COMPUTEX TAIPEI 2000レポート【ビデオカード編】台湾でも吹き荒れるGeForce旋風! |
C.P. TECHNOLOGYのGeForce 2 GTS搭載カード「POWERGENE GeForceGTS」 | GAINWARDのGeForce 2 GTS搭載ビデオカード「CARDEXpert GeForce 2 GTS」 |
PALIT MICROSYSTEMSのGeForce 2 GTS搭載ビデオカード | InnoVISIONのGeForce 2 GTS搭載ビデオカード「Tornado GeForce 2」 |
●PCI対応GeForce 256とTVチューナー&キャプチャ機能付きGeForce 2 GTS
すでに述べたように、単なるGeForce 256やGeForce 2 GTS搭載ビデオカードは会場のいたるところで展示されており、やや食傷気味なほどであったが、他とは毛色が違う製品を2つ見つけた。
まず注目したいのが、CARDEXpertブランドで秋葉原でもお馴染みのGAINWARDブースで展示されていたPCI対応GeForce 256搭載ビデオカード「CARDEXpert GeForce 256 PCI」である。最近のビデオチップは全てAGP対応になっており、PCI対応のビデオカードの新製品が登場することも少なくなった。TNT2系ビデオチップを搭載したPCIバス対応ビデオカードは登場しているが、GeForce 256搭載ビデオカードでPCIに対応したのは、恐らくこの製品が初めてであろう(カタログにも、World's First GeForce 256 for PCI Busと明記されている)。ハードウェアT&Lエンジンを搭載したGeForce 256は、CPUパワーの低いマシンでも、その真価を発揮できる(もちろん、アプリケーションがハードウェアT&Lエンジンを利用するように設計されていないと意味はないが)。AGPスロットを装備していない古いマシンを使っているユーザーには、ありがたい製品であろう。ただし、価格は400ドルとやや高めだ(ビデオメモリは32MB装備)。量産出荷は6月中を予定しているとのことだ。
もう一つ興味をひかれたのは、PROLINKが展示していた「PixelView All-in-ComboTV 256」である。All-in-ComboTV 256は、その名称からも予想できるように、TVチューナー機能とビデオキャプチャ機能を統合したビデオカードである。似たような製品としては、ATI TechnologyのALL-IN-WONDER 128/ALL-IN-WONDER 128 PROがあるが、ALL-IN-WONDER 128の場合、TVチューナー機能とビデオキャプチャ機能には文句がないが、肝心の3D描画性能がGeForce 256やGeForce 2 GTS搭載ビデオカードなどに比べると見劣りしてしまうことが弱点だ。GeForce 2 GTSを採用したALL-in-ComboTV 256は、TVチューナー機能とビデオキャプチャ機能、3D描画性能を全て満たす製品として期待できる。出荷は7月末で、予価は270ドルとのことだ(ちょっと安すぎるような気もするが、説明員は確かに270ドルといっていた)。
PCI対応GeForce 256搭載ビデオカード「CARDEXpert GeForce 256 PCI」。端子のパターンに注目 | TVチューナー(FMにも対応)機能とビデオキャプチャ機能を備えたGeForce 2 GTS搭載ビデオカード「All-in-ComboTV 256」 |
●ついにベールを脱いだKYROの実力は?
STMicroelectronicsブースでおこなわれていたKYROのデモ |
KYROは、PowerVRシリーズの特徴であるZバッファ不要の隠面処理アルゴリズムを採用し、無駄なレンダリングを省くため、高解像度でもメモリ帯域幅をあまり必要としないことが売りだ。そのため、DDRメモリを利用しなくとも、十分な描画性能を実現できるという。会場内のSTMicroelectronicsブースでは、KYROの動作デモはおこなわれていたが、ビデオチップやビデオカード自体は展示されておらず、やや寂しいものであった。
説明員によると、チップの量産開始は7月になるとのことで、第3四半期中にはビデオカードが登場してくるようだ。ハードウェアT&Lエンジンは内蔵していないが、GeForce 256とGeForce 2 GTSの間の性能を持つと説明していたので、それが本当ならかなり期待できそうだ。KYROは、ビデオメモリのバンド幅をあまり必要としないため、価格も安くできるという利点がある。32MB版と64MB版が登場するようだが、64MB版でも200ドル以下で提供できるという。
なお、今年の末までには、KYROの後継製品(PowerVR Series4テクノロジを採用)の登場も予定されている。PowerVR Series4テクノロジでは、ハードウェアT&Lを搭載することで、大幅な性能向上を実現するとのことだ。GeForce 2 GTSでさらに波に乗っているNVIDIAの牙城をどこまで崩せるかが見物だ。
□ニュースリリース(英文)
http://us.st.com/stonline/press/news/year2000/x818p.htm
□製品情報
http://us.st.com/stonline/prodpres/graphic/kyro/index.htm
そのほか、SiS 300の廉価版であるSiS 305搭載ビデオカードや、TridentのCyberBLADE 128XPを搭載したビデオカードもいくつか展示されていたが、性能的にはGeForce 256やKYROなどに対抗できるものではなく、あまり関心ももたれていなかった。
□COMPUTEX TAIPEI 2000のホームページ(英文)
http://www.computex2000.com/
□COMPUTEX TAIPEI 2000のホームページ(和文、TCA対日輸出促進センター)
http://www.ippc.com.tw/comp2000/default.asp
(2000年6月6日)
[Reported by 石井英男]
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