【周辺機器編3】 |
会場:Taipei International Convention Center(TICC)
Taipei World Trade Center(TWTC) Exhibition Hall
Taipei World Trade Center(TWTC) Exhibition Hall 2
■ディスクビデオレコーダの伏兵、VideoCDレコーダが登場
現在、VHSの置き換えを狙って、DVD-RW、DVD-RAM、DVD+RWなどディスクビデオレコーダの派遣争いが熾烈になっている。そんな中、思わぬ伏兵が現われた。それが、CD-R/RWにMPEG-1形式リアルタイム録画するレコーダだ。実際に見せられると、実に簡単なことで、アナログ入力された映像を、リアルタイムMPEG-1(VCD 1.0)エンコード。それを、CD-RまたはCD-RWに書き込む。これで、VideoCDが出来上がる仕組み。
録画したメディアは、VideoCDに対応している機器、つまりほとんどのDVDプレーヤー(CD-R/RWの読み込みに対応している必要はある)や、パソコンで再生可能だ。結果的に、現在DVD系のビデオレコーダで問題になっているDVDプレーヤーとの互換性が解決されていることになる。
なお、VideoCDという規格上、録画時間は74分となる。ビデオレコーダとしては中途半端な録画時間だが、一枚100円程度のメディアを使うことを考えれば、コスト的には今のVHSに近いだろう。
そして今回、実際にVideoCDレコーダを展示していたのが、WANTEC(開発はterapin)と、MET(M.E.T. Technology)だ。
実際に、テレビの右下にあるDVDプレーヤーからの録画を見せてくれた。 | 背面。音楽CD用に同軸デジタルの入出力も用意されている |
WANTECが展示していたのは、すでに製品レベルのもので、実際に録画を試すこともできた。媒体としてCD-Rを使用しているため録画開始や終了に時間がかかるほか、画質はVideoCDなので良好とはいえない。しかし、テレビ番組を見る程度なら必要十分だろう。
TVチューナは内蔵していないため、ビデオやDVDなどの入力ソースが必要。また、同軸オーディオデジタル入力を備えているので、音楽CDをデジタルでコピーすることもできる。量産出荷は7月で、店頭価格は
699ドルと見込まれている。
METが展示を行なっているのは、自社が開発したユニットやLSIを使って、何ができるかを示したサンプルで、そのまま製品になるというわけではない。しかし、その仕様は、CD-ROM(VideoCD)と、CD-R/RWドライブのダブルデッキという刺激的なもの。
アナログ入力によるMPEG-1での録画が可能なほか、VideoCDからCD-R/RWにデジタルで直接コピーもできる。もちろん音楽CDも同様にコピー可能。また、再生はVideoCD、音楽CDのほか、MP3、VCD 2.0、SVCDにも対応している。
□terapinのニュースリリース(英文、PDF形式)
http://www.teraoptix.com/cd-video.pdf
■MP3対応シングルCDプレーヤー、ソニー風デザインのMP3プレーヤー
今年のCOMPUTEXには、星の数ほどMP3プレーヤーが展示されている。また、少し前には登場が待たれていたMP3対応のポータブルCDプレーヤーも、各社が競って出展しており、以前のような驚きは少ない。
そんな中で目を引いたのが、METと、GIGASTORAGEが出展している8cmCD(いわゆるシングルCD)用のMP3プレーヤーだ。8cmCDプレーヤーは、12cmCDに比べればプレーヤーを小さくできるというメリットがあるが、CD-DAではわずか21分しか入らないという欠点がある。しかし、MP3に対応することで約180分(180MB)、通常のCDの2倍以上の収録が可能になり、十分実用的なものになる。
METブースでは、サンプルながら実際にプレーヤーを動かしており、試聴することができる。「これを見てもらって、リモコンが必要などの意見を伺っているところ」という。出荷に関しては8月が予定さており、市場価格は100ドル程度。外形寸法95×96×23mm(幅×奥行き×高さ)。6秒のバッファを搭載する。
一方GIGASTORAGEが展示していたのは、完全にモックアップで、発売はクリスマスシーズンが予定されている。外形寸法110×85×21mm(幅×奥行き×高さ)。10秒のバッファを搭載する。市場価格は150ドル程度の見込み。
プレーヤーの価格も抑えられており、メディアも半導体メモリプレーヤーを考えれば、大容量で安価だ。両社とも、日本での販売は未定とのことだが、シングルCDが普及している日本に登場すれば、面白い存在になるだろう。
METのプレーヤー。実際に聴くことができたが、まだ作りはかなり雑で、とりあえず動く状態だった | GIGASTORAGEは、完全なモックアップを展示している |
また、MMCを使ったMP3プレーヤーで、機能的には一般的だが、興味を引いたのが「ZQUID(ZMP-5000)」。その特徴は、ソニーのミュージッククリップや、ネットウォークマンなどを混ぜたような洒落たデザイン。また、パッケージに付属するMMC-USBアダプタがよくできている(プロトタイプということで写真撮影は拒否された)。USBコネクタの逆端にMMCスロットを備える一体型で、まさにアダプタとよべるものだ。
ZQUIDにはプレーヤー単機能モデルのほか、FMラジオ内蔵したモデル(5000R)、ボイスレコーダ機能を搭載したモデル(5000V)も用意される。MMCを2スロット装備し、外形寸法は32×110×23mm(幅×奥行き×高さ)、重量は50g(バッテリ含まず)。7月発売の予定で、店頭価格は、32MB搭載したプレーヤー単体モデルで179ドル、64MB版が259ドルの見込み。
□「ZQUID」の製品情報
http://www.zappee.com/zquid.htm
■MPEG-2リアルタイムエンコーダも一般的に
「AV BOX」のインターフェイスボックス。とにかくインターフェイスが豊富だ |
最近になり、パソコンでもMPEG-2のリアルタイム取り込みが可能となり注目を集めている。それに応える形で登場するのがAnimation Technologiesの「AV BOX」だ。この製品はMPEG-2エンコーダカードと、外付けのインターフェイスボックスで構成される。
驚くのがこのインターフェイスボックスの対応メディアの豊富さ。アナログビデオ入力(コンポジット、S、音声)はもとより、USB、IEEE-1394、DV端子といったインターフェイス、さらにはスマートメディア、CFのスロットまで備えている。
なお、現在のところDV端子(IEEE-1394)からの入力はスルーとなっており、MPEG-2での取り込みはできないが、今後対応する予定としている。出荷は8月から9月。価格は6万円程度と安くはないが、MPEG-2リアルタイムエンコーダ、IEEE-1394インターフェイス、スマートメディアアダプタ……など、各機能を単体で購入するよりは安いだろう。
CCDカメラからの映像をMPEG-2で録画しているところ |
一方、ソフトウェアリアルタイムエンコーダとしては、ソフトウェアプレーヤー「WinDVD」で有名なInterVideoが、「WIN CODER」を出展している。ただし、これはキャプチャカードや、CCDカメラなどとバンドルされて販売されるもので、単体で販売されることはないという。
会場では実際にCCDカメラを接続して、MPEG-2で録画するデモが行なわれていた。映像ソースがCCDカメラなので元々の画質は良くないが、コマ落ちせずに取り込めていた。対応OSはWindows 98 SE/2000と、Windows Me。必要スペックについては「組み合わせるハードウェアによって変わるので詳しいことはいえないが、リアルタイムエンコードはPentium III 500MHz程度必要」とのこと。
■キーボードは小さくなるのがトレンド?
キーボードは使う時はキーピッチが広い大きなもの、持ち運ぶ時には小さいもの、という相反する要求をかかえるデバイスだ。そこで出てくるのが持ち運ぶ時に「折りたたむ」、あるいは「縮める」という発想だ。
その「折りたためる」キーボードが、Innovaceの参考展示している「Foldable Keyboard」。まだ、完全にモックアップで実際の動きを見ることはできないが、説明写真によれば、真ん中で折れるモデルと、4つに重ねられるモデルがある。現在、採用してくれるPDAや携帯電話メーカーを探しているとのことだ。
【Foldable Keyboard】 |
一方、「縮める」キーボードは、Supergateが「e-Bird」を参考出展している。こちらも、展示はサンプルだが、実際に動かして見せてくれた。キーの大きさは通常より小さくなるが、広げるとキーピッチがデスクトップ同等になり打ちやすいという。実際にはA5ノートPCに19mmピッチの83~87キーを入れることができるという。出荷は8月の予定。
【e-Bird】 |
また、マウスで注目なのが、JPCの「Mini Optical Mouse」だ。特徴は光学式マウスで、小さいこと。指2本程度の幅で、厚みも薄いので使い心地が気になるところだが、まだモックアップということで、試せなかった。
9月ごろに出荷できるとしているが、JPCはOEM供給がメインのメーカーなので、消費者の手に渡るのは供給先メーカーがきまってからということになる。
【Mini Optical Mouse】 |
□COMPUTEX TAIPEI 2000のホームページ(英文)
http://www.computex2000.com/
(2000年6月8日)
[Reported by furukawa@impress.co.jp]
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