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Intel、820Eを発表
外部AGP対応統合チップセット815も事実上の解禁

会期:6月5日~6月9日

会場:Taipei International Convention Center(TICC)
   Taipei World Trade Center(TWTC) Exhibition Hall
   Taipei World Trade Center(TWTC) Exhibition Hall 2


Intel 820E搭載マザーボード CNRカード
 Intelは6月5日、高性能のデスクトップPC向けチップセット「Intel 820E」を発表し、量産出荷を開始した。価格は3,850円(1,000個ロット時単価)。

 Intel 820Eは、従来の「Intel 820」と同じRDRAM用MCH(Memory Controller Hub)に、新開発のICH2(I/O Controller Hub)が組み合わされており、ICH2を含んだ初めてのチップセットとなる。このICH2により、USBコントローラ×2(=4ポート)、LANコネクト・インターフェイス、デュアルUltra ATA/100コントローラ、ドルビーデジタルにも対応する最大6チャネルのオーディオ機能などが提供される。

 また、ICH2にはLANコネクト・インターフェイスが統合されているので、物理層デバイスを直接マザーボードに搭載するか、マザーボード上にCNR(Communications and Networking Riser)コネクタを備えておいて、後から追加するといった方法で、低価格にLAN機能を実現できるとしている。


■外部AGP対応統合チップセットIntel 815/Eも事実上の解禁?

 今回、正式発表となったチップセットは上述のIntel 820Eのみだが、COMPUTEX TAIPEI 2000のIntelブースでは、正式発表前のチップセット「Intel 815」と「Intel 815E」に関する展示が数多く行なわれている。

 Intel 815(コード名:Solano)は、グラフィック機能統合型チップセットIntel 810の後継にあたる。内蔵グラフィックコアはIntel 810と同等だが、810と同様に内蔵のみで使うほか、810Eや810-DC100の様にディスプレイキャッシュを搭載できる。なお、810Eや810-DC100と異なり、ディスプレイキャッシュをGPA(Graphics Performance Accelerator、旧AIMM)カードという形で後から追加可能と、拡張性が高い。また、Intel 815では最大の特徴として、Intelのグラフィック機能統合型チップセットでは初めて、外部AGPカードを使用できるようになった。さらにPC133 SDRAMもサポートされる。なお、820Eと同じICH2を採用したIntel 815Eも用意されている。

 Intel 815は、2月に開催されたCeBITや、4月開催のWinHECなどでも展示はされていた。しかし、CeBITでは日本ではあまり見かけないような中小のマザーボードベンダのみの展示で、WinHECでもIntelがデモンストレーションを行なっていたもののIntel 815Eにはマスクがかけられているなど、まだ秘密という雰囲気がただよっていた。

 しかし、今回のIntelブースには、Intel 815Eのデモ機が置いてあるほか、マザーボードもABITやASUS、AOpen、Iwillなど日本でもおなじみのメーカーに加え、Intel製のものまで、Intel 815、815Eあわせて50種類以上のマザーボードが展示されている。このように、まったく正式発表前とは思えない状態なのだが、発表・出荷時期について係員に聞くと“未定”とのことだ。しかし、これだけ製品が揃っていれば市場に並ぶまで、あまり時間がかからないと見て間違いないだろう。

Intel 815E搭載のデモ機ではDVD再生を行ない、ICH2の機能を使ったドルビーデジタルのデコードを実演していた デモ機のスペック。CPUのクロック周波数は隠されている。 GPAスロットには、4MBのディスプレイキャッシュが搭載されている

【ICH2(FW82801BA)】 【815】

【GPAカード】


■Louis Burns氏の基調講演でもIntel 815/Eの情報を公開

 また、Intelのアーキテクチャ事業本部 副社長 兼 デスクトップ・プラットフォーム事業部長Louis Burns氏の基調講演でも、Intel 815/Eの情報が公開された。この基調講演は「Strategies for Global e-Business」と題されたもので、内容はほとんどe-Businessに関することだった。

 しかし、講演が終わりに近づいたこところで、Intel 815/Eに関するスライドが映し出された。詳細については言及されなかったものの、Intel 815/Eの情報が開示されたことを暗に示していると思われる。


■一方、正式発表のIntel 820E搭載製品は少ない

 一方Intel 820Eの搭載(ICH2搭載)マザーボードは、IntelとASUSの2製品のみの展示となっている。また、ブース内にはデモ機が用意されているものの、Louis Burns氏基調講演にそのデモ機が持ち出されており、Intel 820E搭載の製品は、あまり用意されていない印象を受けた。

 Intel 815が外部AGPをサポートしたこともあり、820シリーズがより純粋に、Intelのいう“高性能のデスクトップPC向け”チップセットと位置付けられたからだろうか。

440BXとIntel 820Eの比較デモストレーション。 Louis Burns氏の基調講演でも同じマシンを使用して、新チップセットの優位性をアピールしていた


■Ultra ATA/100対応HDD続々登場か?

 Intel 820E、815Eに含まれるICH2の特徴の1つとして、Ultra ATA/100(Ultra ATA/66+)サポートが挙げられる。そのためIntelブースには、現在唯一Ultra ATA/100対応のHDDを発表しているIBM以外にも、Maxtor、Seagate、Quantumのドライブが参考展示されていた。

 特にSeagateは、Barracuda ATA II 100とロゴが入っているHDDをデモ機に搭載して実際に稼動させていた。Intelブースでの展示なので(Seagate自身はCOMPUTEXに参加していない)詳細は不明だが、実際に組み込まれて動いていることから、まもなく正式発表されるものと予想される。

□COMPUTEX TAIPEI 2000のホームページ(英文)
http://www.computex2000.com/
□Intel 820Eのニュースリリース
http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press2000/000605b.htm
□関連記事
【2月25日】CeBIT 2000レポート「Intel 815 vs Apollo PM133!」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000225/cebit02.htm
【4月26日】WinHEC 2000デモショーケースレポート
「AMDとIntelが新チップセットを展示」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000426/winhec04.htm
【キーワード】「ICH」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990624/key81.htm#ICH

(2000年6月5日)

[Reported by furukawa@impress.co.jp]

I
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【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp