Hothotレビュー
はじめての「じぶん」パソコン、富士通「LIFEBOOK LH55/C2」を小5の子どもに使わせてみた
~スペックを見ただけでは分からない、子どもに寄り添う2in1ノートPC
2018年7月11日 11:00
富士通クライアントコンピューティング株式会社(以下FCCL)が発表した「LIFEBOOK LH55/C2」は、小学生が親にはじめて買ってもらう「じぶん」パソコンというコンセプトのノートPCだ。同製品は、2018年5月2日に事業を開始した新生FCCLが発売する最初のPCでもあり、注目が集まっている。
筆者には、小学校5年生の息子と中学校2年生の娘がおり、息子のほうはまだあまりPCには慣れていない。今回は、発売前の製品を試用することができたので、息子にも使わせつつ、レビューしていきたい。
無塗装筐体で傷やシールにも強く、周囲に滑り止めと衝撃吸収用のラバー素材を採用
今回、FCCLが発表したはじめてのじぶんパソコン「LIFEBOOK LH」シリーズは、タッチパネル搭載でペンにも対応した2in1タイプの上位モデルLIFEBOOK LH55/C2と、タッチパネル機能とペンが省略されたLIFEBOOK LH35/C2の2モデルがある。それ以外のスペックは両モデルとも同じで、予想実売価格はLH55/C2が9万円強、LH35/C2が7万円強である(発売日は2018年7月26日)。ここでは、上位モデルのLIFEBOOK LH55/C2を試用した。
まずは外観から見ていこう。LIFEBOOK LH55/C2(以下LH55/C2)は、ホワイトとグレーを基調としたシンプルなデザインを採用している。一般的なノートPCは、ブラックを基調とした製品が多いが、ホワイト筐体のLH55/C2は明るい雰囲気であり、子ども部屋やリビングなどにも馴染む。また、筐体は樹脂製だが、このホワイトは樹脂そのものの素材色であり、カラー塗装がされていないこともポイントだ。
子どもは自分の気に入ったものには、シールなどを貼ってデコレーションしがちだが、筐体が塗装されていると、シールを剥がしたときに塗装も剥げてみすぼらしくなってしまうことがある。無塗装のLH55/C2なら、シールを剥がしても塗装が剥げる心配はない。
もちろん、傷に対しても同様だ。天板の表面には、富士通ロゴが彫り込まれているほか、波型のテクスチャ加工が施されており、滑りにくく、手で持ったときの感触もよい。
また、筐体の周囲は、滑りにくく握りやすいラバー素材を採用した「あんしんグリップ」でカバーされている。あんしんグリップがあるので、持ち運びもしやすく、角をぶつけたりしても、衝撃を吸収できるので安心だ。
本体のサイズは、338×247×24.7mm(幅×奥行き×高さ)で、14型液晶搭載ノートPCとしては標準的なサイズであり、特にスリムというわけではない。公称重量は約1.93kgであり、常に携帯するには重いが、部屋から部屋へ持ち運ぶ程度なら小学生でもそれほど苦にならないだろう。
基本性能は決して高くはないが、はじめてのパソコンとしては十分な性能
LH55/C2の基本性能を見ていこう。CPUとしては、Celeron 3865Uを搭載している。Celeron 3865Uは、Kaby Lakeアーキテクチャの2コア2スレッドCPUであり、基本動作周波数は1.80GHzとなっている。Core iシリーズとは異なり、自動オーバークロック機能のTurboBoostテクノロジーは非対応であり、動作周波数は1.80GHz以上には上がらない。Core iシリーズに比べると処理性能は低いが、Atomシリーズよりは上であり、WebブラウズやOfficeアプリケーションの利用程度ならそれほど不満はない性能だ。
メモリは4GB固定で、増設はできない。OSが64bit版Windows 10 Homeなので、メモリもできれば8GB欲しかったところだが、同時に多くのアプリケーションを立ち上げなければ、思ったより動作は軽い。これは、ストレージとして128GB SSDを採用していることも貢献しているのであろう。SSDのインターフェイスはSATA 3であり、PCI Express対応のNVMe SSDに比べれば遅いが、HDDに比べれば当然格段に速く、衝撃にも強い。
LH55/C2の基本性能は決して高くはないが、小学生がはじめて使うPCとしては、十分な性能を備えているといっていい。もちろん、数多くのポリゴンを使う最新3Dゲームで遊んだり、動画を編集したりするには非力だが、Scratchなどでプログラミングを学習したり、PowerPointやWordなどを使って自由研究をまとめるといった用途なら十分対応できる。
タッチパネル搭載14型液晶を採用、教育用に背面カメラも搭載、ペンにも対応
LIFEBOOK LHシリーズでは、液晶ディスプレイとして14型1,366×768ドット液晶が採用されている。いわゆるフルHD対応ではなく、解像度的には必要最低限といった感はあるが、子どもが使うはじめてのパソコンという観点なら、狭すぎて困るというほどではない。
筆者は2年ほど前から、CoderDojo守谷のメンターをしており、Scratchを使って子ども達と一緒にプログラミングで遊んでいる。CoderDojo守谷で用意している貸し出し用ノートPCの多くが1,366×768ドットであるが、大規模なプログラムを組むのでなければ、Scratchでプログラミングをするのにとくに不満はない。
液晶上部の前面カメラに加えて、背面にもカメラを搭載していることも特徴だ。解像度も前面カメラは約92万画素だが、背面カメラは約500万画素となっている。ノートPCの前面カメラは、おもににビデオ会議などに使われるので、それほど高い解像度は不要だ。
LIFEBOOK LHシリーズの背面カメラは、タブレットやスマートフォンのリアカメラと同様に本体をデジタルカメラ代わりに使うためのものだ。正直、LIFEBOOK LHの約1.93kgという重さでは、完全にカメラの代わりとして使うには厳しいだろうが、例えば、夏休みの宿題で朝顔の観察日記を書く場合など、本体を両手で持って背面カメラで朝顔を撮影し、その写真を使うことができる。背面カメラの搭載も、そうした学習用途を想定したものだという。
今回試用した上位モデルのLH55/C2では、タッチパネルが搭載されているほか、付属のアクティブペンによる手書き入力にも対応する。アクティブペンは、1,024段階の筆圧検知に対応しており、2個のサイドボタンも備えている。
液晶はノングレアタイプで、外光の映り込みが抑えられており、長時間使っても目への負担が小さい。ただし、LH55/C2ではタッチパネルを搭載しているため、コントラストはやや低い印象を受ける。
液晶は2軸ヒンジで360度開き、3つのモードで利用できる
キーボードは全86キーで、キーピッチは約19mm、キーストロークは約1.7mmと標準的だ。キー配列も標準的で、キーピッチも均等なので、子どもがはじめて使うキーボードとしても申し分ない。カーソルキーが一段下がって配置されているのも、ミスタイプの軽減に繋がる。ポインティングデバイスとしては、ジェスチャー機能に対応したタッチパッドタイプのフラットポイントが採用されている。最近のスリムノートPCでは、パッドとクリックボタンが一体化している製品が多いが、LH55/C2のフラットポイントは左右のクリックボタンが独立しているので、ドラッグ操作などもしやすい。
上位モデルのLH55/C2は液晶のヒンジが2軸になっており、360度開くこともセールスポイントだ。いわゆるYogaスタイルなどと呼ばれる構造だが、通常のノートPCとして使うだけでなく、液晶を330度程度開いて、ヒンジを上にして置くテントモードや、液晶を360度折り返して使うタブレットモードの3つのモードを使い分けることができる。
例えば、最近はYouTubeなどにも単元ごとに勉強を教えてくれる動画が多数公開されており、人気を集めているが、そうした動画を見ながら学ぶ場合、ノートPCでは机の面積をとりすぎるという問題があるが、テントモードにすれば、机の占有面積はずっと小さくなる。
テントモードでは、キーボードが裏側にくるため、キーボードの下側にスピーカーが配置されていたりすると音が聞こえにくくなってしまうが。LH55/C2は、液晶ヒンジ部分にステレオスピーカーが搭載されているので、そうした心配はない。実際の使われ方をしっかり考慮して、デザインされた製品といえるだろう。
タブレットモードは、ペンによる手書き入力に適したスタイルだ。キーボード操作に慣れていない低学年の子どもでも、タッチやペンを利用してPCに親しむことができる。
インターフェイスも必要にして十分
インターフェイスも必要にして十分なものを備えている。左側面には、Gigabit Ethernet、HDMI出力、USB 3.0×2が用意されており、右側面には、SDカードスロットとUSB 2.0が用意されている。マウスを右側面のUSB 2.0に接続しても、USB 3.0が2つ利用できるのはありがたい。ワイヤレス機能としては、IEEE 802.11a/b/g/n/ac対応の無線LAN機能とBluetooth 4.2をサポートしている。
公称バッテリ駆動時間は約9.3時間とされている。そこで、実際にバッテリベンチマークソフトの「BBench」を利用し、1分ごとに無線LAN経由でのWebアクセス(IEを利用)、10秒ごとにキー入力を行なう設定でバッテリ駆動時間を計測したところ(電源プランは「バランス」、液晶輝度は「中」)、6時間46分という結果になった。本製品は、基本的に自宅で使うためのPCであり、バッテリ駆動時間も十分であろう。
なお、参考のためにベンチマークテストを行なってみた。利用したベンチマークソフトは、「PCMark 8」、「ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.4K」、「ファイナルファンタジー XIV 紅蓮のリベレーターベンチマーク」、「CrystalDiskMark 5.1.2」である。比較用として、ASUS「B9440UA」、Microsoft「Surface Laptop」の値も掲載した。
さすがにCore i7やCore i5を搭載したPCと比べると、PCMark 8やゲームベンチマークのスコアは低いが、SSDの速度はそれほど差がない。実際の体感でも、アプリケーションを同時にいくつも起動しなければ、ストレスを感じることは少なかった。
LIFEBOOK LH55/C2ベンチマーク結果 | LIFEBOOK LH55/C2 | B9440UA | Surface Laptop |
---|---|---|---|
CPU | Celeron 3865U(1.8GHz) | Core i7-7500U(2.7GHz) | Core i5-7200U(2.5GHz) |
GPU | Intel HD Graphics 610 | Intel HD Graphics 620 | Intel HD Graphics 620 |
PCMark 8 | |||
Home conventional | 1826 | 2509 | 2518 |
Home accelerated | 2406 | 3256 | 3024 |
Creative conventional | 1572 | 2684 | 2658 |
Creative accelerated | 2505 | 4054 | 3885 |
Work conventional | 2238 | 3010 | 2725 |
Work accelerated | 3530 | 4540 | 3789 |
ドラゴンクエストX ベンチマークソフト Ver.1.4K | |||
1,280×720ドット 最高品質 | 2325 | 5556 | 6622 |
1,280×720ドット 標準品質 | 2842 | 6139 | 7254 |
1,280×720ドット 低品質 | 3329 | 7132 | 8352 |
1,920×1,080ドット 最高品質 | N/A | 3185 | 3988 |
1,920×1,080ドット 標準品質 | N/A | 4135 | 4925 |
1,920×1,080ドット 低品質 | N/A | 4482 | 5976 |
ファイナルファンタジーXIV 紅蓮のリベレーターベンチマーク | |||
1,280×720ドット 最高品質 | 722 | 1332 | 1844 |
1,280×720ドット 高品質(デスクトップPC) | 873 | 1443 | 1947 |
1,280×720ドット 高品質(ノートPC) | 1040 | 2224 | 2554 |
1,280×720ドット 標準品質(デスクトップPC) | 1377 | 2885 | 3373 |
1,280×720ドット 標準品質(ノートPC) | 1365 | 2870 | 3395 |
CrystalDiskMark 5.1.2 | |||
シーケンシャルリードQ32T1 | 554.2MB/s | 531.3MB/s | 648.0MB/s |
シーケンシャルライトQ32T1 | 336.2MB/s | 462.8MB/s | 241.7MB.s |
4KランダムリードQ32T1 | 149.5MB/s | 246.3MB/s | 105.0MB/s |
4KランダムライトQ32T1 | 141.2MB/s | 270.1MB/s | 41.00MB/s |
シーケンシャルリード | 495.6MB/s | 504.6MB/s | 401.2MB/s |
シーケンシャルライト | 356.6MB/s | 416.1MB/s | 231.8MB/s |
4Kランダムリード | 23.60MB/s | 27.75MB/s | 6.660MB/s |
4Kランダムライト | 43.64MB/s | 103.5MB/s | 36.00MB/s |
本体やACアダプタ、マウスなどを収納できる専用収納ケースが付属
LIFEBOOK LHシリーズには、お道具箱と呼ばれる専用収納ケースが付属していることも魅力だ。専用収納ケースの中には、マウスやペン、ACアダプタなどを収納するための凹みがついた硬質ウレタン製のクッションがあり、一式を子どもが自主的に片付けられるようになっている。
お道具箱には持ち手が用意されているので、片手で持って持ち運べる。本体もクッションでしっかりと保護されているので、持ち歩きの際に多少ぶつけても大丈夫だ。お道具箱に本体やマウス、ACアダプタなどを入れた状態での重量は実測で約3.4kgになるが、部屋の中で片付けたり、別の部屋に持って行く程度なら大丈夫だろう。
子ども向けに書かれたマニュアルやローマ字入力表、プリインストールアプリ
LH55/C2は、ハードウェアスペックだけを見ると、平凡なPCに思われるだろうが、それは誤解である。マニュアルやプリインストールアプリ、サービスを含めたトータルな製品としての子どもにとっての使いやすさこそが、LH55/C2の真価なのだ。
最近のPCは、マニュアルが簡略化されており、最低限の記述しかないものが多いが、LH55/C2は、はじめてじぶんのPCを手にした子どもを対象に分かりやすく書かれたマニュアルと、立てて使えるローマ字入力表が付属している。このマニュアルがなかなかよく出来ており、イラストがふんだんに使われているほか、漢字にはふりがながふられているので、小学校低学年の子どもでも読むことができる。
アプリケーションについても、やりたいことを選んでアプリを起動できる「@メニュー」や子どもが画面に近づきすぎたり、長時間使い続けていると注意してくれる「みまもりユーティリティ」、オンライン学習サービス「学研スマートドリル」やタイピング練習ソフト「ふくまろタイピング」、オンライン英会話学習サービス「Kimini英会話」など、子ども向けのアプリケーションを利用できる。
なお、学研スマートドリルやふくまろタイピング、Kimini英会話は、7月26日開始予定の小学生向けオンライン学習支援サービス「FMVまなびナビ」での申し込みが必要で、月額料金もかかるサービスだ。
PCをあまり触りなれていない小5の息子の反応も上々
このようにLH55/C2は、子どもが使うはじめてのPCとして、さまざまな工夫が行なわれている製品だ。筆者には、小学校5年生の息子と中学2年生になる娘がいるが、小学校低学年からPCを触って、3D CADを使ったモデリングやMOONBlockやScratchを使ったプログラミング、オーバーウオッチなどのPCゲームが好きな娘に比べて、息子はPCに触れた経験が少ない。息子はゲームやTCGは好きで、やめてもう寝ろといってもなかなかやめず、こちらも怒鳴ったりすることが頻繁にあるのだが、利用しているプラットフォームはPS4やSwitch、スマートフォンがほとんどだ。
LH55/C2は、小学校中学年から高学年を主なターゲットとして開発された製品であり、息子がちょうどターゲットとなる。そこで、息子に本体とマニュアルを渡し、「自分の名前をメモ帳で書いてみて」とだけ伝えてみた。
マニュアルには、メモ帳を起動して、日本語を入力する手順が丁寧に書かれており、息子もマニュアルを横に置いて、画面と見比べながら、無事メモ帳を起動して、名前を入力、ファイルを保存することができた。ローマ字は小学校で一応習ったはずなのだが、普段使わないのでほぼ忘れてしまっているようで、ローマ字入力表を見ながら懸命に入力していた。
次に、プリインストールされているプログラミング学習アプリ「プログラミングゼミ」で遊ばせてみた。プログラミングゼミは、DeNAが開発したアプリで、ブロックを並べてキャラクターを動かし、プログラミングパズルをクリアしていくことで、プログラミングの基礎を学べる。一通り、プログラミングを理解したら、自分で好きなアプリを作ることもできる、優れたアプリだ。
プログラミングパズルは、7つのレベルに分かれており、くりかえし(ループ)などのプログラミングで必須の概念を学習することができる。息子は、ScratchとHour of Codeは少し触ったことがあるので、プログラミングゼミもすぐ何をやったらいいか理解したようで、次々とパズルをクリアしていった。
パズルを一通りクリアすると、より本格的なプログラムを作成できる。最初に作成するプログラムは、画像をタッチすると、赤い円が飛び出してくるというもので、画像は内蔵フロントカメラで撮影した写真を利用できる。息子に、プログラミングゼミの感想をきいてみたところ「分かりやすくて楽しかった」とのことだ。
テントモードやタブレットモードの使い勝手も良好、人気のMinecraftも十分動く
続いて、テントモードでYouTubeの動画を見せてみた。息子は普段あまりYouTubeなどは見ていないのだが、動画を見るにはやはりテントモードは便利なようだ。
今度は、タブレットモードにして、付属のペンで絵を描かせてみた。こちらもとくに使い方を教えたわけではないが、「ペイント3D」はシンプルなソフトであり、直感的にわかったようだ。息子が描いたのは簡単な絵だが、絵を描くのが好きな子なら、LH55/C2はとても魅力的な画材となるだろう。
さらに、息子が何年も夢中になっているMinecraftをインストールして、プレイさせてみた。PCで動くMinecraftには、Javaで書かれたオリジナル版とWindows 10専用アプリとして書き直されたWindows 10版がある。今回試したのは後者のWindows 10版だ。基本的にWindows 10版のほうが動作が軽いのだが、デフォルト設定のままで問題なく動いていた。息子は、プレイステーション4版のMinecraftのほうがもっと動きが軽いといっていたが、LH55/C2でも十分遊べるとのことだ。
また、プログラミング学習用として開発されたビジュアルプログラミング言語「Scratch」を試してみた。Scratchは、ブロックを並べてプログラミングを行なうため、デスクトップの解像度が高いほうが全体を見渡しやすくなる。LH55/C2の液晶は、1,366×768ドットだが、実際にScratchを動かしてみると、大規模なプログラムを作るのでなければ、それほど狭いとは感じなかった。
FCCLが文教市場で培ったノウハウが注ぎ込まれた「じぶん」パソコン
富士通のPCは、文教市場で66%という圧倒的なシェアを誇っており、子ども向けPCには何が求められるのかということを、一番よく知っているメーカーである(娘や息子が通う小学校、中学校のコンピューター室のPCも富士通製であった)。現在、中学生のPC所有率は24%、小学生のPC所有率は8%とのことだが、FCCLでは小学生のPC所有率を20%程度まで上げたいと考えているそうだ。
タブレット端末を導入する学校も多いが、タブレット端末では、いわゆるキーボードのタッチタイプの習得には向かない。2021年以降の大学入試では、民間の英語検定を英語の試験の代わりにできるようになる。そうした英語検定では、キーボードで英文を入力してテストを行なう形式が一般的であるため、大学入試のためにもキーボードに慣れておく必要があるのだ。
このじぶんパソコンは、あくまで学校などの教育機関向けではなく、親が子どもにはじめて買ってあげるPCとして開発されたものであり、文教向けPCではコスト的な問題で実現できなかったこだわりを詰め込んだ製品である。子どもはモノを乱暴に扱いがちだが、あんしんグリップをはじめとする工夫で、高い堅牢性と耐久性を実現したLH55/C2は、子どもの「マイファーストPC」としてふさわしい製品だ。
よくいわれることだが、タブレット端末は動画やコミックなどのコンテンツの閲覧、消費(コンテンツコンサンプション)には適しているが、コンテンツの創造(コンテンツクリエイション)にはやはりキーボードを備えたPCが向いている。もちろん、Unityを使ってみたいとか、最新3Dゲームで遊びたいといった、より高度な使い方をするには力不足だが、多くの子どもにとって必要にして十分な性能を備え、分かりやすいマニュアルや魅力的なサービスを利用できるLH55/C2は、子どもにはじめてのPCをプレゼントしてあげたいと考えている親には、待望の製品といえる。