鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第81回:6月14日~6月18日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


6月9日

■■ニコン、本格一眼レフデジタルカメラ「D1」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990615/nikon.htm

サムネイル(thumbnail)

 ドキュメントや画像などの縮小表示(元々は親指のつめ、非常に小さいものという意味)。

 主に画像データの内容を高速にプレビューしたり、一覧表示したりするための縮小画像のことを指すが、広義ではレイアウトなどを一覧するための縮小表示全般をサムネイルと呼ぶ。



 
ヒストグラム(histogram)

 度数分布を表わすグラフ(度数分布図)。
 データがとりうる範囲を一定の区間(階級、領域、ビン)に分け、各区間に属するデータの出現度数を集計したものを度数分布という。ヒストグラムは、x軸(横軸)に各区間、y軸(縦軸)に出現度数(出現率)をとって、この度数分布をグラフ化したもので、統計的な解析などに用いられている。

 グラフィックスソフトなどでは、画像データの画素の濃度値(明暗の階調)を集計し、グラフ化する機能をサポートするものがあり、x軸に濃度値、y軸に画素数(出現率)という形で表示。これをヒストグラムと呼んでおり、コントラストや色調を補正するための目安にしたり、直接ヒストグラムの形を変えて補正する機能を提供する。



 
RAWデータ
ローデータ

 処理されていない、あるいは処理しないデータ。
 RAWは「生の」という意味で、ひとつには、圧縮や変換などの加工処理が行なわれていない生データを指す。

 I/O系では、入出力時に特別な処理を行なわないモードをRAWモードといい(※1)、処理せずにそのまま受け渡されるデータをRAWデータと呼んでいる。例えばWindowsのプリントスプーラは、印刷時にRAW形式とEMF形式のデータを作成することができる(※2)。RAW形式は、出力先のプリンタが解釈する印刷データそのもので、スプールされたデータは、そのままプリンタポートに出力される。EMF(Enhanced Metafile Format)は、Windowsの描画コマンドを使って書かれた中間データで、システムがこれを解釈し、プリンタ用の印字データを生成して出力する(最終的な印字データの生成をシステムがバックグラウンドで行なうため、アプリケーションは印刷プロセスから早く開放される)。

(※1)何もしない「raw mode」に対して、なんらかの処理を伴うモードを「cooked mode」と呼んでいる。

(※2)EMF形式のスプーリングは、Windows 95からの機能で、それ以前はRAWデータのみ。


6月16日

■■元麻布春男の「週刊PCホットライン」
  ナゾの多いチップセット、i810
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990616/hot044.htm

GMCH(Graphics Memory Controller Hub)

ICH(I/O Controller Hub)

 Intelが810チップセットに採用した「Intel Accelerated Hub Architecture」における、ホストコントローラ側のチップ(GMCH)とI/Oサブシステム側のチップ(ICH)の呼称。

 GMCHは、CPUとメモリ周りの機能にグラフィックスコントローラを統合したチップで(グラフィックス抜きのタイプはMCH[Memory Controller Hub])、従来のシステムでいう「ノースブリッジ」に相当する。一方のICHは、IDEやUSBをはじめとするI/O周りの機能を統合したチップで、従来の「サウスブリッジ」に相当する。

 チップセットのパーティションは、これまでと基本的には同じだが、ノースブリッジとサウスブリッジがPCIバスで接続されていたのに対し、GMCHとICHは専用のHubインターフェイスで接続されている点が大きく異なる。PCIバスを中心に、「Host-to-PCIBridge」と「ISA-to-PCI Bridge」を上下(北と南)に配したアーキテクチャから、各種インターフェイスを備えた2つのHub間を、専用バスで接続するアーキテクチャに変わり、PCIは、ICHが備えるインターフェイスのひとつという位置付けになっている。

【参考】
□チップセット
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980729/key40.htm#chipset
□ISA(Industry Standard Architecture)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980723/key39.htm#ISA
□PCI(Peripheral Component Interconnect)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980617/key34.htm#PCI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980826/key43.htm#64bitPCIbus


6月18日

■■日本IBM、超小型HDD「microdrive」の販売を開始
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990618/ibm2.htm

microdrive
マイクロドライブ

 IBMが'98年に開発した(量産は'99年)、超小型ハードディスクドライブ。
 一般に使われているハードディスクドライブは、デスクトップPCがフロッピーやMOと同サイズの3.5インチ、ノートPCではMiniDiscサイズの2.5インチが主流となっている。これに対し、マイクロドライブは、500円硬貨サイズ(1インチ)という超小型のディスクを使用。同社のGMRヘッドと高密度化技術により、1インチ四方あたり5.04Gビットという記録密度を実現しており、小型ながらも、片面タイプで170MB、両面タイプで340MBの容量となっている。フォームファクタおよびインターフェイスは、Type2のCF+(※1)。CFスロットもしくは、PCカードアダプタを使って通常のType2のPCカードスロットに挿入し、標準的なIDE(ATA)ドライブとして使用することができる。

(※1)CF+(CompactFlash Plus)は、CompactFlash Associationが'98年に策定した、CFの拡張規格。従来の規格に、ディスクドライブのサポートと、Ethernetをはじめとする各種I/Oデバイス用のファンクションを追加したもので、フォームファクタはこれまでどおりの42.8mm(幅)×36.4mm(奥行き)。3.3mm厚のType1と、5mm厚のType2が規定されている。

□日本IBM――ストレージ
http://www.ibm.co.jp/oemj/storage/index.html
【参考】
□GMR(Giant Magneto-Resistive)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971118/key7.htm#gmr
□CF
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971105/key5.htm#cf_card
□CF Type II
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980428/key28.htm#CFtypeII



 
■■後藤弘茂のWeekly海外ニュース
  「IntelがついにPC133サポートに肯定的な発言」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990618/kaigai01.htm

RC1(Release Candidate)
アールシーワン

 開発中のソフトウェアのプレリリース版で、最終的な製品版の出荷候補(Release Candidate)となりうる完成度の高いバージョン。

 ソフトウェアの開発では、使い勝手の評価や動作確認などを行なうために、開発途中の製品を使った大小様々なテストを行なっている。一般に、社内などのごく限られた範囲で行なう初期段階のものを「α(アルファ)テスト」、他のベンダーや一部のユーザーなどを交えて、社外的に行なうものを「β(ベータ)テスト」といい、配布する試用版をそれぞれα版、β版と呼んでいる。RCは、最終的な確認を行なうための製品版候補で、プロモーションも兼ねて、大々的に配布されることも多い。末尾の数字は、そのバージョンに相当(αやβも同様)。改訂に伴って1、2、3……と増えていく(0からはじまることもある)。

【参考】
□WDM(Windows Driver Model)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980917/key46.htm#WDM

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp