搭載している点は独特だが、望遠撮影を活用する場面は実際にはそれほど多くないことを考えると、望遠レンズが搭載されていなくても大きな問題とはならないはずだ。
ただ、カメラユニット部は本体からかなり大きく飛び出している。そのため、持ち運ぶ場合には、可能な限りカメラユニット部を保護するケースを利用したい。
ところで、メインの広角レンズでは、約6,400万画素センサーと従来よりも高画素のセンサーを採用。これにより、従来よりも高精細な撮影が可能。加えて超解像技術を活用し、1億画素の超高精細撮影も可能となっている。超解像技術による画素補完ではあるが、実際に撮影してみると細かな部分がよりくっきり撮影できており、まずまず効果はある印象だ。
もちろん、AIを活用した多彩な撮影モードを用意。被写体を自動認識して最適な設定で撮影したり、自然な背景ぼかし、クリアな夜景撮影などが可能。例えば、人物を鮮やかに撮影しつつ、背景のイルミネーションを自然にボケさせて撮影できる「ネオンポートレートモード」が用意され、夜景をバックに人物の撮影を行なう場合でも背景ボケを活かしたポートレート撮影が行えるようになっている。
マクロカメラでは、被写体に4cmまで近付いて撮影できる。例えば、花を大きく撮影したい場合などに便利に活用できる。
動画撮影も進化しており、暗い場所や逆光などの環境でも鮮やかな撮影が可能となった。さらに、動画の手ブレ補正も進化。実際に歩きながら手持ちでラフに本体を持って動画撮影を行なっても、ほとんどブレの気にならない動画が撮影できた。
前面カメラは、F値2.0の広角レンズに1,600万画素センサーの組み合わせ。もちろん、顔を自動的に補正して撮影できるAIビューティ機能も引き続き搭載しており、自然な補正を加えながらセルフィー撮影が可能だ。
ミドルレンジモデルとしてスペックも充実
では、Reno5 Aのスペックを確認しよう。
主なスペックは表にまとめたとおりで、SoCはSnapdragon 765Gを採用し、RAMは6GB、内蔵ストレージは128GB、外部ストレージとして最大1TBのmicroSDカードが利用可能と、申し分ない仕様となっている。合わせて、IPX8/IP6X準拠の防水防塵性能を備えるとともに、おサイフケータイにも対応と、日本市場向け機能も万全だ。
Reno5 Aの主な仕様 | |
---|---|
SoC | Snaodragon 765G |
メモリ | 6GB |
内蔵ストレージ | 128GB |
外部ストレージ | microSD、最大1TB |
ディスプレイ | 6.5型低温ポリシリコン液晶、フルHD+(1,080×2,400ドット)、 リフレッシュレート最大90Hz |
背面カメラ | 広角:F値1.7、約6,400万画素センサー 超広角:F値2.2、約800万画素センサー モノクロ:F値2.4、約200万画素センサー マクロ:F値2.4、約200万画素センサー |
前面カメラ | F値2.0、1,600万画素センサー |
モバイル通信 | 5G:Band n3/n28/n77/n78 FDD LTE:Band 1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/26/28 TD LTE:Bands 38/39/40/41/42 WCDMA:Bands 1/2/4/5/6/8/19 GSM:850/900/1800/1900 MHz |
SIM | nanoSIM×2、eSIM(nanoSIMのSIM2スロットはeSIMおよびmicroSDと排他) |
防水・防塵 | IPX8/IP6X |
生体認証機能 | 指紋認証、顔認証 |
おサイフケータイ | 搭載 |
外部ポート | USB Type-C、3.5mmオーディオジャック |
センサー | 地磁気センサー、環境光センサー、色温度センサー、近接センサー、 加速度センサー、重力センサー、ジャイロセンサー |
GPS | GPS、A-GPS、BeiDou、QZSS |
バッテリー容量 | 4,000mAh |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 74.6×162×8.2mm |
重量 | 182g |
カラー | アイスブルー、シルバーブラック |
モバイル通信は、先に紹介したように5G Sub6、4G周波数の5G転用周波数に対応。SIMカードはnano SIMおよびeSIMに対応。左側面にはSIMカードトレイが用意され、nano SIMを2枚装着し利用できる。ただし、一方の2つあるSIMスロットのうちSIM2は、eSIMまたはmicroSDカードとの排他利用となっており、eSIMやmicroSDカードを利用する場合にはnano SIMは1枚のみ利用可能となる。なお、nano SIM+eSIM+microSDカードの組み合わせでの利用は可能だ。
そのほかの通信機能は、IEEE 802.11ac準拠の無線LANと、Bluetooth 5.1を搭載。接続端子は、下部側面にUSB Typ-C(USB 2.0)と3.5mmオーディオジャックを用意。このほか、左側面にSIMカードトレイとボリュームボタン、右側面に電源ボタンを配置している。
生体認証機能は、背面に指紋認証センサーを搭載する。従来までのディスプレイ埋め込み型指紋認証センサーではなくなったが、個人的には背面指紋認証センサーのほうが直感的に利用でき好印象だ。合わせて、前面カメラを利用した顔認証にも対応する。
センサー類は、地磁気センサー、環境光センサー、色温度センサー、近接センサー、加速度センサー、重力センサー、ジャイロセンサーを搭載。OSはAndroid 11ベースのColorOS 11。
内蔵バッテリ容量は4,000mAhで、18W(9V/2A)での急速充電をサポートする。
パッケージの付属品は、インストラクションカードとSIMピン、専用ケースなどとなり、ACアダプタやUSBケーブルは付属しない。
最後に、簡単にベンチマークテストの結果を紹介しておく。利用したベンチマークアプリは、UL LLCの「PCMark for Android Benchmark」と「3DMark」、Primate Labs Inc.の「Geekbench 5」の3種類だ。比較用としてGoogle Pixel 4a 5Gの結果も加えてある。
結果を見ると、PCMarkではPixel 4a 5Gの結果よりもやや低いスコアとなっているが、その他はReno5 Aが上回っている。そのため、性能はほぼ同等スペックのPixel 4a 5Gとほぼ同等レベルと考えていい。5G対応ミドルレンジスマートフォンとしては十分な性能と言える。
Reno5 A | Pixel 4a 5G | |
---|---|---|
PCMark for Android Benchmark | ||
Work 2.0 performance | 7942 | 8687 |
Computer Vision | 4391 | 5696 |
Storage | 16636 | 17619 |
Work performance | 9122 | 10242 |
3DMark | ||
Sling Shot Extreme - OpenGL ES 3.1 | 3308 | 3260 |
Wild Life | 1682 | 1659 |
Geekbench 5 | ||
Single-Core Score | 621 | 560 |
Multi-Core Score | 1781 | 1415 |
Vulkan Score | 1269 | 1271 |
手ごろな価格の5Gスマートフォンとして魅力的な存在
Reno5 Aは、防水防塵やおサイフケータイ対応など人気のReno Aシリーズの特徴をしっかり受け継ぎつつ、5G対応を果たすとともに、定評のカメラ機能も強化するなど、魅力が高まっている。
細かな部分を見ると、ディスプレイが液晶に変更となるなど、従来モデルからやや後退していると感じる部分もある。とはいえ、その点を考慮しても、5G対応で税抜4万円を切る価格を実現している点は、大いに評価できる。スペックや性能面も、5G対応ミドルレンジスマートフォンとして申し分なく、コストパフォーマンスはかなり優れると言っていいだろう。手ごろな価格の5Gスマートフォンを探している人にお勧めしたい。