やじうまミニレビュー
Eテレしか映らないTVで1カ月。発狂して「Fire TV Stick」購入、今更便利さに気付く
2025年1月31日 06:08
昨年末、新築の集合住宅に引っ越したのだが、引っ越し早々に問題が発生した。TVを設置して電源を入れると、NHK教育テレビジョン(Eテレ)以外のチャンネルが全く映らない状態だったのだ。
最初は、自分でTVを取り付けた際に何かミスをしたのではないかと考え、接続を何度もやり直したり、新しいアンテナケーブルを購入して交換したりと、できる限りの対応を試みた。しかし、どれだけ手を尽くしても状況は全く改善されず、問題は解消されなかった。
途方に暮れた末、管理会社に連絡を入れると、同じような不具合を訴えている住民がほかにもいることが判明。専門業者による点検が入ることになった。そして調査の結果、アンテナの向きが悪かったことが判明し、無事にすべてのチャンネルが映るようになった。
TVがまともに観れなくなってからここまで約1カ月。筆者はEテレしか観られない日々を余儀なくされていた。
筆者は現在30歳。子どもがいないため、ゴールデンタイムに子ども向け番組を放送するEテレとは縁遠い生活を送ってきた。10年以上ぶりに観たEテレには、幼少期によく観ていた番組がまだ続いている一方で、知らない「うたのおにいさん」が登場していたり、馴染みのアニメの声優が変わっていたりと、懐かしさと新鮮さが入り混じる独特の感情を覚えた。
また、Eテレしか映らないTVを利用することで、手話やよく知らない国の外国語、健康的な料理のレシピ、俳句、能といった、普段なら自ら触れることがなかったであろうテーマの番組を視聴するようになった。大人になったからか、それらの番組が面白く感じられ、新たな学びや発見を得ることができたのは思わぬ収穫だった。
とはいえ、そのように気持ちよく観ることができたのは、最初の1週間くらいだった。Eテレに罪はないが、数多くのチャンネルが視聴できる地域に住んでいながら、1つのチャンネルしか観られない状況に次第にストレスを感じるようになった。2週間が経つ頃には大げさではなく気が狂って、ザッピング欲の化身と化していた。
別にそれが地上波である必要はない。ただ、ほかのチャンネルが選べる自由が欲しい。その一心で購入に至ったのが、Amazonのストリーミングデバイス「Fire TV Stick HD」(2024年発売)だ。通常価格は6,980円だが、運よくセール時期だったため、3,480円で購入できた。
ここが便利だFire TV Stick
Fire TV Stick HD(以下、Fire TV Stick)は、各種VODサービスやYouTubeなどの動画コンテンツを視聴できる、フルHD(1,920×1,080ドット)対応のストリーミングデバイスだ。付属のリモコンには、Prime Video、Netflix、TVer、U-NEXTのボタンを搭載する。
Fire TVシリーズに関しては、以前から知人たちに「絶対買ったほうが良い」と勧められていたが、たとえばPrime Videoであれば、タブレットかスマホで観ればよいし、どうしてもTV画面で観たくなったらPlayStation 4(PS4)経由で観ればよいと考え、購入を見送ってきた。
今回、TVがほとんど使えない事態になってようやく試すことになったが、その便利さにすっかり魅了され、今では日常生活に欠かせない存在となっている。
筆者がFire TV Stickに関して、まず便利だと感じたのは、起動の速さと操作性だ。
先ほども少し触れたが、これまでTV画面でPrime Videoなどの動画コンテンツを視聴する際にはPS4を利用していた。もちろん、この方法でも機能的には問題なく視聴できるのだが、Fire TV Stickのほうがスムーズに動画を再生でき、TVを観る感覚で操作できる。本製品は、動画視聴用に設計されているため、使い勝手の良さが圧倒的に優れていると感じた。
また、各種VODサービスを横断的に利用できる点も素晴らしい。Fire TV Stickだと観たい動画コンテンツを探した際に、自分が登録しているサービスで配信されていなくても、別のサービスで無料配信されていることが簡単に確認できる。筆者は使い始めてから3回はこの機能に助けられており、その度にFire TV Stickを買って良かったと思っている。
本製品のホーム画面では、各種VODサービスのおすすめ動画コンテンツを一覧で確認できる。TVのチャンネルをザッピングするように、なにか面白そうな映画や番組がないか簡単に探すことができるので、日々の動画鑑賞において非常に助かっている。
このほか、本製品はAlexa音声認識に対応した音声入力が利用できる。筆者は昔ながらの人間なのか、無意識にキーボード入力をしてしまい未だに使ったことがないのだが、同居している家族は動画検索時によく音声入力を使用している。誤字もなく音声入力での検索ができているのをそばで見るたびに、便利さと未来感に感心している。
手ごろな価格ながら毎日を楽しくしてくれる逸品
Fire TV Stickをまだ持っていないのであれば、ぜひ購入を検討してほしい。手頃な価格で、簡単な操作性と豊富なコンテンツの視聴が可能になる本製品は、生活を一変させる可能性を秘めている。特に、TVの視聴環境にストレスを感じているなら、一度試してみる価値は大いにある。
なお、筆者の場合、TVが古いこともあって4KではなくフルHD対応モデルを選択したが、これまで通りの画質で問題なく使用できており、現状不満に思う点はない。エントリーモデルであっても十分に楽しめることを実感している。
余談だが、TVが映らない原因を探る過程で購入した、サンワサプライのアンテナケーブル「500-AT001-3W」も非常に良い製品だった。リーズナブルで取り付けもしやすく、しっかり固定できる設計となっている。アンテナケーブルを新しくする必要が出た際には、ぜひ選択肢に入れてみてほしい。