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6コアRyzen搭載で税別8万円切り、コスパ良好の14型ノート「mouse X4-R5」を検証
2021年2月12日 06:55
マウスコンピューターは、6コア12スレッドCPU「Ryzen 5 4600H」を採用した14型モバイルノート「mouse X4-R5」を2月4日に発表、同日より販売開始した。
前モデル「mouse X4-B」は4コア8スレッドの「Ryzen 5 3500U」を搭載していたが、mouse X4-R5はCPUをグレードアップすることで約2.17倍の性能向上を実現したと謳われている。また約1.2kgの比較的軽量な筐体、約10時間のバッテリ駆動時間、USB Power Delivery対応とモバイルノートとして活用できるスペックを実現しつつ、8万円切りの7万9,800円(税別)という低価格が魅力のマシンだ。
CPUは1種類、メモリ、ストレージはカスタマイズ可能
mouse X4-R5はOSにWindows 10 Home、CPUにRyzen 5 4600H(6コア12スレッド、3~4GHz、TDP 45W)を採用。メモリは8GB(DDR4-2666)、ストレージは256GB SSD(PCIe接続)を搭載している。
ディスプレイは14型フルHD(1,920×1,080ドット、157ppi、輝度非公表、色域非公表、非光沢、タッチ非対応、スタイラス非対応)を採用。外部ディスプレイ接続時は最大3,840×2,160ドットで映像出力可能だ。
インターフェイスはUSB 3.0 Type-C(USB Power Delivery対応)、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0、HDMI、3.5mmコンボジャック、Gigabit Ethernetを装備。通信機能は、Wi-Fi 6(最大2.4Gbps)、Bluetooth 5をサポートしている。WWANには非対応だ。
本体サイズは320.2×214.5×17.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約1.2kg。46,740mWh(Battery reportコマンドで確認)のバッテリを内蔵しており、バッテリ駆動時間は約10時間としている。
製品名 | mouse X4-R5 |
---|---|
型番 | X4-aR5RNIAR |
OS | Windows 10 Home(20H2) |
CPU | Ryzen 5 4600H(6コア12スレッド、3.00~4.00GHz、TDP 45W) |
GPU | Radeon Graphics |
メモリ | DDR4-2666 SDRAM 8GB(2スロット[空き1]、最大64GB) |
ストレージ | 256GB PCIe NVMe SSD |
ディスプレイ | 14型フルHD(1,920×1,080ドット、157ppi、輝度非公表、色域非公表、非光沢、タッチ非対応、スタイラス非対応) |
通信 | Wi-Fi 6(最大2.4Gbps)、Bluetooth 5、Gigabit Ethernet |
WWAN | - |
インターフェイス | USB 3.0 Type-C (USB Power Delivery対応)、USB 3.0 Type-A×2、USB 2.0、HDMI、3.5mmコンボジャック |
カメラ | 100万画素 |
バッテリ容量 | 46,740mWh(Battery reportコマンドで確認) |
バッテリ駆動時間 | 約10時間 |
バッテリ充電時間 | 非公表 |
本体サイズ | 320.2×214.5×17.5mm(幅×奥行き×高さ) |
重量 | 約1.2kg |
セキュリティ | Windows Hello対応顔認証カメラ |
同梱品 | ACアダプタ、電源ケーブル、説明書類(製品仕様、ファーストステップガイド、マウスコンピューターサポートマニュアル、保証書) |
カラー | レッド |
価格 | Officeなし : 7万9,800円(税別) Office Personal 2019付き : 9万9,800円(税別) |
なお兄弟モデルとして、OSを「Windows 10 Home(Sモード)」、ストレージがSATA接続の128GB SSDに変更した「mouse X4-R5-E」がラインナップされている。また、メモリは8GB/16GB/32GB/64GB、ストレージは256GB/512GB/1TB/2TBのなかからカスタマイズ可能だ。
フルスピードで入力できるキーボード
mouse X4-R5のキーボードは88キーの日本語仕様で、キーピッチは約18mm、キーストロークは約1.4mm。2段階で明るさを調整可能な白色LEDバックライトが内蔵されている。
剛性はキーボード全体でしっかりと確保されており、強くキーを押し込んでも大きくたわまない。キーストロークはやや浅めだがクリック感は良好。強く底打ちしなければ打鍵音も比較的低めだ。「,」、「.」、「/」、「¥」キー以外は等幅に揃えられているので、どのキーにも自然に指が伸びる。フルスピードでテキスト入力できるキーボードだ。
Fキー | Enterキー | Spaceキー | |
---|---|---|---|
mouse X4-R5 | 0.48N | 0.54N | 0.45N |
DAIV 7N | 0.5N | 0.55N | 0.5N |
dynabook V8 | 0.51N | 0.54N | 0.5N |
13インチMacBook Air | 0.51N | 0.51N | 0.53N |
ZenBook 13 UX325EA | 0.53N | 0.5N | 0.51N |
13インチMacBook Pro | 0.51N | 0.54N | 0.5N |
One-Netbook A1 | 0.61N | 0.55N | 0.56N |
MUGAストイックPC3 | 0.51N | 0.46N | 0.47N |
DAIV 4N | 0.55N | 0.55N | 0.58N |
LG gram 2-in-1 | 0.6N | 0.6N | 0.6N |
16インチMacBook Pro | 0.55N | 0.55N | 0.55N |
ZenBook Duo | 0.56N | 0.54N | 0.55N |
一方、ダイビングボード構造を採用しているタッチパッドは実測約107×72mm(幅×奥行き)と広めだが、感触が少々安っぽい。また、中央より左右のほうがストロークは深く感じられる。個人的にはタッチパッド全体でストローク量を統一したうえで、もう少し浅くしたほうがよいと考える。
WebカメラはノートPCに搭載されるものとしては平均的な画質。Windows 10の「カメラ」アプリで撮影した画像を下に掲載したので、実際に見て確認してほしい。
ディスプレイ、スピーカーの品質はそれなり
14型フルHD液晶ディスプレイ(1,920×1,080ドット、157ppi、非光沢)の輝度、色域は非公表。カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測したところ、白色輝度は173cd/平方m、色域はsRGBカバー率が66.1%、Adobe RGBカバー率が49.5%、DCI-P3カバー率が49.1%という結果となった。
筆者がここ数年でレビューしたノートPCでsRGBカバー率が90%を切った製品はごく一部。実際、写真を表示してみると、赤や緑のグラデーションがかなりつぶれてしまっていた。一般的な用途であれば問題ないが、写真や動画の色調整をする際には外部ディスプレイを利用するべきだ。
一方サウンドについてはそれなりに高中低域でバランスが取れており、大きな破綻はない。しかし、フィルタごしに聞いているようなこもりを感じる。個人的にはバラエティー番組などを見るならいいが、ミュージックビデオを視聴するならヘッドフォンや外付けスピーカーを用意したいと思う。
CPUベンチマークでは6コア12スレッドの威力を発揮
最後にパフォーマンスをチェックしてみよう。今回は、総合ベンチマーク「PCMark 10 v2.1.2506」、3Dベンチマーク「3DMark v2.16.7117」、CPUベンチマーク「Cinebench R23.200」、「Cinebench R20.060」、「Cinebench R15.0」、3Dゲームベンチマーク「ファイナルファンタジ-XIV: 漆黒の反逆者 ベンチマ-ク」、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.1」、「Adobe Lightroom Classic CCで100枚のRAW画像を現像」、「Adobe Premiere Pro CCで実時間5分の4K動画を書き出し」を実施した。
比較対象としては、過去記事から、「Ryzen 5 3500U」(4コア8スレッド、2.1~3.7GHz)を搭載する「mouse X4-B」のベンチマークスコアを転載している。下記が検証機の仕様とその結果だ。
mouse X4-R5 | mouse X4-B | |
---|---|---|
CPU | Ryzen 5 4600H(6コア12スレッド、3~4GHz) | Ryzen 5 3500U(4コア8スレッド、2.1~3.7GHz) |
GPU | Radeon Graphics | Radeon Vega 8 Graphics |
メモリ | DDR4-2666 SDRAM 8GB | DDR4-2666 SDRAM 8GB(DDR4-2400で動作) |
ストレ-ジ | 256GB PCIe NVMe SSD | 256GB SATA SSD |
ディスプレイ | 14型、1,920×1,080ドット(157ppi) | 14型、1,920×1,080ドット(157ppi) |
TDP | 45W | 15W |
OS | Windows 10 Home(20H2) | Windows 10 Home |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 320.2×214.5×17.5mm | 320.2×214.5×17.5mm |
重量 | 約1.2kg | 約1.13kg |
mouse X4-R5 | mouse X4-B | |
---|---|---|
PCMark 10 v2.1.2506 | ||
PCMark 10 Score | 4,862 | 2,425 |
Essentials | 9,021 | 6,706 |
App Start-up Score | 11,926 | - |
Video Conferencing Score | 8,048 | - |
Web Browsing Score | 7,560 | - |
Productivity | 7,434 | 3,730 |
Spreadsheets Score | 9,102 | - |
Writing Score | 6,072 | - |
Digital Content Creation | 4,653 | 2,888 |
Photo Editing Score | 6,882 | - |
Rendering and Visualization Score | 4,038 | - |
Video Editting Score | 3,627 | - |
PCMark 10 Modern Office Battery Life | 9時間23分 | - |
3DMark v2.16.7117 | ||
Time Spy Extreme | 338 | - |
Time Spy | 738 | - |
Fire Strike Ultra | 443 | - |
Fire Strike Extreme | 858 | - |
Fire Strike | 1,856 | - |
Wild Life | 3,991 | - |
Night Raid | 8,359 | - |
CINEBENCH R23.200 | ||
CPU(Multi Core) | 7,995 pts | - |
CPU(Single Core) | 1,158 pts | - |
CINEBENCH R20.060 | ||
CPU | 3,107 pts | 1,317 pts |
CPU(Single Core) | 452 pts | 346 pts |
CINEBENCH R15.0 | ||
OpenGL | 37.28 fps | - |
CPU | 1368 cb | - |
CPU(Single Core) | 177 cb | - |
ファイナルファンタジ-XIV: 漆黒の反逆者 ベンチマ-ク | ||
1,280×720ドット 標準品質(ノ-トPC) | 4,497(快適) | - |
1,920×1,080ドット 標準品質(ノ-トPC) | 2,492(普通) | - |
SSDをCrystalDiskMark 8.0.0で計測 | ||
1M Q8T1 シーケンシャルリード | 3,139.312 MB/s | 480.08 MB/s |
1M Q8T1 シーケンシャルライト | 1,167.111 MB/s | 471.67 MB/s |
1M Q1T1 シーケンシャルリード | 1,362.458 MB/s | 474.82 MB/s |
1M Q1T1 シーケンシャルライト | 1,116.070 MB/s | 445.66 MB/s |
4K Q32T16 ランダムリ-ド | 404.142 MB/s | 234.27 MB/s |
4K Q32T16 ランダムライト | 347.848 MB/s | 214.76 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリ-ド | 47.170 MB/s | 20.54 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 175.429 MB/s | 40.47 MB/s |
Adobe Lightroom Classic CCで100枚のRAW画像を現像 | ||
7,952☓5,304ドット、カラ- - 自然 | 12分9秒44 | - |
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分の4K動画を書き出し | ||
3,840×2,160ドット、30fps | 7分18秒67 | - |
まずCPUだが大幅な性能向上を果たしているのがわかる。Cinebench R20.060でmouse X4-R5はmouse X4-Bの約2.36倍に相当する3,107 ptsを記録。PCMark 10でも総合スコアで約2倍の4,862を叩き出しており、トータルパフォーマンスも着実に向上していることを確認できた。しかし、その一方で実アプリケーションの処理速度が奮わないのが気になった。Lightroom、Premiere Proとの相性が悪い可能性がある。
バッテリ駆動時間はディスプレイ輝度50%でPCMark 10 Modern Office Battery Lifeを実施したが、9時間23分という結果となった。ディスプレイ輝度をわずかに下げるだけで、カタログスペックの10時間を余裕で達成できそうだ。
CPUパフォーマンスと低価格を両立したモバイルノート
6コア12スレッドの第3世代「AMD Ryzen 5 4600H」を搭載しているだけに、CPUベンチマークで旧モデルより大幅な性能向上を確認できた。ただ、その性能が実アプリケーションに反映されなかったのが残念。Lightroom、Premiere Proとの相性が悪い可能性が高いので、Adobeが最適化を実施することに期待したい。
とは言え、mouse X4-R5は8万円切りのモバイルノートPCとしてバランスのいいマシンだと思う。メモリを16GB、ストレージを512GBにカスタマイズしても9万2,600円(税別)と10万円を軽く切る。CPUパフォーマンスと低価格を両立したモバイルノートPCを探しているのなら、最初に購入候補に加えるべき1台だ。