AMD、ThunderbirdことL2キャッシュオンダイAthlon |
会場:Taipei International Convention Center(TICC)
Taipei World Trade Center(TWTC) Exhibition Hall
Taipei World Trade Center(TWTC) Exhibition Hall 2
速報(AMDの新Athlonプロセッサ発表)では、AMDが発表したばかりのThunderbirdことL2キャッシュオンダイの新Athlonについてお伝えした。ここでは、公表されたデータシートなどからわかる詳細なスペックなどを含め、新Athlonに迫っていきたい。
●Fab30で生産された銅配線のAthlonも出荷開始
今回発表されたThunderbirdこと「AMD Athlonプロセッサ(高性能フルスピード・キャッシュ内蔵)」(以下新Athlon)のもっとも大きな特徴は、速報でも述べたとおりL2キャッシュがオンダイになっていること、さらにはキャッシュがL1キャッシュと排他的に制御を行なうエクスルーシブキャッシュになっていること。また、新しいフォームファクタとしてSocket Aというソケットタイプが追加されたことだろう。以下が新Athlonのスペックとなる。
AMD Athlonプロセッサ(高性能フルスピード・キャッシュ内蔵)
なお、製品の発表では750MHz以上となっているが、「さほど需要がある訳ではないので製品リストには載っていないが、実際にはそうした製品は存在する。700MHz以下のクロックの製品も顧客のリクエストがあれば生産される可能性がある」(林氏)といい、実際にOEMメーカーからそうした製品が登場する可能性もありそうだ。さらに、記者会見後のQ&Aセッションでは「オフダイのAthlonはいつまで販売するのか?」という質問もでたが、「おそらく第3四半期のおわりぐらいまでは生産するが、基本的に(オフダイの)旧Athlonと新Athlonの価格は同じで、顧客としても積極的に購入する理由はないだろう」(AMD ディビジョンマーケティングマネージャのマーク・ボディ氏)とのべた。確かにボディ氏が述べるように、今後わざわざ旧Athlonを採用する理由もあまりないので、価格も同じであるということからかなり急速に移行が進みそうだ。
Socket A(462ピン)のAthlonプロセッサ。L2キャッシュはオンダイで、256KBが搭載されている | 銅配線のAthlonプロセッサを生産している独ドレスデンのFab30 |
□ニュースリリース(英文)
http://www.amd.com/news/prodpr/20108.html
●Socket Aプラットフォームを支える2つのチップセット~VIA KT133とSiS730S
今回の発表会はチップセットベンダやマザーボードベンダが集まっている台湾で行なわれた関係もあり、特にプラットフォーム関連への言及が目立った。たとえば、AMDの社長兼CEOのヘクター・ラズ氏は「AMDはAthlonプロセッサでライバルメーカー(筆者注:Intelのこと)とは異なるインフラを作り上げた。我々はプラットフォームを独占しようというつもりは全くなく、台湾ベンダと協力して強力なインフラを作り上げていきたい」と述べ、AMDのAthlonプラットフォームを作り上げる上で台湾メーカーの協力が必要であるという点を強調した。
今回の新Athlonの発表にあわせて、Socket A用のチップセットが、VIA TechnologiesおよびSiS(Slicon Integrated Systems)の2社から既に発表されている。両チップセットのスペックは下記のようになっている。
★VIA Technologies Apollo KT133
□ニュースリリース(英文)
http://www.viatech.com/news/00kt133launch.htm
★SiS SiS730S
今回の発表会場には、特にKT133を搭載したマザーボードが数多く展示されていた。主要なところではASUSTeK COMPUTER、GIGA-BYTE TECHNOLOGY、MSIなど実に多くのベンダから展示されており、実際の出荷がかなり近いと感じた(なお各社のブースにおける展示は別記事を参照していただきたい)。これに対してSiSのSiS730の方はSiSのリファレンスマザーボードが展示されていただけで、まだまだ出荷にはほど遠いことを伺わせた。
また、5日にはComputexが開催されている会場で、VIA Technologiesが主催するDDR SDRAMに関するセミナーが行なわれた。そこでは、VIA Technologiesのチップセットロードマップなどに関する発表が行なわれたが、そちらに関しては今後のレポートで詳報していきたい。
□ニュースリリース(英文)
http://www.via.com.tw/news/00pm133.htm
□COMPUTEX TAIPEI 2000のホームページ(英文)
http://www.computex2000.com/
□COMPUTEX TAIPEI 2000のホームページ(和文、TCA対日輸出促進センター)
http://www.ippc.com.tw/comp2000/default.asp
(2000年6月6日)
[Reported by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]
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