Intel、820Eを発表 |
会場:Taipei International Convention Center(TICC)
Taipei World Trade Center(TWTC) Exhibition Hall
Taipei World Trade Center(TWTC) Exhibition Hall 2
Intel 820E搭載マザーボード | CNRカード |
Intel 820Eは、従来の「Intel 820」と同じRDRAM用MCH(Memory Controller Hub)に、新開発のICH2(I/O Controller Hub)が組み合わされており、ICH2を含んだ初めてのチップセットとなる。このICH2により、USBコントローラ×2(=4ポート)、LANコネクト・インターフェイス、デュアルUltra ATA/100コントローラ、ドルビーデジタルにも対応する最大6チャネルのオーディオ機能などが提供される。
また、ICH2にはLANコネクト・インターフェイスが統合されているので、物理層デバイスを直接マザーボードに搭載するか、マザーボード上にCNR(Communications and Networking Riser)コネクタを備えておいて、後から追加するといった方法で、低価格にLAN機能を実現できるとしている。
■外部AGP対応統合チップセットIntel 815/Eも事実上の解禁?
今回、正式発表となったチップセットは上述のIntel 820Eのみだが、COMPUTEX TAIPEI 2000のIntelブースでは、正式発表前のチップセット「Intel 815」と「Intel 815E」に関する展示が数多く行なわれている。
Intel 815(コード名:Solano)は、グラフィック機能統合型チップセットIntel 810の後継にあたる。内蔵グラフィックコアはIntel 810と同等だが、810と同様に内蔵のみで使うほか、810Eや810-DC100の様にディスプレイキャッシュを搭載できる。なお、810Eや810-DC100と異なり、ディスプレイキャッシュをGPA(Graphics Performance Accelerator、旧AIMM)カードという形で後から追加可能と、拡張性が高い。また、Intel 815では最大の特徴として、Intelのグラフィック機能統合型チップセットでは初めて、外部AGPカードを使用できるようになった。さらにPC133 SDRAMもサポートされる。なお、820Eと同じICH2を採用したIntel 815Eも用意されている。
Intel 815は、2月に開催されたCeBITや、4月開催のWinHECなどでも展示はされていた。しかし、CeBITでは日本ではあまり見かけないような中小のマザーボードベンダのみの展示で、WinHECでもIntelがデモンストレーションを行なっていたもののIntel 815Eにはマスクがかけられているなど、まだ秘密という雰囲気がただよっていた。
しかし、今回のIntelブースには、Intel 815Eのデモ機が置いてあるほか、マザーボードもABITやASUS、AOpen、Iwillなど日本でもおなじみのメーカーに加え、Intel製のものまで、Intel 815、815Eあわせて50種類以上のマザーボードが展示されている。このように、まったく正式発表前とは思えない状態なのだが、発表・出荷時期について係員に聞くと“未定”とのことだ。しかし、これだけ製品が揃っていれば市場に並ぶまで、あまり時間がかからないと見て間違いないだろう。
Intel 815E搭載のデモ機ではDVD再生を行ない、ICH2の機能を使ったドルビーデジタルのデコードを実演していた | デモ機のスペック。CPUのクロック周波数は隠されている。 | GPAスロットには、4MBのディスプレイキャッシュが搭載されている |
【ICH2(FW82801BA)】 | 【815】 |
【GPAカード】 |
■Louis Burns氏の基調講演でもIntel 815/Eの情報を公開
しかし、講演が終わりに近づいたこところで、Intel 815/Eに関するスライドが映し出された。詳細については言及されなかったものの、Intel 815/Eの情報が開示されたことを暗に示していると思われる。
■一方、正式発表のIntel 820E搭載製品は少ない
一方Intel 820Eの搭載(ICH2搭載)マザーボードは、IntelとASUSの2製品のみの展示となっている。また、ブース内にはデモ機が用意されているものの、Louis Burns氏基調講演にそのデモ機が持ち出されており、Intel 820E搭載の製品は、あまり用意されていない印象を受けた。
Intel 815が外部AGPをサポートしたこともあり、820シリーズがより純粋に、Intelのいう“高性能のデスクトップPC向け”チップセットと位置付けられたからだろうか。
440BXとIntel 820Eの比較デモストレーション。 | Louis Burns氏の基調講演でも同じマシンを使用して、新チップセットの優位性をアピールしていた |
■Ultra ATA/100対応HDD続々登場か?
特にSeagateは、Barracuda ATA II 100とロゴが入っているHDDをデモ機に搭載して実際に稼動させていた。Intelブースでの展示なので(Seagate自身はCOMPUTEXに参加していない)詳細は不明だが、実際に組み込まれて動いていることから、まもなく正式発表されるものと予想される。
□COMPUTEX TAIPEI 2000のホームページ(英文)
http://www.computex2000.com/
□Intel 820Eのニュースリリース
http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press2000/000605b.htm
□関連記事
【2月25日】CeBIT 2000レポート「Intel 815 vs Apollo PM133!」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000225/cebit02.htm
【4月26日】WinHEC 2000デモショーケースレポート
「AMDとIntelが新チップセットを展示」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000426/winhec04.htm
【キーワード】「ICH」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990624/key81.htm#ICH
(2000年6月5日)
[Reported by furukawa@impress.co.jp]
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