トピック

9万円切りのWindows 11ノートを試したら、4年前に30万円で買ったWindows 10ノートをしのぐ性能だった

~コスト重視でWindows 10 EOSでの買い換え候補を探している人にマウスのオススメ製品

マウスコンピューター「mouse A4-A5U01SR-B

 Windows 10のサポート終了(EOS)まであと3カ月ほどとなった。しかし、企業によっては予算の都合でまだ新機種に移行しきれていないところもあるだろう。基本的に企業が従業員向けのPCを選ぶ場合は、その性能や仕様が業務効率を改善できるかどうかという点を優先したい。しかし、EOSのような切羽詰まった状況では価格を最優先することもあるだろう。

 そういった中、従業員向けPCを選定する立場の人は、10万円以下のノートPCに対して、どういった印象を持っているだろうか?さすがに安すぎて、業務に支障が出る性能なのではと思っている人もいるかもしれない。しかし実際には、プラットフォームの進化に伴い、現在の10万円切りのノートPCは数年前のハイエンド製品に勝るとも劣らない性能が実現されているのだ。

 その一例として今回は、標準仕様で9万円切りを実現しているマウスコンピューターのノートPC「mouse A4-A5U01SR-B」を取り上げる。

9万円切りなのにこの性能、恐るべし!

 mouse A4-A5U01SR-Bは、14型ディスプレイ搭載の小型軽量ボディで、据え置きPCとしてのデスクワークからモバイル用途まで幅広い用途に対応できる、オールラウンド型モバイルPCだ。それでいて、コストパフォーマンスに優れる製品を数多くそろえるマウスコンピューターのノートPCの中でも特に価格が安い部類の製品となっている。

 一般的にモバイルPCは、本体の小型軽量化や堅牢性を確保するため、どうしても開発コストがかかり高価となる場合が多い。しかし、mouse A4-A5U01SR-Bの販売価格は、搭載メモリ容量が16GBで8万7,800円と、モバイルPCとしては破格の安さを実現している。

 しかも、安いからといって性能が大きく落とされているわけではない。プロセッサにAMDのRyzen 5 7430Uを採用することで、Webアクセスやメール送受信、Officeアプリの利用、ストリーミング動画視聴、カジュアルゲームのプレイなど、日常的なホームユースから学生、ビジネスマンのメインマシンとして全く不満のない性能を発揮できる。

 というわけで、まずその性能をベンチマークテストでチェックしていきたいと思う。比較として今回、筆者が4年前に購入したモバイルPCを用意した。こちらは、購入当時ほぼハイエンドに位置していたモバイルPCだ。搭載プロセッサがCore i7-1165G7、メモリ32GB、ストレージ1TBと、メモリやストレージも盛り盛りの構成で、購入価格は31万6,472円だった。OSはWindows 10だ。

 このPCは、4年前に購入したとはいえ、今年(2025年)頭まで筆者のメインマシンとして利用してきたもので、現在でも全く不満なく利用できる性能を備えている。

 4年前でも当時のハイエンドモバイルPCなのだから、まだまだmouse A4-A5U01SR-Bに性能で負けることはないだろう。そう考えていたものの、ベンチマークテストによって、現実を突きつけられることとなった。

 まず始めに、PCの総合的な性能を計測する「PCMark 10」の結果だ。以下がその結果だが、筆者のモバイルPCでは総合スコアが4,540だったのに対し、mouse A4-A5U01SR-Bは5,873と、約1.3倍のスコアが出た。総合スコア以外の細かなテスト結果を見ても、ほぼすべての項目でmouse A4-A5U01SR-Bのスコアが上回り、中には2倍以上のスコアとなっている部分もある。

PCMark 10mouse A4-A5U01SR-B筆者の旧世代モバイルPC
PCMark 10 Score5,8374,540
Essentials10,0149,134
App Start-up Score13,40411,633
Video Conferencing Score8,3987,649
Web Browsing Score8,9238,591
Productivity9,2525,808
Spreadsheets Score12,0675,479
Writing Score7,0946,158
Digital Content Creation5,8274,784
Photo Editing Score8,6968,478
Rendering and Visualization Score5,5522,946
Video Editing Score4,0984,385

 次に、PCMark 10に用意されている「PCMark 10 Applications」だ。こちらは実際のOfficeアプリに含まれるWord、Excel、PowerPointと、WebブラウザのEdgeを利用し、それら利用時のパフォーマンスを計測するテストだ。こちらの結果も、mouse A4-A5U01SR-Bが全項目で上回っている。スコア的には大きな差ではないものの、4年前のハイエンドモバイルPCよりも快適にOfficeやEdgeを利用できると考えていい。

PCMark 10 Applicationsmouse A4-A5U01SR-B筆者の旧世代モバイルPC
PCMark 10 Applications Score11,90610,797
Word7,2756,216
Excel18,26215,794
PoserPoint11,28311,170
Edge13,47012,393

 CPUの純粋な処理能力を計測する「CINEBENCH R23」では、より厳しい結果が突きつけられた。こちらもPCMark 10の結果同様、マルチスレッド処理、シングルスレッド処理のいずれの結果もmouse A4-A5U01SR-Bが上回った。マルチスレッド処理では実に2倍以上のスコア差となっている。

 これは、搭載プロセッサのRyzen 5 7430Uは、CPUコアの処理能力が優れるのに加え、6コア12スレッドというコアの多さが如実に結果に反映されている形だ。

CINEBENCH R23.200mouse A4-A5U01SR-B筆者の旧世代モバイルPC
CPU8,1223,803
CPU (Single Core)1,3951,209

 このPCをゲーム目的で買う人はいないと思われるが、参考までに3D描画能力を計測する「3DMark」の結果では、DirectX 11ベースのやや高負荷なテスト「Fire Strike」と、DirectX 12ベースのやや高負荷なテスト「Time Spy」では筆者のモバイルPCの方がスコアが上回った。しかし、DirectX 12ベースの比較的低負荷なテスト「Night Raid」ではmouse A4-A5U01SR-Bの方が高スコアだった。

3DMark Professional Editionmouse A4-A5U01SR-B筆者の旧世代モバイルPC
Night Raid14,32512,797
Fire Strike3,4944,354
Time Spy1,3391,541

 以上の結果からも分かるように、mouse A4-A5U01SR-Bの性能は、4年前のフラグシップモバイルPCをしのいでいる。31万円オーバーで買った当時ハイエンドのモバイルPCが、4年後に9万円を切る安価な製品に性能で大きく負けるとは、筆者にとってはかなりショックだ。とはいえ、これが現実だ。

 ベンチマークテストだけでなく、実際にOfficeの各アプリやブラウザを使ったり、ストリーミング動画の視聴を行なってみたが、動作に全く不満を感じることなく利用できた。

Wi-Fi 6Eや豊富なポートの用意、充実した保証も魅力

 魅力はそれだけではない。性能以外のスペックでもモバイルPCとしてかなり充実したものとなっている。

 今回試用したmouse A4-A5U01SR-B試用機の主な仕様は、以下の表にまとめた通りだ。冒頭でも紹介しているように、プロセッサはAMDのRyzen 5 7430Uで、メモリは16GB、内蔵ストレージは容量256GBのNVMe SSDを採用。このうち、メモリは最大32GB、内蔵ストレージは容量500GBまたは1TBにカスタマイズ可能なので、予算の範囲内で強化するのもいいだろう。

【表】mouse A4-A5U01SR-Bの主な仕様
プロセッサAMD Ryzen 5 7430Uプロセッサ(6コア12スレッド/ブースト時最大4.3GHz)
メモリ16GB(8GB×2デュアルチャネル)
内蔵ストレージ256GB NVMe SSD
ディスプレイ14型液晶、1,920×1,080ドット、非光沢
無線LANWi-Fi 6E
BluetoothBluetooth 5
キーボード日本語、キーピッチ約19.1mm
カメラ200万画素 Webカメラ 、プライバシーシャッター搭載
インターフェイスUSB 3.2 Gen 2 Type-C(DP Alt、USB PD対応)、USB 3.2 Gen 1 2基、HDMI、Gigabit Ethernet、microSDカードスロット、3.5mmオーディオジャック
OSWindows 11 Home
サイズ/重量325×218×21.8mm/約1.34kg

 無線機能は、Wi-Fi 6E準拠無線LANとBluetooth 5を標準搭載。無線LANは最新のWi-Fi 7対応ではないが、6GHz帯域が利用できるWi-Fi 6Eを採用している点は心強い。

 ディスプレイ上部には200万画素のWebカメラを搭載しており、Web会議への対応も問題なし。カメラを物理的に覆うプライバシーシャッターを搭載しているので、シャッターを閉じることでプライバシーを保てる点はありがたい。

 側面ポート類は、左側面にGigabit Ethernet、microSDカードスロット、USB 3.2 Gen 1 、3.5mmオーディオジャックを、右側面にUSB 3.2 Gen 2 Type-C、USB 3.2 Gen 1、HDMI、電源ポートと、豊富に用意。同時に、USB Type-CはDP AltおよびUSB PD対応で、利便性や拡張性は充実している。

 そして、標準で24時間365日無償電話サポートと、3年間無償保証が標準で付帯する点も見逃せない。通常、ノートPCの保証は、大手メーカー製の製品でも1年保証が標準だ。この充実した保証が付帯することで、長期間安心して利用できるはずだ。

ディスプレイ上部には200万画素のWebカメラを標準搭載
Webカメラには、カメラを物理的に覆うプライバシーシャッターを搭載しているので安心だ
左側面には、Gigabit Ethernet、microSDカードスロット、USB 3.2 Gen 1、3.5mmオーディオジャックを配置
有線LANが標準で用意されるのは、このクラスのモバイルPCとしては珍しく、ありがたい
右側面にはUSB 3.2 Gen 2 Type-C、USB 3.2 Gen 1、HDMI、電源ポートを配置
標準付属のACアダプタは丸形コネクタを利用するが、USB Type-CはUSB PD対応で、オプション品や汎用の小型USB PD対応ACアダプタでも給電でき便利だ

モバイルPCとして求められる仕様も申し分なし

14型ディスプレイ搭載で、左右ベゼル幅が狭められており、サイズは十分コンパクト
重量も1.34kgと軽く、カバンに入れて軽快に持ち歩ける
MIL-STD-810H準拠の8種類のテストをクリアする優れた堅牢性が備わっているので、安心して持ち運べる

 本体サイズは325×218×21.8mm。14型ディスプレイのモバイルPCとして標準的なサイズで、カバンにも余裕で収納できる。重量は約1.34kg。より高価な14型モバイルPCでは1kgを切る軽さの製品もあるが、1.34kgでも十分持ち運びできる軽さだ。

 モバイルPCとして重要な要素である堅牢性についても抜かりがない。mouse A4-A5U01SR-Bでは、米国国防総省調達基準「MIL-STD-810H」に準拠した衝撃、低圧(高度)、高温、低音、温度変化、湿度、振動、船舶振動という8種類の堅牢性テストをクリアしている。

 前述の通り、モバイルPCの軽さと堅牢性を両立するには、多大なコストがかかるのが通常。そこでmouse A4-A5U01SR-Bでは、軽さは極限まで追い求めず、必要十分な軽さの中で高い堅牢性を実現することで、コストを抑えているわけだ。

 軽さと堅牢性のどちらか一方が欠けただけでモバイルPCの魅力は大きく失われるが、mouse A4-A5U01SR-Bはそこをちょうどいいバランスで実現することで、日々安心軽快に持ち運べるモバイルPCに仕上がっていると言える。

シンプルで飽きのこないデザインも魅力

14型ディスプレイは視認性に優れ、キーボードも十分扱いやすい

 ディスプレイは、1,920×1,080ドット(フルHD)表示対応の14型液晶を搭載。パネルの種類は非公開だが、視野角は十分に広く、視点を大きく移動しても明るさや色合いの変化は少ない。また、14型ディスプレイということで、表示される文字の視認性も十分で、作業効率を高めてくれる。表面が非光沢処理で、天井の明かりなどが映り込んで見づらくなるといったことがない点も、快適な作業環境が得られるという意味でうれしい部分だ。

 発色性能は標準的で、写真や動画も十分鮮やかに表示される。写真の編集作業はもちろん、動画コンテンツを視聴する場合でも、不満を感じることはない。

 そして、ディスプレイが180度開く点も、地味ながらうれしい特徴だ。ディスプレイが180度まで開かないノートPCでは、ディスプレイを無理に開こうとしてヒンジが破損するというトラブルが多いという。mouse A4-A5U01SR-Bでは、ディスプレイが180度まで開くため、そういったトラブルとは無縁で、安心して利用できる。同時に、複数人でディスプレイを上から見るといった場面でも、この仕様が大いに活躍するだろう。

14型フルHDディスプレイは、広視野角で発色も申し分ない。非光沢処理で外光の映り込みが気にならない点もうれしい
ディスプレイは180度水平まで開くため、無理やりディスプレイを開いてヒンジが破損する心配がない

 キーボードは、アイソレーションタイプの日本語キーボードを採用。主要キーのキーピッチは約19.1mmフルピッチを確保。1.2mmほどとストロークの深さも標準的で、タイピング時のクリック感もしっかりしており、確実にタイピングできるという印象。配列も標準的で、タッチタイプも容易だ。

 ポインティングデバイスのタッチパッドは、パームレスト部の上下ギリギリまで届く大きさで、ジェスチャー操作も含めて非常に扱いやすい。

 PCを操作するうえでキーボードとタッチパッドの仕様はとても重要だが、安価なPCではコストダウンの影響が出やすい部分でもある。しかしmouse A4-A5U01SR-Bを実際に使ってみると、キーボードやタッチパッドからもしっかり利便性を確保しようとしている姿勢が感じ取れる。これも、mouse A4-A5U01SR-Bの魅力の1つと言える。

アイソレーションタイプの日本語キーボードは、標準的な配列で主要キーはフルピッチを確保。タッチタイプも軽快だ
大型のカーソルキーとCopilotキーの存在も、操作性を高めてくれる
大型のタッチパッド搭載で、ジェスチャー操作も軽快だ

安いからと侮るなかれ。上位製品を脅かす魅力を備えた製品だ

 ここまで見てきたように、mouse A4-A5U01SR-Bは、4年前のハイエンドモバイルPCを凌駕する性能を備えているだけでなく、細かな部分まで仕様が充実していることが分かってもらえたと思う。実際に使ってみても、アプリは軽快に動作し、操作性も申し分ない。OfficeアプリやWebブラウザ、動画視聴などが中心の、いわゆるメインストリームPCがターゲットとする用途であれば、不満を感じる場面は少ないはずだ。

 そしてなにより、この製品が、9万円を切る8万7,800円で購入できるというのは、驚きでしかない。モバイルPCとして、コストパフォーマンスでは現状トップクラスと言ってよく、上位製品を脅かす魅力も十分に備えていると感じる。

 マウスコンピューターでは、mouse、G TUNE、DAIV製品について8月7日までPC下取りキャンペーンを実施していることもあり、10月のWindows 10サポート終了を見据えたPCの買い換えを考えている人や、コストパフォーマンスに優れるモバイルPCを探している人、Officeアプリが申し分なく快適に利用できて低価格なPCが今すぐ必要という人など、幅広くおすすめしたい。