【連載】子供とPC 第5回

ウチはまだ小さいから……なんて悠長に言ってられないかも、パソコン教育

3歳前後までの子供をもつ親に送る「楽しみながら急ぐ」方法

すっぽんぽんタイム、はっじまっるよー!

子供にパソコンなんてまだまだ早い!と今は思っていても……?

そう、ウチの子供もまだ小さいのである。3歳の長女と2歳の二女。YouTubeにある映画「アナと雪の女王」のサンプル動画のセリフと歌をそらで言えるくらい覚えているくせに、まだ数字は11以上数えられないし、ひらがなの絵本を買ってあげたのに覚えようともしてくれない。「続きは本編でお楽しみください」っていう動画の最後のナレーションは、ホント、外で言わないでくれよ、って思う。

そんな子供にパソコン? プログラミング教育? いやいや、まだでしょ。今じゃないでしょ。まずは朝、保育所(認可でも認証でもない保育所。いわゆるあの待機児童というやつである)に行くのを理由もなく渋るのをなんとかしてほしいし、二女はいまだに手放せない母乳とおむつを卒業していただかないと、僕も含め家族みんな次のステップに進めないんじゃないの。

夕食後に「すっぽんぽんタイム、はっじまっるよー!」と大声で叫んで服をぐわっと投げ捨て、真っ先に湯船に飛び込んで自らの老廃物が溶け込んでいるであろうお湯でうがいしている姿を見ると、僕はある意味安心するのである。まだまだ小さい子供だ、パソコンなんてずっと、ずっと先の話だと。その前に教えるべきことはこんなにいっぱいあるじゃないかと。

そんな風に思っていた時期もありました、これまで4回続いている当コーナーの諸先輩らの記事を読むまでは。

3年前から現在まで、“大変さ”は変わっていないことに気付いた

現在進行形でまだ物心のついていない子供たちのあれやこれやに煩わされていると、まさに“今”のことを考えるのに精一杯で、子供が成長した後のことなんてちっとも思い浮かばない、思い浮かべたくない。というのは、同じ年頃の子供をもつ親なら多くの人が感じていることだと思う。

しかしこうも思うのだ。じゃあ、いつになったら先のことを考えられる余裕ができるのか、と。知り合ったばかりの人と子育ての話で「今ちょうど大変な時期ですね」とか「○歳になったらもう少し楽になるんじゃないですか」とかわかったようなセリフを言うこともあるけれど、本当に今が“一番”大変なのだろうか。子供が小学生くらいになったら劇的に親の負担が減る? いや、きっとそうじゃない。子育ては、子育てしている間、ずっと親は大変なんじゃないの。少なくとも子供が家を出て独り立ちするまでは。

例えば3年前、生まれて半年ちょっとの長女がいた。最初の子供ということもあり、何をどうすればいいのか戸惑うことばかり。頑張って最初は布おむつを使っていたが、たしか半年くらいで紙おむつにチェンジした。毎晩夜泣きで起こされることになるので、妻には申し訳ないが僕だけ別の部屋で寝ていた。

3年前、スマートフォンに興味を示す長女

例えば2年前、我が家には1歳半の長女と生後3カ月の二女がいた。長女はおむつは取れていたが、言葉はほとんど通じないし、泣きわめいて何かを要求していた。寝付きが非常によろしくなく、添い寝しても夜12時を過ぎてから眠りに落ちるのもざら。一度は2時半まで起きていたことがあり、この時はさすがに疲れ果てて「このままじゃ僕も妻も2人とも倒れるぞ」と暗い気持ちになったりもした。しかし二女は、長女を経験していたおかげかそれほどやっかいではなかった。いい意味で、手を抜くことを覚えた。

2年前、タブレットに興味を示す長女

例えば1年前、長女は2歳を過ぎ、二女は1歳になった。保育所に通い始めた影響か、2人とも熱を出すことが増え、そのたびに妻や僕が仕事を休まなければならなかった。予防接種を頻繁に受けなければならず、毎月のように小児科に通っていたような気がする。子供は2人ともクルマが嫌いで、遠出するのには勇気が必要だった。

クルマで泣きわめく二女。こうなると運転もままならない

今はどうか。3歳の長女は普通に会話できる程度に言葉を覚えたが、不愉快なことがあると泣きわめいて何かを要求する。理由は言ってくれない。寝付きもやはりよろしくなく、夜8時から絵本を読んであげても眠るのは10時や11時が当たり前。保育所に連れて行くため朝早くに家を出なければならないのに、子供が布団を出るのはその30分前だったりして、そうすると当然遅刻だ。二女は行儀のわるいことをした時に少しでも叱るそぶりを見せると、強烈なキックとビンタで応酬するか、食べ物を床にぶちまける。最近なんか怖い。

2016年、二女はペーパーパソコンを自作して父親のキーボードを叩くマネをしていた

2020年、小学1年の長女はプログラミング教育を開始する

結局、パソコン教育は“いつ”始めればいいんだ?

……おかしいぞ、この3年以上ずっと大変なままだ。それともこの0歳から3、4歳までの間は、だいたい同じような“大変さレベル”が当たり前なのだろうか。それまでとは違う“楽”な部分ができたところもあるけれど、そのぶん新たな“大変さ”が登場するか、その中身が変わっているだけで、全体としては「子育て、楽になったわー」などとは思えない。子供が小学生になったら、あるいは中学生になったら、もっと劇的に“楽”になるのかしら。それも違うだろうな。今度は学校教育に関わるもっと大変なイベントがわんさか出現するに違いない。

ということを、ここ4回の諸先輩の記事を読んで改めて思ったわけだ。大変さがずっと変わらないのであれば、今は大変だからそのうち考える、というその場しのぎの言い訳は通用しない。あと3年と少しで長女は小学生だ。ちょうど2020年、周りは東京オリンピックの話題でもちきりだろうが、すなわち現在「小学校でプログラミング教育の必修化」が計画されているのと全くの同時期に当たる。

小学1年生になってからプログラミングのことを教える、つまりはそこで初めてパソコンを使わせるかどうか悩み始めるのはたぶん遅いだろう。3歳の今からすぐに、というのはないにしても、パソコン(プログラミング)に至るまでには何かしら段階を踏んでデジタルとの付き合い方を教えていく必要もあるはずだ。そして、それと合わせて親である僕らも学んでいかなければならないことがたくさんある。デジタルトランスフォーメーション待ったなし。

そこで、今から子供のために考えておかなければならないことを探るべく、これまでの諸先輩らの4回の内容を振り返り、重要なキーポイントとなるであろう内容を、自分なりに解釈してざっくりと要約してみた。

  1. 子供の情報リテラシーは、保護者の正しい知識、コミュニケーションの仕方が鍵を握っている
  2. コミュニケーションのためのツール選びは重要だが、顔を合わせたコミュニケーションはもっと重要である
  3. スマートフォンは「消費するデバイス」、パソコンは「創造するデバイス」
  4. パソコンは子供の学びを助ける、遊べるツールである
  5. プログラミングが子供のインテリジェンスを高める可能性がある
  6. 早くから子供に自由にパソコンを使わせることを恐れない

これらから、親として未就学児である3歳と2歳の子供に今から何をすべきか、合わせて親である自分自身が何をすべきか、簡単にまとめてみよう。

将来の子供のパソコン教育に向けて、何を考えておくべきか

1つ目は、当たり前の話だが、「常にアンテナを張りめぐらせ、最新の情報に触れていること」だろうと考える。

僕はライターという仕事柄、それこそ毎日ITにかかわる新しい技術や業界動向の情報に触れているし、とりあえず知識としては頭に入ってくる。が、当連載第1回で「ネットに人が流し込む情報には、真実も嘘も噂も冗談もあり得る」と指摘されている通り、その情報が本当に正しいか見極める目をもっているかどうかが、親としても最も重要だ。もっと言えば、情報としては正しくても、それが(自分の子供にとって)最良の情報かどうかを判断できる力も必要となるだろう。

子供を監督しながらパソコンを使わせることを考えれば、子供と十分にコミュニケーションを取れる「良好な関係を保っていること」が大切なのは想像しやすいところだ。我が家は2人とも女の子とはいえ、小学生くらいまでは父親のことをそう毛嫌いしたりしないはず……と思いたいが、油断していてはいけない。いつ「お父さんお口くさーい」と言われるか分かったものではないのだ。身だしなみはITやパソコンとはまた別次元の話だが、最新のIT事情を吸収するとともに、父としてあるべき姿を日々模索していくことも忘れてはならない(こっちの方が難しそうだが)。

スマートフォンや(パソコンではない)タブレットを与えるかどうかは、悩ましいところだ。子供にとってはとっつきやすいデバイスであることは間違いないのだが、今我が家の子供2人には、パソコンはもちろんのこと、スマートフォンやタブレットも使わせていない。実は、1年ほど前に少しだけスマートフォンとタブレットに触れさせたこともあったのだけれど、あっという間にYouTubeにぞっこん状態になって手放さなくなったため封印した。まさしくスマートフォンは「消費するデバイス」だった。

だから、パソコンの前段階として、デジタルなデバイスに慣れさせるために、スマートフォンやタブレットを与えるのが良いことかどうか疑問に感じているところもある。むしろパソコンをポンと渡して、さあ自由に使いたまえ、と思い切るのもアリなのかもしれない。もちろん、ネットで危険な目に遭わないよう、パソコンのセキュリティ・プライバシー保護機能やルーター上でのペアレンタルコントロールなどの機能を活用しながら、パソコンを利用するうえでの約束事を決めておくことは大前提として。

パソコンを使える「メタ認知」の年頃まで、あと1年

そう考えると、きちんと約束を守ることのできる年齢、脳科学者の中野信子氏が以前話していた言葉をお借りすれば、子供が「メタ認知」できる4~5歳というのが、やはりパソコンを与える一応の目安になるのだろう。

おっと、そうすると、長女が4歳になるのはあと半年もないぞ。でも、いきなり4歳の誕生日にパソコンをはいどうぞ、と渡せるほど「メタ認知」が発達するとは今の状況からは思えない。様子を見ながら、その次の記念日的なタイミングとして、今から1年後のクリスマスか、5歳の誕生日っていうのがぴったりかもしれない。

子供向けかどうかにかかわらず、すでに世の中は全体的にビジュアルプログラミングの方向に進んでいるので、子供が学ぶことになるであろう言語はScratchのようなツールが最初のステップになるに違いない。僕自身、C/C++言語をかじったことがあるので、子供にもぜひともポインタを扱う苦しみと面白さを味わってもらいたいものだが、それは押しつけというものか。

子供がビジュアルプログラミングからどんな方向へ興味関心を移していくのか、今はまだ知りようがないけれど、ただ、もっとプログラムのことを知りたい、パソコンを使いこなしたい、と言って来た時にはすぐに協力してあげられるよう、自分の知識とスキルを一層伸ばしていきたいところ。今は子供のおもちゃばかりが散らかる家だが、子供の学びに必要な本や資料を整理できるようにしておく必要もありそうだ。そのためにはまず、本棚がいる。

今は本棚はなく、大量の本が引っ越しのダンボールに入ったままロフトに放置されている。本棚を作ればこれも片付けられるだろう

タイムリミットはあと1年~1年半。考えること、やるべきことが多くてうんざりするかと思ったが、本棚をこしらえるというある意味“家づくり”まで関係していることを考えると、なんだか楽しくなってきた。子供のパソコン、プログラミング教育がうまくいくか不安はあるにせよ、親も学ぶ過程を楽しみながら、子供と、これからの教育と付き合っていきたいもの。同じ年頃の子供をもつみなさんは、もう心の準備はできているだろうか。

WDLC(Windows Digital Lifestyle Consortium)では、お子様へのパソコン訴求を強化するための長期的活動を行っています。詳しくは「My First PC」をご覧ください。WDLCが推奨する Windows 10 PCの一覧もページ末尾に紹介しています。

Windows 10 PC で子供のパソコン教育を考え始めよう

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開催期間:2016年12月27日(火)~30日(金)
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イベント内容

・楽しもう Office でつくろう!「2017年度 カレンダー」
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