週末カジュアルPCゲーム部
ポイントは「キャッチ」と「察知」! SFテイストのドッジボール対戦「Knockout City」
2021年10月2日 06:45
- 「Amazon プライムゲーミング」価格:無料(9月30日まで)
- Steam価格:2,000円
今回紹介するのは、ドッジボールを題材にした対戦アクションゲーム「Knockout City」だ。Steamでの価格は2,000円だが、Amazonプライム会員向けのサービス「Amazon プライムゲーミング」では9月30日まで無料ダウンロードコードが配布された。コードはエレクトロニック・アーツの「Origin」で利用できる。本作はクロスプレイに対応しており、PC版であってもPlayStation 4やXbox One、Nintendo Switchなどのプレイヤーと一緒にゲームプレイが可能だ。
ボールをぶつけあうというシンプルなルールの球技「ドッジボール」を題材にSFテイストを盛り込み、ユニークなシステムとして仕上げたのが「Knockout City」だ。ストーリーモードなどは特になく、チュートリアルで世界観や操作方法を把握したら以降は対人戦を繰り返すという後世になっている。
ドッジボールと言えば、現在40代の筆者としては、学校の授業などでよくプレイしたため、誰もがプレイしたことのある球技の1つという印象を持っているが、近年の授業でも「ドッジボール」が行なわれているかは不明なため、知らない人たちもいるかもしれない。
ドッジボールを題材とした漫画としては、小学館よりこしたてつひろ氏が1989年から「コロコロコミック」で連載した「炎の闘球児 ドッジ弾平」が挙げられるだろう。1991年にはテレビアニメ化され、当時はちょっとしたブームも起こった記憶が残っている。また同じ小学館からは1992年頃より富所和子氏による少女漫画「はずんでキャッチ」が発売されている。ほかにも主題ではないが、集英社の人気作「HUNTER×HUNTER」劇中にてドッジボールを扱うエピソードがある。
ゲームにおいては、テクノスジャパンの「熱血高校ドッジボール部」が「くにおくんシリーズ」の1つとしてファミコンでリリースされているのが有名だ。本来頭身の高いくにおくんを操作して戦うベルトスクロールアクション「熱血硬派くにおくん」に登場したキャラクターたちをデフォルメし、ドッジボールの試合を行ないつつも、時にはキックやパンチで敵を殴ってもOKというハチャメチャなルールのスポーツアクションとして仕上がっている。ほかにも前述のドッジ弾平をゲーム化した物が当時のコンシューマゲーム機で多く発売されていた。
従来のドッジボールのルールは非常にシンプルで、ラインで仕切られたフィールド内で2チームにわかれてボールを投げ合い、キャッチするか回避すればOKだが、キャッチに失敗して当たってしまうとアウトとなり、外野に出なければならない。外野のプレイヤーはボールを受け取れればフィールド内のプレイヤーにボールを投げて攻撃することも可能だ。最終的にフィールド内のプレイヤーが誰もいなくなったチームの負けとなる。
ルールは地域によって異なり、例えば顔にボールが当たった場合は外野に行かなくても済むといったものや、最初から外野にいたプレイヤーは自由にフィールドに戻れたり、外野のプレイヤーがフィールド内のプレイヤーにボールをぶつけられれば、そのプレイヤーは再びフィールドに復帰できるものなど様々だ。
今回紹介する「Knockout City」のルールでは顔面、内野、外野といったルールが排除されており、指定フィールド内を自由自在に動き回って敵にひたすらボールを当ててKO数を稼ぐルールとなっている。ドッジボールは対戦ゲームのルールとしては扱いやすい題材だと思うのだが、近年ドッジボールを扱ったタイトルはほとんど発売されておらず、久しぶりのドッジボールタイトルとして注目の1本と言える。早速そのプレイフィールをチェックしてみよう。
ゲームを開始するとプレイヤーの拠点となるビルの屋上からスタートとなる。ここにはダミーロボットが常備され、キャッチやスローのトレーニングが行なえる。初回のみフィールドに配置されているアナログTVのようなロボットに触れることでチュートリアルが開始できる。チュートリアルを一通り体験した後でも、メインメニューを開いて「プレイ」の「トレーニング」を選択することで何度でもリトライが可能だ。
操作するキャラクターは体、頭、髪型などのスキンを組み合わせることで自由にカスタマイズできる。デフォルトでも多くのスキンが用意されているが、ゲームをプレイすることで獲得できたり、ゲーム内マネーやリアルマネーを使ってショップで購入することも可能だ。
本作の操作はキャラクターを移動してボールを敵に投げつけたり、敵からのボールをキャッチしたり回避したりといったシンプルな物だ。ボールを投げるにはボールを持った状態でRTボタンを押すだけ。長押しすることで投げられるターゲットを自動でロックオンする仕組みのため、エイムの必要がないのはありがたい。一定時間長押しすることでチャージされ、より強力なボールが投げられる。投げたボールは相手を追尾するようになっており、意識していないと簡単にヒットされてしまう。
投げるのがRTボタンなら相手のボールをキャッチするのはLTボタンだ。相手がボールを投げてからプレイヤーに届く前にLTボタンを押すことでキャッチが可能となっている。キャッチするには相手の方を向いている必要があり、どんなにタイミングよくボタンを押せても向きがあってなければ意味がない。ボールを向いていない状態でロックオンされると、画面の枠が赤くなるため、相手に投げられる前にボールを持った相手がどこにいるのかを見極める必要がある。
なお、ボールキャッチはギリギリでLTボタンを入れることで「完璧」と表示される「パーフェクトキャッチ」となって手元のボールがチャージ状態となる。チャージされた状態では通常より威力の高いショットを投げることが可能だ。このキャッチのギリギリのタイミングについてはかなりクセがあり、本当のギリギリだと「遅すぎる」ため、気持ち早めくらいのタイミングでキャッチするのが無難だろう。
チャージは仲間へのパスなどを重ねることでオーバーチャージとなり、オーバーチャージを4段階以上にするとスーパーチャージ状態に変化する。威力も速度も強力になるが、スーパーチャージにするには前述のパーフェクトキャッチが必要となる。
ジャンプ2度押しによるグライダーの滑空や、Xボタンによる「回避」アクションも重要だ。「回避」アクションではロックオンされて、ボールが投げられた後にこのボタンでボールをかわしたり、ボールに向かって突撃することでボールの軌道をそらしたりと、なかなか有能なアクションの1つだ。また「回避」アクションで相手に突撃することで態勢を崩すことも可能だ。
本作の最大の特徴の1つ、それは自らボールになれる「ボールフォーム」だ。RBボタンを押すことで簡単にボールの状態に変化し、転がりながら移動できるようになる。通常の状態と比べて低い状態となるため、通常では入れないようなところに転がり込むこともできるがボールは持てなくなる。
そしてボール状態なので、人が拾うと当たり前だが投げられる。しかも味方がフルチャージ状態で投げると「アルティメットスロー」という特殊なビジュアルのスローとなり、敵を一撃でKOできるのだ。ただし敵に拾われてしまう場合もあるので、このような時はAボタン連打でボール状態を解除して、手から離れることも可能だ。
ボールは通常はフィールド上の特定ポイントに出現し、ボールを持っていない状態であれば、触れることでボールを持つことができる。フィールド上に置かれるボールとしては、通常のボールのほか、より遠距離の相手にボールを投げられるスナイパーボール、3つのボールをキープした状態となるマルチボール、範囲攻撃が可能なボムボール、範囲内のプレイヤーの視界をさえぎるソーダボールなどバリエーションも豊富だ。
ゲームモードは複数あるが最初は3vs3でスコアを競う「チームKO」のみマッチングできる。チームは仲間同士でクルーを結成することができるほか、ソロであってもその場限りのマッチングによる即席チームで挑むこともできる。
何度かプレイしてストリートランクを上げていくことで、8人のプレイヤー全てが敵の「アブソリュートカオス」や2vs2で敵を倒す「ダブルチームエリミネーション」などのモードが選べるようになる。これら単発のバトルとは別にリーグプレイでランクを競うといったモードもランクを上げることで解放される。また、仲間同士でバトルを楽しめる「プライベートマッチ」も用意されている。
本番ではライフが2ポイント用意されており、1度ボールが当たると1減り、2度ボールを食らってしまうとKOとなる。「チームKO」などのチーム戦では相手をKOすることで1ポイントがチームに加算され、先に既定のポイントに到達したチームの勝利となる。また、バトルロワイヤルのような「アブソリュートカオス」では、8人のプレイヤーの誰か1人が15KOを稼いだところでゲームは終了となる。
なお一撃でKOする大技もあり、前述のスーパーチャージによるスローや、アルティメットスローなら一撃でKOすることが可能だ。ほかにもフィールドによっては触れると即死の電車が走ってくるエリアもあるし、下に落ちるとそのまま即死してしまう場所も多いので足場には要注意だ。
実際に対人戦を何度か試してみたが、最大のポイントは「キャッチ」と「察知」だ。キャッチについては堅実なキャッチを心掛けたい。キャッチ時のモーションは早すぎると解除されるため、距離にもよるが、相手が投げたことが確認できるくらいのところでボタンを押すのが確実そうだ。
というのも当初は最初のトレーニングでとにかくこのキャッチのタイミングを極めようと一生懸命「パーフェクトキャッチ」を練習してから本番に挑んでみたのだが、結局のところ双方が自由に動き回るフィールドにおいては、練習と違ってボールを投げる距離感が毎回異なるため、当たらないようにキャッチするのも一苦労だったからだ。
むしろ、相手がどこにいるかの「察知」の方が重要なポイントだったりする。自分の周囲にいる敵や味方の位置を把握しておくことで急なスローにも対応できる。実際のバトルを見ているとド派手なショットが炸裂することは稀で、そこそこ高レベルのプレイヤーであっても、不意打ちのような離れた場所からのスローに当たってダメージを食らう方が多いように感じた。
また、相手からロックオンされると画面の外枠が赤色に変化するため、どこから飛んでくるかわからない場合は、回避で逃げ回ることで、ダメージを食らわずに済むことも多い。常に視点を回転させて周囲の敵の位置を把握しさえすれば、キャッチも反撃も思いのままだ。敵の位置の的確な「察知」と急なスローに対する「キャッチ」こそ、本作における最重要ポイントだと言える。
そしてもう1つ、本作は逃げ回るよりも積極的にボールを掴み、ロックオンできた相手に片っ端から投げるのが非常に重要だ。ボールはロックオンした後は自動で追尾するため、前述の通り、相手がこちらの位置を把握していないと、意外とヒットすることが多い。実際に「アブソリュートカオス」プレイ時、あまり華麗に決めた記憶はないにも関わらず、拾ったボールはとりあえずロックオンして相手に投げるというアクションを繰り返していたところ、意外とヒットしてスコアが稼げていた。消極的なプレイヤーは「ボールフォーム」でほかのプレイヤーに投げてもらえばいいや、という考えも浮かびそうだが、本作においては失敗を恐れずに積極的に投げまくるのが上達の近道でもあり、本作を満喫するプレイスタイルと言えそうだ。
各種モードを遊んでみたが、個人的にはほかのプレイヤーが全員敵の「アブソリュートカオス」が文字通りのカオスなバトルが楽しめておススメだ。いわゆるバトルロワイヤルなモードに近いが、本作の場合、15KOを最も早く獲得したプレイヤーが勝利となるため、逃げ回っているとまず勝ち目はない。果敢にほかのプレイヤーのいる修羅場に飛び込む必要があるため、ハードなバトルが多くなるが、勝った時の達成感はなかなか心地よい。
多くのプレイヤーが入り混じって混戦になるため、敵の位置を把握する「察知」も重要だが、混戦の中をスピーディーに動き回ることで、ほかのプレイヤーが落としたこぼれ球ををゲットするのが面白い。そしてボールをゲットしたら、混戦から離脱して、離れたところから適当にチャージしてスローすることで、結構ポイントを稼ぐことができるのも気分爽快だ。
本作では勝っても負けても繰り返しプレイすることでストリートランクは上がっていく。「契約」と呼ばれるミッションのような仕組みも用意されているので、繰り返しプレイすることでこうした契約をクリアしていき、さらにランクを上げるのも面白い。ほかにもゲーム内マネーを稼いだり、アバターのカスタマイズアイテムなどを稼ぐこともできるので、1人でのんびり未来のドッジボールを満喫するもよし、仲間と一緒に腕を磨いてバトルを満喫するもよしと、遊び甲斐のある1本となっている。
本作におけるGPU設定はシンプルで、「影の品質」と「アンチエイリアス」、「被写界深度(DOF)」「SSAO」、「VSync(垂直同期)」、「FPS制限」といったところ。今回はGeForce RTX 2080 8GBとRyzen 5 3400G搭載のゲーミングPC上にて、解像度を4K、「影の品質」を最高の「ベリーハイ」、「アンチエイリアス」を「FXAA」、「VSync(垂直同期)」をオフにし、「FPS制限」は「無制限」設定してフレームレートを見てみたが、常時100以上、平均140~150前後と高fpsを維持しており、ゲームプレイ上は全く問題のないレベルだった。ただし、GPUの負荷については常に90%前後から動かず、それなりに高い状態を維持し続けた。
今回は比較的ハイエンドな環境だったが、最近のミドルクラスのGPUさえ搭載していれば、解像度の調整やGPU設定を調整することで、比較的快適に動作すると思われる。
OS: Windows 10(64bit)
CPU: Core i3-6300 / AMD Ryzen 3 1200
RAM:8GB
GPU:NVIDIA GeForce GTX 660/AMD Radeon HD 7870
ストレージ: 16GB
CPU:Ryzen 5 3400G
RAM:DDR4 16GB
GPU:GeForce RTX 2080(8GB)
ストレージ:TS256GMTE220S